DJフクタケと宇多丸 昭和キャラ&おもちゃソングを語る

DJフクタケと宇多丸 昭和キャラ&おもちゃソングを語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

DJフクタケさんがTBSラジオ『タマフル』の中で自身が選曲・監修をしたコンピレーションCD『トイキャラポップ・コレクション』の中からおすすめの昭和キャラクター&おもちゃソングを紹介。宇多丸さんと曲を聞きながらあれこれと話していました。

(宇多丸)今夜の特集は、こちら! CD『トイキャラポップ・コレクション発売記念 DJフクタケプレゼンツ 昭和生まれのキャラ&おもちゃソングオンパレード』。それでは、さっそくお招きしましょう。DJフクタケさんです。どうもー。

(DJフクタケ)はい。こんばんは。DJフクタケです。よろしくお願いします。

(宇多丸)先日は三宿WEB 80’sナイト、お世話になりました。ということでフクタケさんはここ数年、夏の恒例音頭DJとしての出演が多かったですね。大石始さんとセットで。最近では昨年の大晦日、冬の音頭MIXを披露していただきました。素晴らしかったです。ありがとうございます。

(DJフクタケ)こちらこそ。

(宇多丸)で、特集形式でフクタケさん単独での出演はなんと、2014年2月の本当はヤバい歌謡曲の世界特集以来ということで、もう3年たっているという……。ねえ。なんか、ちょいちょい出ていただいているのもあるし、80’sナイトで年がら年中会っているというのもあって。そんな空いている気がしなかったんですけども。すいませんでした。

(DJフクタケ)いえいえ、とんでもないです。

(宇多丸)大変失礼いたしました。「ヤバ歌謡」という昭和のテレビソングや歌謡曲をグルーヴィーに聞かせるDJスタイルで活動中。7インチレコードのコレクターであり、昭和ポップカルチャーへの造詣も深いということで。

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常にDJは7インチレコードでされております。そして今回、3月21日にリリースされた3枚のCDの選曲と監修を担当。今回はミックスCDじゃなくて、コンピレーションということで。

(DJフクタケ)そうですね。セパレートの曲です。

(宇多丸)ラインナップは『トイキャラポップ・コレクション VOL.1 <ヒーロー&ヒット編>』『トイキャラポップ・コレクション VOL.2 <ファンシー&カワイイ編>』『トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>』。以上3枚が同時に出るという。このシリーズには雑誌とかの付録のソノシートやショップ限定レコード、初CD化音源、CD化されていても現在は入手困難なものなど、貴重な音源を多数収録ということでございます。これ、でも「貴重」っていうか、本当に入手困難どころじゃなくて、もう聞くこと自体がそもそも困難系っていうぐらいですよね?

(DJフクタケ)そうですね。まあ、そもそも企画したきっかけっていうのはこういうノベルティーソング、個人的に好きでずっと昔から音源はレコードで集めていたんですけど。そういったものがなかなか振り返られる機会っていうのがそもそもない。たとえばアニメソングだったら再放送なり、そのアニメソング自体の需要が結構あるので、コンピレーションとかが出てたりするんですけど。そういうおもちゃとかキャラクターものっていうのがなかなか音源としてまとめられる機会っていうのがなかったので。やっぱりそういったものを今回、チャンスをいただいたので。自分の思いの丈を寄せ集めたという感じです。

ある意味、文化事業

(宇多丸)ある意味、文化事業というかね。ここで誰かが記録しておかないと、消えちゃうじゃないかっていう、そういうところもありますよね。

(DJフクタケ)そうですね。やっぱりアーカイブするっていうことがすごい大事だなというのがあって。それを誰かがやらなきゃって思った時に、ちょうど今回こういう企画をULTRA-VYBEさんが通してくださったんで。それで実現したという。

(宇多丸)なるほど。これがね、やっぱりそれだけの文化事業であって。今回特集を組むにあたって、今回のコンピCDの曲目を我々、最初パッと見たんですよ。「ああ、これか!」みたいな、そういうのを期待してパッと見たらね、これがね、「マジで1個もわかんねえ!」っていう。結構なかなか珍しい事態が。本当にそんぐらいレア音源っていうことですよね?

(DJフクタケ)そうですね。ちょっといろいろ、クリアランス。楽曲の許諾を取る過程で、本当はもっとキャッチーなものも入れたかったんですけど。まあ、結果的にOKが出なかったものもあったりして。まあ、それでそういった形になったという部分もあるんですけども。

(宇多丸)でも、それでこの曲数なんだから、もうそれだけ選びに選んでって言うことですよね?

(DJフクタケ)そうですね。まあ、楽曲的に面白いものをっていうのと、資料的な価値というか。もう、CDで聞けること自体が非常にレアであるということと、どっちもですね。今回のCDに関して言えば。

(宇多丸)でも、それこそソノシートだとかそういうのって、もう権利ってどこに当たったらいいのかわからないものとかいっぱいあると思うから……。

(DJフクタケ)いや、実際に本当、そうでした。それでやっぱり収録を断念したものも、実は多いです。

(宇多丸)ちなみに、これ『トイキャラポップ・コレクション』っていうタイトルが今回、ついているんですけど。これ、ネーミングはフクタケさんが造語で今回作ったっていうことですよね?

