菊地成孔 ネ申・筒井康隆との一言もしゃべれなかった対談

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菊地成孔さんがTBSラジオ『荻上チキSession22』にゲスト出演。自身の憧れの人、ネ申である筒井康隆さんと対談した際、一言もしゃべることが出来なかったエピソードを話していました。


(荻上チキ)菊地さんが憧れてやまなくて、その人の文化を摂取して近づいたみたいな人はいるんですか?

(菊地成孔)あの、いわゆるどなたも神々というのがいらっしゃいますよね。私は、山下洋輔っていう人と、筒井康隆っていう人が神々なんですけど。やはり、若くして神々のバンドに入っちゃったんで。それからちょっと、ずっと頭がおかしいんですよね。やっぱり早めに神に触れちゃうとおかしくなっちゃう。やっぱり神は神格に置いてないと。通常な精神は保てない。

(荻上チキ)みだりに下ろすものではないと。

(菊地成孔)そうですね。

(荻上チキ)筒井さんもジャズ経由で好きになったんですか?

(菊地成孔)筒井先生は全作持ってますし。で、まあ対談したんですけど、一言もしゃべんなかったんで怒られました。

(荻上チキ)インタビュアーになったってことですか?菊地さんが。

(菊地成孔)いやいや、僕が一言もしゃべれなかったんで。

(荻上チキ)緊張して?

(菊地成孔)緊張っていうかなんかね、ホワンとしちゃって。

(南部広美)おー!菊地さんがですか?

(菊地成孔)そうです。まったく、一言もしゃべりませんでした。2時間いて、一言もしゃべんなかったですね。

(荻上チキ)えっ!?

(菊地成孔)で、僕の相方の大谷(能生)くんっていう、ちょっとヤバい天才がいて。彼が仲立ちっていうか司会だったんですけど。『菊地さん、しゃべってよ!』って怒れれましたからね。生まれて初めてですよ。後にも先にも。『菊地さん、しゃべってよ!』って怒られたの。まあ、対談の席ですよ。

(荻上チキ)対談でね、しゃべらないってのは・・・

(菊地成孔)もう、そん時は筒井先生のポケットから葉巻の入れ物が出てきて。『1本どうですか?』って言われて。もう、ぜんぜんダメでした。『いただきます』っつって。フワーッとしちゃって。まったくしゃべれませんでしたね。

(荻上チキ)フワーッていうのはどういう気持ちですか?乙女みたいな感じなんですか?

(菊地成孔)いやいや、もっとなんて言うんですかね?宗教的な(笑)。

(荻上チキ)『イニシエーション受けてます』みたいな。

(菊地成孔)こう、なんて言うんですか?やたら『ネ申番組』とか『降臨』とかってのがお安いとは言いませんけど。実際会っちゃうと、本当にホワーンとしちゃいますよ。だからよく、たとえばアイドルさんなんかが神で。それはぜんぜん構いませんけど。で、握手会とかで直接握手されたりして。平然としゃべる人、いるじゃないですか?

(荻上チキ)いますね。

(菊地成孔)えっ?神なんじゃないの?って思うんです。神と平然と握手して、しゃべんの?っていう疑問はあります。基本的には。

(荻上チキ)1分くらいのね、握手券取って。

(菊地成孔)なんかもう、呆然としてまったく機能が停止するのが正しい信者の、というか人間の姿じゃないかなという気はしますけど。まあ、50のおっさんの言うことですからあれですけど。

(荻上チキ)でも、サイン会とかでね。作家が好きで。並んで、他のファンとは違うことを言おう!と思って、自分の番が来て頭が真っ白になって『いつも読んでます!』しか言えなくて後悔する、みたいな。

(菊地成孔)僕のサイン会に並んで。で、本だけ差し出してオシッコ漏らした人、いますよ(笑)。

(荻上チキ)尿、ですか?

(菊地成孔)はい。みるみる股間がね、シミがね、広がっていってね。まあ、『仕方ないですね』って申し上げました(笑)。

(荻上チキ)(笑)。やさしい。

(菊地成孔)『私はこんな普通の人間なんですけど、あなたにとっては仕方ないことなのかもしれません』っていう風な形でお迎えしましたけど。

(荻上チキ)その人、そう声をかけられてどうだったんですか?その後は。

(菊地成孔)いや、返事しませんでしたよ。

(荻上チキ)言葉もなくて。

(南部広美)できないですよね。

(菊地成孔)はい。シミが広がるばっかりで(笑)。

(荻上チキ)まあでも、すごく。ぜったいに忘れないですよね。

(菊地成孔)まあ、そうでしょうね(笑)。それは荻上さんにもいらっしゃいますよ。それは。

(荻上チキ)いますいます。僕、筒井康隆さん、大好きなんですよ。僕も全部本を読んでいて。

(菊地成孔)いや、逆。逆。荻上さんに。

(南部広美)チキちゃんに。

(菊地成孔)通じないなー、この人(笑)。

(荻上チキ)僕が?そんなことないでしょ?だって。

(菊地成孔)いますよ。絶対。絶対、誰にでもいますよ。誰でも神になれる可能性、あるんですよ。

(荻上チキ)昨日、twitterで僕の写真をアイコンにしている人、いました。

(菊地成孔)そりゃいますよ。そんなもん、3000万人ぐらいいますよ。

(荻上チキ)そんないないでしょ!

(菊地成孔)300万人ぐらいにして。

(荻上チキ)そんな・・・この国、僕統治できますよ。

(菊地成孔)30万、どうですか?

(荻上チキ)いますぐ、チキノミクスとか別のことできますよ。それだけの信者がいたら。

(菊地成孔)いや、いますよ。絶対。いますよ。そんなの、だって南部さんにも絶対いますよ。

(南部広美)いやー、それはないと思いますよ。

(菊地成孔)いやいやいや。いらっしゃいます。絶対にいらっしゃいます。

(荻上チキ)菊地さんはほら、実感できるタイミングがよりあるからかもしれないし。

(菊地成孔)もう南部さんに気持ちを伝えられない人からの・・・今夜はですよ、称賛と殺意を5:5で浴びるつもりでしゃべってますからね(笑)。

(荻上チキ)あ、今日は。

(菊地成孔)はい。『よく言ってくれた!』っていうのと、『お前をぶっ殺す!』っていうのがまあ、半々だろうなと。5:5だろうなというようなのはね、わかります。はい。経済的に言うと、5:5でしょうね。

(南部広美)もう完全保存版だから。ミッドナイトセッション。

(荻上チキ)南部さんのとこ、好きですっていうのはよく言われますよ。

(南部広美)本当!?物好き、いるんだ。

(菊地成孔)いやいや、そんなこと言っちゃいけませんよ。南部さん(笑)。懐かしい感じがするんですよ(笑)。

(荻上チキ)(笑)

(菊地成孔)すごい懐かしいの。僕みたいにいろんな故郷を何重にも失っている人間にとって、たまらないものがあるんですよ。

(南部広美)ホームタウン的ってことですか?

(菊地成孔)いやいや、その、おっかさんみたいな意味じゃないですよ。もっと、そういうんじゃなくて、なんか懐かしさがあるんですよね。はい。

(南部広美)概念が。懐かしさっていうのは入ってこない。ごめんなさいね。話の途中ですが・・・

(菊地成孔)(爆笑)

<書き起こしおわり>

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