菊地成孔と菊地凛子 『バードマン』とイニャリトゥ監督を語る

菊地成孔と菊地凛子 『バードマン』とイニャリトゥ監督を語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんと菊地凛子さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とその監督、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督について話をしていました。番組企画『菊地成孔のミュージックプレゼント!』の告知に続いてのトークです。

(菊地成孔)菊地凛子さんは誰か、いま一曲音楽を贈りたいなというような人はいますか?

(菊地凛子)そうですね。いま、先日ですね、『バードマン』を見たいんですよ。

(菊地成孔)ああ、見ましたね。とうとう。

(菊地凛子)とうとう。で、あの、監督が『バベル』の監督。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥですけど。先日、ちょっとメールをいただいて。まあ、『メールアドレス変わったよ』っていうのですけど(笑)。

(菊地成孔)(笑)。やっぱもう、いきなり来ますね。アカデミー賞の今年、監督賞、脚本賞、作品賞を受賞した男から『メールアドレス変わったよ』っていうね。もう1回、詳しく言いますけど、凛子さんがハリウッドでアカデミー賞ノミニーになった映画の監督さんです。

(菊地凛子)そうです。

(菊地成孔)その監督の最新作が、今年のオスカーの主要賞をとったのね。で、私ももう見て、ぶったまげて。凛子さんにすぐメールしたの。

(菊地凛子)そう。

(菊地成孔)『イニャリトゥに「戒厳令」を渡して下さい』って(笑)。

(菊地凛子)(笑)。あ、それはもれなく渡してきました。

(菊地成孔)本当ですか!?やったー!もう聞いてもらうだけでいいですけどね。

(菊地凛子)(笑)。それで、アレハンドロ、音楽が好きなんで。毎回その、バベルの時も私に1枚CDを焼いてくれて。で、自分が選曲したのを入れてくれたんです。

(菊地成孔)はいはい。

(菊地凛子)ぜひ、それも・・・なんか、アレハンドロとすごく対等な音楽の話を成孔さん、できそうなので。この『メール、変えたよ』っていうメールにちょっと添付して・・・

(菊地成孔)送りたい?

(菊地凛子)送りたい一曲。

(菊地成孔)あ、いきましょう。それはね。私もアレハンドロ・イニャリトゥに送りたいですよ。楽曲。いや、本当にすごかったです。バードマンは。

(菊地凛子)ねえ。素晴らしかった。

(菊地成孔)素晴らしいですよね。本当に素晴らしいですよね。

(菊地凛子)たまげました。

(菊地成孔)たまげたでしょ?で、私も映画史が更新されたんで、もう、滅多に私、嫉妬っていう感情があまりないんですよね。『あいつに、クッソー、やられた!』とかね。それもね、精神分析医に異常って言われたんですけど(笑)。

(菊地凛子)そう。羨ましいですね。

(菊地成孔)いや、羨ましくない。なんか、違うところがたぶん私、壊れているんで(笑)。

(菊地凛子)あ、それはなんとなく(笑)。

(菊地成孔)嫉妬したことがないんですよ。『クッソー!あいつ、才能あんなー。頭くるよ!』って。で、しかもイニャリトゥ、私と同い年ですからね。

(菊地凛子)あ、そっか!すごーい!

(菊地成孔)うん。あの人、今年52。だから同い年のクリエイターって言ったら、タランティーノも私と同い年ですし、松本人志さんも同い年で。あ、いま偶然映画監督だけ言いましたけどね。音楽家でもいっぱいいますけど。いやー、あいつの才能に嫉妬して、クッソー!とかね。社交辞令でも無いんですよ。みんな素晴らしいねって。でもね、バードマンを見た時は、殺してやろうかと思いましたからね(笑)。

(菊地凛子)(笑)

(菊地成孔)『こんなもん、作りやがって!邪魔だ、こいつ!』って思って。『これ、もう俺がもし映画を撮るんだったら、こういうのを撮りたいと思っていたのに、クッソー!バベルの時はちょっと映画が重めで、まあまあいいかと思っていたんだけど(笑)。これをやられたら・・・』と思ってですね。もう嫉妬・・・そうですね。30年ぶりぐらいでジェラスというものを。

(菊地凛子)ああ、すごいですね。

(菊地成孔)心に灯って。で、もう凛子さんにメールして。ほんで、まああちこちで言った結果、あの映画の音楽はドラムソロだけなんですよね。で、あのドラムソロを叩いているサンチェスが来日するんで。そのイベントに、これ言っちゃっていいのかな?(笑)。

(菊地凛子)言っちゃっていいのかな?私たちね・・・

(菊地成孔)二人で出る(笑)。

(菊地凛子)そう、二人で(笑)。応援しに。

(菊地成孔)応援。いわゆる、応援。バードマン応援として。

(菊地凛子)応援隊です。

(菊地成孔)応援隊ですよね。というのも、あるんですけども。じゃあ、イニャリトゥに送りましょう。

(菊地凛子)送りましょう。ぜひ。

<書き起こしおわり>

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