宇多丸・DJ YANATAKE・渡辺志保・サ上・YZERR 2017年秋の日本語ラップ大豊作を語る

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DJ YANATAKEさん、渡辺志保さん、サイプレス上野さん、BAD HOPのYZERRさんがTBSラジオ『タマフル』に出演。宇多丸さんと過去に例がないほどの大豊作となって盛り上がっている2017年秋の日本語ラップシーンについて話していました。


(宇多丸)というわけで今夜1時間に渡ってお送りする特集は、こちら! 日本語ラップ2017秋の収穫祭! ライムスター11枚目のニューアルバム『ダンサブル』。先週水曜日に発売いたしましたがおかげさまで大好評。なんとか私も生きている状態でございます。なんですが、この秋は実は日本語ラップリリースがとんでもないことになっている。たぶん歴史上、トップクラスですよね。こんなことがあるのかというぐらい、素晴らしい作品が。しかも百花繚乱というか、それぞれに全然違う方向のすごい作品がいっぱいリリースされているこの実りの秋でございます。ということで、この日本語ラップ史上屈指の実りの秋を堪能するためにも……私もちょっと追いきれておりませんので。このままだと本当にロートル化、老害化が進んでしまいます。ということで、勉強をしたいということで、ナビゲーターはこの2人。インターネットラジオblock.fmで『INSIDE OUT』というヒップホップ番組を放送しているDJ YANATAKEさんとヒップホップライターの渡辺志保さんです。どうも~。

(渡辺志保)よろしくお願いしいたます。

(DJ YANATAKE)よろしくお願いします! ヤナタケです!

(宇多丸)ヤナタケさんはいつもいつもお世話になっております。いちばん最近は米米(CLUB)DJですかね。

(DJ YANATAKE)そうか。そうですね。あれはあれでね、なかなかの回でしたね(笑)。

(宇多丸)米米CLUBのDJというね。あと、『ジェーン・スー ラジオショッピングは踊る』。8月5日の特別番組でバックDJを。

(DJ YANATAKE)あれもラジオショッピング史上に残る放送をしてしまいましたね。あれは。

(宇多丸)非常にね、日本のヒップホップ史上、キーマンとして活躍中でございます。ヤナタケさん。

(DJ YANATAKE)いやいや、そんなとんでもないです。

(宇多丸)そして渡辺志保さんはヒップホップジャーナリストとして様々な媒体で活躍。この番組では前回はYoung Hastle特集ですね。

(渡辺志保)お邪魔しました。ありがとうございます。

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(宇多丸)よかったですね、あれはね。そして、ダ・チーチーチー特集。バーナード・パーディ先生にインタビューした際には通訳も。

(渡辺志保)はい。スタジオにはお邪魔しなかったんですけども、現場でしっかりと通訳を務めさせていただきました。

バーナード・パーディー<ダ・チーチーチー>インタビュー書き起こし2017年5月18日、東京・丸の内COTTONCLUBにて。MOBY(以下、M)「MOBYと言います。M-O-B-Y。スクービードゥーという日...

(宇多丸)ありがとうございました。おかげさまでございます。ということで、今日はお二方に私は勉強で。老害として勉強をしていこうということで。

(渡辺志保)老害じゃないですよ(笑)。

(DJ YANATAKE)ど真ん中の人じゃないですか!(笑)。

(宇多丸)そんなことを言われても、本当に困ってしまうというね(笑)。まあ、勉強をさせていただこうということで、よろしくお願いします。

(渡辺・ヤナタケ)よろしくお願いします!

(宇多丸)そして今夜はスペシャルゲストもお二人、お招きしております。まずはライムスター『ダンサブル』と同じく9月6日にミニアルバム『大海賊』をリリースしたサイプレス上野とロベルト吉野よりサイプレス上野さんでーす!

(サイプレス上野)飲まずにはやってられませんよー!

(一同)(笑)

(宇多丸)うっかり飲んでるじゃない、ハイボール! なんですか?

(サイプレス上野)いや、よっしゃっしゃっす!

(宇多丸)まあ、メジャーデビューということですから。

(サイプレス上野)メジャーデビューですね。はい。ありがとうございます。

(宇多丸)なんで飲まずには……いきなりそんな?

(サイプレス上野)いやいや、まあね、本当にいろんなものが出てますんでね。

(宇多丸)要するに9月6日問題っていうやつですね。それは。

(サイプレス上野)そうですね。まあちょっとね、先走ってますけどもね。男のガマン汁が。

(宇多丸)まあサイプレス上野さん、もちろんTBSラジオのリスナーにはおなじみでございます。『ザ・トップ5』や『たまむすび』木曜日。あ、今週の『興味R』のゲスト出演などいろいろと出ていただいております。うちの番組では4月22日、泥水特集ですね。泥水ですよ。しかも泥水のドリンクの歌、ちゃんと歌ってますからね。偉いですね。

この夜の特集は、ラッパーのサイプレス上野さんを迎えての「泥水特集」。キャリアの中でもっともつらかった出来事=泥水をすすった経験を語って貰う、シンプルがゆえに心に迫る特集です。今度のアルバム用に書いているという新しい歌詞もキッ...

(サイプレス上野)そうですね。本当、意識の高い人たちが1日2リットルのミネラルウォーターを飲むように、意識の低い俺たちは同量、それ以上に飲む泥水を! ゴクゴクゴク、ああ、うめえうめえ! これが男だろ? 涙はなしだぜ、野郎ども!



(宇多丸)ねえ。というね。

(サイプレス上野)誰に向かってやってんすかね?(笑)。

(宇多丸)いや、リスナーに向けてでいいじゃないですか。ちなみに私、宇多丸とはAbema TV『水曜THE NIGHT』でも毎週ご一緒しております。さあ、そしてもう1人、スペシャルゲストでございます。番組初登場。ライムスター『ダンサブル』とやはり同じく9月6日にアルバム『Mobb Life』をリリースした川崎のヒップホップクルー、BAD HOPよりYZERRさんです。いらっしゃいませ!