(DJフクタケ)そうですね。今回、いままでに前例のないタイプのコンピレーションのCDだったということもあって。そのコンセプトをどう言葉で表そうかな? というのがまずありまして。で、アニソンでもない。ゲーム・ミュージック、BGMとかでもないということで、まあおもちゃとキャラクター。それらがポップミュージックに昇華されているものみたいなことでひとつ、今回の企画をわかりやすくするために「トイキャラポップ」と。

(宇多丸)だから、「トイキャラポップ」なんですね。80’sポップみたいな、そういうことなんですね。わかりました。トイキャラポップということで。じゃあさっそく、曲をどんどん聞いていきたいわけなんですが。このCDに入っている曲をアルバムごとに聞いていきましょう。まずは1枚目。『トイキャラポップ・コレクション VOL.1<ヒーロー&ヒット編>』。まあ、「ヒット編」というぐらいなんで……。

(DJフクタケ)まあ今回、いろいろとキャッチーなものも必要ということもあったので。楽曲は知られてないかもしれないけれど、非常に題材としてはポピュラーなもの。たとえば、タカラの変身サイボーグ。

(宇多丸)おっ、持ってました!

(DJフクタケ)1号だったりとか。あとはトミーのゾイド。まあ、ちょっと我々世代。40代から30代ぐらいの方には。そういったものだったり、あとはもう古くはフラフープみたいな、わかりやすいものと、男の子向けのヒーロー系の曲を集めたのがVOL.1のヒーロー&ヒット編という形になっております。

(宇多丸)なるほど、なるほど。ということで曲を具体的に聞いていく前に、ちょっとある曲を流したいんですよね?

(DJフクタケ)そうですね。はい。今回、ULTRA-VYBEというレコード会社から出すにあたって、コンピレーションのレギュレーション的に自社楽曲をかならず入れなきゃいけないということで。でも今回、過去の音源を基本的に集めたものなので、自社音源をどうしよう?ってなった時に、ちょっと「架空のCMを作ろう」ということで。このコンピレーションのCDを昭和のおもちゃCMオマージュみたいな形で1曲、新たに作りました。で、今回、そのCMのナレーションを友人の高野政所くんに。

(宇多丸)おっ! 今日の『タマフル』は高野政所色が濃いということですね。

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(DJフクタケ)担当してもらい、なおかつ、トラック制作を『タマフル』でも出演されていた友人のアボカズヒロくんに。

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(宇多丸)ああ、アボくん。この間も80’sナイトの後で、松屋でさんざん……。

(DJフクタケ)延々ね(笑)。

(宇多丸)延々、語ってましたけども。

(DJフクタケ)そのアボカズヒロくんがトラックを作ってくれました。で、ちょっとアボくんのこだわりで、昭和のテレビ感を出すために1回作ったデジタルのマスターの音源をVHSにコピーして。そっからアナログ出力して出すというような。

(宇多丸)ああー、いいですねー。

(DJフクタケ)アボくんのそのへんのこだわりも含めて、ぜひ聞いていただきたいと思います。そんな音源です。じゃあ、まずは聞いていただきましょう。『トイキャラポップ・コレクション VOL.1 <ヒーロー&ヒット編>』CM by 高野政所です。

『トイキャラポップ・コレクション VOL.1 <ヒーロー&ヒット編>』CM by 高野政所

(宇多丸)いいですねー。「光る! 回る!」(笑)。

(DJフクタケ)まあ、CDですからね(笑)。

(宇多丸)バカですねー。でもなんか、たしかに古いテレビの録画を見ているようなぐらいの、ちょっとこもった感じの。出ているんじゃないですかね。アボくんのこだわりね。

(DJフクタケ)すごくいいと思います。

(宇多丸)ということでじゃあ実際、今日音源はオリジナルの音源ですね。

(DJフクタケ)アナログ7インチをご用意しております。

(宇多丸)まず一発目はなんでしょうか?

(DJフクタケ)一発目は、先ほどもちょっと触れましたがタカラの『変身サイボーグ』をレコード化した『変身サイボーグ1号』。

(宇多丸)変身サイボーグっていうのはね、完全に僕世代。もう完全に直撃でございます。透明の人形ので中に機械部品みたいなのが入って。で、いろいろと着せ替えとかができて。

(DJフクタケ)そうですね。男の子版着せ替えみたいな感じですね。

(宇多丸)いや、もうめちゃめちゃ好きでした。はい。

(DJフクタケ)それがレコード化されたもので、じゃあまずは音源をしっかり聞いていただくというところから始めましょうかね。では、聞いていただきましょう。『変身サイボーグ1号』です。

『変身サイボーグ1号』

(宇多丸)はい。ということで『変身サイボーグ1号』をお聞きいただいております。

(DJフクタケ)で、補足情報なんですけど、歌っているのがクレジット上は竹尾智晴さんという方なんですけど、これは正体は声優の中尾隆聖さん。『それいけアンパンマン』のバイキンマンが有名だと思います。

