そうめん研究家のソーメン二郎さんがTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』に出演。通常のかつおだしのめんつゆではない、変わったそうめんの食べ方を紹介していました。
(井上貴博)今日、生活の知恵を授けてくれるゲストは、そうめん研究家のソーメン二郎さんです。こんにちは。
(ソーメン二郎)ソーメン二郎でございます。よろしくお願いします。
(ジェーン・スー)よろしくお願いします。
(井上貴博)ソーメン二郎さんは日本三大そうめんのひとつであります三輪素麺の里、奈良県の桜井市ご出身。全国のそうめんを食べ歩き、そうめんの食べ方、お店情報、ブログ、雑誌、イベントなどで報告をするという、そうめんの地位向上のために日々活躍されていると。
(ジェーン・スー)なるほど。そうめん、美味しいですよね。
(井上貴博)美味しいのはわかるんですが、テンションが上がるか?っていうと正直ね……
(ジェーン・スー)なんなの? 世の人のそうめんに対する意識の低さは。私はちょっと、小麦が(アレルギーで)たくさんは食べられないっていうのがあるんだけど。それがわかる前なんて、そうめんを常に食べてたよ!
(井上貴博)常に食べてました?
(ジェーン・スー)常に。四季を問わずに。こんな美味しいもん、ないじゃん! なに言ってんだよ、みんな! 油で細くしているから、気をつけて食べないと。カロリーちょっとあるんだよ!
(井上貴博)そこでですよ、だからこそのテーマが、今日の大テーマはこれなんです。「今日はそうめんでいいや。今日もまたそうめんか……」はもうやめよう。そうめんの美味しい食べ方講座!
(ジェーン・スー)イエーイ!(拍手)。
(井上貴博)これ、私自戒の念も込めまして。なんか夏バテとかだと、夏バテしてるから食べやすいそうめんにしようか……っていう、アプローチがネガティブなことが多いんじゃないか? と。そういう方が多いからこそ、そこを転換しようということで、今日はソーメン二郎さんにおすすめの食べ方をお教えいただきたいと思います。1年を通じて立派なメインディッシュになりうるんだと。ソーメン二郎さん、1つ目の食べ方、お願いします。
(ソーメン二郎)麺そのものを味わうなら、オリーブオイルと塩で食べるのがおすすめです。
オリーブオイルと塩
(井上貴博)おおっ、これは新しいんじゃないですか?
(ジェーン・スー)ソーメン二郎さん、声がいいですね。
(ソーメン二郎)ありがとうございます。
(ジェーン・スー)なんかこう、魔界からのお達しみたいな感じですけども。オリーブオイルと塩。全然、食べたことないです。
(ソーメン二郎)これはですね、まあ今日は三輪素麺を食べていただくんですが。そうめん本来の小麦粉の風味とか、コシとか、ツルシコの質感とか。
(井上貴博)お蕎麦では言いますよね。蕎麦そのものの味を……って。
(ジェーン・スー)吉野葛が?
(ソーメン二郎)そうですね。これは一筋縄というそうめんでしてね。これ、実は油入っていないんです。その代わりに、吉野の名産の吉野葛が入っているんですが。
(ジェーン・スー)へー! 早く食べたいよ! 仕事で食べるの、最高だよ!
(ソーメン二郎)さあ、じゃあオリーブオイルね。まあ、そうめんをちょっと取っていただいて。で、エクストラヴァージンオイルを持ってきました。で、これもドバッとかけます。
(ジェーン・スー)ドバッと? あ、結構かけるよ!
(井上貴博)そんな行くんですか? もうたっぷりですよ。
(ソーメン二郎)3回転半ぐらいですね。で、ちょっとお塩。
(井上貴博)ちょっとだけお塩。
(ソーメン二郎)で、ちょっと混ぜていただいて。
(ジェーン・スー)ええー、この食べ方、したことない! だってもうさ、麺が緑だもん。
(井上貴博)そう。ギットギト。
(ソーメン二郎)このね、オリーブの青い感じとね……
(ジェーン・スー)いただきまーす。みんな、心配しないでね。これぐらい食べるのは、全然大丈夫だから。リスナーさん、心配してくれる人がいてさ。いただきまーす。(ズルズルッ……)。うーん! うまーい! もうちょっと塩をかけよう。
(井上貴博)そうめんの味って、こういうことなんですね。
(ソーメン二郎)コシがすごいでしょう?
(ジェーン・スー)うん。苦うまい。
(井上貴博)オリーブオイルの苦さがあるので。その苦さに引き立つ感じでそうめんの……本来の味ってこういうことなんだ。
(ジェーン・スー)カッペリーニみたいですね。
(ソーメン二郎)そうなんです。まさに。1ミリぐらいですから、カッペリーニと三輪素麺って一緒なんですよ。ちょっとイタリア人になった気分がするっていう……
(井上貴博)(笑)
(ジェーン・スー)するする。
(井上貴博)テッカテカになるぐらいの量を入れてますからね。
(ソーメン二郎)これね、オリーブオイルをたくさんかけて召し上がっていただいたら、美味しいですね。
(井上貴博)これ、ソーメン二郎さんが考案した食べ方なんですか?