(YZERR)あ、どうも。YZERRです。よろしくお願いします。すいません、よろしくお願いします。

(宇多丸)よっ、よっ! ということでYZERRさんは神奈川県川崎市出身。双子の兄弟であるT-PABLOWさんとのユニット2WINとしても活動する傍ら、地元川崎で……いま、もう川崎をめちゃめちゃ盛り上げているBAD HOPを率いております。あとインターネットラジオ曲WREPでT-PABLOWさんと一緒に放送している『CHOOSY TUESDAY』も大人気ということで。

(YZERR)ありがとうございます。この間、『SUMMER BOMB』で一緒にならせていただいて。

フェス『SUMMER BOMB』でライムスターとBAD HOPが共演

(宇多丸)あ、そうそう。僕らがね、なんて言うんですかね、僕らがやった後にBAD HOPっていう本当に老害感が目立つ……(笑)。

(渡辺志保)また言ってる(笑)。

(宇多丸)嫌な流れでね。

(DJ YANATAKE)その『SUMMER BOMB』のトリをね。

(宇多丸)T-PABLOWがやって。それからBAD HOPが出てきて……っていう流れでしたよね。でも、いいことですよね。ザ・オールドスクールと、いちばん最前線でやっているのが同じ舞台でさ、違うやり方で盛り上げるというのはいいことじゃないですか。

(DJ YANATAKE)でもそれ、実は宇多丸さんのアイデアだったっていうのもジブさんから聞きましたよ。

(宇多丸)ああ、出順の? ジブさんが、最初はぶっちゃけ、「ライムスター、トリをお願いしますよ」とか言ってるから、「そんな保守的なことでどうするんだ? ライムスターがトリの『SUMMER BOMB』なんか見たくねえよ」みたいな。

(YZERR)あ、ありがとうございます!

(渡辺志保)めちゃくちゃ笑顔でね、YZERRくんが(笑)。

(宇多丸)でも、はっきり言って順当だと思いますよ。この時代ね。

(YZERR)ありがとうございます!

(サイプレス上野)ちなみに呼ばれてねえぜ!

(一同)(笑)

(宇多丸)いいね、この上ちょのちょっと荒れている感じが(笑)。

(サイプレス上野)めったにない感じで(笑)。「3年連続はない」ってジブさんに言われたんでね。

(宇多丸)そうなんだよね。

(サイプレス上野)ちゃんと見させていただきましたんで。素晴らしい。

(宇多丸)ということで、こんな豪華メンツで今夜は前半・後半の二部構成でお送りするということで。以降はヤナさんと志保さんにお任せ。俺がいちばん楽なタイプの特集ということで。よろしくお願いいたします。

(渡辺志保)よろしくお願いします。

(DJ YANATAKE)じゃあ、行っちゃっていいですか。まずですね、前半。9.6 日本語ラップ事変とは何か?

(宇多丸)日本語ラップ事変が9.6に起きてしまった?

(DJ YANATAKE)そうなんですよ。まあね、9.6。9月6日のことですね。先ほどちょっとね、イントロで宇多丸さんもおっしゃっていましたけど、10タイトル以上。結構ビッグネームたちが。細かいのも入れたらもっともっとあるんですけど。日本語ラップのアルバムが同じ日にリリースされたと。これは本当に歴史的に見てもすごい珍しいし。ここにいらっしゃる、ライムスターの『ダンサブル』が出て、サイプレス上野とロベルト吉野の『大海賊』が出て、YZERR率いる『BAD HOP』の『Mobb Life』も出て。さらにさらにさらにいろんな人たちのが出たんで。まずちょっと、どれぐらい出たのか?っていうのを。それも全部じゃないんですけど。音楽も少し流しますんで。だいたいどんなものが同日に発売されたか?っていうのをちょっとフラッシュでお届けしますので。お願いします。

(渡辺志保)ライムスター、アルバム『ダンサブル』より『Future Is Born』。

RHYMESTER『Future Is Born feat. mabanua』



(宇多丸)すいませんねー、すいません。

(渡辺志保)サイプレス上野とロベルト吉野、アルバム『大海賊』より『メリゴ feat. SKY-HI』。

サイプレス上野とロベルト吉野『メリゴ feat. SKY-HI』



(宇多丸)ビデオも素晴らしい。最高です。

(サイプレス上野)ありがとうございます。SKY-HIのところだけ流しましょう。

(一同)(笑)

(宇多丸)「だっつんのところだけ、繰り返し聞いてます!」っていう(笑)。

(渡辺志保)BAD HOPでアルバム『Mobb Life』より『Mobb Life』。

BAD HOP『Mobb Life』



(宇多丸)めっちゃ聞いてまーす。

(YZERR)ありがとうございます。

(渡辺志保)AKLO&JAY’ED、EP『Sorry…come back later』より『Ballin’ Out』。

AKLO&JAY’ED『Ballin’ Out』



(宇多丸)かっこよかったなー。

(渡辺志保)Itto×Jinmenusagi、アルバム『Eternal Timer』より『ズッコーンッ』。

Itto×Jinmenusagi『ズッコーンッ』



(渡辺志保)Minchanbaby、アルバム『たぶん絶対』より『肉喰え肉』。

Minchanbaby『肉喰え肉』



(宇多丸)ミンちゃん来た~!

