鈴木雅之とKREVA 2人の共通点を語り合う

鈴木雅之とKREVA 2人の共通点を語り合う NHK FM

(鈴木雅之)まああのね、あとはね、なんだろう?俺、よく音楽の中で『縁』っていう言葉を使うんだけど。もちろんね、そのKREVAの日にその時も出たRHYMESTERとか。RHYMESTERなんかさ、ちょうどうちのラッツアンドスターの佐藤善雄。ファイルレコーズの代表であり、RHYMESTER含めゴスペラーズとかね、見出したやつですけど。

(KREVA)はい。

(鈴木雅之)だから、RHYMESTERの宇多丸が、佐藤善雄に『大学のサークルでゴスペラーズっていう本当にハーモニーのすっげーやつらがいるから』って紹介したのはさ、宇多丸だからね。

(KREVA)ああー。

(鈴木雅之)それで佐藤は見に行くわけですよ。Street Corner Symphonyのサークルを見に行き、そこでゴスペラーズと出会い、それでインディーデビューさせるっていう。だから、やっぱりそういう意味で俺がさっきお前の『中盤戦』が好きだっていう中で、Mummy-Dの・・・

(KREVA)はい。Mummy-Dも、そうですね。

(鈴木雅之)そこもやっぱりほら、そこでつながる。

(KREVA)ですね。僕はこのラップでこういう世界にちゃんと進めるようになったのも、宇多丸さんが最初に見つけてくれた感じなんですよね。縁があるんだ。

(鈴木雅之)そうだよね。やっぱり、だからね、最初の頃のお前がKICK THE CAN CREWとかも含めて、実はね、俺はすごいいい意味でのニアミスしているわけよ。

(KREVA)おおーっ!なるほど(笑)。

(鈴木雅之)ただ、そこではなかなか歌モノとの接点を作れる時代でもなかった。あの頃って。それがやっぱり2000年代に入って、なんか本当にね、やっぱり特に俺なんかはドゥー・ワップグループ出身でしょ?やっぱりドゥー・ワップもストリート・ミュージックだもんね。

(KREVA)ですね。ヒップホップもね、ドゥー・ワップも。

(鈴木雅之)だからやっぱりそこでのつながりっていう意味では、これはやっぱりね、偶然じゃなくて必然だったんだという。そんな思いをさせてもらっているわけですよ。勝手ながら。

(KREVA)いや、まさにそうだと思います。しかも、たぶん最初はすごい見ていて、KICK THE CAN CREWとかも見ててくれてても、たぶんその頃の僕だったらまだマーチンさんとやっていい具合にできるほどの実力もなかったと自分で思うんですよ。正直。だからいまになって、こういう風にお話させてもらえたり、コラボするタイミングとか。それはやっぱり徐々に成長してきて、ここだ!っていうタイミングでできたと思うんで。すごくうれしいです。自分は。

(鈴木雅之)じゃあたとえばさ、俺たちは実はですよ、20才ぐらいの年齢差があるんです。これ。これ、すごいんだよ。

(KREVA)そうですよね。そうなんですよ。

(鈴木雅之)だから兄弟という差よりは、親子なんですよ。親子に近いんだなって。この年齢差がありながらも音楽でひとつになれる瞬間。これはやっぱりすごいと思うんだけど。鈴木雅之とKREVAとの共通点とか、ここは似てるなとか、ここはぜんぜん正反対だとか。お前、考えたことある?

鈴木雅之とKREVAの共通点

(KREVA)(笑)。俺ね、あの、似ているなっていうか近いなと思ったのはステージに立った時の、マーチンさん感っていうんですかね?聞いている人ならわかると思うんですけど。マーチンさんはね、どこを取ってもマーチンさんなんですよ。ステージの上で。

(鈴木雅之)うん、うん。

(KREVA)歌っている時じゃなくても、一挙手一投足。そこはね、自分もそうありたいと思っているし、目指しているところだから。近いところというよりも、近くありたいなと思ったところですね。一緒に立たせてもらってそれ、すっごい思ったっす。それこそ最初の大宮の時に。初めて立たせてもらった時に。マーチンさんは本当にどの瞬間もマーチンさんだなと思って。それは本当に勉強になったっす。

(鈴木雅之)いや、でもあの2ショットの時・・・いや、俺もそれ、感じたよ。

(KREVA)ああ、マジっすか!?

