荏開津広さんがDOMMUNE『LAMP EYE「証言」20周年記念番組 20年目の「証言」』に出演。LAMP EYEや雷との出会いや、『証言』PV撮影現場の模様などを話していました。
(二木信)荏開津さんは当時、そういうライブの現場とか、雷とかLAMP EYEのライブは生で、もちろん?
(荏開津広)そうですね。見てますね。
(二木信)見ていたんですね。どういう印象というか……当時は?
(荏開津広)最初はたぶん、LAMP EYEの3人のことはたぶん、その時僕、クラッシュ・ポッセ(KRUSH POSSE)。あと、ムロ(MURO)さんたちとDJやったりしていたから。ダンスをやっていて、ラップをやっている人たちがいるんだ。それがすごいかっこいいから……って。で、ドゥルーピーやって。ドゥルーピーは、だけどあれ、DJクラッシュ(DJ KRUSH)さんの流れなんですよね。
(DJ YAS)そうですね。僕が聞くきっかけになったのもそうだし。RINOくんはきっかけが違うけど、まあ近かったから。毎週のように、週何回か遊びに来ていて。
(荏開津広)DJクラッシュさんが最初、レギュラーでやっていて。で、そういう箱として僕、知っていたんだけど。そこにダンサーの人たちが集まって、シーンがもうできているっていう話を聞いていたんですけど。ちょっと聞きたいんですけど。逆に、そのドゥルーピーで集まった仲間と雷っていうか他のメンバーはどうやって出会っているの?
(YOU THE ROCK★)いやいやいや、エガジーにそれを聞かれたら……いちばん知ってる場所なのにね(笑)。
(DJ YAS)俺から言っていい? それ。本当にRINOと六本木で出会って。で、ヨシピーとも出会ってっていう。そこは六本木スタートなんだけど。やっぱりもう、そこの時点でムロさんとか、要は『ピースボウル』っていうパーティーがあったんですよ。
(RINO)その延長で『SLAM DUNK』があって。下北だよね。
(荏開津広)あ、『SLAM DUNK』か。
(RINO)だから下北のZOO? スリッツ?
(YOU THE ROCK★)ZOO。
(荏開津広)僕、いたね。
(RINO)そこで俺、ユウちゃんに話しかけられて。
(DJ YAS)俺がRINOに声をかけられたのは、たぶんドゥルーピーでさ、『ピースボウル』をやって、クラッシュ・ポッセの中でマイクロフォン・ペイジャー(MICROPHONE PAGER)をやるみたいな。まだマイクロフォン・ペイジャーって名乗る前なんだけど。
(YOU THE ROCK★)そう。クラッシュ・ポッセだよね。
(DJ YAS)そういう時期があって。TWIGYが東京出てきたばっか、みたいな。で、RINOはその現場を見ていて。で、マサオとかもそこにいてっていうところを見てね。で、下北沢とかそういうところで会場を移すたびに、ラッパー志望の人たちはそこを動くんだけどさ。
(RINO)で、地元の先輩でG.K.MARYANが俺はいて。で、さっき言っていたマサオくんの所属していたダンスチームのナッツボーイズの山ちゃんっていう……いまはGROW AROUNDっていう洋服屋さんを渋谷でやっているんだけど。で、その山ちゃんがバイトしている五反田のカラオケ。メロディーワン。そこに俺が通うようになって、そこでMARYANが「もう最近、渋谷は嫌だから。ムロくんのライブとか、今度一緒に行こうよ」ってなって。そういう流れだよね。で、「行きましょう」と。
(DJ YAS)で、徐々に集まっていって、『BLACK MONDAY』をユウちゃんが仕切りだした
んだよ。
(YOU THE ROCK★)そう。でもいちばんはZOO。ZOOで会って。RINOも会って。「RINOです」っていうから、「ユウです!」って挨拶して。「なんだ、このおっさんは?」ってRINOが思ったぐらい当時から老けていたっていう(笑)。
(RINO)違う。いまのが若い。
(一同)(笑)
(YOU THE ROCK★)いやいやいや……その当時でそういう風に思ったから、「雷オヤジ」っていう名前になったんだよね。
(DJ YAS)そういう流れです。
(YOU THE ROCK★)そうなんですよ。実は、スリッツなんですよ。ムロくん流れっていうか。いちばん後輩だったもんな。
(DJ YAS)そう。ムロさんっていうのはすごい大きいキーワードだから。存在です。
(YOU THE ROCK★)ムロくん、TWIGYっていうのが俺たちの中ではすごいデカいんで。力に引っ張られたとしか思えないし。でも、ムロくんにもなれないし。TWIGYにもなれないし。RINOにもなれないし。やっぱり自分の技を磨くしかないと思ったし。うん。
(荏開津広)あとダンサーでラップをやっていてっていうのは僕、その時からすっごい印象に残っていて。で、さっき「ダンスのシーンがすごく大きかった」って言っていたでしょ? で、実際に大きいんだけど、そのシーンが全部が全部……僕、踊る人たちの友達も多いんですけど、全部が全部のシーンが共感できる感じでもないの。「もっとヒップホップを聞きたいよ!」みたいな感じになる場面もあって。で、その雷のイベントにランページとか出ているけど、もう全然かっこいいの。超かっこよくて、こういうのだったら全然……ダンスとラップが一緒にやっていて。なんか途切れない感じで、それがすっごいかっこよかった。
(YOU THE ROCK★)俺たちがすっごいこだわったところは、ダンサーは後ろのダンサーじゃないっていうか。ダンスもラッパーも一緒なんだ!っていう意識でライブをやっていたよね?