(渡辺志保)粗悪ビーツ(プロデュース)。


(渡辺志保)Cz Tiger、アルバム『PURPLE WAVE』より『ON THE MOON feat. Elle Teresa』。

Cz Tiger『ON THE MOON feat. Elle Teresa』



(渡辺志保)16FLIP vs BES、アルバム『The Definition of This Word』より『7 feat ISSUGI』。

16FLIP vs BES『7 feat ISSUGI』



(宇多丸)はい。ということで、いろんな方向からね。

(渡辺志保)いろんな、バリエーション豊かなラインナップで。いまザッと聞いていただきましたけども。

(宇多丸)一口でヒップホップとかラップとか言っても、もう全然ね、同じジャンルとは言い切れないぐらいの幅があるぐらいですから。

(渡辺志保)そうですね。本当にライムスターさんとYZERRくん、BAD HOPもそうですけど、世代もどんどん幅が出てきていますし。あと、リリース形態ももちろん、メジャーでアルバムを出す方もいれば……サイプレス上野さんなんかは今回、はじめてのメジャーデビューアルバムとか。かたや、デジタルだけで出しますとかね。リリース形態もみなさん、すごく異なっていて。なかなかすごく盛り上がっていて、来てるな!っていうのを感じますね。

(宇多丸)いろんな、本当にありとあらゆるやり方が可能であるというのはとてもいいことだと私、思っております。という感じですかね。

(DJ YANATAKE)そういった中で、これだけでも全然、全部じゃないんですよ。

(宇多丸)だってこれ、(9月6日の)前後とかもさ。前の週にKICK THE CAN CREWが出ていたりとか。もうちょっと前に行けば餓鬼レンジャーが出てたりとか。もうすごいじゃないですか。

(サイプレス上野)その後には、韻踏合組合も。

(宇多丸)韻踏も。そうだよ!

(DJ YANATAKE)で、いまはZORNのアルバムが出ていたりとか。とにかくもう、すごいことになっているんですよね。みんな、音楽不況だなんだって言われてますけども。いやいやいや、いまのヒップホップの勢いはすごいよと。こんだけまずリリースできているっていうこと自体がすごいし。たまたま9.6っていうのを1個の例にしたけど、こんだけみんながリリースできていることが本当にすごいし、うれしいことですよね。

(宇多丸)でもこの9.6 日本語ラップ事変とかさ、こうやって括られるといいよね。永久に名前を連ねられるわけだからさ。

(サイプレス上野)残っているわけですからね。

(宇多丸)ある意味、美味しいよね。

(DJ YANATAKE)そんな中から、さっそくですがスタジオに来てもらっている2人の曲から行きたいと思うんですけども。サイプレス上野とロベルト吉野。まずね、メジャーデビューおめでとうございます。

(サイプレス上野)ありがとうございます!

(DJ YANATAKE)結構、発表自体は前から。いよいよという感じで。

(サイプレス上野)いよいよですね(笑)。

(DJ YANATAKE)どうですか? メジャーアーティストの気分は?

(宇多丸)まあ、正直遅すぎるぐらいじゃない。キャリアからすれば。

(サイプレス上野)誰もがね、信じていないというか。

(一同)(笑)

(宇多丸)「信じていない」ってどういうこと?

(サイプレス上野)「えっ、してなかったの?」って。なんか、満を持して感もないし。

(宇多丸)「何年目」みたいな?

(サイプレス上野)結成17年目のメジャーデビューという、謎の。15年でも20年でもないっていう。区切り悪いよっていう。

(宇多丸)演歌歌手みたいでいいんじゃないですかね。キャリア。

(サイプレス上野)キングレコードだけに、本当にね。これからもコブシをきかせていきますよ。

(宇多丸)いや、でも素晴らしいですよ。

(DJ YANATAKE)ただですね、メジャー最初の一発目ということで、かなり気合いの入った推し曲が。これはなんとフィーチャリングに……。

(サイプレス上野)マイメン、金のなる木! SKY-HI!

(一同)(笑)

(渡辺志保)「マイメン 金のなる木」(笑)。

(DJ YANATAKE)そこはもう、狙いに行ったということで?

(サイプレス上野)そうですね。日高をラップさせないっていう先輩としてのかわいがりも含めた上でというか。ラップをするためのSKY-HIじゃないですか。日高はAAAの中でも。で、あいつの大好きなラップを奪い取ってみたらどうなるか?っていう。

(宇多丸)そういう裏テーマがあるんだ(笑)。

(渡辺志保)あえてコーラスに持ってくるというね。

(サイプレス上野)という裏テーマもあったんですよね。

(宇多丸)これ、でもさ、曲もさることながら。メッセージも素晴らしいと思うし。ミュージックビデオ、ぶっ飛びましたよ、本当に。あれ、素晴らしい。『ひょっこりひょうたん島』のスタッフが本当に再現してやっているんだよね。

(サイプレス上野)人形をやってくれて。

(宇多丸)字幕の感じとか映像の感じもバッチリだよね!

(サイプレス上野)画角もちゃんと合わせてもらって。

(宇多丸)そうそうそう。スタンダードサイズというか、あれで。だから、あれに凝りすぎてミュージックビデオが発売日にようやくできるという。全くプロモーションになっていないという(笑)。

(サイプレス上野)その後の、後パブのPVも何もできないっていう(笑)。

(一同)(笑)

(DJ YANATAKE)でも、その代わりに誰にも起こせないようなプロモーションを。1個派手なのをやりましたよね。

(渡辺志保)そうですよね。体を張ったというか。

(宇多丸)ケガプロモーション(笑)。

(DJ YANATAKE)あれがいちばん話題になったんじゃないか?っていう。

(サイプレス上野)ラフ・ライダーズだから。俺は、やっぱり(笑)。



(渡辺志保)『Ryde or Die』ということで。

(サイプレス上野)勝手に自分で(バイクで)コケただけなんですけど。みなさん、本当にバイクとか乗る人は気をつけてください。いま、ラジオをね、運転しながら聞かれている方もたくさんいると思いますんでね。ぜひ運転にはお気をつけてください。

(DJ YANATAKE)説得力がパない! じゃあちょっとさっそくですけど、その曲を聞いてみましょうかね。曲紹介なんかを。

(サイプレス上野)じゃあ、聞いてください。サイプレス上野とロベルト吉野で『メリゴ feat. SKY-HI』。



(DJ YANATAKE)はい。聞いていただいたのはサイプレス上野とロベルト吉野、メジャーデビューEP『大海賊』から『メリゴ feat. SKY-HI』!