(宇多丸)まあ、こんな感じで『変身サイボーグ1号』というのはタカラのオリジナル玩具なんだけども、それにオリジナルストーリーみたいなのがなんとなくあったりして。『ミクロマン』とかもそうでしたね。なんか、そういう感じですね。それのテーマ曲みたいな。

(DJフクタケ)そうですね。まあ、そういう玩具の世界観を補完する要素というか。マルチメディア展開のひとつの手段として、レコードというのがこの時期は結構あったということですね。

(宇多丸)いやー、変身サイボーグ1号、ほしくなってきちゃった(笑)。さあ、続いて行きましょうか。

(DJフクタケ)サクサク行きましょうか。では、次にご紹介するのは同じくタカラのクラシックですね。ダッコちゃん。

(宇多丸)ダッコちゃん! これはいまの人はわからないんじゃないですか。しかもちょっと、なんか問題になったんでしたっけ? いわゆる土人表現風っていうか。

(DJフクタケ)はい。まあ、黒いビニール製の人形が腕に。

(宇多丸)女の子の人形が手にくっつく。抱きつくスタイルになっていて。かわいらしいんですけどね。

(DJフクタケ)それが、ヒットしたのは60年代に最初にヒットしたんですけど。それが1975年にタカラの創業20周年を記念して復刻されたんですね。そのタイミングでまたタイアップ曲として、当時流行りのディスコミュージックを取り入れる形で発売されたのがこの曲です。ハルヲフォンで『FUNKYダッコNo.1』。

ハルヲフォン『FUNKYダッコNo.1』

(宇多丸)はい。めちゃめちゃファンキーな、まさに『FUNKYダッコNo.1』。

(DJフクタケ)もう箱バンの演奏っていう感じのね。

(宇多丸)これ、ハルヲフォンっていうのはもちろん?

(DJフクタケ)近田春夫&ハルヲフォンの、まだ近田春夫さんの名前が前に出る前ですね。最初に出したシングルです。

(宇多丸)ねえ。さすがの演奏力というあたりで。でもね、まさにそのダッコちゃんの黒人感というか。それでディスコに持っていくあたり。「ああ、この企画……」っていう。

(DJフクタケ)まあ、わかっているけどわかりすぎていて。いろいろ後で波紋を呼んでしまうという。

(宇多丸)「全国ディスコ協会推薦」というね、キャプションもついております。でも曲はさすが、かっこいいですね。

(DJフクタケ)そうですね。いや、非常にこれはDJの和物の人に結構人気がある曲なので。これはぜひ、DJ諸氏にも押さえていただきたいかなと思います。

(宇多丸)なるほど。いや、めちゃくちゃかっこいいです。さあ、続きまして?

(DJフクタケ)続きまして、これ、今日かける曲の中では唯一CD音源になりますかね。まあ、元はカセットテープなんですけども。レーヨン製の鯉のぼり、ピカピカ太郎鯉のCMソング。

(宇多丸)えっ? もう1回、言ってください。

(DJフクタケ)レーヨン製鯉のぼり。

(宇多丸)あ、レーヨン製ね。うんうん。

(DJフクタケ)材質の話をしています。ピカピカ太郎鯉のCMソングで『太郎鯉』という曲なんですけども。

(宇多丸)ピカピカ太郎鯉……ピカピカしてるんですかね。やっぱね。

(DJフクタケ)はい。レーヨン製なんで。

(宇多丸)(笑)

(DJフクタケ)化学繊維。化学の力!

(宇多丸)あ、そういう押しで?

(DJフクタケ)はい。まあ適当なことを言っているだけなんですけども(笑)。これ、非常に鯉のぼりの曲って言ったら普通は「屋根より高い♪」っていうね。まあ、牧歌的なほのぼのしたものを想像させるんですけども。この曲はもう、そういうのとは一線を画す、私の中では世界一かっこいい鯉のぼりソングということで。

(宇多丸)なるほど! そんなにないと思いますけども(笑)。

(DJフクタケ)(笑)。はい。じゃあちょっと聞いていただきましょう。牧憲幸さんで『太郎鯉』。

牧憲幸『太郎鯉』

(宇多丸)鯉のぼりがヒーローみたいな扱いになってますね。

(DJフクタケ)もう、大空をかっこよく。

(宇多丸)ねえ。「腹いっぱいに空気を吸い込んで」。

(DJフクタケ)どうですか? 世界一かっこいい鯉のぼりソング。

(宇多丸)いや、でもめちゃめちゃかっこいいです。「ピカピカ」なのかな? なんかそういうところ、ありましたよね?

(DJフクタケ)「ピカピカ、ピカッ♪」って。

(宇多丸)それはCMのところで流れている。いや、かっこいいです。演奏もすごいばっちりですね。これね。

(DJフクタケ)そうなんですよ。これ、実はいまでも太郎鯉を買うとCDがついてきます。

(宇多丸)ええーっ、マジっすか!? へー! いまだに?

(DJフクタケ)はい。現行商品ではあるんですけど、ただ、この1曲のためにわざわざ鯉のぼりを買うのもハードルが高かろうと。

(宇多丸)鯉のぼり、いくら? ねえ。大きさにもよるでしょうけどね。

(DJフクタケ)はい。ちっちゃいやつだとそれなりに安い値段でもあるんですけど。

(宇多丸)もういま、でもレーヨンじゃないんじゃないの? レーヨン製なの? いまだに。ピカピカなんですか?

