菊地成孔 27才で死んだアーティストたちを語る

菊地成孔 27才で死んだアーティストたちを語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、27才の若さで死んだアーティストたちについて話していました。

(菊地成孔)またしても、『M/D(マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究)』から、ちょっと読みますね。自分の本だとお金がかかんないということから、自分の本を読んでいればいいのか?っていうイージーさに流されてはいけないなと思うんですけども。ちょっと読みます。

「そして、翌9月にはジミ・ヘンドリックスがオーバードーズにより27才という若さで亡くなります……」。これ、ちょっとまた本から離れますが。ちなみに27才っていうのはジャニス・ジョプリン、ジム・モリスンが死んだ歳と同じなので。あんまり縁起でもないですけどね。「27クラブ(27 Club)」とか呼ばれているんですね。ちなみに、エイミー・ワインハウスが亡くなったのも27なんですよ。なので、彼女も27クラブの1人ではあるのですが。

The 27 Club

話、横道に大幅に逸れますけどね。この間、エイミー・ワインハウスの伝記映画を私が「すばらしい! すばらしい!」とあっちゃこっちゃで言っていたら、「じゃあぜひ、会場でトークイベントをやってください」って言われて。それで行ったんですよね。

で、開口一番、「この人は27で亡くなっているんで、ジャニス・ジョプリンと同じなんだけども。ジャニス・ジョプリンが悲痛な死というようなイメージをすごく強く……あるいは、ジム・モリスンもそうですけど。まあ、ジム・モリスンは頭おかしすぎたんでしょうがないかなっていう気もしますし、ジミ・ヘンとエイミー・ワインハウスは私、『ああ、27で死んじゃって可哀想に』って……まあ、それは長生きした方がいいに決まっているんでしょうけども。『もう、こんだけやり切ったら27で死んでもいいんじゃない?』っていう気にさせませんか?」って満員の観客のみなさんに言ったところ、シーン……とされてしまって(笑)。

あの、映画の力が強くてね。喪に服す力が強すぎて、シーンとされちゃったんですけど(笑)。やっぱね、エイミー・ワインハウスの歌は半端じゃないですよね。サルバドール・ダリは「私がもしベラスケスほど描けたら、1枚描いた段階で生きてはいられないだろう。死ぬ」って言ったんですけども。まあまさにそんな感じで。私、チャーリー・パーカーと同じだけ吹けたら、その吹いている最中に死ぬと思うんですよね(笑)。そんぐらい、やっぱりすごいものがあるので。ジミ・ヘンっていうのは。だからそんなに痛ましいっていう風に感じないですよね。まあ、時代もありましたけど。で、エイミー・ワインハウスもそんなに痛ましいと感じない。これだけのことをやったんだから……という話をさせていただきましたが。本に戻ります。

<書き起こしおわり>

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