(宇多丸)でもやっぱりメジャーデビューにふさわしい華のあるナンバーで。こういう振り切り方はとってもいいと思いますね。

(サイプレス上野)そうですね。これは突破しようと思って。

(宇多丸)振り切る時は振り切った方がいいというようなね。

(DJ YANATAKE)このサビのリリック問題というのが若干あるというか。

(サイプレス上野)そうですね。「ゆっくりでもいいよ、回ってくれ」って日高が歌ってくれているんですけども。それがYouTubeかなんかのコメントで、「そこの部分がすごくよかったです、日高さん」みたいに書いてあって。いや、それ『Wonder Wheel』の俺のラインだから……っていう(笑)。



(宇多丸)引用なんだよね。

(サイプレス上野)そう。日高がそれを使ってくれているのに、やっぱりそういうところにいくんだなっていう風になって。

(宇多丸)しまいにはね、Abema TVのコメントでね、「だっつんのところだけ繰り返し聞いてます!」って(笑)。

(一同)(爆笑)

(宇多丸)もうね、ここまで来ると笑うしかないっていうね。

(サイプレス上野)本当にね。

(渡辺志保)でも狙い通りという感じですかね?

(サイプレス上野)そう、ですかね?(笑)。

(宇多丸)ポロリとさ、トップ・オブ・ザ・ヘッドで「金のなる木」とか言っちゃうんだから、しょうがないよね、これはね。

(DJ YANATAKE)まあまあ、そう言えるぐらい仲がいいっていうことですけどね。

(サイプレス上野)まあ、うん……。

(宇多丸)なんだよ、それ!

(サイプレス上野)いや、本当日高のチンポ揉めるのは俺しかいないんで。

(DJ YANATAKE)って言ったら、ファンに引かれて。SKY-HI層を取り込むのにちょっと失敗したっていう(笑)。

(サイプレス上野)第一弾で失敗しました(笑)。Twitterで「日高の唇を奪えるのとチンポを揉めるのは俺しかいない」って書いたら、「は?」「え?」って書かれて(笑)。

(宇多丸)そんなの、萌えろよな! そこはさ。なんでだよ、萌えサービスしてんじゃんよ!

(渡辺志保)そこはちょっと、ハードルが……。

(サイプレス上野)それは違ったらしいですね。やっぱり。

(宇多丸)そうですか。まあでも、素晴らしい作品だと思います。

(DJ YANATAKE)はい。続きましてなんですけど、同じくスタジオに来ているYZERR率いるBAD HOPが! これ、来てますよ。本当に来ています。

(宇多丸)来ていますね。いま、実はちょっとジェネレーションギャップというかですね。歳の話になりまして。YZERRくん、いまいくつですか?

(YZERR)僕はいま、21です。平成7年です。

(渡辺志保)平成7年!?

(宇多丸)「いま、21です」ってさっき聞いた瞬間に、もうかぶせて「死にたい!」って言いましたから。死にたい。うん。

(一同)(笑)

(DJ YANATAKE)西暦は?

(YZERR)1995年ですかね。

(DJ YANATAKE)ファーサイドの『Runnin’』の頃ですね。



(サイプレス上野)「It’s 1995!」って(笑)。

(宇多丸)モブ・ディープ『The Infamous』の年じゃないですか。

(DJ YANATAKE)『MASS対CORE』とか、あのへんも。



(サイプレス上野)そう。「95年なにが起きてんだ」って。

(渡辺志保)キングギドラデビューの。

(宇多丸)(ライムスターの)『Egotopia』。

(DJ YANATAKE)うわっ、嫌ですねー!

(宇多丸)嫌ですねー!

(渡辺志保)ねえ。本当に、もう(笑)。

(宇多丸)しかも、BAD HOPのみなさんはちゃんと、しっかりしてんだよ。

(YZERR)ありがとうございます。

(渡辺志保)本当、みなさん筋が通っている。

(宇多丸)日本のヒップホップのそういうストリート感のある人たちに完全に欠けていたものがちゃんと揃っている。ちゃんとビジネスをする気があるっていう。

(一同)(笑)

(渡辺志保)この若さで本当にBAD HOPは……彼らがユニークなのは、去年1年間かけてフリープロモーションみたいなものをすごく力を入れていて。自分たちでCDを焼いてパッケージングして、フリーでお客さんに配ったりとか。

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(宇多丸)はいはい。

(渡辺志保)驚くべきはライブもかなり大きいところでね、フリーライブをやって。

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(YZERR)川崎チッタでやらせてもらって。でも、CDとかを配らせてもらったんですけど、ドミノピザ(のデザイン)をサンプリングさせてもらったりして。

(渡辺志保)ジャケット・デザインをね。

(YZERR)そしたら、(ドミノピザから)連絡が来て。いろいろダメだぞ、みたいな。

(DJ YANATAKE)いろいろダメ(笑)。中止になっちゃって。

(宇多丸)でも、お叱り程度でよかったよね。

(サイプレス上野)そんだけ影響力があるっていうことだからね。

(渡辺志保)そうですね。ドミノピザにも届いたっていうね。

(宇多丸)ちなみに、素朴な疑問としてYZERRくんはいつから、何才からラップしていたんですか?

(YZERR)僕は16才からですかね。地元のクラブみたいなのでイベントとかがあって。そしたら無理やり先輩が「ちょっとステージでやってみろよ」みたいな感じで。「ああ……」って。で、やらさせてもらいました。

(宇多丸)それが、いまやね。さっきのフリープロモーションっていうか、そういうのはみんなで計画してやってるの? YZERRくんが?

