古川耕 OKB総選挙2017 激動のボールペン業界事情を語る

古川耕 OKB総選挙2017 激動のボールペン業界事情を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

古川耕さんがTBSラジオ『タマフル』の中で投票受付中のお気に入りボールペン総選挙(OKB総選挙)についてトーク。巨大資本の参入により大激震の2017年ボールペン業界について話していました。

(宇多丸)はい。ということでこのオープニングトークという場はたしかに自由にいろんなことが話せる場というのはありますけど。で、たとえば僕が友人・知人とかで……友人・知人じゃなくてもいいですけど。「これは告知したい」というようなことがあればここで話すというのはしばしばあることですけども。今日もね、古川さん。なにか、お知らせごとがここであるということで?

(古川耕)ございます。

(宇多丸)だいたいオープニングトーク、全体で15分から20分というところじゃないですか。古川さんの告知はどんぐらいかかるんですか?

(古川耕)最低8分。

(宇多丸)長っ! 図々しい!

(古川耕)フハハッ!

(宇多丸)結果として僕の側の必要な告知が十分に自分の番組でできないことがほぼほぼということが多い! 『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル!』

(中略)

(宇多丸)12月9日(土)、TBSラジオ第六スタジオから生放送でお送りしております『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』、通称『タマフル』。パーソナリティーの宇多丸でございます。私、本業のライムスターは現在ツアー中で、あちこち回ってまーす。以上。詳しくは公式ホームページを見てください。まあまあ、たとえば明日ね、千葉LOOKでやるけど、それはソールドアウトしていますから。別にいいんですよ。ただその、「宇多丸は大丈夫だろ?」みたいな。

「お前はもういいだろ?」みたいなさ。そういう風に思って、どんどん俺にいろんなことをたのんだり、どんどん俺の肩にいろんなものが背負わされていく。こういうことがある気がするんですよね。この番組でも、だいたいライムスターの告知はいちばん後回しになるわけですから。ねえ。ということで、なんなら古川さん、告知たっぷりいるっていうなら、古川さんの告知からしましょうよ。だって時間読みができねえんだもん。そんな8分も取るなんて、知らなかったもん。

(古川耕)要素が多いものですから。

(宇多丸)要素が多いんですか?

(古川耕)間引いて間引いて8分です。

(宇多丸)だって、なんの告知をするかはなんとなく知ってますから。こんなもん、一言でいいと思うんですよ。

(古川耕)何がですか?

(宇多丸)あなたの告知ですよ。いいですか? 「今年もOKB総選挙やります。詳しくはWEBで」。以上じゃないですか。これ。

(古川耕)暮れの元気なご挨拶ということで、いよいよこの季節になってまいりました。第7回OKB総選挙開催でございます。

(宇多丸)いやいや、前口上はいいから。わかっているから。それよりも「OKBとは何ぞや?」みたいな説明は?

(古川耕)「お気に入りボールペン」。略して「OKB」。その日本一を決める投票イベント、OKB48総選挙が現在、もう開幕しております。で、僭越ながら今年のボールペンの状況をみなさんに知っていただくべく、これからご説明したいと思いますので。

(宇多丸)待って待って。これって講義が始まるの?

(古川耕)BGMをよろしくお願いします。

(宇多丸)えっ? ちょ、ちょっ……『HiGH&LOW』ですか!? 「Higher♪」ですか?

(古川耕)かつて、ジェットストリームという伝説のボールペンがこの一帯を支配していた。その圧倒的な勢力により、かえってその一帯は統率が取れていた。

(宇多丸)アハハハハッ! 「かえって」使い、来た!

ジェットストリームの圧倒的勢力でかえって統率が取れていた

(古川耕)だが、そんなジェットストリームの支配に唯一屈することなく、たったひとつのボールで互角に渡り合った兄弟がいた。サラサ兄弟!

(宇多丸)たったひとつのボール!? フハハハハッ! 雨宮兄弟?

(古川耕)ジェットストリームと、その後を追うサラサ。その地区はいまや5つのグループに分かれて統治されていた。ジェットストリーム擁する三菱鉛筆連合!

(宇多丸)フハハハハッ!

(古川耕)フリクションやVコーンといった実力派揃いのパイロットボーイズ! 影の実力者エナージェルを看板に据えた、ぺんてる一家!

(宇多丸)おおっ、「ぺんてる通せや!」。

(古川耕)学生に人気のサラサをエースにしたゼブラ高校! その他、国産メーカーの連合、エトセトララスカルズ!

(宇多丸)ホワイトラスカルズ、かわいそうだよ!

