菊地成孔 SEALDs新宿伊勢丹前デモを見て思ったことを語る

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菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中でたまたま新宿伊勢丹前で見かけたSEALDsのデモの模様と、それを見て感じたことを話していました。



(菊地成孔)1日空いちゃったんですね。そいでまあ、新宿。伊勢丹でも行こうかな?と思って伊勢丹に行ったらね、なんだか大変なお祭りやっていて。ホコ天で。シャネルがね、去年の・・・だから今年のAW用のショーがフェミニストのデモ行進っていうかね。まあ、デモ行進を模した、プラカードを持って、デモを行うという洒落たショーをやったんですね。


※動画9:20からスタートします

まあ、エンディングなんか真ん中にカール・ラガーフェルドをおいてね。世界中にあの画は打電されましたけど。まあ、毎年毎年、シャネルはショー凝っているんですけども。まあ、ちょっとそういった、フランスはやっぱりほら、市民革命の聖地っていうかね。パリはね。だから、ああいうのが似合いますよね。まあ、前口上でチラッと言いましたけどね。まあまあまあ、あの、この番組が社会派になっちゃ元も子もないですから。この番組がもし社会派になったら、Session22にそのまま吸収されていく形になりますからね(笑)。

なんのために分離されているのか、わかんないですからね。分離政策から吸収へっていうね、この段階でちょっと社会派っぽいですけど。だから、社会派のことは言いませんよ。言いませんけど、あの、SEALDsっていうの?SEALDsは・・・ええと、ちゃんと調べてないから間違うかも知れないですけど。まあまあまあ、検索しないでくださいね。っていうのはいま、サブに言ったんですけど。検索して正解が得られるより、検索しないおかげで間違えた方がはるかに面白いですからね。情報として豊かなんで。もう検索して正しい情報を得るなんてことに、人類はもう飽き飽きしてますからね。

ええー、推測で言いますけど、SEALDsの『S』は『Student』でしょ?あれね。学生だもんね。ええと、『S-E-A』でしょ?『Emergency Action』ですよ。きっと。『Emergency Action』。『L-D』はまあ、『Liberal』でしょうね。『Liberal Dimension』か?『Liberal Drastism』?あ、『Democracy』だ(笑)。『Liberal Democracy』に決まってるじゃんね。なに言ってるんだ、俺。『Dimension』とか言って。

いずれにせよね、ええと、エマージェンシー・アクションしてるんだってことを彼らは言いたいと思うの。エマージェンシー・アクションっていうのは緊急行動ですよね。で、まあまあ別に、学生さんのやることですし。まあ、その意気やよしという感じで、まあなんでも、デモでも革命でもね、なんでもやりゃいいと思いますし。いろいろなんか、主催者発表と人数が違ったとか言ってケチつけるうるさ型もいるみたいですけど。あんなもん、最初の安保の時から、主催者発表なんてね、吉本隆明さんがもうからかってましたからね。『主催者発表と実数っていうのはぜんぜん違うんだ』っつってね。

エマージェンシー・アクション

で、まあそんな話はどうでもいいんだけど。あのね、エマージェンシー・アクションっていうのは、たとえば火事が起こったら消防署が行きますよね。まあ、Emergency Action Stationって言いませんけど。Fire Stationって言うだけですけど。あれもエマージェンシー・アクションですよ。緊急行動でしょ?あるいは、海でライフセーバーみたいな人は人が溺れたら、バン!って飛び込むわけでしょ?病院なんかもそうですよね。緊急で患者が運ばれてきたら、エマージェンシー・アクションしなきゃいけないわけですよね。

ただ、エマージェンシー・アクションっていうのはいま言ったライフセーバーや病院の緊急病棟、あるいは消防署なんかも含めてですけど。常駐しているからエマージェンシー・アクションできるわけ。わかります?あの、火事が起こったからっつって、消防署を学生が立ち上げていたら、一手遅いですよね?(笑)。あの、それは何が言いたいか?っていうと、学生たちが常に、国が変なことをしないように見張っているっていう状況があって。それで、我らがベーアーがですね・・・(笑)。あの、ベーアー呼ばわりですけど(笑)。

我らがベーアーが、随分と走るねえとなったんで、常に見張っていた学生たちが、もうすでに持っているアソシエーションの中からエマージェンシー・アクションしたっていうんだったら、いいんですよ。ワンパン、遅れてないわけ。だけど、国がまずなんかやったから立ち上がったのをエマージェンシー・アクションって言っちゃうと、まあそんなツッコミ、どうだっていいよ!って言われる話、いま私して喜んでいる、まあ中年の悪い癖ですけどね。どうでもいいところに突っ込んでいるっていう。

でもね、どうでもよくないと思うの。やっぱり。名前は大切ですよね。エマージェンシー・アクションっていうのはやっぱり、常駐してないとダメだから。彼らはその点でね、一手遅れているのと・・・だから結局ね、なにが言いたいか?っちゅうと、路上の喧嘩でも競技でも、単なるダーティーダズン、口喧嘩でもそうなんだけど。まず一発もらっちゃってから動いたんじゃ、遅いんですよ。最初から準備しておかないと。

だから、まあ別に私、SEALDsダメとか、SEALDsがんばれとか言ってるんじゃなくて、どっちだっていいんだけど。学生さんのやることですから。ただ、一発もらってから動いたっていうのはちょっと若者のしては遅いよなっていう。それと、その名前がちょっとかっこいいみたいになっちゃってるんで。そこがちょっとね、おじさん気になったところではありますよね。やっぱり、あれですよね。まあ、坂本龍一さんが・・・(笑)。