(DJフクタケ)ピカピカ……まあたぶん、さらに新しい新素材のものもあるかもしれませんけど。

(宇多丸)でも当時のちびっ子は「お母さん、あれかっこいい! 買って!」なんつって。っていう感じだったんですね。

(DJフクタケ)だと思います。そういった情景が浮かぶ名曲でございます。

(宇多丸)もういきなりね、3曲とも素晴らしいのが来てしまいました。ということで、一旦お知らせを挟みまして、続きまして『<ファンシー&カワイイ編>』。これがさらに輪をかけてすごいと聞いております。そして、『<ビデオゲーム編>』をお送りします。

(CM明け)

(宇多丸)今夜はCD『トイキャラポップ・コレクション』発売記念、DJフクタケプレゼンツ 昭和生まれのキャラ&おもちゃソングオンパレードをお送りしております。それではフクタケさんの解説とともに、さらに曲を聞いていきましょう。続いてのCDはこちらから。『トイキャラポップ・コレクションVOL.2 <ファンシー&カワイイ編>』。先ほどは割りと男児向けと言うか、そういう感じでしたけど。今度は女児向けですか?

(DJフクタケ)はい。女児向けの『ファンシー&カワイイ編』ということでまとめているんですけど。今回出した3枚のCDの中でもいちばんキラーなものかなというところがあって。それは、大きな理由がありまして。このCDの目玉の部分がサンリオレコードという、ハローキティなどでおなじみのサンリオがレコードレーベルを自社で運営していた時期というのがありまして。その音源っていうのが、いままで一度もCD化されてなかったんですね。

(宇多丸)おおーっ!

(DJフクタケ)で、今回、このCDにそのサンリオレコードの音源を、全てじゃないんですけど、大半を収録することに成功しました。

(宇多丸)へー! それはすごい。

(DJフクタケ)まあ、ちょっといろいろ裏話がありまして。レコード化をサンリオさんにかけあいに行った時、僕の私物のコレクションの7インチを託したんですね。ULTRA-VYBEの方に。で、それを直接お持ちして、「ここに現物がありますので、ぜひ音源化をさせてください」って言ったら、もうその熱意にサンリオの方も。「だったらやりましょう」って言ってくださったということもありまして。で、楽曲のクオリティーもこのサンリオレコードが素晴らしくて。まさに1977年に3枚、サンリオレコードはシングルを出しているんですけど。これが本当に自社で音楽出版社を立ち上げたタイミングで、相当力が入っていて。一流の作曲家の方も招いて、実際の演奏も超名演という。もう、聞けばとにかくヤバいという。

(宇多丸)単純にもう、曲として素晴らしい?

(DJフクタケ)素晴らしいということです。もう本当に、ポップス好きのみなさんにぜひ聞いていただきたい。キャラクターもの、ノベルティーっていう枠をとっぱらって、純粋にポップミュージックとして楽しめる。

(宇多丸)半笑い感はないぞという。

(DJフクタケ)ないですね。これに関して言うと。ぜひぜひ、なのでまずその中から1曲、聞いていただきたいと思います。まず聞いていただきたいのが、アーティストの名義はHELLO KITTY名義なんですけど、これ、藤本房子さんというアーティストの方が歌っています『あの子はキティ』という曲です。どうぞ!

HELLO KITTY『あの子はキティ』

(宇多丸)うーん! いいですねえ。

(DJフクタケ)はい。いかがですか?

(宇多丸)オープニングの感じから予想したのとは違う、結構うねるベースがグイグイ来たあたりとか。

(DJフクタケ)途中からグイグイ来ますからね。

(宇多丸)ドライブしていく感じがたまらないです。ストリングスもね、ばっちり。

(DJフクタケ)アレンジがすごくリッチで。やっぱり本当に良質な音楽をしっかりお金をかけて作ってきているのが聞いていてわかるという。

(宇多丸)いや、いい。これは「上質」という言葉が似合いますね。たしかに。

(DJフクタケ)このB面も素晴らしいので。続けてB面、聞いていただけますでしょうか。

(宇多丸)これ、でもサンリオだけにジャケもかわいいっすね。さすが。デザインもすごくいい。

(DJフクタケ)非常にプロダクトとしてサンリオが、ただのレコードとは違う、ファンシーグッズとしての完成度をかなり追い求めた結果という。

(宇多丸)このデザインなんか、全然いま見ても古くないですね。

(DJフクタケ)そうですね。かなりコストかかっていると思うんですよ。印刷とか、特殊な作りなので。そこも含めて、やっぱりちゃんとサンリオが気合を入れていたというね。