(RINO)たまには俺、逆に後ろで。前にダンサーっていうのとかもよくやっていたし。
(YOU THE ROCK★)そうそうそう。
(DJ YAS)ランページとはね、意思疎通できていたしね。
(YOU THE ROCK★)できてたね。身体でラップしていた感じ、するよね。
(DJ YAS)プライベートからやっぱり遊んでいたりしたから。ステージ上であたふたしないっていうか。
(YOU THE ROCK★)一緒だよね。うん。
(荏開津広)で、そん時はもう、ゴールドなりイエローなりとか、ほぼ僕毎回行っていると思うんですけど。行くと、入るともう、全然僕のメガネとかも曇っちゃうの。本当に満員で。すっごいびっくりした。だから、いままだこの話はあれかもしれないけど。たとえば中尊寺ゆつこさんっていう亡くなった漫画家の人とかは、最初僕、全然別のところで僕のイケメンの友達と合コンじゃないけど飲んだりしてたら、あの人はアメリカに住んでいたから「ラップが聞きたいから」とかって言って。「じゃあ、行きましょう」とか言って連れてってあげたらもう、「これしかない!」みたいになったんだよね。たしかゴールドに連れて行った……
(YOU THE ROCK★)来たね。うん。そん時俺、初めてあって。
(荏開津広)紹介したんだと思うね。そう。ユウちゃんとかみんなに会ったんだと思うんだよね。
(二木信)しかも荏開津さん、『証言』のPV撮影も手伝っているという?
『証言』PV撮影
(荏開津広)そうですね。それは手伝ったというか……
(二木信)実際にカメラを持ったりとか?
(荏開津広)カメラを持ったっていうか、「アイデアを出してくれ」みたいな感じで。メインで撮ったのは、ベン・リストっていういまでも動画とかグラフィックデザインの仕事をやっている人がいるんですけど。それはYASさんから?
(DJ YAS)彼を連れてきたというか、紹介してくれたのは当時マネージメントをやっていたストリート・フレイバー……
(YOU THE ROCK★)ブルヤスか。
(DJ YAS)ブルヤス。ブルヤスなのかな? スズキミカちゃんだったのかな? ベン・リストとコンタクトを取って、そういうディレクターをミーティングしましょうってなったのがベン・リストとの初対面。
(二木信)実は今日、そのベン・リストが撮ったPVのRINOさんの部分。あれは7人分あるわけじゃないですか。そのRINOさんの部分のメイキング映像が、それこそDVでもあって。それをデータ化したんですけども。データ化したタイミングでコマ落ちとかしちゃって見にくくなっちゃっているんで……ただ、そのベン・リストっていう監督の方は何者だったんですか? 当時、どういう?
(DJ YAS)日本語ラップ好きな、すごい日本語の上手な……
(YOU THE ROCK★)オタクだよね。オタク。
(DJ YAS)歳は同い年だったんだよね。
(YOU THE ROCK★)同い年か。いっつもいじめてたよ、俺(笑)。顔見るたびに(笑)。
(映像が流れる)
(YOU THE ROCK★)うわっ、懐かしい! RINOの自転車じゃん!
