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RINO・DJ YAS・YOU THE ROCK★『証言』レコーディングを振り返る

RINO・DJ YAS・YOU THE ROCK★『証言』レコーディングを振り返る dommune
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RINO LATINA IIさん、DJ YASさん、YOU THE ROCK★さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。『証言』制作の契機やレコーディングの際の模様について振り返っていました。

(二木信)ちょうど95年に西麻布イエローで『亜熱帯雨林』があるじゃないですか。その時とかに、すでにかなりの熱気にはなっていると思うんですけども。その前に、『BLACK MONDAY』があったりとか、いろいろな変遷があって。先ほど、始まる前にYASさんともしゃべっていたんですけども。どんどんお客さんとか、オーディエンスとかクラウドが徐々に徐々に、3年、4年、5年と経るごとに……そういう流れの、当時の印象的な変化というか、覚えていることってありますか?

(DJ YAS)結局振り返ると3年、4年の間だったけど、本当に回を追うごとに増えてきているなっていうのを実感したのは93年の『暗夜航路』ぐらいかな?

(RINO)そうだね。最初、「100人集まればいいね」なんて始めたパーティーから、だんだんだんだん、200、300、500……「じゃあ、会場を変えていこうか?」みたいな。ゴールドから今度はイエローに変えて。で、そっからチッタになっていったんだよね。もうちょっとその時に、したたかな。もっとグッズだったりアイテムとか作れる頭があればよかったかな? とも思うんだけども。当時はもうライブをしっかりやって、そこに客を呼ぶっていうことだけにすごいエネルギーを使っていたから。

(二木信)まだ22、3、4で。その周りで言うと、ECDさんはかなり上の世代になりますけども。D.Lさん、DEV LARGEさんがやっぱり自分たちの周りでは歳が上だった方なんですよね。

(DJ YAS)うん。『証言』……ブッダブランド、キングギドラも含めて言えば、年齢的にはそうなるのかな。あとはまあ、K DUB SHINEも……でも、もっと上にはNIPPSとかCQとかDJ MASTERKEYとかは上だと思うし。うん。けど、基本はRINO世代、うちら世代ぐらいが多かったかなっていう。

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『証言』制作の契機

(RINO)俺も結構フレンドリーに、いろんな人に歳関係なく突っ込んでいっちゃったタイプだから。あんまり考えなく、「かっこいいものをやれたらいいね」っていう話だけをいつも常にしていて。そしたらある時、『証言』のタイミングで。ちょっといろいろ、みんながフラストレーション溜まっていたんだよね。いろんな事件があったんだよ。なんかね。

(DJ YAS)あったね。

(二木信)いろんな説があるじゃないですか。最近も……

(RINO)そうなの。いや、全部本当なんですよ(笑)。それが全部がひとつになったのが『証言』なの。

(DJ YAS)うん。

(二木信)結構最近も、これはもう公開されている記事だったりするので言っても大丈夫だと思うんですけども。『SWITCH』の「みんなのラップ」特集号でECDさんとYOU THE ROCK★さんが対談をしていて。そこでも、あるひとつの説が出ていたりとかして。その「『証言』のきっかけとなったのは、こういう事件がありました」とか。で、いろんな説があるじゃないですか。で、僕もどこまで触れていい話なのかっていうのがわからないんですけども。それぞれ20年もたっていることなんで、いろんな認識があると思うんですけども。

(RINO)そうだね。一人ひとり違うかもしれない。

(二木信)そうですよね。あの曲の立ち上がる、あの曲に至る契機というか。なにがあの曲を生み出したんだと思いますか?