(宇多丸)あ、レーベルもかっこいい。すごい。盤面もかっこいいですね。ということで、『あの子はキティ』のカップリング。

(DJフクタケ)聞いていただきましょう。先ほどと同じくHELLO KITTY(藤本房子)で『ハローキティ』という曲です。

HELLO KITTY『ハローキティ』

(宇多丸)はい。ということでカップリングの『ハローキティ』はまさかのカントリー。

(DJフクタケ)ちょっとカントリーというね。

(宇多丸)カントリー調なんだけど、でも相変わらずちょっとファンクネスは入っているんですよね。

(DJフクタケ)そうなんですね。踊れる感じというか。

(宇多丸)これ、編曲が素晴らしい仕事じゃないですか。

(DJフクタケ)はい。で、作曲は宮川泰さんが。もう、和製ポップスの第一人者の1人ですけども。

(宇多丸)それだけでも、要するにすごく力を入れて作っているのがわかります。

(DJフクタケ)力が入っているということなんですよね。で、サンリオレコード、他の曲も同様にこういうクオリティーなので。まあ、外れなしというか。それらが『トイキャラポップ・コレクションVOL.2』にはぎっしり入っていますので、ぜひチェックしていただきたいなと思います。

(宇多丸)これは貴重だ。

(DJフクタケ)じゃあ、続いてもう1曲。VOL.2から。

(宇多丸)続きましては?

(DJフクタケ)続きましては、ちょっと毛色が変わりまして。

(宇多丸)ああ、これはいわゆるソノシートというか。

(DJフクタケ)そうですね。おもちゃが何のおもちゃかと言うと、たぶんあんまり有名ではないんでうすけど。ICモリタニというメーカーから出ていたうたこちゃんというおもちゃがございまして。

(宇多丸)これ、なんとも形容し難いな。マイクの前に、何ていうんですかね? こけしのプラスチック版みたいな女の子の人形が立っていて。で、口がポカッて開く。これ、どういうおもちゃなんだろう?

(DJフクタケ)これ、ラインの入力で音に反応して、女の子の人形が口をパクパクさせるみたいな。

(宇多丸)ああ、これマイクがついているから。じゃあこうやって、たとえば女の子がなんか曲に合わせて歌うと、うたこちゃんもパクパクやるという?

(DJフクタケ)そうです。そうです。そういうおもちゃなんですけど。それの付属品として、ソノシートレコードがついておりまして。それが今回紹介する曲になります。

(宇多丸)ねえ。そのおもちゃだけじゃなくて、3人のこれ、歌ってらっしゃる方なんですかね? 女性の……。

(DJフクタケ)ウィンクルという女性3人のグループで、まあ当時、キャンディーズブームとかの流れですかね。1979年のおもちゃなので。その頃のアイドルソング的な……これも割りと黒っぽい要素のあるアイドルソングになっておりますので。それをぜひ聞いていただきたいと思います。それでは、聞いていただきましょう。ウィンクルで『ゆれてゆれて』。

ウィンクル『ゆれてゆれて』

(宇多丸)最後だけさ、「私、うたこちゃ~ん♪」とかさ、キャラソングっぽく着地しているけどさ。途中の歌詞が大人っぽすぎます(笑)。

(DJフクタケ)そうですね(笑)。

(宇多丸)いやー、これも超レア音源ということで。

(DJフクタケ)そうですね。本邦初CD化でございます。

(宇多丸)っていうかもう、聞いたことがある人自体がね、当然そんなにいないっていう。

(DJフクタケ)そうですね。まあ、なんか一応CMソングとして当時、どうも流れていたらしいんですけえど。私も記憶にないという感じでございます。

(宇多丸)すごいね。こんなものが今回の『トイキャラポップ・コレクション』には入っているという。

(DJフクタケ)入っています。レア音源が。

(宇多丸)さあ、じゃあ、どんどん行きましょう。70年代後半はやっぱりどうしてもディスコ調というかね、ファンキーな感じが多くなるのはありますね。さあ、続きまして?

(DJフクタケ)続きまして紹介させていただきたいのは、これもサンリオ関係なんですが、アニメソングです。サンリオのキャラクターでボタンノーズっていうキャラクターがあるんですけど。これが1985年にアニメ化されまして。テレビ朝日系列で放送された『夢の星のボタンノーズ』というアニメになっています。で、これが放送されてシングルレコードが出ているんですけど。これは結構アニメソング好きの間では評判のいい曲だったにもかかわらず、いままで一度もCD化されていなかったということもあり。今回、キャラクター縛りということでCD化する時に、ぜひCD化したいなと思ってクリアランスを取って、やっとCD化できたという、そういう貴重な音源です。

(宇多丸)これはじゃあ85年の当時から、曲はいいなというのはあったわけですね。

(DJフクタケ)そうですね。評判は良かったんですけど。レコード会社がビクターさんで、コロンビアみたいにアニソンをたくさん出しているところじゃないので。なかなかコンピレーションとかにも入りにくかったという、そんな事情もあって。これはたぶん、音的に言うと宇多丸さんが絶対に好きなタイプというか。

(宇多丸)本当ですか? 直撃ですか?

(DJフクタケ)直撃だと思います。では、聞いていただきましょう。アーティストはまさごろ。曲名は『ベーッ!』という曲です。

まさごろ『ベーッ!』

(宇多丸)これは、あれですね。フクタケさん。80’sナイトでかけていいです。これ。

(DJフクタケ)かけていいですか?

