エバース　M-1 2025「町田の腹話術人形」をファイナルネタにした理由を語る

（佐々木隆史）だから結局、車のネタ。2本目にやろうと思っていたやつを1本目に持ってきたんで、2本目はあの腹話術のネタ。町田があれにしたいって言ったんですよ。

（田中直樹）やっぱり町田くんの意見がだいぶあるのね。そこは。

（佐々木隆史）そうですね。あれこそより、町田のパフォーマンス次第なんで。

（向井慧）そうすると味わい、ちょっと変わっちゃうよ？　「あれ、ノリノリで、前のめりだったの？」って思っちゃう（笑）。

（町田和樹）いや、あれは「顔を見てくれ」っていうネタじゃないんですよ。別に（笑）。

（田中直樹）でも、ちょっと前のめりというか。あのネタの方が……ってなったわけや。

（佐々木隆史）そうですね。で、僕はそのM-1に向けて叩いてたやつを2本目にやるのもありなんじゃないか？って思ってたんで。M-1の当日の朝に1回、町田に電話したんですよ。「2本目にあれはどう？」って。その、まだ1回も世に見せてないやつ。「あれはどう？」って電話をしたんですけど町田が「いや、腹話術で」って言うんで。

（向井慧）あの顔、めっちゃやりたいんじゃん？（笑）。まあ、それはだってこの1年、あの腹話術のネタもいろんなところでやってきて。手応えがやっぱりしっかりあるネタだもんね？

（町田和樹）不安要素はいろいろあるんですけど、受け量で押し切れるぐらい1年間、受けてはきたというか。

（佐々木隆史）準決勝、あれで上がったんで。別にいいんかなっていう感じはありましたね。

（町田和樹）すごい受けるし、寄席でも受けるし。「勝ちきれるのかな」と思っちゃいました……。

（佐々木隆史）僕も言ったんですよ。暫定ボックスに行ってもう1回、言ったんですよ。「あのネタはやんなくていいの？　本当に腹話術で行くの？」って聞いたら町田が「いや、もう笑いで押し切る！」って言っていて。

（向井慧）かっこいい！　押し切ったところで50万しかもらえないのに（笑）。

腹話術の笑いで押し切るつもりだった

（佐々木隆史）「ネタ的に審査員の人にどう評価されるかわかんないけど、もう笑いで押し切る！　受けさえしたら四の五の言われないから。とにかく受けるから！」っていうのでやったら……僕的には「あれ？　そんなに受けてないな」と思いながらやってたんですよ。で、町田の顔をパッて見たら人形をやってるのか、テンパってるのかわかんなくて（笑）。

（町田和樹）ちゃんと差、つけてましたよ？（笑）。

（向井慧）俺たちが見ていたあの町田って、俺は面白い顔かなって思ってたけど。もしかしてあれ、何％かテンパっている顔が入ってたかもしれないの？（笑）。

（佐々木隆史）だって町田の人形の顔をやってる時、寄り目をやるんですけど。寄り目やってる時、寄り目すぎて、どうなっていたんだっけ？

（町田和樹）寄り目でグーッと寄りすぎて、左右にいる審査員と今田耕司さんが同時に見えたんです。本来、見えるはずないものが完全に交差したんですよ。

（向井慧）眼球が交差して（笑）。

（町田和樹）「あれ？　あれ？　あれ？　あんまり笑ってないな」っていうのが見えちゃった（笑）。

（向井慧）いや、でもすごいっすよね。この度胸というか。でもその朝、電話したのはなんで？　その日に別に、言えるわけじゃん。でもなんで当日の朝に電話で伝えた？

（町田和樹）たしかにね。別に会いますからね。

（佐々木隆史）当日の朝、もう1回候補のネタを見返したんですよ。朝、「本当に2本目、腹話術で大丈夫かな？」って僕も多少はやっぱあったんでもう1回、見返した時に「あれ？　なんか車のネタの後なら腹話術のネタよりこっちの方がいいんじゃないかな？」って思っちゃったんですよ。で、「これは当日言うより今、電話したら俺のマジ度が町田に伝わるかな？」と思って。「朝、電話してくるって相当だな」って思うんじゃないかと。でも、町田は「いや、腹話術」って。

（向井慧）「俺の腹話術、見せたい！」って（笑）。

（町田和樹）いや、なんとなく……すいません。