(YZERR)基本、僕がします。

(宇多丸)すごい参謀的にね。曲作りとかもすごい、いいディレクションをしているって聞いてます。

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(YZERR)はい。やらせてもらっています。

(宇多丸)じゃあ、ビジョンを描いてやっているんだ。

(DJ YANATAKE)で、まあとにかく本当に、僕もDJとしてクラブでいまかけたらめちゃくちゃ盛り上がるし。話題は僕が語るまでもなくみんな知っていると思うんですけど。せっかくなんでちょっと、さっそくアルバムから1曲かけてみたいと思うんですけども。曲紹介をお願いします。

(YZERR)はい。BAD HOPで『Mobb Life』。



(DJ YANATAKE)はい。聞いていただいておりますのはBAD HOPのニューアルバム『Mobb Life』からタイトルトラック『Mobb Life』でございます。

(宇多丸)はい。かっこいいねー。

(YZERR)よろしくお願いします。

(渡辺志保)またちょっとライムスターさんとかサイプレス上野さんとかとは違うスタンスの曲というか。楽曲のメロディー感みたいなのも違うし。でも、こういうのは、曲は何を参考にして作っているんですか?

(YZERR)でもやっぱり、自分らが16才とか始まった時から、US。アメリカの音楽が入ってきていたので。兄貴とかが聞いていたりしたので。そこが完全に……自分たちが最初に始める時から、そこを意識というか。「意識」というよりも、意識しないでも自然とやったらそういう風になるというか。

(宇多丸)現行USの。

(YZERR)完全にそうでしたね。

(渡辺志保)じゃあ、いまアメリカで流行っているものをBAD HOPの中で消化すると、こういうのが出てきたということですね。

(YZERR)そうですね。

(宇多丸)これ、でもすごい日本語ラップの進化の仕方として実は正統派っていうか。俺らだってアメリカのヒップホップをめちゃくちゃ聞き込んで。で、「このフロウを日本語に置き換えたらこうかな?」とか。そういう意味で実験してきて。それが奇形的に進化するにしてもさ、入り口は間違いなくその実験の繰り返しだったから。それでこうなっているんだと。俺、それでこのアルバム全体を聞いても、聞き取れないところが1個もないというか。

(YZERR)うれしいっすね。

(宇多丸)日本語としてスパスパ入ってくるから。このこなれ方はハンパじゃないっていうか。最先端USスタイルなのに、完全に日本語の音楽というか。そこに私は心底感銘を受けた次第でございます。

(YZERR)ありがとうございます。

(宇多丸)そして「死にたい」と思った次第であります。

(一同)(笑)

(DJ YANATAKE)まあでも本当におっしゃった通り、最先端のアメリカのヒップホップを本当に上手く日本語に取り入れてもらって。DJとかもアメリカの音楽と分け隔てなくかけられるようなスタイルを彼らが日本で作ってくれたという感じです。

(宇多丸)ちなみに上ちょ、なんかフリープロモーション的なことは?

(サイプレス上野)そうなんですよ。BAD HOPがフリーでアルバムとかを、要するに自分たちで手でまいてますよね。SNSで「ここでやります」って言ったらみんな若い子たちがブワーッと行って。

(渡辺志保)そうですね。で、開店前から並んでいたりしてね。

(サイプレス上野)争奪戦になっていたりとか。で、「(ライブを)チッタでやります」って言って人がパンパンになっている時に、やっぱり構成作家の古川(耕)さんとかに自分たちは拾ってもらったタイプの側なんで。同い年ぐらい、21とか22の本当に何やっていいのかわからない時に俺たち、「仲間たちと稼ぐマネー♪」って思った時に、街のウィーノットっていうレコード屋さんとかに適当に作ったCD-Rを持っていって。で、置いて。「たのむから700円で買い取ってください!」って……稼ぐマネー!っていう感じでやってて。そこのスケールの違い(笑)。みんなやっぱりビッグマネーを稼ぐためにちゃんと布石をやっているっていうのが俺はすごいと思って。

(宇多丸)うんうんうん。

(サイプレス上野)俺たちの世代ってMETEORとかも含めて、筆頭格にいるんですけど。みんなでその日生きる金を稼ぐために、自分たちで何かを持っていこうとか。本当にあれですからね。BLACK SMOKERでもそうですからね。自分たちがレコード屋で働いていた時に、蛍光ペンで○が書いてあるCDが送られてきて。振り込み先が書いてあって。

(渡辺志保)蛍光ペンで(笑)。

(サイプレス上野)「とりあえず、振り込んでみよう」みたいな(笑)。

(一同)(笑)

(渡辺志保)バクチじゃないですか!(笑)。

(サイプレス上野)よくわかんないんですよ(笑)。

(DJ YANATAKE)まあまあ、でも不思議だよね。そうやってタダでCDをいっぱい……だって最初、1万枚ぐらい配ろうとしたんでしょ?

(YZERR)そうですね。

(DJ YANATAKE)あと、川崎クラブチッタでフリーライブをやりたいって言うのは言えるけど……。

(渡辺志保)びっくりですよね。

(YZERR)逆に僕たちの場合だと、買ってくれる方も若い方が多いんですよ。15、6才とかの人も多くて。振り込みとかしたことがない人も……「送料だけ支払ってください」とかって言っても。で、たとえば「○○銀行川崎支店の……」って言ったら、本当にガチでお問い合わせで「すいません。川崎まで行かないとダメですか?」って。

(渡辺志保)ああ、なるほどね!