(ソーメン二郎)はい。これ、オリーブオイルソムリエの方に教えていただいて。「こうやって食べると、そうめん美味しいですよ」って。
(ジェーン・スー)これ、飲んでる人とかがペロペロ食べそうな味だね。
(ソーメン二郎)そう。これ、締めそうめんでね、最後に。焼き肉を食べた後とかに召し上がるといいかも。
(ジェーン・スー)ああ、なるほど!
(井上貴博)油っこいものを食べた後に。
(ソーメン二郎)そう。実はさっぱりする。
(井上貴博)1つ目がオリーブオイルと岩塩。では、2つ目。お願いします。
(ソーメン二郎)はい。かつおだしのめんつゆに飽きたら、椎茸だしのめんつゆで食べるのがおすすめです。
椎茸だしのめんつゆ
(ジェーン・スー)とうぜーん!
(ソーメン二郎)あら。
(ジェーン・スー)私、実家はずーっと椎茸だしでした。
(ソーメン二郎)ああ、そうですか。
(ジェーン・スー)本当に甘くて美味しいですよね。
(井上貴博)あっ、香りがいい!
(ソーメン二郎)はい。今日お持ちしたのはですね、僕が本当にいちばん美味しいなと思っているめんつゆなんですけど。宮崎の高千穂峡ってありますよね。で、ヤマヤ食品さんの高千穂峡しいたけつゆですね。
(ジェーン・スー)あの、椎茸だしって自分で出さないでもいま、売ってるんですね。びっくり。
(ソーメン二郎)これね、売っています。さらになんと、はちみつが入っております。
61080103 ヤマエ食品工業 高千穂峡つゆ しいたけ味 500ml 61080103 https://t.co/kwKH3Jp0D6 @enatuhonten
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2016年6月30日
(ジェーン・スー)いただきまーす!(ズルズルッ……)。
(ソーメン二郎)濃厚に甘いです。
(井上貴博)本当にいい感じの甘い匂いがしますね。
(ソーメン二郎)そうですね。本来の椎茸の風味がして、美味しいと思いますよ。これはもう、めんつゆだけで。
(ジェーン・スー)体が1980年に戻って。脳まで。「おかあさーん!」っていう感じ。うまいー!
(ソーメン二郎)実家の味。オカンの味ですよ。
(ジェーン・スー)っていうか、椎茸だしで食べたことがない人っているんですね。
(ソーメン二郎)多いと思います。実は。
(ジェーン・スー)結構びっくりしました。
(ソーメン二郎)かつおだしが全国的にはね。
(ジェーン・スー)かつおだしで食べているなんて、そんなの半目開けて運転してるようなもんだよ。免許持ってないけど。
(ソーメン二郎)まあ、奈良県は割と椎茸だし。で、大分とか宮崎も椎茸で食べるというのが多いですね。
(ジェーン・スー)ああ、そうなんですね。
(井上貴博)さっきのちょっとオリーブオイルの苦味が残っていたので、この甘さがまたいいですね!
(ソーメン二郎)ああ、流れ的に。
(ジェーン・スー)椎茸だし、本当に美味しい。時間のある人は、干し椎茸を水で戻して、出た汁にお醤油とお砂糖とかを入れて作ると美味しいですよね。
(井上貴博)食べやすいです。
(ソーメン二郎)そうですよね。
(井上貴博)ではでは、3つ目、行きましょうか。お願いします。
(ソーメン二郎)いつもと違う味を試したかったら、カレー味とトマト味のめんつゆがおすすめ。
カレー味とトマト味のめんつゆ
(井上貴博)こういうの、ちょっと怖い……
(ジェーン・スー)うん。私も。ちょっといま引き気味になっている。普通にゴマとかでいいじゃん!ってなっているんですけど。なんでみんな、こういうのやるんだよ?
(ソーメン二郎)じゃあ、先にトマトを行きましょうかね。
(井上貴博)全然ソーメン二郎さんが動じない(笑)。
(ジェーン・スー)動じない。めっちゃ面白い(笑)。
(ソーメン二郎)食べていただくために来ましたから。まあ、そうめんの復権活動を地道にやらないといけないんですよね。
(ジェーン・スー)こういうのはもう、慣れているわけですね。みんなのリアクション。
(ソーメン二郎)はい。で、これはちゃんとかつおだしと、味もついてますから。そうめんにつけてね、ちょっと召し上がっていただいて……
(ジェーン・スー)これもじゃあ、カッペリーニ風になるってことなのかな?