(DJ YAS)けど、きっかけは、いちばん最初は『下克上』のレコーディングが終わってから。すごく評価を得て、「もう1回、スタジオ入りなよ」ってスタジオに入ったの。

で、そこでRINOと2人で、「じゃあ、なにかやろうか?」って。その時はまだタイトルも何も決めていないんだよ。トラックも何も決めていないんだけど、いろいろトラックを流している時にあの『証言』のビートを流したタイミングでRINOが「これで行こう!」って言ったのがことの始まり。

(RINO)当時、CAVEでみんな、ライブが……もう毎週金曜日、土曜日はだいたい同じメンツでライブをひたすたしていて。もうライターもつかないような状態で。で、そのいつも通りの日に廊下ですれ違う順番に「『証言』っていう曲をやりたいんだけど。俺が一番目をやるから、その後に参加してくれないか?」って1人ずつ口説いたのはいまでも覚えているんだけど。それでみんなも「ああ、やろうよ!」っていう。「いまのこのシーンに対する不満をぶつけたいんだ!」っていうことをみんなに言って。

(DJ YAS)それは大きいっていうか、あったよね。

(二木信)じゃあやっぱり、いまのシーンに対する『MASS対CORE』じゃないですけど、そういうような、コアからマスに対する気持ちっていうものは、やっぱりコンセプトとして、RINOさんから参加するラッパーに伝えてはいたということなんですね?

(RINO)はい。

(DJ YAS)はい。ちょうどそういう風に、みんなそれぞれそれを思っていた時だったから。なんかすごく、それがひとつのエネルギーになったのかな?って俺は、後から振り返ると……

(RINO)なんかもう本当に底上げしたかったっていうか。もう自分たちは行ける準備はできているんだけど、まだステージが変わっていないっていうか。世界を、見る景色を変えよう! みたいな。自分たちが、たとえば5組呼ぶとこれぐらいの予算だよねっていう、その予算も何も、枠組みを1回変えちゃおう! みたいな、そういう時期が来ていたから。たぶん、いろいろと。肌で感じていて。その不相応な扱いにたぶん不満がすごく……もっと見たいっていうリスナーとか、ライブに来たいっていうヘッズが多い中で。(パーティーを)平日から週末まで持っていける革命がまず1回起こって、その後にまた、その次なのかな? わからないけど。

(DJ YAS)ちょっと関係はあるかわからないけど、やっぱり『MASS対CORE』っていう曲が俺の中ではすごく大きくあって。そういうマスに対する回答みたいな。だけど、視点は全然違うんだけど、『証言』もそういうものがくすぶっているっていうか、持っていったところ。やっぱりあの曲でみんな、吐き出しているなっていうのはすごく感じていたし。熱気も、さっき映像を見たけど、すごくやっぱり、そういう時期だったなっていうのをさっき思い返していたけど。

(二木信)しかも、この7インチ化に合わせて、YASさんが自宅からオープンリールが見つかったっていう……

(DJ YAS)もう前からあるのは知っていたんだけど、立ち上げる機会がなかったから。それを扱えるスタジオもあんまいまはないからね。寝かしていたまんまだったんだけど、どうしてもいろいろと用があって、それを立ち上げたい。なにが入っているんだろう?って。まあ、『証言』が入っているのはわかるんだけど、実際にそれを使えるスタジオを見つけて入ったら、ファーストテイク、セカンドテイクの没テイクだった時のマスターだったということで。

(RINO)たぶん俺、そっちの方がよかったりするんだよね(笑)。

(DJ YAS)(笑)。もうね、その時の映像もちょっと残っていて。さっき俺、ドキドキしちゃったんだけど。

(二木信)見てみます?

(DJ YAS)ちょっと見てみたいね。

(二木信)見ましょうか。実は、『証言』のレコーディング風景。みなさんのラップを本当に順番で撮られている映像がありまして。

(RINO)いやー、恥ずかしいね。なんかね。

(二木信)それが素晴らしい映像で。これをまず、ちょっと見てもらいましょうか。

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『証言』レコーディング風景

(一同)(拍手)

