ピエール瀧 女優・赤江珠緒に演技指導する

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ピエール瀧さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、ドラマ『重版出来!』で女優デビューを果たした赤江さんに、役者の先輩として演技指導をしていました。



(赤江珠緒)こんにちは。キャスターの赤江珠緒です。A級キャスター赤江がユニークなコメンテーターとともにB級ニュースをお伝えする『ニュースたまむすB』。木曜日のコメンテーターはこの方です。

(ピエール瀧)こんにちは。演出家の剣持です。

(赤江珠緒)はじめまして(笑)。演出家の方で?

(ピエール瀧)そうです。舞台やドラマをやっております。あれっ? 女優さん?

(赤江珠緒)どうしてもそこに持っていこうとしてますね? 私、もう本当ね、月・火・水と散々いじっていただいたんで。もう木曜日は不自然なぐらい違う話にオープニング、持っていってましたけども。

(ピエール瀧)そんなにひどかったの? セリフ、なにがある?

(赤江珠緒)セリフ? セリフは本当にちょっとしかないんですよ。

(ピエール瀧)言ってみて。

(赤江珠緒)ええと、「あなた、いいガイドブックがあったわよ」っていうような。

(ピエール瀧)はい、本番!

いきなり本番スタート

(赤江珠緒)ちょっと待って、ちょっと待って(笑)。

(ピエール瀧)はい、よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた……」(笑)。

(ピエール瀧)はい、カット―ッ! 赤江さん? 赤江さーん!

(赤江珠緒)ちょっと待って! 本当にできなかったんだって。

(ピエール瀧)スタッフ、寝ないでがんばってる。スタッフ、寝ないで全部セッティングして、照明もいまビシッと決まっていいところ。はい、テイク2! はい、よーい!

(赤江珠緒)でもね、そんな感じでどんどん畳み掛けてくるから……

(ピエール瀧)ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた、いいガイドブックが、あったわよ」……(笑)。

(ピエール瀧)はい、カット! 赤江さん、もうちょっと自然に。ガイドブックなんで、自然に。

(赤江珠緒)そう。ガイドブックを。過去のガイドブックだから作ってあるわけですよ。昔のガイドブック風にね、表紙とかね。で、「さり気なくそこを見せてください」とかいう感じで言われるんですけど。演技指導みたいな。

(ピエール瀧)ちゃんと見えるようにね。認識できるようにね。

(赤江珠緒)でも、私がやると、「こちら、プレゼントします」みたいな(笑)。

(ピエール瀧)あ、なるほど。はいはい。生CMみたいな感じになっちゃう。「こちらです」って。

(赤江珠緒)「そんな見せ方じゃない。もっと自然に」とか。だんだんわけがわからなく……

(ピエール瀧)他、なんのセリフがあるの? 1個っていうわけはないでしょう。女房役で。

(赤江珠緒)でも、そこは大事なセリフだから。あとはそこで、「聖母の微笑みをしてください」って。「せ、聖母とは?」みたいな。

(ピエール瀧)はいはい。でしょう。岩崎宏美でしょう。「聖母(マドンナ)」っていうことでしょう? ねえ。


(赤江珠緒)「どこの引き出しにも聖母はない」って思って。そっからです。またパニック。でも、聖母の微笑みに向かってカメラさんがガーッて寄ってくる。

(ピエール瀧)それ、なぜ聖母の微笑みをするわけ?

(赤江珠緒)旦那さんがすごく売れに売れた漫画家さんだったということで。で、自分はちょっと苦労はしているけど……

(ピエール瀧)なるほど。じゃあ、さいとう・たかおとしましょう。

(赤江珠緒)そう。その旦那さんを微笑ましく見ているっていう。

(ピエール瀧)さいとう・たかおを微笑ましく見ている役?(笑)。

(赤江珠緒)む、難しいよー! できなかったよー!(泣)。

(ピエール瀧)なるほど。で、そこで「がんばっているわね」っていう。ちょっと姉さん女房風な感じなんだ?

(赤江珠緒)いや、ええとね、すごく線が細くて。旦那さんの方が亭主関白な感じで、寄り添っているいい妻っていう感じ。

(ピエール瀧)が、さっきのガイドブックを持っているんだ。じゃあ、それを踏まえてもう1回、行ってみよう。テイク3!

(赤江珠緒)ちょっと待ってーっ! ちょっと待って……

(ピエール瀧)よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた、いいガイドブックあったわよ」(笑)。

(ピエール瀧)はい、カット!