(RINO)これは当時、『浅ヤン』にみんな出た時に、覆面をみんなでかぶろうと。それで俺もなんか普通じゃないのをかぶりたいなと思って……ねえ。女王様のかぶるやつをちょっとゲットしちゃったんだけど。
(YOU THE ROCK★)いや、E.G.G.MANがかぶっていたマスクがすごかったんだよな(笑)。
(RINO)これ、たぶん恵比寿ガーデンプレイスとか。できたてだよね。たぶん。
(YOU THE ROCK★)できたてだ。伊達町の方だ。うんうんうん。
(RINO)で、水族館の方に行ったのかな?
(YOU THE ROCK★)この当時のRINOだ。この髪型をしていた頃の(笑)。すっごいね!
(二木信)結構これ、見ていくとロケが水族館でロケをしていたりとか。あと、この後に出てくるシーンが普通の車道を走りながら……たぶん車から、バイクで走っているRINOさんを撮影するみたいな。
(YOU THE ROCK★)このシーン、最高にかっこいいよね。このシーン、すげーかっこいいよ!
(RINO)これ、品川水族館だったかな。たぶんね。
(YOU THE ROCK★)できたてだよね。たぶんね。
(RINO)いまのカメラだったら、もっとよく撮れたんだろうね。
(YOU THE ROCK★)いやー、この演出がいいんだよ。こっからやってやるぜ!っていうかさ。おっ、ベンちゃんいたね。
(二木信)「ベンちゃん」っていう愛称だったんですね?
(YOU THE ROCK★)いや、呼び捨てでした(笑)。はー、長いね。こんなあったんだ。
(二木信)荏開津さん、一緒に撮影のクルーとして動いている時に、なんかこういうコンセプトで作るとか……見ていると、いまいち、すごいいろんな幅のあるシーンが出てくるんですよね。なんか、どういう話し合いがあったか、覚えています?
(荏開津広)たぶん、みんなにそれぞれアイデアを求めて。それぞれが出したいっていうのを……ここはだから、屋上……これってタワーレコードの屋上だと思うんですけど。これは僕、覚えていて。これは、タワーレコードの屋上でバックに撮りたいっていって。で、僕がその頃、『bounce』っていうタワーレコードが出している雑誌の編集長だった橋本徹さんに連絡したら、「じゃあ、雷のだったら」っていうんで、すぐに。普段は入れてくれないんだけど、入れてくれて。それでやったんじゃないかな? だけど、割りかしベンが編集して、割りかし短かったっていう……
(YOU THE ROCK★)あっ、ここは使っているよね。ここはね。あれ、覚えてる。このスーツとかってさ、全員さ、その場で倉庫かなんかにあったのを勝手に着てさ、撮ったよね?
(RINO)違うよ。たぶんね、大泉学園かなんかの、東映だかなんだかの貸衣装かなんかに行って……
(荏開津広)これ、タワーレコードのいちばん上ですからね。給水塔の上だからね。
(YOU THE ROCK★)こんなとこ、行かれないじゃん。普通。
(二木信)このシーンは、たしかにPVに使われてますもんね。……見入っちゃいますね(笑)。
(DJ YAS)これは目黒のスタジオだね。
(YOU THE ROCK★)そうそう。だから、パト、タバコ吸ってたろ? それを俺、注意したんだよ。「ここ、絨毯だから! 灰皿、外だぞ!」っつって。そのぐらい神経すり減ってたよ。
(二木信)さっき言っていたのはYASさんがこのミキサーを使っていて。
(YOU THE ROCK★)あっ、このミキサーはクラッシュさんのやつだ!
(DJ YAS)そう。俺ね、これ自分で所持していた覚えはないんだけど。これって、たぶん20かな? 20SLに見えたけど、20だよね?
(荏開津広)PMC-20。
(YOU THE ROCK★)30じゃないでしょう。
(DJ YAS)20SLっていうのがクラッシュさんが使っているんだよ。で、サンプリングとループできるやつ。
(YOU THE ROCK★)いまと髪型、変わんねえじゃん。1周してんな!
(DJ YAS)まあ、それは……うん。
(YOU THE ROCK★)SHUREの44Gか。
(DJ YAS)いや、これはPickering。
(YOU THE ROCK★)Pickering? あ、ヴァイナルはこの盤なんだ。
(DJ YAS)そう。青盤。いちばん最初のプレスのやつですね。
<書き起こしおわり>