(二木信)という映像でした。実は、急遽いま現れていただいた、YOU THE ROCK★さんが着てくれました。

(YOU THE ROCK★)遅くなりました。よろしくお願いします。お世話になります。

(二木信)いまの、覚えてらっしゃいますか? まず、この日のレコーディングのことを。

(RINO)あの、できれば最後に歌いたかったなと思うぐらい。俺が最初に録ってから……『証言』は順番通りには当日録っていなかったんだけど。もう、次のアーティスト、次のアーティストって入るたびにそのボーカルブースの温度がどんどん上がっていって。で、いまみたいに器用にひとつのマイクで次々みんながガヤをかぶせたりとかじゃく、ガヤの場合はひとつのマイクでみんな集まって録るから。その熱がどんどん上がっていった。上昇気流がどんどん。

(YOU THE ROCK★)人が入れれば……だからRINOがいちばん最初にやると、その次にやるやつがまたメートルが上がって、さらに上がっていくから。すごいクオリティーっていうか、もっと上がっていくんだよね。ケミストリーが行われて。刺激が響き合っちゃうっていうか。だから、いちばん後ろの人たちとか、かわいそうだよね。だからコンちゃん(DEV LARGE)とかすっごい直すんだよね。みんなのバースを聞いて、自分が負けたくないからどんどんブラッシュアップしていくっていうか。まあ、職人気質な人だから。俺なんか、証言2(番目)なのに6番目に録っているからね。その歌詞が、ヨシピー(GAMA)が言っていることだよね。「4、5、6でなきゃ それじゃ泣いちゃう」って。

(RINO)あれは自分がレコーディング中に「時間がない! 書けないぞ、このままじゃ!」みたいに追い込んでいたっていう……

(YOU THE ROCK★)あいつ、こんなんなっててさ(笑)。俺もあれ、いまの(レコーディング)映像は見れてないけども。フロウ、固まってなかったでしょ? 「テメー」のところとか、もうちょっと長いんだよね。なんかね。

(DJ YAS)いや、そんな大きくは変わってないけどね。

(YOU THE ROCK★)本当?

(DJ YAS)見ておけばよかったね。

(YOU THE ROCK★)見ておけばよかったけど。ちょっと渋谷で用事があったんで。急いで来ました。

(二木信)YASさんの記憶によると全部で4回だったっていうことを……

(DJ YAS)あのね、4回目っていうのはCD用のテイクを、RINOが入ったのが4回目だったなっていう。だから、全員で入ったのは3回だったと思うけどね。8月、10月、12月っていう。毎回、場所が変わって。そういう感じ。

(二木信)それに、もうYASさんは全てラッパーのみんなの録りにもかならず?

(DJ YAS)もちろん。みんな全員いたんで。誰かがこれないっていうのが1人、1ヶ所であった……10月はね、1人来てなかったりとかしてたんだけど。8月、12月は全員揃っていたかな。

(二木信)この『証言』っていう曲はどういうフラストレーションだったりとか、なにに対してのメッセージなんだろうか?っていう話をさっき、少ししていたんですけど。それこそ、YOU THE ROCK★さんが『SWITCH』の「みんなのラップ」特集でECDさんと話されていることがあったりとか。まあ、たぶんそれぞれ歴史認識は違うと思うんですけど。YOU THE ROCK★さんが考えるあの曲のこの熱量の発端というか……なにが起爆剤になったといま、考えますか?

(YOU THE ROCK★)この件に関しては、日本語ラップはとにかく掘り下げることがすごく好きじゃん? その、『さんぴんCAMP』のTWIGYの問題とか、いろんなのとか。俺、そういうの全然興味がなくて。で、『証言』の誰々がどうなって、どうしてああいうことになったか?っていうのなんて、俺は原因とも全然思っていなくて。ただ、俺たちのラップの力っていうのをここでやっと出せるんだ! みたいな。たしかに、敵なる、仮想的じゃない敵もいたんだけど……やっと俺らで力を見せられる!っていう、なんかダムが決壊した瞬間っていうか。

(RINO)そうだね。

(YOU THE ROCK★)俺はそう思ってるんだよ。YASがそれを感じ取ってパッケージングしたっていうか。だから、さっきのスタジオの録音の話があるけど、いままではずっと遊び友達だったり、幼馴染だからヒップホップが好きだっていう感じで付き合っているんだけど、YASの背中を見ながらレコーディングをして。「YASが本当に仕事している。なにをやろうとしているんだろう?」っていうところがあのレコーディングではすごく印象に残っていて。ひたすら卓の前でずーっと仕事しているYASがいて。俺たちは録りが終わったら遊んでいて。「パト! そこ、灰皿じゃねえぞ! 絨毯だぞ!」みたいに言ったのを覚えているの。「やっとここに入れたんだぞ!」みたいになって。