(宇多丸)大丈夫です。洋楽に混ぜても大丈夫です。

(DJフクタケ)あ、洋楽認定が(笑)。

(宇多丸)いやー、めっちゃかっこいいっす。最高。

(DJフクタケ)『シング・ストリート』と一緒にかけてもいい?

(宇多丸)もう、全然混ざりますね。あ、まさに85年だ!

(DJフクタケ)まさに。おおっ! お墨付きをいただきました。いや、でも本当にこの当時の音色といいますか。まさにそういう感じですね。

(宇多丸)1個1個の音色がもう好きっていうやつですね。これ、なんと作詞は秋元康御大ということで。

(DJフクタケ)そうなんですよね。で、作曲は白井良明さん。ムーンライダーズの。

(宇多丸)うわーっ、じゃあかっこいいんだ。そりゃ。

(DJフクタケ)そうなんですよね。そういう意味じゃあ、間違いない曲なんですけども。だから、やっぱりそこまで評価されてる曲であるにもかかわらず、いままでCDになっていなかった。

(宇多丸)これ、オープニングの方の曲も今回入るんですもんね?

(DJフクタケ)入ります。『KISSをさせてよ!』っていう。こっちも名曲です。

(宇多丸)うわー、いいわー。

(DJフクタケ)ぜひぜひ、このCDを手に取っていただきたいと思います。

(宇多丸)『トイキャラポップ・コレクション VOL.2 <ファンシー&カワイイ編>』。行かせていただきます。それでは、次のパートに行ってみましょう。最後は、こちら! 『トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>』! はい。ビデオゲーム。

(DJフクタケ)ビデオゲームはですね、非常にビデオゲームというとBGM。ゲームのバックグラウンド・ミュージック自体は結構音源になっているものが多いんですけど。結構80年代っていうのがタイアップソングが非常に……まあ、景気もよかったせいもあって多かったりしたのもあって。ビデオゲームは非常に勢いがあった時代だったりもするので。そういう音源は多いんですけど、大抵の曲はなかなかまとまって聞けるものがなかったり。私も非常にこのジャンル、大好きなので、いままで個人的に「これはいい」と思った曲を今回まとめることができたというものになっております。

(宇多丸)はい。

(DJフクタケ)で、あと80年代というのはアイドルが非常に盛り上がった時代でもありますけど、そういったアイドル……マニア的にも結構レアな音源が入っていますので。そちらの方面が好きな方にも満足いただける内容かなと思います。

(宇多丸)さあ、ということで曲を聞く前に、またしても高野政所くんフィーチャリングのCMがつくということで、こちらの音源をお聞きください。

『トイキャラポップ・コレクション VOL.3 <ビデオゲーム編>』CVOL.3 <ビデオゲーム編>』CM by 高野政所


※1:18からスタートします。

(宇多丸)いい仕事、してますねー。さすがですね(笑)。

(DJフクタケ)いい声を存分に。

(宇多丸)そうですね。いい声。信頼できる声と言われてますけどもね。さあ、ということで、CDに入っている曲を聞いていきましょう。

(DJフクタケ)じゃあまず1曲目。『VOL.3 <ビデオゲーム編>』からご紹介するのは『ディスコ・スペース・インベーダー』。ファニー・スタッフというグループが演奏していますが。これは日本のビデオゲーム関連のタイアップソングの中でも古い部類のものですね。最古の1曲と言っていい曲です。和製ディスコの楽曲としても非常に評価の高い曲なので、ぜひ聞いてみたいと思います。それでは、ファニー・スタッフで『ディスコ・スペース・インベーダー』。

ファニー・スタッフ『ディスコ・スペース・インベーダー』

(宇多丸)すごい。この音を聞くだけでたぶんある世代は……79年の曲ですけども。

(DJフクタケ)たまらないものがあると思いますが。

(宇多丸)これ、でもいま流れているインベーダーゲーム自体のゲーム中の音が使われているじゃないですか。で、79年だからまだサンプラーとかないと思うんですけど。どうやってやっているのかな?って。

(DJフクタケ)これ、裏話がありまして。この曲を収録したスタジオのすぐ隣にスペースインベーダーを出していたメーカー、タイトーがありまして。そのタイトーに置いてあるビデオゲームの筐体から直接ケーブルを引いてスタジオに音を引っ張ってきたという。

(宇多丸)ええーっ! じゃあ、もう直の音なんだ。まさか、ビートに合わせてこう、ピュンピュン!ってやってみせたっていうことなのかな?

(DJフクタケ)さすがにちょっとそこまで裏は取れてないですけど。まあ、場合によってはそんなことも……。

(宇多丸)ねえ。一応ビートに合わせようとしている節もありましたもんね。

(DJフクタケ)やっていたかもしれないという。はい。

(宇多丸)すごいですねー。

(DJフクタケ)ちゃんとジャケットにも「協力:タイトー」っていうオフィシャルのクレジットがされているので。そういう意味でも、歴史上非常にエポックなレコードだったりはします。