(古川耕)海外メーカーが集まった、ワールドウォーリアーズ!

(宇多丸)ああ、やっぱりマイティウォーリアーズはね、たしかに。

(古川耕)その地区は、各チームの頭文字を取り、こう呼ばれていた。むぺぺ……。

(宇多丸)フハハハハッ!

(古川耕)むぺぺじゅいー地区!(笑)。

(宇多丸)笑って読めてねえじゃねかよ!(笑)。

(古川耕)「MPPZEW」。

(宇多丸)もっと頭文字を整理してから言えよ!

(古川耕)「むぺぺじゅいー地区」(笑)。

(宇多丸)フハハハハッ! むぺぺ……(笑)。

MPPZEW地区

(古川耕)そんな、むぺぺじゅいー地区に金の匂いを嗅ぎつけた巨大組織が介入してきた。その名は、コクヨグループ!

(宇多丸)えっ、いいんですか? そんな名前出して?

(古川耕)むぺぺじゅいー地区のメンバーとコクヨグループ、その激しい戦いがいま、始まる!

(宇多丸)フハハハハッ! 頭に入ってきたような、来ないような……(笑)。

(古川耕)ん、なんですか?

(宇多丸)この説明、いらないじゃないですか! 別に!

(古川耕)だから時間がかかるって言ったじゃないですか。

(宇多丸)わかるよ! そりゃあジェットストリームが一強ね。で、MUGENが支配していましたよ。で、かえって事態は安定していた。これはわかりますけども。で、いろんなぺんてるグループだ何だってあったけど、コクヨグループの参入ってこれ、なんなの?

(古川耕)コクヨというメーカー、ありますね。事務用品のメーカーがありまして。ここがはじめて、本格的にちゃんとしたボールペンを出してきたというのが非常に大きなトピックなんですね。

(宇多丸)ああーっ! コクヨってノートとか。

(古川耕)ノートとか事務機器とか。まあ、ものすごくいろんなものを出しているんですが、いままでボールペンをあまり本格的にやったことはなかったんです。

(宇多丸)やったことはあった?

(古川耕)単発的にはあったんですけど、ちゃんとこれをパーマネントな商品として出すぞというのは、いままでほとんどやったことがなかったのを、今回ちゃんと出してきたんですね。

(宇多丸)へー! それは大物参入ということで?

(古川耕)大物参入です。しかも、それがすごくて。

(宇多丸)やべー、俺、乗っかっちゃってる。

(古川耕)商品名が「エラベルノ」という商品なんですけども。なにがエラベルノなのかというと、1本の単体の製品というよりも、まず軸が3種類、一気に出ました。おなじ型の軸なんですけど、太さがそれぞれ違う軸。

(宇多丸)ああ、細いの、太いの、中くらいの。これはね、ハンドガン業界もいまはグリップの太さが付け替えられるのが主流になっていますから。それがデフォになってますからね。

(古川耕)カスタマイズできるやつですかね。で、なおかつそこにボールペンの中身、リフィル。芯というやつですね。これも2種類、出しています。それが油性ボールペンタイプとゲルインクタイプという、まったく違うものを2種類用意して、なおかつそれも太さが2種類あったりします。ということで、最初からもう自分好みのボールペンに組み合わせて使ってくださいっていうのをやってきたと。なおかつ、特徴的なのは、とはいえ見た目がすごく変わったボールペンだとかいうことではないんですよ。

(宇多丸)そうだね。新たに参入するんだったら、なんかド派手はね。

(古川耕)たとえば有名なデザイナーさんにたのんで、ちょっと尖ったデザインにしようとかってことではなくて。

(宇多丸)よく言えば、余計なことはしていないですけども。

(古川耕)つまり、これは何を意味にしているかというと、もう完全にこれは普通のボールペンとしてみなさん、あるいは会社の方とか、買ってくださいよと。

(宇多丸)最初からスタンダード。

(古川耕)そういうことです。もう完全に大人の戦略ですね。

(宇多丸)なるほどね。さすが九龍グループ。

(古川耕)コクヨっていうのはめちゃくちゃデカい会社で、ぺんてるとかパイロットとか三菱鉛筆の名前を出しましたけど、それらが合わさったよりも大きいぐらいの会社なんですよ。