(鈴木雅之)やっぱりね、いきなり一気にあそこでさ、オープニングで1曲目だからね。そこでもう全部持っていく感。それはやっぱりね、もうちょっとやそこらじゃ、あそこの雰囲気持っていかれないもん。それ、ちゃんとものの見事に持っていったお前はやっぱりね、やっぱりだ!っていう。『やっぱりだ』っていう言葉が似合うんだよ。

(KREVA)(笑)。うれしいっすね。ありがとうございます。

(鈴木雅之)それとともに、俺はもうひとつ。これは自分で言うのはちょっと照れくさいんだけど。共通点はね、もしかするとだよ?チャーミングなところがあると思っている。

(KREVA)(笑)。アツい!アツい!ああ、そうだと思う。

(鈴木雅之)俺も、自分で言うのもなんだけどね。

(KREVA)俺も言いたいな。それ。

(鈴木雅之)それ、大事にしているところなの。なかなか自分からは言わないんだけど、自分の中にぜったいあるもののひとつにね、チャーミングさっていうのが。

(KREVA)いや、あるわー。めっちゃあるわー。

(鈴木雅之)俺ね、それはリリックでも感じるし。たとえばビデオクリップなんかでも、ビデオとか見せてもらったり、言ったこともあるけど。あの、『OH YEAH』とか。

(KREVA)はいはいはい。

(鈴木雅之)あのへんのね、フィアット・パンダ使っちゃうあなた。ピンクのね。ああいうところで、ちゃんとこう、一本作っちゃうあのチャーミングさ。そういうところを見た時ね、『あ、ちょっと似てる』って思ったのね。

(KREVA)いや、うれしいですね。

(鈴木雅之)そういうところだったりするんですけど。まあもちろん、いま言ったようにラップとドゥー・ワップという意味でのストリートミュージック的な共通点。そんな中からKREVAのルーツを紐解いていった時に、お前の中でやっぱりブラックミュージック。いろいろあると思うんだけど。どういうものが最初にグッと来たの?

(KREVA)いっちばん最初は、ダンスブームにすごく乗っかった感じなんですよ。ニュージャックスウィングが流行りだして、その流れからブラックミュージックっていうものに興味を持ちだしたっていう感じですね。そこからヒップホップに行って。

(鈴木雅之)やっぱりニュージャックスウィングから、本当にヒップホップとの融合的なものが確実に進んだところだったからね。

(KREVA)ですね。ラップが入ってきたり。で、ヒップホップに行って、ヒップホップの元ネタになっているソウルミュージックとかを自分でディグしだして。そこから好きな音楽が増えていった。幅が広がっていったっていう感じですね。

(鈴木雅之)じゃあ1曲ですね、ファイバリットナンバーを。

(KREVA)ちょっと、かなりもうこの番組に寄せた感じで選んできたんですが(笑)。

(鈴木雅之)おお、寄せてください。はい。

(KREVA)これ、かなり好きな歌で。自分の心の底にいつもあるような曲なんですけど、いいですか?CAMEOの『I’ve Got Your Image』っていう歌があるんです。それを聞いてもらいたいなと思います。

CAMEO『I’ve Got Your Image』

(鈴木雅之)お送りしたのはKREVAのフェイバリットナンバー。CAMEOの『I’ve Got Your Image』。寄せてくれましたね!

(KREVA)いやー、もう大好きな歌で。こういうBPM遅めの、メロウな感じの歌が結構好きだったんですよね。

(鈴木雅之)わかる!あのね、お前の2000何年だろうな?これも、Mummy-Dとやった『ファンキーグラマー』、あったでしょ?

(KREVA)はいはい。『ファンキーグラマラス』。

(鈴木雅之)あれのパート2、あったでしょ?

(KREVA)ありましたね。

(鈴木雅之)あれはちょっとこの感じを髣髴とさせる。なんともいえないオールドスクール的な。そのギターのね、リフとか。そういうものとかを感じた時にね、なんか持ってるなって。

(KREVA)(笑)

(鈴木雅之)ここでも『やっぱり』を使わせてもらいます。やっぱり!っていうね、思えた瞬間ですけども。

(KREVA)あざーす!

(鈴木雅之)もうすぐ、もう2015年も終わろうとしているわけですけども。まあ、年始年末と来年2016年。KREVAにとってどんな年になるのかな?っていう。

(KREVA)そうっすね。ちょっとあの最近、去年とか活動10周年だったりして。ベストアルバム出したりとか、自分を振り返ることが多くて。作品をあんまり出してなかったので。2016はもうぜったいにいい作品を出したいなと、そういう風に思ってます。

(鈴木雅之)もちろんミュージカルも始まるわけでしょ?