(宇多丸)すごい。ジャケのね、「DISC」って書いてあるところに「O」をインベーダーが持ってきているという、ちょっとシャレたね、感じも。

(DJフクタケ)これ、スペースインベーダーパート2のデモ画面でこういう演出があるので。それをちゃんとジャケット上で再現してるという。

(宇多丸)さすがですね。演奏もでも、素晴らしいですね。

(DJフクタケ)これ、演奏はクロスウィンドっていうプログレ系のグループの遠藤敬三さんっていう人が作曲でやっているんで。まあ、その周辺のミュージシャンの方が参加しているという。

(宇多丸)素晴らしかったです。さあ、では続きまして。

(DJフクタケ)続きまして、まあ80年代のゲームといえば、任天堂のファミリーコンピュータ。非常にヒットしたゲーム機ですけど、その中でも大変に人気があった『ドラゴンクエスト』シリーズ。ドラクエのシリーズ、数ある中でもドラクエ2という2作目のゲームのタイアップ曲になりますが、こちら、牧野アンナ。

(宇多丸)おっ! アクターズスクール。

(DJフクタケ)沖縄アクターズスクール社長令嬢で、SUPER MONKEY’Sのリーダーを経て、いまやAKBやSKEの振り付けもやっている牧野アンナさんがアイドル活動をいちばん最初に始めた時のデビューシングルになるんですけど。

(宇多丸)へー! 87年だ。

(DJフクタケ)はい。87年に『ドラゴンクエスト2』のタイアップソングでデビューされています。曲名が『Love Song 探して』という曲なんですけども。これがドラクエの曲ってずっとすぎやまこういち先生が。

(宇多丸)はい。あのテーマ曲が浮かびますよね。

(DJフクタケ)作曲をしているんですけど、これはゲームの中の復活の呪文入力の時のBGMを歌謡曲的にアレンジしたものになっておりますので、ゲームをやったことがある方なら、「ああ、あの曲ね」となると思うので。ぜひこれを聞いていただきたいと思います。牧野アンナ『Love Song 探して』。

牧野アンナ『Love Song 探して』

(宇多丸)はい。ということで、まあサックスが入ってくるとね、80年代っていう感じがやっぱりしますけど。

(DJフクタケ)強制アーバンっていう感じで。

(宇多丸)ねえ。これ、ドラクエをやっていた人はピンと来る?

(DJフクタケ)もう絶対にラジオの前で悶絶していると思います。

(宇多丸)僕ね、ファミコンは禁欲期だったので。人間を破滅させるものだと思ってやっていなかったんで。

(DJフクタケ)(笑)。でも、楽曲として強度が高いというのはお聞きいただければわかると思います。

(宇多丸)あと、やっぱりこの写真がね。裏ジャケで牧野アンナさんの写真の方のジャケが。かわいいなー。こんな感じだったんだね。

(DJフクタケ)そうなんですよね。もう非常に……まあ、歴史的にもこれも重要な1曲かなと思います。

(宇多丸)なるほど。ドラクエ2のタイアップ曲をお聞きいただきました。続きまして?

(DJフクタケ)まだまだ行きましょう。先ほど聞いていただいたスペースインベーダーのディスコバージョンがありましたけど。まあ、私のDJで得意なジャンル、もうひとつございますね。

(宇多丸)音頭ですか?

(DJフクタケ)はい。インベーダーにも実は音頭がありまして。しかもこれ、音源が自主盤なんですね。

(宇多丸)えっ? 自主でわざわざ、インベーダーをテーマに音頭を作った人がいる? これ、インベーダーが好きだったのか、音頭が好きだったのか。

(DJフクタケ)まあ、どっちも好きだったのかな? まあ、僕と趣味が合う人なんじゃないかと思うんですけどね。

(宇多丸)まあ、そうですよね。クロスしますよね。

(DJフクタケ)実はこれ、ちょっとリリース時期が自主盤なんではっきりとはしないんですけど。おそらくは1979年頃、インベーダーブームの渦中に出たと思われます。

(宇多丸)これ、ジャケもすげーな!

(DJフクタケ)ニューウェービーな感じというか。

(宇多丸)ニューウェーブですね。ちょっと感じとか、変な言葉を入れたり。ビックリハウス的なというか。

(DJフクタケ)ちょっとコラージュ感もあったり。

(宇多丸)そういう時代感を感じさせますね。

(DJフクタケ)そんなジャケの、楽曲がストレートにタイトルが『インベーダー音頭』。アーティストが高土新太郎さんという、まあローカル芸人さんと言ったらいいんですかね? 関東を中心に寄席とかで活動をされている芸人さんが当時、7インチシングルを自主盤としてリリースしたという楽曲で。非常にレアかつ面白い楽曲なので、この機会にかけたいと思います。それでは、聞いていただきましょう。高土新太郎で『インベーダー音頭』。

高土新太郎『インベーダー音頭』

(宇多丸)なんか、ちょっとあの世に行ってしまったような気分が……。

(DJフクタケ)(笑)

(宇多丸)すごい、まあまずこの高土さんのお歌が独特の……まあ、はっきり言えば下手という。「インベエ、ダーを……」って、そんなところで切るな!っていう(笑)。あと、後ろのピコピコ、ピコピコっていうのが全くその後の太鼓と関係ないっていうのね。ちょっと衝撃を受けました。あと、途中のゲーセンでカセットで録ったと思われる……。