(赤江珠緒)ちょっと待って(笑)。なんで何回もやらされるの?

(ピエール瀧)ちょっと別室で話、しようか?(笑)。

(赤江珠緒)あ、違う違う。地図だったんだけど、ガイドブックに変わったんだよね。

(ピエール瀧)ああ、セリフがね。

(赤江珠緒)さあ、ちょっと待って……

(ピエール瀧)つながったところは見たんでしょ? 「こうなりました」っていう完パケはまだ……

(赤江珠緒)見てない。見てない。

(ピエール瀧)ああ、じゃあわかんないじゃん。赤江さんがダメだって思っているけど。いざオンエアーを見てみたら、「あ、意外になじんでんじゃん?」っていう可能性もあるでしょう?

(赤江珠緒)ない! だって、一緒に来ていたマネージャーのヤスコが「ぜんっぜんできてなかった」って。

(ピエール瀧)おおー、「珠ちゃん、イモね」と。

(赤江珠緒)恥ずかしかったって。横で見ているのが恥ずかしくなって。ちょっと離れたところに行ったって。

(ピエール瀧)ああー、いたたまれなくなる気持ちね。ああ、あるだろうね。

(赤江珠緒)でも、カメラマンさんとかはすごいリスナーさんが多かったんで。コソッとね、応援。エールみたいなのを送ってくださって。

(ピエール瀧)「大丈夫ですよ。赤江さん、ラジオを聞いてますから。できると思ってないですよ、こっちは」って?

(赤江珠緒)(笑)。そんなそこまでのエールじゃないよ。

(ピエール瀧)「こっちはできないって思って見てますからね。赤江さん、大丈夫ですって」って(笑)。

(赤江珠緒)なんの慰めだよ(笑)。

(ピエール瀧)ねえー(笑)。ニュースか。

(赤江珠緒)バレたか。いやー、瀧さんにバレたか。

(ピエール瀧)何気なくオーニングトーク用の資料がチラッとあったのを見てみたら、「あれっ、ドラマ出てるんだ」と思って。やっぱりそっちもやっていくわけ?

(赤江珠緒)えっ? いやいやいや。もうね……

(ピエール瀧)可能性、探り始めちゃった?

(赤江珠緒)もうね、これでプッツリと、この道は絶たれたと思うよ。

(ピエール瀧)いやいやいや、そこをいけしゃあしゃあと出た方が面白いって。たのんだ方が悪いんだもん。だって。そもそも、本当に。

(赤江珠緒)昨日の大吉先生と一緒だ(笑)。

(ピエール瀧)うん。たのんだ方が悪いでしょ。よく調べもせずに。赤江のプロフィールに書いてないでしょ? 「女優もできます」とは。

(赤江珠緒)書いてない(笑)。

(ピエール瀧)あんた、書いてもないことをやってるんだからしょうがないでしょ!っていう。

(赤江珠緒)うちのパートナーたちって本当に、開き直りが……(笑)。

(ピエール瀧)行きましょうよ。次も行きましょうよ。

(赤江珠緒)本当? いや、だからそれはオファーがね。

(ピエール瀧)『極妻』とか出ましょうよ。

(赤江珠緒)あ、そうだね。でも、あれだね。今回、ちょっとトラウマになったから。演技に対してね。

(ピエール瀧)ああ、本当?

(赤江珠緒)でも、このまま終わるのは、なんかね。悔しい気もするもんね。もうちょっとできたっていうか、なんかあまりにも期待に応えられてなくて申し訳ないなと思うけど。だからもう、一切撤収するという手もあるよね。

役者 ピエール瀧が現場で感じること

(ピエール瀧)いや、そうですけど。「期待に応えられてないな」って思うのなんか、僕なんか毎回です(笑)。

(赤江珠緒)本当?

(ピエール瀧)うん。「1人だけ素人混じってんな、これ」って毎回思いますもん。

(赤江珠緒)ああ、そう?

(ピエール瀧)自分で、我ながら見て。「うわー、下手だなー」っていう。

(赤江珠緒)へー。ああ、そう?

(ピエール瀧)「でも、赤江さんよりはマシだな」って思いながら(笑)。

(赤江珠緒)(笑)。下を見ていけばいいのね。わかりました。ありがとうございました。

(ピエール瀧)ありがとうございました。剣持でした。

(赤江珠緒)(笑)。以上、『ニュースたまむすB』でした。どこが『ニュースたまむすB』だよ!(笑)。

(ピエール瀧)赤江のニュースでしょう。こんな大ニュース、見逃しませんよ。

(中略)

(赤江珠緒)TBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』、木曜パートナー、ピエール瀧さんです。

(ピエール瀧)はい、それじゃあテイク4、行きましょう。えーと……

(赤江珠緒)どんだけ追い込むんだよ! なんで公開練習しなきゃいけないんだよ!

