西寺郷太さんがTBSラジオ『たまごレディオ』でクリス・ブラウンの『Fine China』を紹介。PVに出演しているダンサーのケント・モリさんから聞いた裏話などを話していました。
(西寺郷太)さて、ここからは今日の1曲。POP先生チョイス!はい、『音楽でいまを語ろう』というのがコンセプトのこの番組です。この時間は各曜日のパーソナリティーがそれぞれ最近感じていることを話しながら、リスナーのみなさんに、だからこそいま聞いてほしい1曲をご紹介する音楽トークコラムのコーナーです。今日、聞いてほしい曲はクリス・ブラウンの『Fine China』という曲ですね。
クリス・ブラウンさん、ご存知の方も多いと多いと思うんですが、1989年生まれ。いまちょうど24才。ノリに乗っているR&Bシンガーですね。2005年に16才でアルバム『Chris Brown』でデビュー。もう本当にその後、ずーっとヒーローとしてね。ヤングスターとして君臨されております。この方が今年リリースした『Fine China』という曲ですが、このシングルのテーマっていうのが、チャイニーズというか中国人のガールフレンドかわいいね、みたいな。そういった意味の歌なんですが。
ビデオではね、クリス・ブラウンさんがスポーツカーみたいなのに乗って、金持ちの中国人の美しい女性を迎えに行くんですけども。お父さんとかに『あんなヤツに付いて行くな』みたいな感じで怒られるんですけど、その女の子が逃げ出すっていうシーンがありまして。だけどそのテーブルで、『Fine China』なのに中国人のお父さんたちがお寿司を食べているっていうね。ごっちゃになっとるがな!みたいな感じの。日本人みたいな設定が混ざっているので、なんでやねん?って思うんですが。
この曲のビデオにはですね、ケント・モリくんという、僕ずっと紹介してきましたし、もう今知っている人たくさんいると思うんですが。マイケル・ジャクソンの『This is it』というツアーで男性ダンサーとして日本人で初めてちゃんと選ばれて。それで、だけれども彼はマドンナのダンサーとしての契約がその時点で残っていたので、マドンナに『僕、実はマイケル・ジャクソンに憧れてダンサーになりたかったから、違約金も払うし、申し訳ないけどマイケルのツアーに行かせてくれ』とマドンナにケント・モリがたのんだところ、マドンナから『NO!私のもとにいなさい』と。
マドンナは悔しかったと思うんですよ。あれだけ2000年代にもヒット曲を飛ばし、マイケルはちょっと隠遁生活のような状態に入っていた中で、私こそが、プリンス・マイケル・マドンナ、この中でもヒット曲もどんどん出してメタモルフォーゼしてきたぞ、新しく生き延びてきたぞって思ったのに、自分が選んだダンサーがすぐにマイケルのところに行きたがったってことを許せなかったんでしょうね。
そのケント・モリくん。いまでは日本でもどんどん知っている人もめちゃめちゃ多い。いちばん日本人で有名なダンサーになったんじゃないでしょうか。彼がクリス・ブラウンのバックで今、踊ってまして。この『Fine China』のビデオでも登場すると。相手側のマフィアっていうんですかね?敵チームのところに。クリス・ブラウンを追っかけて来て、お前、俺の娘をとったやろ?って感じでお父さんが怒って連れてくる刺客みたいな役割で。かっこいいんですよ。こう、ステッキみたいなのを持ってね。
でも、なかなか踊らないんですよ。こう、バーン!と来て。彼、ダンサーなんで一緒になって踊ったりするのかと思ったら、意外とちょっとしか出てこなくて。むちゃくちゃ偉い役割なんですけど。他のメンバーはクリス・ブラウンと殴り合いみたいな。ダンサーが結構襲うんです。クリスのことを。ケントはずっと見てるだけでダンスもしないし、やられもしないから、この前日本に帰ってきた時に『あれ、なに?君、アーティストイメージみたいなのあるから、殴られたりするのいややってっていう。君のこと別格扱いしてたように見えたけど・・・』って言ったら、ケントくんが『僕、殴られてもなにされてもよかったけど、なんか知らないけど監督に、そこにじっとしとけって言われて。そのまんま出てこないんですよ』って。『いい加減やな、意外に』って話をしてました。
ただ、なんでこの曲を選んだかっていうと、ともかくめっちゃかっこいいんです。この歌。『Fine China』。僕、今年でた中でいちばんかっこいい曲、好きな曲出せって言われたら、これを選びますから。スペシャルウィークに持ってきました。聞いてください。めっちゃかっこいいです。クリス・ブラウン『Fine China』。
(西寺郷太)はい。クリス・ブラウンで『Fine China』。めっちゃかっこいいですね。これはまあ、基本的にサビの前の一部分にちょっと特殊なコード進行が入る以外、ずーっと1つのコード進行をループしているような曲ですね。日本ではあんまりないんですけども。本当にマイケル・ジャクソンに影響を受けたと彼も公言してますけど。マイケルのヴォーカリゼーションみたいなもの、ダンスっていうものを今現代の、20代の青年としてやっているという形が、すごく好印象ですね。僕にとっては。ケント・モリくんと気が合うのも分かります。はい、ということで以上、今日の1曲。POP先生チョイスでした。
<書き起こしおわり>