春日太一 ラピュタ阿佐ヶ谷『OIZUMI 東映現代劇の潮流』を語る

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時代劇研究家の春日太一さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。ラピュタ阿佐ヶ谷で開催される東映現代劇映画の特集『OIZUMI 東映現代劇の潮流』を紹介。オススメ作品などを話していました。

(小林悠)今日はこちらのニュース、行きましょう。映画ファンにはたまらない 東映映画36本を一挙上映です。映画会社東映の大泉撮影所で制作された映画36本が『OIZUMI 東映現代劇の潮流』と題して、東京阿佐ヶ谷にあるラピュタ阿佐ヶ谷で一挙上映されることがわかりました。大泉撮影所では太秦の撮影所が時代劇を送り出す一方で、主に現代劇を手がけており、ヒューマンドラマからコメディ、サスペンス、暗黒街活劇まで、多様なジャンルの映画を作り出しています。今回、ラピュタ阿佐ヶ谷ではそんな数々の作品の中から選りすぐりの36本を一挙上映。期間は明後日の7月12日 日曜日から9月12日 土曜日までとなっています。

(玉袋筋太郎)これですね。

(春日太一)ですね。

(玉袋筋太郎)これ、時代的にはいつぐらいの時代なんですか?

(春日太一)だいたい60年代前半が多いですね。見ているとね。60年代。だから、ちょうどこの後、東映は任侠映画が多くなって。で、大泉でも高倉健さんの『昭和残侠伝』とか作られるようになっていくわけです。あと、菅原文太の現代ヤクザシリーズとかになってくるんですけど、その前の、ちょっと混沌としていた時代。『なにも当たらない』って当時言われていた頃で。

(玉袋筋太郎)ああー、そうか。

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試行錯誤の時期の作品

(春日太一)それで、いろんなことを試行錯誤して試していたので、いま見るとちょっと際立っているっていうか。変な映画がたくさんあるので。

(玉袋筋太郎)もうタイトルを見てるだけでもいいもんね。

(春日太一)そうですね。

(小林悠)なんか聞いたことがないタイトルばかり、印象があるんですが。どういったものがありますか?

(春日太一)そうですね。この中だと、まあ、ちょっと僕が面白いのがね、『べらんめえ藝者と大阪娘』っていうのがあるんですけど。

(小林悠)私、これ見たいんです。

(春日太一)美空ひばりさんの主演シリーズなんですけど。『べらんめえ藝者』シリーズっていうのがあって。

(玉袋筋太郎)あ、はい。

(春日太一)それの最終作。6作目なんですけど。

(玉袋筋太郎)最終作になってくると、もう出し尽くした感じが出てきて。シリーズも。

(春日太一)で、ずっとこの相手役、高倉健さんなんですよ。で、毎回、役が変わったりするんですけど、今回は、ポンジュースを売る会社の東京支店長っていう役柄で。

(玉袋筋太郎)ポンジュース?

(小林悠)なんでポンジュース?(笑)。

(春日太一)それでさわやかな支店長。とにかく朝の朝礼で『さあ、みんな!がんばって売っていきましょう!恋するポンジュース!』とか言いながら売って回っている、恋に不器用な男と、その美空ひばりさんとのラブストーリーみたいなことになっていくんですよ。

(玉袋筋太郎)見たいね、これ!見てーな!

(小林悠)それだけで見たい!

(玉袋筋太郎)健さんがポンジュース?

(春日太一)この2年後に、ヤクザの役を彼はやり始める。そのちょっと前ぐらいなんですけどね。まあね、合わないですよ。

(玉袋筋太郎)いやー、だって死んだ後は、コマーシャル出てたの、なんだっけ?にんにく卵黄を最後、売ってたけど。

(春日太一)その前にポンジュースをやっていたという。

(玉袋筋太郎)(笑)

(春日太一)すごいですよ。

(小林悠)これ、1社提供の映画だったんでしょうかね?なんだったんでしょうか?

(春日太一)いきなりポンジュースを売り出すんで、驚きましたよ。これは。あと、結構珍しいの、ありますね。三國連太郎さんの『七つの弾丸』っていうのは、橋本忍さん、たぶん自分で原作書いて脚本書いた映画ですけど。ほとんどたぶん上映されていることないと思うんですよ。

(玉袋筋太郎)ええーっ?なんでまた?

(春日太一)で、DVDも出てないんじゃないかな?実は僕も見てないんで。これはちょっと見に行こうと思ってますね。

(玉袋筋太郎)貴重ですね。三國連太郎さんの。

(小林悠)春日さんでも見ていないもの。

(春日太一)健さん関連だと、『いれずみ突撃隊』っていうのがなかなか・・・

(玉袋筋太郎)すごいね。『いれずみ突撃隊』?

(春日太一)まあまあ、ヤクザが兵隊になる話ですけど。

(玉袋筋太郎)『兵隊やくざ』とは違うんだ、これ。

(春日太一)まあまあ、同時期のあれですけど。

(玉袋筋太郎)あ、同時期なの?

(春日太一)で、もうちょっと暴れん坊というか、もう完全に健さんが頭に軍隊の帽子をかぶって、ふんどし一丁でドスを持って敵地に乗り込んでいくっていう。

(玉袋筋太郎)最高じゃん!