(ピエール瀧)先ほどのセリフね。なんでしたっけ? 「あなた、いいガイドブックがあったわよ」。まあ、先ほどはいい奥さん風でしたけども、今回はちょっと、自分が真犯人風で。

(赤江珠緒)ええーっ?(笑)。

(ピエール瀧)いま、そうやってごまかしてますけども、あなたは殺人犯です。バレてはいけないです。その感じで、捜査員が見守る中、そこにガイドブックを持ってくる感じで。いいですか?

(赤江珠緒)ああー。はい。

(ピエール瀧)アリバイになりますから。あなたがガイドブックを持ってくることによって。

(赤江珠緒)ああ、はい。

(ピエール瀧)はい、本番! よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あ、あなた…… いいガイドブックが」。

(ピエール瀧)はい、カット!

(赤江珠緒)(笑)

(ピエール瀧)慌ててる感じがすごく出ちゃってる。赤江さん。

(赤江珠緒)出ない方がいいんですか?(笑)。犯人、ドキドキしてるから。

(ピエール瀧)犯人のフラグが立ちまくりです。「あ、あなた……」っていう。もう、全員見た人が「この人が犯人じゃないの?」って思っちゃう。素知らぬ顔で、冷たさとバレない感じで。はい、テイク5!

(赤江珠緒)(笑)。こんな感じなんだよ!

(ピエール瀧)よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた、いいガイドブック、あったわよ」。

(ピエール瀧)はい、カット! ……OK!

(赤江珠緒)(笑)。よかったー!

(ピエール瀧)って、言われた時にさ。いまみたいな感じで「OK!」って言われた時にさ、「あ、諦めたな」って思わない?(笑)。

(赤江珠緒)(笑)

(ピエール瀧)やっている方って。

(赤江珠緒)「もういい」って思ったかな?って。

(ピエール瀧)そう(笑)。いまの感じで、「そんなに……あれ?」っていう時に、「はい、OKです!」って言われたら、「あーあ、諦めちゃった」ってなるよね。すげーわかるよね、その感じ。「あ、諦められたな、いま」っていう。

(赤江珠緒)空気でわかりますよね。そこはね。

(ピエール瀧)まあね。でもそうやってちょっと違う畑の人だとさ、みんないじり倒すじゃないですか。やっぱり、そうやってね。

(赤江珠緒)うん。でもね、こうやってね、ラジオでもしゃべれるような……

(ピエール瀧)僕もいま、仕事でいじってますけどね。本当はいじりたくないのに。

(赤江珠緒)(笑)。喜々としていじってるじゃないですか!

(ピエール瀧)でも、正直ね、言われるとしょうがない時もありますよ。僕、この間だって商店街を歩いていたら、ベビーカーを押した30代半ばぐらいのお母さんかな? 赤ちゃんが乗っているんです。ベビーカーに。その人、僕の横をすれ違う時にパッて見ながら、「ええっ! 森田屋さん?」って……

森田屋さん

(赤江珠緒)(笑)。いいよね。商店街っていうところがいいよね、また。

(ピエール瀧)「森田屋さん? 森田屋さん?」って言われて。まあね、いま出ている朝ドラで僕、森田屋の主人の役をやっていますから。

(赤江珠緒)お弁当屋さんですから。

(ピエール瀧)そうなんですけど、違うじゃないですか。あの……(笑)。

(赤江珠緒)(笑)。そういう時の、「たしかにそうなんだけど。森田屋だけど……」っていう。

(ピエール瀧)Tシャツ、短パン、ゴム草履で商店街をウロウロしている僕っていま、森田屋じゃないですよね? なんだけど、そこで「いや、違います」って説明するのも野暮じゃないですか。だから、しょうがないんで「森田屋さん?」って言われたら、「ああ、どうも、こんちは。赤ちゃん、かわいいですね」なんて言うんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(ピエール瀧)でも毎回、よかれと思ってその場を切り抜けるためにやるやり取りを話すたびに、僕の中にすこーしずつ罪悪感が降り積もっていくんですけど。