(サイプレス上野)超いい話! かわいい。若い子、わかんないもんね。

(渡辺志保)でも、それをちゃんと自分たちでわかって、その世代に向けたプロモーションを最善の方法でやって……っていうのがまた賢いなと思う次第ですね。

(宇多丸)いま、(BGMで)俺の好きな『あ?』がかかってますね。これね。



(DJ YANATAKE)最高ですよね。はい。

(宇多丸)まあ、という最先端事情で。

(DJ YANATAKE)で、9.6日本語ラップ事変。とにかくこれだけの素晴らしいリリースがたくさん重なった結果、これが本当にどうなったか? いま、ヒップホップどうなっているんだ? というところを記録的なところからご紹介させていただきたいんですけども。まず、ライムスター。アルバム『ダンサブル』がなんと、オリコンデイリー総合3位。おめでとうございます!

(渡辺志保)おめでとうございます!

(宇多丸)これは、あれです。バグです。

(渡辺志保)なんでですか!?

(宇多丸)Amazonが欠品してて。在庫のフン詰まりを起こしていて。それがバーッと一度に届いたから、その日だけ瞬間風速が強かったという。

(渡辺志保)じゃあ、いいバグじゃないですか。

(宇多丸)いいバグ! だから俺の言う、実質3位。もうね。

(DJ YANATAKE)いやいや、でもね、おめでとうございます。そして、なんとBAD HOPがiTunesの総合アルバム・チャート1位!


(宇多丸)すごい!

(渡辺志保)しかもこれ、発売された瞬間に1位になって。私もチャートをその場でスマホで見ながらびっくりしたんですけども。

(DJ YANATAKE)これ、どう? 自分たちもで予想していたの?

(YZERR)いや、予想してなかったですね。びっくりしました。本当に。

(宇多丸)ああ、そう? 本人的にも?

(YZERR)はい。「マジか!」みたいな。ガチでテンション上がっちゃいました。

(渡辺志保)それは上がりますね。私もアルバム発売のちょっと前にYZERRくんにインタビューさせていただいたことがあって。その時にちょうどこの9月6日にいろんなヒップホップのリリースが重なるねっていう話をしていた時に、結構ビビるじゃないですけど、「大丈夫ですかね? 大丈夫ですかね?」みたいな。そういう風に言っていたんですけどね、見事こういう風にちゃんと結果を出しているという。

(YZERR)ありがとうございます。

(宇多丸)めでたい!

(DJ YANATAKE)そしてね、サイプレス上野とロベルト吉野の『大海賊』ももちろんヒップホップチャート5位!

(サイプレス上野)ああ、すいません。ありがとうございます。発売した時、148位ぐらいだったからびっくりしましたけどね。

(宇多丸)(笑)

(DJ YANATAKE)いやいや、そこらもう……。

(サイプレス上野)誰も知らないんじゃないか?って。

(宇多丸)まあ、iTunesは結構変動しやすいからね。

(サイプレス上野)親族に電話しまくりましたよ。

(宇多丸)「どうなってんだ、おい!」ってね。

(サイプレス上野)誰も買い方を知らないみたいな感じで(笑)。

(DJ YANATAKE)そして、その9月6日の2日後、金曜日にはSKY-HIのLive in 武道館のライブ・アルバムみたいなのが発売されて、それもiTunes総合1位になって、いろいろと見ていったらiTunesの総合ですよ。いわゆるJ-POPとかもみんな、ミスチルとかと一緒に入っている中に、SKY-HIとライムスター『ダンサブル』、BAD HOP『Mobb Life』、KICK THE CAN CREW『KICK!』がベスト10に同時ラインクイン!


(渡辺志保)すごい!

(DJ YANATAKE)これ、もう完全にヒップホップの時代、来てるじゃないですか。

(宇多丸)こんなシーンを待ってたぜ!

(渡辺志保)はいはい。日本語ラップ。

(宇多丸)ずいぶん待ちました。うん。

(DJ YANATAKE)本当ですよね。なんで、すごいとにかくヒップホップを聞いてなきゃダサいみたいな感じになっていると思いますけども。

(宇多丸)感じになるといいですね。つまりこれ、リリースが重なった9.6日本語ラップ事変はプラスだったということですか?

(DJ YANATAKE)僕はそういう風に捉えています。やっぱりすごい、みんな出して。たまたまいま、ベスト10圏内みたいな話をしましたけど、それ以外にもみんなチャートインしているし。全体的にワッと盛り上がって見えた瞬間であることは間違いなかったんじゃないかなと。

(宇多丸)ヒップホップ全体で盛り上がっている感ってね、絶対に損はないわけだからね。たしかにね。

(DJ YANATAKE)ただ、実際に当人たちでね、こんだけ重なっちゃうと、それを知った時っていうのはどういう風に思いました?

(YZERR)もう本当、正直「マジか……」みたいな(笑)。「うわー、重なっちゃったのか……」みたいな。しかもみなさん、すごい方たちだったので、「うわー、なっちゃったな……どうにかしてズラせないのかな?」って。

(一同)(笑)

(宇多丸)どう? 上ちょは。

(サイプレス上野)そうですね。やっぱりライムスターの『ダンサブル』にも参加させてもらっているので。事前の情報とかもいろいろと知っているわけじゃないですか。内部事情とかも。で、「マジか!」ってやっぱりなって。で、「BAD HOPも一緒だよ」って言われて、「マジか、あいつらよお!」って。なんとかちょっとズレてくれないかな? みたいな。

(渡辺志保)みんな同じようにね(笑)。

(宇多丸)それ、でもちなみに俺らも同じですよ。やっぱりその流れ的にさ、フリースタイルダンジョンのあれもあるし。BAD HOPもすごい勢いがあるし。「これ、どう考えてもこの比較対象はどうなの?」みたいな。ちょっとビビっているところもありましたけども。ただ、結果的にはひとまとめでいま盛り上がっているよねっていう流れの一部に加えてもらえているっていうかさ。自動的に。だからすごくそれがよかったなという風に、いまは思っていますけどね。

(DJ YANATAKE)でもまあ正直、まくってやろうと思っていたでしょう?

(渡辺志保)どうですか?

