菊地成孔 TWICEの音楽的新しさを語る

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菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』韓流最高会議の中で韓国アイドルグループTWICEの音楽的な新しさについて話していました。



(菊地成孔)というわけで、今日の1曲目は最初から波乱というか。なにをかければいいのか? これだけ守備範囲がいろいろ散逸してしまうとね。で、しょうがないからTWICEじゃないかな?っていうね。

(韓東賢)(笑)

(菊地成孔)TWICE、聞きましょう。じゃあ、TWICEで……韓さん、曲を。タイトルをお願いします。

(韓東賢)『Cheer Up』です。

TWICE『Cheer Up』



(菊地成孔)まあ、「こんなの散々聞いたよ」って言いそうになりそうなんだけど、TWICEはものすごく新しいですよね。

(韓東賢)そうですか?

(菊地成孔)うん。新しいです。音楽的にめちゃめちゃ新しいです。

音楽的にめちゃめちゃ新しい

(韓東賢)聞いてみたかったんです。音楽的に菊地さんがどう思っているか。

(菊地成孔)まずね、低音があんまりないんですよね。だから、めちゃめちゃダンスミュージックにしても、また重めから軽めへの移行がTWICEは起こっていて。プラス、あくまでも音構造的にいうと、ずーっとヒップホップの特集で何年も前から韓さんと話していたヒップホップのラップのフロウとかライミングがメロディー化して、歌のメロディーに逆輸入されるような格好になるというのを比較的意図的にがっつりやったのがTWICEですね。

(韓東賢)ふーん!

(菊地成孔)だからドレイクみたいな、ラッパーのラップにだんだんメロディーがついてきたっていうので、ラップと歌の境界はなくなるだろうっていうのを結構作曲としてがっちり入れてますから。その点でTWICEは、かわいい女の子の合唱が聞こえるからっていうだけで、音色だけで「聞いたことがある」って切って捨てるわけにはいかないですね。

(韓東賢)なるほど。

(菊地成孔)とかなんとか言っちゃって、TWICEが誰だかもほとんどの人が知らないと思うんですよね(笑)。

(韓東賢)私もあんまり知らないって言ったら怒られるかな?(笑)。

(菊地成孔)あのね、これは誰がTWICEを紹介していいのか、適役がいまいないっていう(笑)。K-POPに関していま、「私が胸を張ってやりましょう」っていう人がこの3人の中にいないっていう状況ですよね。

(韓東賢)アイドルに関しては(笑)。

(菊地成孔)アイドルに関してはね。ただ、TWICEだろうってことだけははっきりしている。それでTWICEには日本人が3人いるんだっていう。この3人の日本人の方はオーディションで入ったんですか?

(韓東賢)韓国の事務所がやったオーディションに受かって、韓国で練習生をやって。だから少女時代とかが流行って、もうそれがだいぶ前ですよね。彼女たち、もう何年か前にオーディションを受けて選ばれてデビューっていう感じですね。

(ヴィヴィアン)この子たちって、韓国語しゃべれない状態でオーディションとかを受けたんですか?

(韓東賢)たぶんそうだと思いますね。その時点では。でも、いまはすごくしゃべれますけど。でもやっぱり、あっちでの人気ってちょっとカタコトでかわいらしいとか。すごくそこは言われていますね。

(菊地成孔)カタコト問題は……。

(韓東賢)ねえ。菊地さんカタコト問題大好きですからね。

(ヴィヴィアン)逆に日本もKARAとかがやっぱりカタコトな日本語が受けましたもんね。

(韓東賢)だからやっぱりバラエティーでその3人は、見た目は強めなんですけど、カタコトの韓国語で一生懸命話すからかわいいっていう風に……。

(菊地成孔)本当。

(韓東賢)あ、TWICEは6月に日本デビューらしいんで。別に回し者ではないんですけども。

(ヴィヴィアン)それはやはり日本語の曲でデビューするんですかね?

(韓東賢)おそらく、そうじゃないですかね? いままでのフォーマットだと。

(菊地成孔)TWICE、日本語でしょうね。

(韓東賢)3人日本人ですし。アイドルが日本で日本語じゃない曲でデビューするということはないと思います。前例を考えると。

(菊地成孔)ないですよね。まあ、大いにチャートでアクションしてほしいですけどね。でも、絶対にするよね。TWICEは。

(韓東賢)私はしてほしいと思っていますけどね。

(菊地成孔)『TT』っていう曲がブレイクスルー曲で。今日はあえて違うのをかけましたけども。



(韓東賢)今日は『Cheer Up』をかけて。

(菊地成孔)なんで『Cheer Up』なんでしょうか?

(韓東賢)なんかこう、「がんばれ、がんばれ」って……それは韓国のいまの話とかだったんで。これからかかる曲とかにももしかしたら関係してくるのかもしれないですけども。いろいろ大変な中で「がんばれ、がんばれ」っていう曲が売れたっていうのは、そういう風に受け止めたっていう人もいるだろうなという。

(菊地成孔)まあ、日本もろくでもないと言えばろくでもないわけだし、問題がない国家があるだろうか? と言われればないわけですけども。

(韓東賢)まあ、「大変だった」という意味でね。

(菊地成孔)それにしても、いまの大韓民国の国情っていうのは相当なものがあるなっていうのは隣国として見ていても思うわけですけどね。

(韓東賢)まあでも、いいですけどね。「いいですけどね」って言ったら変だな(笑)。

(菊地成孔)まあ、エンターテイメントが良くなるんですよね。

(韓東賢)民主主義が生きている感じで、私はいいと思ってますけどね。がんばっている感じ。

(菊地成孔)もちろん。もちろん。あと、やっぱり民主主義が動くっていうことは、結局娯楽が動くということだから。いまは実は韓流とかっていうのが液状化してよくわからなくなっちゃっているんだけど。実は全体的に底上げされていると思いますよ。

(韓東賢)映画とかも面白いですね。

(菊地成孔)2010年当時の状況から比べても。少女時代がブレイクスルーしていた……要するに、この番組が韓流を取り上げるきっかけになった時代と比べてもね、全面的に。テレビドラマも映画もポップもヒップホップも、全部上がっているんで。結構いまは爛熟というか。相当いいところに行ってますよね。アメリカのテレビドラマよりも面白いもん。韓国の方が。よくできている。すごいですよ。本当に。みんな韓国テレビドラマっていうと『冬のソナタ』ぐらいのことを想像するんだけど。

(韓東賢)(笑)。あれはちょっと、あまりにもアナクロっていうか……。

(ヴィヴィアン)でも、実際にそうですよね。日本人っていまだに「韓流」っていうとやっぱりヨン様。

(韓東賢)それはないよね。

(菊地成孔)「結局あれだろ? 隈取りしたイケメンが出てくるんだろ?」っていう感じですよね。

(韓東賢)「隈取りしたイケメン」(笑)。

(菊地成孔)まあ、もうそういう時代じゃないんでね。

<書き起こしおわり>

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