まあ、坂本さーん!って思うんですけどね。天才音楽家だからこそ許されることで、あんだけ音楽が素晴らしいんだから、言うことがむちゃくちゃだっていいわけですよね。私なんか言うことがね、そこそこちゃんとしてるんで。音楽の才能がねえんじゃねーか?って自分が思うぐらいですけど。『フランス革命と同じことが起こりつつある』って公式に発言しちゃって(笑)。『ダメですよ、それ!ギロチン、ないんだから!』っていうね(笑)。さすが、ナチュラルボーン左翼。しかも、大金持ちっていうね、このアンビバレンツですよね。首狩っちゃうのか?っていう話ですけどね。

まあ、だからその国家が戦争をしてるとしますよね。まあ、アメリカなんかやっているわけですよ。そうすると、その自分の国家が戦争をしてるから、反戦運動が成り立つわけ。ほんで、『War Is Over』って言う正当性がはじめて出てくるわけなのね。で、これはね、香港の友達。私の、香港に住んでいる香港人です。要するに、中国人ですけどね、の、友達が言っていた。『香港の民主化デモと一緒にしてほしくない』って。

『香港の民主化デモっていうのは、民主主義がない、もしくは非常に悪しざまにされている状態で、民主主義をもう1回立ち上げて行かなきゃ!っていう時のデモが香港のデモであって、日本のは民主主義、一応ちゃんと機能してるわけだから、あのデモをうちらのデモと一緒にしてもらいたくない』って憤慨してましたよ。だから、まあ私は憤慨してないですけど。あと、そうですね、これもね、まあ本当に、おじさんにいろんなことを思わせるっていう、苦言を呈させるっていうのが若者の権利ですから、そんでいいと思うんですけど。

昔の、だから前の時の安保の学生。ゲバルト学生とはぜんぜん違いますよ。もう私たちはファッショナブルだしカジュアルだし、こんなにかわいい男の子や女の子がいますっていうのが打ち出しとして強く来ちゃってますよね?それ自体がね、そんなに新しく感じないっていうかね。いままでもそういうの、あったよっていう風になっちゃうんですよね。

ただ本当に最初ね、うわっ、シャネルのパロディーやってる!って思って。パロディーが多いね。やっぱね。『War Is Over』はね、やっぱり国が戦争をしてての反戦運動じゃないとやっぱり迫力がないから。アイコンとして、こっちはシャレでやってんだっていうにしてもね。『言うことを聞かせるのはこっちの番だ』っつったらしいですけど、あの、なかなかヤンチャじゃないか!って思うわけですけど。まあ、ヤンチャなのかいい子なのかのパラメーターっていうのもね、ちょっとわかんないところがいまっぽいですけどね。

『ユングのサウンドトラック』と『時事ネタ嫌い』

なーんつう話を長々としてるのもですね、なんと私、今週本を2冊出まして。宣伝かい!っていう話なんですけども(笑)。ええと、本を2冊、出しまして。1冊が映画評論の本で。『ユングのサウンドトラック』っていうね。まあ、詳しいことはこういうご時世ですから、検索していただければ。



松本人志さんの作品をコンプリートで批評しています。これは日本の映画批評の本の中では、おそらく初めての試みだと思います。

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まあ、私にとってはただ面倒くさいだけだった『セッション』騒動っていうね、炎上騒動のきっかけになった、『セッション』に対するディスりのブログも、少し読みやすく直しただけで、基本的にはそのまま再録されております。その後のことに関して等々は、いま執筆中の・・・あ、失礼。この『ユングのサウンドトラック』っていう本ね、2009年の本が文庫化されただけなんですけどね。はい。河出から出ています。

本日ね、サイン本を5冊プレゼント、しないっていうね(笑)。ぜんぜんプレゼント・・・同じ週に2冊出しているのに、全く番組からプレゼントしないっていうこの景気の悪さ(笑)。あの、一体どこの景気が悪いのか?全セクションの景気が悪いっていう(笑)。八方塞がりですけどね。

で、もう1冊出たのが『時事ネタ嫌い』っていう。これは2007年から2010・・・これもね、もうすでに12年に出た本の文庫化に際して全面的に加筆修正するとともに、『SNSってファシズム用だっけ?逆だっけ?どっちでもいいか』っていう2015年版の時事ネタを加えて、新しく、まあ大きく出れば別の本ですね。2007年から2010年までのことと、2015年のことが書いてあるという本なんですけど。



私、これよくやっちゃうんですけど。あとがきを書いたのがね、7月29日なんですよ。で、あとがきの中に、これ、私の本を一瞬読み上げてしまいますが。時事の要約としてね、『安倍政権に対していまのところ、シンプルヘッドたちには「はっきりと戦争に向けて舵を切った」などと言われるが、(あとがきを書いている)29日現在、国民による大規模なデモ、暴動、要人暗殺などの直接的な行動は起こっていない』って書いちゃったの。

で、書き終わった瞬間にあのデモが始まったんで。ちょっと間抜けっていうかね、あるいはグッドタイミングっていうか、バッドタイミングっていうかね。私、これ結構やるんですよね。マイルスの本のあとがきを書き終わって入稿した瞬間にテオ・マセロが亡くなりましたからね。この単行本の方も、あとがきを書き終わった瞬間に例の仙谷ナントカっていう、尖閣で船が接触したっていう動画があがったっていう事件が、時事ネタを書いた本のあとがきを書き終わって即、起きたんで。あとがきを書き終わったら何かが起こるっていうことが続く人ではあるんですよね。ええ。

で、まあそういうことで、本の中では『デモ起こっていない』って言ってましたけど、本当に大規模なのが起こる直前に書き終わったんだというエクスキューズをしたいだけだったということで、1曲まいりましょうか(笑)。

<書き起こしおわり>
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