(YZERR)いやー……。

(宇多丸)思っているよ。そこは、思っている(笑)。

(渡辺志保)1位になった瞬間、他の先輩アーティストたちの作品が自分たちの下にあるわけじゃないですか。

(YZERR)でもなんか、それもそれですごい複雑なんですよね。ちょっと正直、「ああ、うれしいけど。ああ……」みたいな。

(宇多丸)でも、いいこと。いいこと。そんなのはね。Win-Winで行けばいいんですから。そうなんですよ。うれしいことです。という感じ? じゃあ、とりあえずこの第一部としてはこんな感じですかね。

(DJ YANATAKE)そうですね。まだまだ話し足りないんですけど、残りは後半に。

(宇多丸)ということで、お知らせの後は今年のアメリカのヒップホップ、そして日本のヒップホップのトレンドについてもお話をうかがっていきます。

(CM明け)

(宇多丸)ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル、今夜は日本語ラップ2017秋の収穫祭をお送りしております。プレゼンターはDJ YANATAKEさんとヒップホップジャーナリストの渡辺志保さんです。そしてスペシャルゲストはサイプレス上野さんとBAD HOPからYZERRさんです。引き続きよろしくお願いします。

(一同)お願いします。

(宇多丸)さあ、後半。行ってみましょう。

(DJ YANATAKE)それでは後半、行きます。2017年の日本語ラップはどうなっているのか?

(宇多丸)まあ、見取り図というかね。

(DJ YANATAKE)そうですね。もうすごい、とにかくいま世界的にどんだけヒップホップブームか?っていうところから、切り口的に。渡辺志保から。

(宇多丸)はい。お願いします。

(渡辺志保)本当に今年は日本だけじゃなくて世界的に。そしてもちろんアメリカ国内でもヒップホップブームはひとつ頂点というか到達点に達しておりまして。たとえば、ニールセンが調べた結果によるとヒップホップの音楽コンテンツの売上が史上はじめてロックを超えたんですよ。

データ調査会社のニールセンが2017年のアメリカの音楽売り上げデータを発表した。

(宇多丸)おおっ!

(渡辺志保)まあ数%の差ではあるんですけども。もういま、アメリカでいちばん聞かれている音楽はロックとか、その他のダンスミュージックでもなくてヒップホップ・R&Bという時代にいまなっているという。で、こちらもつい最近なんですけども、アメリカのビルボードのアルバム総合売上のチャート、トップ5を全てヒップホップアルバムが制したということがあって。ケンドリック・ラマー、フレンチ・モンタナとか、そういう人気アーティストのリリースが相次いで、実際にそういう結果を生んでいるという。もう、波が来ている。

(宇多丸)なるほど。そもそも世界的にヒップホップが盛り上がっているんだと。


(渡辺志保)そうですね。うれしいことですね。

(宇多丸)俺はそこの部分の感慨もあります。やっぱり。全然小さいシーンだった頃からのあれとしては。

(渡辺志保)なので本当にいま、音楽シーンとかカルチャーシーンにおいても、マジョリティーを占めているのがヒップホップであるということですね。

(宇多丸)圧倒的マジョリティー。はい。

(渡辺志保)と、言えると思います。

(DJ YANATAKE)本当に世界中、本当に大きいフェスを見ても、どこもほとんどがヒップホップのアーティストがヘッドライナーだったりしてますからね。もういまや、ヒップホップを聞いているのがいちばんイケてんだぞ!っていうのを、今日は。

(渡辺志保)ついつい熱が入っています(笑)。

(DJ YANATAKE)で、もちろん、さらに日本はやっぱり、フリースタイルダンジョンも含め、MCバトルブームみたいなのもありますけども。そういった中でDungeon Monstersという、フリースタイルダンジョンのモンスターたちが集まった曲『MONSTER VISION』が、これが今年大ヒットしたところでかなり盛り上がりましたね。

Dungeon Monsters『MONSTER VISION』



(宇多丸)普通にめちゃめちゃ売れて。『ミュージックステーション』にも出て。
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(サイプレス上野)出ましたね(笑)。

(渡辺志保)どうでした? 『ミュージックステーション』は?

(サイプレス上野)『ミュージックステーション』は本当になんかふざけてましたね。みんな。

(渡辺志保)最高ですね(笑)。

(サイプレス上野)なんかすごい、モンスター同士が戦いを通して仲良くなっているというか。本当にクルー感がハンパなかったんで。どの現場に行っても、「誰かがミスっても助けてくれる」みたいな空気だったんで。

(宇多丸)ああ、リラックスしていた?

(サイプレス上野)リラックスしまくっていて。ガチガチとかじゃ全くなかったんですね。全然なくて、普通にしゃべりまくっている感じで。

(宇多丸)なんかすごい純ヒップホップな感じで出ていたのがすごくよかったです。

(サイプレス上野)それぞれが自分の起きたことしか歌っていない曲でやっていて。要するに、世間に対して何かを言うっていうことじゃなくて、自分の戦いについて歌っているだけなのに、それがクルーでやっているっていうのが、俺たちが好きなヒップホップのクルー感。ポッセカット。

(宇多丸)だからわかりやすいサビとか普遍的なテーマとか、そういう方向じゃなくて。

(サイプレス上野)それをやって、最後のあのジブさんのドヤ顔。


(一同)(笑)

(宇多丸)あれはいちばんキャッチーなところですね。今年の日本のヒップホップシーン最大の爆笑ポイントという瞬間。あれ、よかったですね。

(一同)(爆笑)

(DJ YANATAKE)まあ一応、記録的なところを補足させていただきますと、このサイプレス上野が参加したDungeon Monstersの『MONSTER VISION』。iTunesの総合シングルチャートで1位獲得。おめでとうございます!

(サイプレス上野)ありがとうございます。うれしい!