(赤江珠緒)(笑)。そうですか。それはいいと思いますよ。やっぱり俳優さんはその役で呼んでしまったりしますからね。

(ピエール瀧)そうすると、それで呼ばれるのは、その人にとっては「違う」って言われるよりも「ああ、どうも」って言われた方がしっくり来るからいいじゃないですか。で、僕も本当は違うのにそれを説明してもしょうがない部分があるから、結局僕が若干嘘をつく形になるんですね。毎回、毎回。

(赤江珠緒)そうね。

(ピエール瀧)よかれと思って。で、お互いにとってはいいんですけど。時間の節約にもなるし、いいんですけど。ただ、僕の中にすこーしずつ、罪悪感が降り積もっていくんです。シースノーのように。

(赤江珠緒)ああ、そういう心理状態なんですね。

(ピエール瀧)将来、化石燃料になるやつ。だんだん降り積もっていってるんです。

(赤江珠緒)いやー、でも商店街で「森田屋さん?」って言われたら、なんかいいと思うよ(笑)。

(ピエール瀧)(笑)

(中略)

(赤江珠緒)TBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』、木曜パートナー、ピエール瀧さんでーす。

(ピエール瀧)はい。赤江さん、演出部の方でいろいろ検討した結果……

(赤江珠緒)まだ続いてたの!?(笑)。

(ピエール瀧)ちょっとセリフをね、雰囲気を変えることにしました。先ほどのガイドブックのやつ。あの、旦那さんの墓前で、「ついにあったわよ」っていう。天国の旦那さんに届けるような感じで。語りかけるような感じで。

(赤江珠緒)ああ、わかりました。はい。

(ピエール瀧)はい、じゃあ行きましょう。本番! よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた! いいガイドブック、あったわよ……」。

(ピエール瀧)赤江さん、そんなに湿っぽくしなくていい。

(赤江珠緒)(笑)。違いました? あ、ちょっと違いました?

(ピエール瀧)泣き崩れる感じよりも、ポツリと。「ついにあったわよ」って。

(赤江珠緒)ポツリと。さり気なくですね。

(ピエール瀧)そういう感じですね。テイク2、行きましょうか。テイク、はい。よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「あなた……いいガイドブック……あったわよ」。

(ピエール瀧)届いたろうね。これは、旦那さんに。

(赤江珠緒)(笑)。勝手に殺しちゃっているから!

(ピエール瀧)これは届いたでしょう。

(赤江珠緒)旦那さん、死んでないから。

(ピエール瀧)いまのは届いたでしょう。確実に。

(赤江珠緒)そうですか?(笑)。

(ピエール瀧)確実に届きましたよ。ねー。

(赤江珠緒)いや、もうぐったり(笑)。

(ピエール瀧)(笑)。ぐったりでしょう? ねー。大丈夫です。僕も現場でそう思う時、ありますから。「何回もリハーサルやんなくて、よくないですか?」って思う時もあるから。大丈夫。

(赤江珠緒)演技って大変ね(笑)。

(中略)

番組終了間際のトークにて

(赤江珠緒)小金井市の男性の方です。(メールを読む)「印象的なブームは90年代のオカルトブームです。テレビではやたら心霊番組をやっていましたし、ノストラダムスの大予言だの何だのについて友人と激論を交わしたものです。思えば、あのブームが根も葉もない適当なことを大々的に言っても許される最後のブームだったように思えます」と。ありましたね。心霊番組とか、ノストラダムスの大予言ってありましたよね。

(ピエール瀧)はい。世界滅亡が……みたいなのもありましたけどもね。

(赤江珠緒)うんうん。

(ピエール瀧)まあね、そういうのを含めた段階で、ちょっと演出部の方で検討しまして……

(赤江珠緒)なんで(笑)。また演出部が出てくるの?

(ピエール瀧)赤江さん、設定を最後ね、もう一度変えます。あの、赤江さんは奥さんなんですけど……

(赤江珠緒)はい、はい。

(ピエール瀧)アンドロイドです。その感じで、先ほどのセリフをご主人に言ってあげてください。ちょっとロボットっぽい感じで、お願いします。

(赤江珠緒)わかりました。

(ピエール瀧)はい、じゃあ本番です。3、2……本番、よーい、ハイッ!

(赤江珠緒)「アナタ、イイ、がいどぶっく、アッタワヨ……」。

(ピエール瀧)はい、オッケーーーーイッ! お疲れ様でしたー!

(赤江珠緒)どこがじゃー!(笑)。

(ピエール瀧)いやー、最高の作品になると思いますよ(笑)。

(赤江珠緒)駄作です(笑)。また明日……

<書き起こしおわり>

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