菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で映画監督 北野武さんの凄さについて話していました。
(菊地成孔)(投稿メールを読む)『東京神田にある神保町シアターという小洒落た名画座で今月下旬、「世界の北野」になる前のビートたけし主演映画「哀しい気分でジョーク」がついに上映されます。大きなスクリーンに映される「たけちゃん」としか言いようがない風貌の30年前のビートたけし。80年代の東京。入れ替わりの激しかった若き日のたけし軍団の面々に興味津々の今日このごろです』ということですけども。
やっぱりね、北野武監督が凄いのは『TAKESHIS’』(笑)。『TAKESHIS’』って私、劇場公開の時にね、劇場公開用のパンフに解説を書いた覚えがあるんですよね。それ、最近出した本、『ユングのサウンドトラック』っていう本の中に収録させていただきましたけど。あれほど書いていて楽しいものはなかったですね。あの、『TAKESHIS’』はヤバい映画ですよ。
あとね、『アキレスと亀』。これも本当にヤバいんですよね。『たけしの誰でもピカソ』っていう番組の最終的な結論がこの映画に凝縮!っていう。その・・・芸術家として全く食えない旦那がベレー帽をかぶっているんですけど。その奥さんが樋口可南子さんっていうね。これもね、スクリーンで見ると相当来るんじゃないかな?っていうサイケデリックな映画ですね。
そういうものをまだ作っているっていうところがね、若々しいところなんですよね。もう、『アウトレイジビヨンド』みたいなこなれた、安心して見れるものだけじゃないっていうね。そっちも作れるんだけど、『アキレスと亀』も作れるっていうところに凄みを感じますね。
<書き起こしおわり>