(KREVA)そうなんすよね。あの、『SUPERLOSERZ』っていう舞台がまず年末に東京でありまして。その後、来年の1月7日からは大阪であるんですけど。それに出て、その後、自分の音楽を使った舞台。それもまたその次にあったりとか。

(鈴木雅之)この『SUPERLOSERZ』はどういう感じで?これも出る?

(KREVA)出ます。ざっくり言うと、神です。

(鈴木雅之)あ、神?ゴッド?

(KREVA)GOD。ざっくり言うと神で、すべてを牛耳っている男みたいな感じなんですけども。自分が発する言葉を自分で書かせてもらったりして。宮本亜門さんの演出でやる舞台なんで。ぜひ、興味のある方は見に来ていただきたいなと思います。

(鈴木雅之)お前、似合うだろうね。もうだいたいわかる。

(KREVA)(笑)

(鈴木雅之)それだけでね、どんなたたずまいでお前が登場するかがわかります。で、その後に自分の、来年の?

(KREVA)そうなんです。いままでも結構何度か自分の曲を使った舞台。KREVAの音楽劇っていうのがありまして。それをやっていたんですけど、それがまた予定されているという感じなんで。最初、前半は結構舞台づいているかな?と思います。

(鈴木雅之)まあ、これはなかなかね、2016年にかけて、やっぱりKREVAのまた次のステップ。そういう形なんだろうね。俺もちょうどほら、去年からSTEP 1.2.3。来年還暦を迎えるまでの3年間を『STEP 1.2.3』と名づけて1年1年歩んで行こうかなっていう思いの中で、今年はまあグループからの35周年という思いもあったから。まあ、KREVAと同じようになんだろう?ルーツを振り返るような。そんな年でもあったんだけど、来年はね、今度はやっぱり還暦ですよ。

(KREVA)すごいですね。

(鈴木雅之)自分で還暦って言い切っちゃうところにね、鈴木雅之らしさというか。

(KREVA)いや、たのもしいです。すごい。人生先、楽しみになるっすね。

(鈴木雅之)もうね、お前と20才の差がある中で、来年、40でしょ?

(KREVA)はい。そうです。40です。

(鈴木雅之)もうバリバリだよね。

(KREVA)(笑)

(鈴木雅之)俺の40の頃っつったらね、もうイケイケですよ。

(KREVA)わーお!

(鈴木雅之)もうだから・・・でもね、意外に20代の頃に還暦っていうと、本当にじいちゃんが祝ってもらえる日みたいなさ。そんな思いがすごくあったんだけど。自分がね、いざ迎えようと思う瞬間を感じると、『いや、これは意外にここからだぞ!』みたいな気持ちがすごい出てくるというか。

(KREVA)強え・・・強いっす。

(鈴木雅之)昔といまと、還暦っていう捉え方が20才ぐらい違うというような気持ちがね、すごくあって。いまのお前と同じ等身大で還暦を自分自身が見てるんだよ。

(KREVA)ああー。

(鈴木雅之)というところもあるような気がすごくしました。まあでもね、今日は本当にこの『GOOD VIBRATION』の記念すべき2人目のゲストで。うれしかったね。いや、もう本当にね。だからまたなんか、これを機会にね、いろんな形でKREVAとコラボレーションできればうれしいなと思いますけども。またぜひ、遊びに来てください。

(KREVA)はい。ありがとうございます。

(鈴木雅之)というわけで、今夜はKREVAが遊びに来てくれました。本当にどうもありがとう。

(KREVA)ありがとうございました。

(鈴木雅之)それじゃあお別れにですね、KREVAのナンバーを1曲、お届けしたいんですが。何をいきましょう?

(KREVA)あの、まあちょっとこっちも番組に寄せまして。本当だったら『中盤戦』。マーチンさん、好きだっておっしゃってくださってくれたんで選びたいんですけど。ちょっと番組に寄せて、『中盤戦』が入っている『心臓』っていうアルバムの中で、ちょっと気に入っている曲。『瞬間speechless』という曲を聞いてもらいたいと思います。

(鈴木雅之)今夜はどうもありがとうございました。

(KREVA)ありがとうございました。

(鈴木雅之)KREVAでした!

KREVA『瞬間speechless』

<書き起こしおわり>

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