(春日太一)なかなかね、高倉健の両方の、バイオレンスなところとコメディなところ、両方合わせた面白い。石井輝男監督なんで。その後、『網走番外地』につながっていく、面白い映画です。

(玉袋筋太郎)おおー!これ、『ダニ』っつーのがいいね。

(小林悠)『ダニ』ってタイトルですか?

(春日太一)これはもう、梅宮辰夫さんの二文字シリーズというかね。『夜の二文字シリーズ』って勝手に言ってますけど。『ダニ』『いろ』『ひも』『かも』と続きますけども。

(小林悠)(笑)

(玉袋筋太郎)『ダニ』『いろ』『かも』?(笑)。

(春日太一)『ひも』『かも』と続く。その中の、『ダニ』でございます。

(玉袋筋太郎)『ダニ』(笑)。だけどさ、『私の主演映画。今度、「ダニ」です』ってちょっと、恥ずかしいよね?『ゴキブリ刑事』とかさ、そういうの、あったじゃん。

(春日太一)でも『ダニ』ですからね。本当にあの、ダニみたいな男というかね。女を騙していくという。

(小林悠)あ、寄生していくみたいな感じですか?

(春日太一)そうそう。夜の女性を騙していく男の話ですよね。そういうのをやっていますね。

(玉袋筋太郎)どれですかね?この中で『デス・ロード』にいちばん近いのは?

(小林悠)(笑)

(春日太一)『デス・ロード』感あるのは・・・『いれずみ突撃隊』かな?

(玉袋筋太郎)やっぱ『いれずみ突撃隊』。

(春日太一)『いれずみ突撃隊』は相当デス・ロードですね。まあ、『喜劇 急行列車』は間違いなくそうではないです。これ、渥美清ですからね。

(玉袋筋太郎)あ、そうなんだー。へー!

(春日太一)『散歩する霊柩車』もなかなかデス・ロード感ありますよ。

(玉袋筋太郎)『散歩する霊柩車』(笑)。

(小林悠)どういう話ですか?これ。

(春日太一)これ、コメディですね。

(玉袋筋太郎)コメディ。誰が出てるんだ、これ?

(春日太一)これ、西村晃だったかな?ちょっと、なかなか面白いですよ。

(玉袋筋太郎)すごいタイトルだよなー。

(春日太一)自分の香典を生前にもらうために霊柩車に乗って回っていく話です。

(小林悠)(笑)

(玉袋筋太郎)デス・ロード。あ、そうだ。ウォータンクだ。

(春日太一)ウォータンクです。

(玉袋筋太郎)あのトラックだよ。うん。

(春日太一)本当にね、いまじゃ考えられないくらい、よく通ったなっていうね、変わったのが。あの、『アマゾン無宿』もちょっと変な映画です。

(玉袋筋太郎)これなのよ。『アマゾン無宿 世紀の大魔王』っていう。

(春日太一)これ、あれです。無国籍映画っていう日活で流行ったやつを東映に持ってきたっていうあれで。千恵蔵だと思います。

(玉袋筋太郎)千恵蔵さんがアマゾンで。

(小林悠)片岡千恵蔵さん?

(玉袋筋太郎)で、アマゾンと言いながら新宿御苑でロケやっていたり。

(春日太一)まあまあ、そんな感じ。

(玉袋筋太郎)そういうことだろ?

(春日太一)まさにそんな感じです。

(小林悠)じゃあ本当にアマゾンが舞台ということになっているんですか?

(春日太一)では、ないです。アマゾンから来た男だったかな?

(玉袋筋太郎)あ、来たんだ。そうだよ。アマゾンロケやったら大変だよね。

(春日太一)ただ、そのへんの雰囲気を出すために、たぶん練馬が当時アマゾンみたいになっていたから。50年前の練馬はたぶんアマゾンみたいでしょうから。

(玉袋筋太郎)アマゾンだな。うん。そうだよ。だと思うよ。

(春日太一)大泉界隈で撮って成り立ったんじゃないかな?と思いますけどね。ここはね。

(玉袋筋太郎)(笑)。いやー、これはね、楽しみでございます。

(小林悠)これ、ぜひ行きたいです。

(春日太一)いいラインナップです。これ。

(小林悠)9月までやってますけどね。じゃあ、あえて、まあ決められないとは思うんですけど。1個、ぜったいに見ておけよっていうのがあるとしたら・・・

(春日太一)そりゃあもう、『マッドマックス』でしょう。

(玉袋・小林)(爆笑)

(春日太一)これは『マッドマックス』以外、ないですよ。

(玉袋筋太郎)ないんだよ。

(春日太一)これはもう、娯楽映画史120年の歴史の集大成ですから。

(玉袋筋太郎)塗りかえたから。全ての記録を。出ました!待ってました!っていう。

(春日太一)黒澤明、マキノ雅弘もこの映画のためにいたんじゃないか?っていう。

(小林悠)そこまでですか?

(玉袋筋太郎)やったー!小林さん、行きなさい!

(小林悠)週末行きますので。3Dで行ってきます。春日太一さん、ありがとうございました。

(春日太一)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

春日太一と玉袋筋太郎 マッドマックス 怒りのデス・ロードを語る
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