町山智浩『アメリカン・ビューティー』を語る

町山智浩『アメリカン・ビューティー』を語る たまむすび

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、自身のトークショーを告知。そこで開設予定の映画『アメリカン・ビューティー』について、概要を話していました。

(町山智浩)それで、この間、春日太一さんを呼んでトークショーをするっていう話で。9月16日、9月17日に渋谷ユーロでトークショーをしますと言ったんですが。

(赤江珠緒)明日から。

(町山智浩)明日から。まだ、チケットがさばけてない。全部(笑)。

(赤江珠緒)(笑)。ちょっと待って。9月16と17だ。

(町山智浩)ちょっとテコ入れに来ました。すいません。で、春日太一さんと一緒に日本映画のね、市川雷蔵さんと三隅研次監督の『剣三部作』と、小林正樹監督の『人間の條件 全六部作』っていうのを。

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(赤江珠緒)いや、これ、すごそうでしたよ。

(町山智浩)すごいんですよ。全六作。で、それプラス、僕1人の、ピンの解説も17日につきます。それについて、今日言いますと、16日は『羊たちの沈黙』という映画について、僕の解説がつきます。この、ユーロライブで。で、『羊たちの沈黙』ってみんな知ってますけど。もう、見てますよね?

(赤江珠緒)見た、見た。はい。

(町山智浩)でも、なぜ『羊たち』なのか?

(赤江珠緒)いや、たしかに。

(町山智浩)あんまり解説されてないでしょ?

(赤江珠緒)たしかに。あのタイトルが、あんまり意味わかってなかったです。

(町山智浩)そうなんですね。みんなね。だからそれを説明します。で、もう一本の方はね、そっちもアカデミー賞ですけど。『羊たちの沈黙』。もう一本の方もアカデミー賞で『アメリカン・ビューティー』っていう映画を17日に解説します。僕が。で、これ、ご覧になってますか?

(赤江珠緒)『アメリカン・ビューティー』、見てないと思うんですね。これも話題でしたけどね。

アカデミー賞5部門独占

(町山智浩)ああ、本当に?これはアカデミー賞、すごい、5部門独占しましたけど。アメリカのすごく郊外のですね、豊かな金持ちの住宅地がありまして。そこに住んでいる子持ちの中年の男がケビン・スペイシーです。はい。

(山里亮太)おっ!『ハウス・オブ・カード』でお馴染み。

(町山智浩)『ハウス・オブ・カード』。で、『ハウス・オブ・カード』はすごい、殺人もセックスもする大統領でしたけど、こっちはへなちょこサラリーマンです。奥さんの方が収入があって。で、奥さんはまあ、浮気しまくりで。もうしょぼくれお父さんなんですね。で、自分の高校生の娘の同級生のチアリーダーにまあ恋をしてですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)その自分の娘の同級生を想像しながらオナニーをしているところを・・・寝ながら、夫婦のベッドでですね、奥さんに発見されるんですよ。ケビン・スペイシーが。

(赤江珠緒)うわー!

(町山智浩)『あんた、何してんのよ!』って言われると、『いや、ちょっと・・・』『いま、オナニーしてたでしょ!?』って言って。『してたよ、バカヤロー!』っつって逆ギレするっていうね、とんでもない・・・

(赤江珠緒)ええーっ!?どこがビューティーな話なの?

(町山智浩)そう。どこがビューティーなの?っていうのがこの『アメリカン・ビューティー』っていう話なんですけど。だから、このケビン・スペイシーオナニー逆ギレのどこがビューティーなのか?どこが美なのか?っていうね、話を解説したり。あと、この映画ね、アカデミー賞をなんでとったのか?っていう人が多いんですよ。結構。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)で、これね、実はもともとはそういう映画になるはずじゃなくて。最初は、ある実話がありまして。ある実話をもとにしたミステリーコメディーとして作る予定だったのが、そういうシナリオで撮影もして、編集の段階で、ある人が犯人として逮捕されて法廷でいろいろ争うっていう部分が撮られて。撮影されていたにもかかわらず、全部カットしたんですよ。

(赤江珠緒)えっ?

(町山智浩)編集の段階で。それで、ミステリーじゃない、ひとつの非常に象徴的な社会派ドラマのように作り変えちゃったんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ?

(町山智浩)だから試写があった時に、俳優たちが試写を見て、びっくりして。『えっ?俺たち、ミステリーだと思って演技してたのに。この映画、ぜんぜん違うじゃん』って。

(赤江珠緒)えっ?出てた人たちが、そんなびっくりする?

(町山智浩)出てた人たちがみんなびっくりした。丸ごとカットしちゃったんですよ。その法廷の部分とか、警察の部分とか、刑務所の部分とか。全部カットして。

(山里亮太)なんでまた、そんな急に?

(町山智浩)でも、映画っていうのはそういうもんなんですよ。編集でガラッと変わっちゃうんですよ。だから、脚本家もびっくりっていうことがよく・・・(笑)。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)『えっ?ええっ!?このシーンは俺、知らねえ!』とか(笑)。

(赤江珠緒)(爆笑)

(町山智浩)『監督、どうしたんですか!?』『いや、現場でそうなりました』みたいな。よくあるんで。ただそれは、映画はもう、山ほどあります。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)映画は出来上がってみるまで、それこそ、もう最初の試写をやるまで、誰にも、どんな映画になるかわからない。

(山里亮太)はー!

(町山智浩)本当。それが面白い。

(山里亮太)いや、ジャンルごと変わっちゃうっていうのもすごいですけどね。

(町山智浩)ジャンルも変わっちゃった。『アメリカン・ビューティー』っていう映画は。っていう解説をね、その9月16日、17日、渋谷ユーロ。午後7時開演で行います。で、当日一般2500円(笑)。

(赤江珠緒)はい。2500円。学生さん1900円。高校生1000円ということで。ユーロライブのホームページをね、詳しくご覧ください。チェックしてください。明日、明後日の午後7時からでございます。

(町山智浩)はい。

<書き起こしおわり>

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