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気が抜けないレコーディング

(DJ YAS)けど、やっぱり7人ラッパーがいるでしょう? みんな本気になるの。レコーディングの時は。それが順番もずっと続くから。こっちは気を抜けないみたいな状態ではいたかもしれない。

(YOU THE ROCK★)集中してたね。

(RINO)当時、グループとグループを超えるとそれなりにやっぱり緊張っていうのが……たぶんね、仲はいいんだけど……みたいな。

(DJ YAS)俺から見たら、すごいいいライバル関係だったんじゃないの?

(YOU THE ROCK★)バッチバチでしょう。あの日だって(笑)。

(二木信)バッチバチですか? やっぱり。

(YOU THE ROCK★)バッチバチだよね。ボーカルブースで録音しているやつをずっとみんなで虎視眈々と見ているっていう。それを見ていて、自分も上がっちゃうっていうか。

(DJ YAS)あの流れは『BLACK MONDAY』の延長線だよね。

(YOU THE ROCK★)で、もっと言うとPro Toolsがない時代だから、そのおかげでああいう作品ができたっていうか。Pro Toolsがあったらもうポテトチップスみたいに薄くなっていたと思うから。『BLACK MONDAY』もみんなで列になって、一人ひとりバースを……録ったらこうやって、録ったらこうやってって、やっていったよね。

(DJ YAS)ユウちゃんのアルバムのね。

(YOU THE ROCK★)マイクを吊るしてさ。

(RINO)そうだね。そういうのが色々あったからね。

(YOU THE ROCK★)手作りだったね。

(DJ YAS)たしかにPro Toolsがなかったっていうのは逆に大きかったかもしれない。だって、テープもったいないし……みたいな。

(YOU THE ROCK★)録り直しできないし。

(RINO)無駄が多いけどね。でも、その分こういうものができたのかな?っていうね。

(DJ YAS)さっき言ったようにオープンリールだから。あんなデカいものが、マスターテープ何万円もするもの。10何分しか録れないものだし。もう、だからそういうこともすごく心配材料にはあったから。

(YOU THE ROCK★)だから切り直しとか録り直しができない分、すごく待っているんだよね。二郎のラーメンに並んでいる人たちみたいに。「早く食えよ!」みたいな。「早く録れよ!」みたいな。そこで、ヨシピーとかがトチっちゃうともうそれが伝染するのさ。自分にも影響が来るのさ。噛み噛みになっちゃったりして。ああいう難しさって、あったよね。当時ね。

(二木信)曲が最後にできあがって、みんなのバースが完璧な最終バージョンとなって世に出ていくわけじゃないですか。96年に。その時に、これほどまでのクラシックになるっていうか……手応えはあったと思うんですけどどういう……反響にはやっぱり驚きでしたか? 『証言』に対するリスナーとかヘッズとかからの反応っていうものは。

(DJ YAS)ライブはね、もう95年からやっていたの。で、回を重ねるごとに。ユウちゃんの番組とかでもかかったりしているたびに反響がすごくあった曲で。当時から。それは直に聞こえる声でそういう声は聞こえていたんだけど。まあ本当に、20年たったいま、またこうやって(アナログを)出せるっていうのはありがたい話だなって思うけども。

(YOU THE ROCK★)いや、すごいよ(笑)。この番組自体がすごいと思っているし、この話し合いがすごいよね。20年たったんだよね。RINOね。21年でしょう? 少年だったけど、いま俺ら中年だからね。もう、本当に。すごい曲だよね。だからね。自分たちでも、ここまでになるとは思わなかったっていうか。自信はあったよ。

(DJ YAS)ああ、それはあった。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/40474

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