(宇多丸)ああ、そうなんだ。本当に九龍グループじゃん。……すいませんね、コクヨのみなさんね。九龍グループ呼ばわりしてね。

(古川耕)ということなんで、ここが本気でボールペンをやってきたというのは本当に大きな出来事で。

(宇多丸)つまり、「SWORDの消滅」ってやつですね。

(古川耕)そうですね。(岸谷五朗のモノマネで)「えらべるんだよぉ~!」っていう。

(宇多丸)アハハハハッ! ああ、なるほどね。岸谷五朗のセリフの感じで言うとね、「そっちのケンカとうちら(コクヨ)のケンカの仕方、どこが違うか教えてやろうか?……えらべるんだよぉ~!」って。

(古川耕)耳元で囁いているわけですね。

(宇多丸)で、いったん帰ろうとして、(コブラが)「なんだよ、逃げんのかよ?」って言ったらね、(岸谷五朗のモノマネで)「にげねえよぉ~!」。これね、この感じですね。

(古川耕)ありがとうございます(笑)。

(宇多丸)こんなの、長くなるよ! モノマネ入れてたら、長くなるよ!

(古川耕)「最低8分」ということでございますから。ということで、「ボールペンの祭りはタマフル通せや!」ということですね。

(宇多丸)ほう。でもそれはビッグニュースというか。業界大激震じゃないですか?

(古川耕)ええ。見た目がキャッチーだったり派手じゃない分、説明がないとスルーしがちなんですけども。そういうバックグラウンドを持った非常に大きなボールペンなんですけども。

コクヨ・エラベルノ

(宇多丸)ちなみにそのペンとしての実力はどうお考えですか?

(古川耕)これは尖ったところがない、普通に使いやすい。いま現行の最新ボールペンの使いやすさは余裕でキープしている。

(宇多丸)じゃあ、そうか。水準は高いけど、逆にどこか尖らせていないというか。やれ、滑りがなんとかだとか。

(古川耕)業界最高のなんとかです、みたいなことは一言も謳っていないけど、普通に使いやすいです。大人です。

(宇多丸)なるほど。怖いね、ちょっとね。そんな勝負の仕方って、ある? 凡庸であるという勝負?

(古川耕)怖っ!っていうね。

(宇多丸)なるほどね。面白いわ。

(古川耕)ということで、投票が現在できます。「OKB48」でインターネットで検索すると公式サイトが出てきますので、これで12月31日の23時59分までインターネット投票できます。

http://sugobun.com/

(古川耕)あと、全国各地で試し書きした上で投票できる握手会というものが各地で開催されているので。スケジュールをOKB48公式サイトでご確認ください。東京だと来週の日曜日、12月17日の午前11時から14時まで、下北沢のブックカフェB&Bでトークショーと握手会があります。私とブング・ジャムのみなさん、そしてスペシャルゲストに金田淳子さん。この人たちとトークショーをやった上で、そこで試し書きもできますし、順位速報も発表されますので。もしよかったらみなさん、いらっしゃいませ。

(宇多丸)なるほどね。ちょっといまのコクヨの話で、要は勝負の仕方として個体、単体の精度を上げるよりも、大量納品を狙うという……アメリカ軍に正式採用を最初から狙うみたいな。個のカスタムとして性能を上げるよりも、そっちみたいな。その恐ろしさを感じますね。

(古川耕)流通経路もコクヨさんは独自のものを持っていたはずなので。全然、実は違うレベルの戦いを始めているっていうね。

(宇多丸)すいませんね。コクヨの方ね、すいませんね。

(古川耕)いや、そんぐらいすごい会社なんですよ。やる時は必勝の体制でやってくるという会社なんで。

(宇多丸)へー! でも、このコクヨが満を持してボールペン戦争に参入してきたというのはさ、これはある意味、OKBとか近年の盛り上がりを踏まえてという?

(古川耕)まあ、そういうことですね。

(宇多丸)ということは、OKBというか文房具ブームの火付け役とも言われる古川耕さん。これが一枚も二枚も……(笑)。

(古川耕)そうですね。一枚も二枚も。

(宇多丸)もう10分、11分ですけどね。

(古川耕)むぺぺじゅいー地区に金の匂いを嗅ぎつけたんでしょうね。

(宇多丸)呼び方は考えようか、ちょっと。アルファベットの並べ方とかもうちょっとあると思うんだけどね。

(古川耕)そうですね。これが精一杯でしたね。

(宇多丸)むぺぺ……(笑)。

(古川耕)むぺぺじゅいー地区。

(宇多丸)十一区?

(古川耕)むぺぺじゅいー。「ZEW」の発音を……。

(宇多丸)ああー。もういいや、はいはい。ということでぜひ、OKB総選挙。久々に地殻大変動が起こったということで。投票し甲斐があるのではないかということで、ぜひぜひ。公式ホームページも調べてみてください。

(古川耕)お願いします。

<書き起こしおわり>

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