(DJフクタケ)そうですね。さっきの『ディスコスペースインベーダー』とは真逆のアプローチ。

(宇多丸)全てが真逆ですね。

(DJフクタケ)でもこれ、非常に興味深いというか。インベーダーブームの当時の熱狂に対する批評性みたいなものも……まあ、無理やり褒めようとしている部分は否めないですけど。

(宇多丸)ちょっとこう、ブラックジョークなんだよね。だから最後、3番まで聞くと「インベーダーはもうやめた」みたいな。最後、「疲れちゃったからもうやめた」みたいなのが入ったり。この会社自体がちょっとアイデアグッズみたいなね。口裂け女証とか、合格ふんどしとか、こういうのを通販でやっているような、そんな会社だっていうことなんだね。

(DJフクタケ)そうですね。やっぱりそういう、ちょっとパロディー的な。先ほど、宇多丸さんもおっしゃっていたビックリハウス的な。

(宇多丸)そういうヘンタイよいこ感、ありますね。

(DJフクタケ)そんな『インベーダー音頭』でございました。

(宇多丸)さあ、ということで、まだ曲は聞きたいんですけど。先に、曲をできるだけいっぱい聞くために告知をお願いします。

(DJフクタケ)はい。この『トイキャラポップ・コレクション』のCD発売記念キャンペーンということで、いま、3店舗でイベントを開催いたします。4月15日(土)、昼の13時からディスクユニオンdues 新宿。その後、16時からまんだらけ中野ブロードウェイ4階会議室。その後、19時からHMVレコードショップコピス吉祥寺店内。この3ヶ所で連続でリリースのトークイベントを。

(宇多丸)すごい。3連チャン?

(DJフクタケ)はい。サーキット的に行います。

(宇多丸)すごい! クッタクタじゃないですか!

(DJフクタケ)はい。まあでも面白いなと思って。なんて言うんですかね? スタンプラリー的なノリでやろうと思っておりますので。詳細は私のTwitterだったり、ULTRA-VYBEさんなんかで告知していただいていると思いますので、ぜひそちらをチェックしていただければと思います。トークの参加メンバーが渋谷直角さん、甲斐みのりさん、永井ミキジさん、高野政所さんなどなど。まあ、基本僕の友達ですけど(笑)。まあ、面白い話が聞けると思うので、ぜひご参加いただければと思います。

(宇多丸)といったあたりで、最後にこの『トイキャラポップ・コレクション』3枚の中に収録できなかった曲。権利関係で。それを最後に何個か聞きながらお別れしたいと思いますが。

(DJフクタケ)そうですね。ぜひぜひ。まず1曲目が、これはフリスビーのタイアップというか販促ソング。非売品のシングルなんですけど、歌は子門真人。

(宇多丸)うわーっ、ジャケもすごいわ!

(DJフクタケ)これね、ぜひ聞いていただきましょう。子門真人で『ガッツフリスビー』。

子門真人『ガッツフリスビー』

(宇多丸)いやいやいや、フリスビーってもっと平和なスポーツじゃないんですか、こんな?(笑)。

(DJフクタケ)なんか何人かもう死んでそうな(笑)。

(宇多丸)ものすごい戦いになっている。そして子門真人の何をやっても子門真人の世界に引き込み力、半端ないっすね!

(DJフクタケ)いや、すごいと思います。本当に子門ワールドに引きずり込まれる感じが。

(宇多丸)半端じゃねー(笑)。

(DJフクタケ)そんな『ガッツフリスビー』。これもレアで。本当はCD化したかったんですけど、今回は残念ながらできなかったという。

(宇多丸)もう一発ぐらい、行きましょうか。続きまして?

(DJフクタケ)次はですね、タカラのリカちゃんの曲で、有名な『リカちゃん音頭』っていう曲がありますけど、これのB面に収録されている曲です。非常に黒っぽいリカちゃんソングで『おうちに帰ろう』という曲です。聞いていただきましょう。香山リカで『おうちに帰ろう』。

香山リカ『おうちに帰ろう』

(宇多丸)ちょっとリカちゃんが家出したりして。ちょっとグレ気味のリカちゃんですね。

(DJフクタケ)そうですね。でも、やっぱり帰ってきちゃったみたいな。

(宇多丸)いや、心配です。ちょっと。これも、まあ当然タカラのあれですけど、今回は入らなかった曲ということで。

(DJフクタケ)そうなんですね。非常に残念なんですけど。

(宇多丸)でもまたこれね、こういう文化事業的な発掘も当然まだ、続けられていくんですよね?

(DJフクタケ)はい。まあディグは止むことなく続けてますので。

(宇多丸)そして、フクタケさんがDJするところとかに行って、こういう曲を聞くこともできると?

(DJフクタケ)ああ、もちろん。DJではよくかけています。

(宇多丸)はい。なのでぜひぜひ、聞きたい方はそっちに行って聞いていただくのもよろしいんじゃないでしょうか。ということで、ありがとうございました。

(DJフクタケ)ありがとうございました。

(宇多丸)CD『トイキャラポップ・コレクション』発売記念、DJフクタケプレゼンツ、昭和生まれのキャラ&おもちゃソングオンパレードでした!

<書き起こしおわり>

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