宇多丸が語る ライブゲスト出演時のラッパー特有の難しさ

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ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中で、フィーチャリングラッパーとしてライブにゲスト出演する際の難しさについて語っていました。

(宇多丸)今週なんかもね、レコーディングなんか進める一方でですね、leccaさんというね、レゲエベースの女性シンガー。ライムスターフィーチャリングで『Sky is the Limit』という曲を出しましたけど。その1曲をやるためにleccaさんのライブに行ったりとか。これ、あのフィーチャリングで1曲だけ出るっていうのはありがたい仕事のように・・・みなさん、1曲歌ってね、僕なんかラップなんか16小節。で、サビをちょっと歌ってっていうことですから。で、まあ曲なんか4分弱とかね。そんなもんですから。そんだけでギャラ貰って楽な仕事って、とんでもないんですよ。

そのたった3分のために6時間くらい拘束されてますからね。ええ。で、まあずっと待ちに待って。しかもその、ワッ!と急に出て行ってラップしなきゃいけないっていうのは、これもみなさん、気持ちわかる・・・この気持はたぶん他のミュージシャンとかもわかんないでしょうね。ラッパーってフィーチャリングで出て行っていきなり・・・まあ、この曲の場合はイントロから出て行って、しばらくleccaが歌ってから、まあ1番。最初のラップが僕なんで。まだ、心の準備ができる方なんですけど。曲によっては、もう曲が始まって、歌も始まってて、ラップのパートから入って来いみたいなことがあるわけですよ。

で、じゃあいいですか?その手前のところでリハーサルだなんだで何時間待ってますよ。で、練習も何度もしてますよ。なんだけど、それまでポツーンと待っててですね、向こうはライブをずーっと何時間もやって盛り上がってますからね。で、曲が始まってボーン!出るじゃないですか。ラップしながら。そうするとですね、ボーン!って出た瞬間に人間の脳っていうのがですね、要するに視覚情報がガッ!と増えるわけですね。そこでね。お客の顔、顔、顔、顔・・・バーッ!で、いろんなステージ上の状況とかもあるわけですね。これ、前も言ったな。で、バーン!って出ると、いきなり脳に急激に、視覚から入る情報も増えて、急激に負荷がかかって。

なにが起こるか?っていうと、間違えやすいんですね。で、フィーチャリングの曲っていうのはあんまりやったことがない曲だったりもするしということで、非常に危険な。で、さらにこの『Sky is the Limit』という曲の私のパートはですね、もちろん意図的になんですけど、あえて全体のフロウを同じにしてるわけです。ラップの流れを、感じを全体に似せて、繰り返し感を出す。まあちょっとレゲエ感というかね。これ、まあ意図的にそういう形にして。実際のところ、そこがかっこいいヴァースになっていると思うけど、これが間違いやすい。全体が同じような感じが・・・そう。

で、意味とかもまあ、もちろん順番になっているんだけど、入れ替えが不可か?というとそうでもなかったりして、これがまた危ないっていうね、あたりになったりするということです。まあ、うっかり間違っちゃった時は繰り返したりなんかしてね、気づく人は気づくってなりやすい。まあ、幸いにも今回は、間違えずに無事に終わってということですね。まあ、そんなことをやりながらの今週でございました。

<書き起こしおわり>

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