(ソーメン二郎)そうですね。まあ、イタリアン的な食べ方で。これはカゴメさんのトマトめんつゆですけどね。
(ジェーン・スー)そうめんってほら、食べ方をたしかに変えないと余っちゃうって言いますからね。家でね。って、なんで実家がそうめんやっている人の前でそんなオープンなそうめん感想をするんだろう?(笑)。
(ソーメン二郎)いや、僕はこういうのを1個1個潰していかないといけないんですよ。
(ジェーン・スー)(ズルズルッ……)。うん、美味しい!
(ソーメン二郎)井上さん、どうですか?
(井上貴博)間違いないですね。だいぶ、トマト濃いですね。
(ソーメン二郎)これ、濃厚です。味がしっかりしています。好みによってちょっとね、水で割っていただいてもいいと思うんですよね。
(ジェーン・スー)あ、「2回分」って書いてあった。他にも、あるんですか?
(ソーメン二郎)じゃあ、カレーめんつゆ行ってみますか? 最近はですね、「進化系めんつゆ」って僕、言ってまして。いろんな各社……
(井上貴博)しかも、CoCo壱番屋が出している。
(ソーメン二郎)そうなんです。ココイチさんが実はカレーめんつゆ。それもそうめん用です。これもスーパーでお求めいただけます。じゃあ……
(ジェーン・スー)うわうわっ、サラサラッとしてるのかと思ったら……
(ソーメン二郎)だいぶ、具も入っていますし。これも冷たいまま、そのままかけてつけて食べていただいて。
(井上貴博)これ、そうめんである必要があるんですか?
(ソーメン二郎)まあ、カレーうどんってありますよね? カレーそうめんがあっても、全くおかしくはないですね。
(ジェーン・スー)本当におだやかな声で、追い詰めてきますね(笑)。
(ソーメン二郎)ええ。1個1個、番組を潰していかないといけないんで。
(ジェーン・スー)うん!
(ソーメン二郎)いかがでしょうか? ココイチさんのカレーめんつゆ。
(ジェーン・スー)これ、お子さんとかに。
(ソーメン二郎)そう。いいですよね。カレー好きなお子さん、多いと思いますしね。
(井上貴博)私、トマトよりこっちの方が好きです。
(ジェーン・スー)っていうか、若いんだよ。だから。若さ。
(ソーメン二郎)ねえ。井上さん、だいたい自分の好みがわかってきたでしょ? そういう好みを発見するそうめんの旅なんですよ。これは。
(ジェーン・スー)ポジ出しだ。そうめんをポジティブに捉えていく。
(ソーメン二郎)で、ちょっとシーチキンなんかをつまんで、最後ちょっと召し上がっていただいたりするといいと思います。
(ジェーン・スー)シーチキンをどうしたらいいんですか? この中に入れるんですか?
(ソーメン二郎)これをつまみながら、そうめんを、その椎茸だしにつけて食べるんですよ。
(ジェーン・スー)ふーん! あ、ちょっと油感があってね。
(ソーメン二郎)そうですね。やっぱりね、そうめんって具が足りないんですよ。
(ジェーン・スー)ああー、なるほど!
(ソーメン二郎)つまり、満腹感がないんで。ランチのメニューにならないんですよ。だから外食ではないんです。ラーメン屋、うどん屋、蕎麦屋はたくさんありますが、そうめん屋はないんですね。
(ジェーン・スー)私、子供の頃は椎茸だしの(だしを)とった椎茸がそのまま入っただしで食べてました。すごく美味しかったです。椎茸を食べて。
(ソーメン二郎)ああ、そうですか。
(井上貴博)でも、いろいろアレンジできるんですね。こうやって、幅が広がります。
(ソーメン二郎)アレンジがないとね、お母さんが怒られてね。「またそうめん?」ってなるでしょ。そしたら、家庭崩壊につながっていく。それは阻止しないといけないです。
(ジェーン・スー)こんなにおだやかにジリジリと追い詰められるとは思ってなかったんですけども。
(井上貴博)そんなソーメン二郎さんからお知らせが。
(ソーメン二郎)7月7日は実は、そうめんの日。実は、七夕なんですが。東京カルチャーカルチャーっていうお台場の、ニフティが運営している会場で『七夕そうめん祭』を。そこにはせんとくんも、奈良県ですから来ていただいて。一緒にそうめんを食べるというそういうイベントでございます。ぜひ。
(ジェーン・スー)7月7日、そうめんの日。『七夕そうめん祭 in お台場2016』。ブログとかをやってらっしゃるんですか?
(ソーメン二郎)はい。ソーメン道というブログがありまして。そこにも情報が載っております。ぜひ見てください。
[リンク]そうめん研究家・ソーメン二郎の「ソーメン道」ブログ
http://somendo.blogspot.jp/
<書き起こしおわり>
ラジオでは時間切れでご紹介できませんでしたが、オリーブオイルに岩塩、ツナ、さらにパクチーサラダ(S&B)のシーズニングをかけると最高な夏がやってきますよ。 pic.twitter.com/Z7ZEcli8DC
— そうめん二郎 (@somenjiro) 2016年6月28日