(DJ YANATAKE)実はアルバムで総合1位をとったっていうのはちょいちょいあったんですよ。AKLOのデビューアルバムとか、そういうのもいろいろあったんですけど、実はシングルって僕が知る限り、なかったんじゃないかな? KOHHくんの『結局地元』が2位まで行ったんですよ。なんだけど1位っていうのは……。

(YZERR)本当にすごいんすね。

(DJ YANATAKE)本当にヒット曲がほしいっていう中でね、今年まずそれが出てくれたのが本当にうれしかった。

(渡辺志保)心強いですね。

(宇多丸)象徴的ビッグチューンがあるといいですね。

(DJ YANATAKE)そうですね。後世にも語られる曲になったんじゃないかなと思います。そして、さんざんいろいろヒップホップの話をする時に、アメリカのたとえを僕はどうしてもしちゃうところがあるんですけど。インターネットを通してすごく面白く流行った曲があって。今年を象徴する1曲として、これから紹介したいんですけども。JP THE WAVYという子がいて。

(宇多丸)キターッ!

(DJ YANATAKE)まあ正直、全然ノーマーク。マジで誰も、名前を聞いても「えっ? 誰?」みたいな子だったんですよ。それが1曲、ビデオでパッと出した時に、『Cho Wavy De Gomenne』って曲。僕が最初、他のラジオの番組でダンサーの子が紹介していて。YouTubeでまだ1800回転ぐらいだったんですよ。その時に一発聞いて、「あ、すごいかっこいいな」と思って。で、この『INSIDE OUT』に何日か後に急いで。僕、一発目、かっこいいと思ってすぐ呼んだんですよ。そしたらもうその時点で30000回転ぐらい行っていて。そこからあれよあれよという間に、いま100万回転ぐらいしているのかな?

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(宇多丸)うおーっ、すごいなー。

(渡辺志保)で、まあどんどんいろんなラッパーの方がリミックスを作ったりとか。SALUくんが参加してリミックスビデオを作ったりとか。

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(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)で、なんとYZERRくんもこの曲に関してはちょっと?

(YZERR)そうですね。BAD HOPの(『Mobb Life』の)初回特典でメンバーがリミックスをさせてもらって。なんか本当、こんな流れってなかなかないですよね。

(渡辺志保)そうですね。結構アメリカだと1曲がヒットするとみんな「ビートジャック」って言って。(和歌の)本歌取りみたいな感じで、自分が同じトラックに乗せて「俺はこんな感じで上手くできるぜ」みたいに、見本市みたいに見せ合うんですけど。本当に、日本ではそこまでビートジャックが流行ることってなかったんですけど、このJP THE WAVYくんの『Cho Wavy De Gomenne』っていうのは、ビートジャックも流行っているし。あと、彼の曲に合わせてダンスをする。で、それをYouTubeとかTwitterとかInstagramに乗せるような、そういう口コミヒットでかなり名を上げている1曲ですね。

(宇多丸)すごい。本当に日本で珍しい展開。「初の」って言っていいぐらい。

(DJ YANATAKE)と言ってもいいぐらいいじゃないですかね。もちろん、『Once Again』をみんながビートジャックみたいなのをしてやった例とか、いろいろありましたけど。ダンスとかを含めたりとか。あと、もうちょっとポップに響いているんですよね。なんかお笑い芸人の人がやったりとか。

(YZERR)それもすごいんですよね。

(DJ YANATAKE)はたまたセクシーギャルがね。

(渡辺志保)そうですよ。明日花キララさんが反応されていたりとかして。



(DJ YANATAKE)なんかちょっといままでの枠も超えた感じで。これは「バイラルヒット」っていうんですけど。ネットを通してね。ここまで来たのは日本初と言っても申し分ない。で、本当にいま、クラブとかでかけても、全国どこに行ってもみんな大合唱。

(宇多丸)おおっ! そうか。ついにビッグチューン、なっているのか。

(渡辺志保)なっているんですよ。

(サイプレス上野)本当にすごいんすよ。地方に行ってライブやった時に、俺は結構前の若い子たちも見るようにしているんですよ。ライムスターの教えなんで。で、見ていたら3組ぐらい全員、『超○○でごめんね』をやっていて。「全員同じじゃねえか!」って(笑)。大喜利みてえなのをやっていて。けど、みんなかっこいいっていう。

(渡辺志保)それだけ浸透しているんですね。

(宇多丸)ああ、そう。

(サイプレス上野)ヤバいっす。

(DJ YANATAKE)まあ、そういった感じで。ひょっとしたらまだ知らない人もいるかもしれないということで。こちら、2017年を象徴する1曲だと思います。JP THE WAVYで『Cho Wavy De Gomenne』。

JP THE WAVY『Cho Wavy De Gomenne』



(DJ YANATAKE)はい。聞いていただきましたのはバイラルで大ヒット中! JP THE WAVYで『Cho Wavy De Gomenne』でした。

(宇多丸)はい。ねえ。すごいことでございます。

(DJ YANATAKE)これ、補足ですけども。曲がみんな話題になり始めた時にすぐラッパーのSALUくんが「この曲に俺も参加したい!」って本人に直接連絡を取ったらしくて。それが本当に話題になって1週間とかそういう世界で。もうバーッと世間がSNSですごいスピードで動いている中にSALUくんが参加して。それをビデオに撮って。Spikey Johnっていうハタチの監督が撮って。そこに出ているやつらは「いまからビデオ撮るけど、みんな参加しに来ない?」って言ってバッと集まって撮ったらしくて。そのスピード感なんかもすごいイマっぽいなっていう感じですかね。



(渡辺志保)うんうんうん。

(DJ YANATAKE)で、まだまだ2017年の日本語ラップに行きたいんですけども。フィメールラッパーもかなり面白い動きになっているんですよ。

(渡辺志保)やっぱり女の子のラッパー、もちろん昔からRUMIさんがいたり、COMA-CHIさんがいたりしたんですけど、この女の子のラッパーたちもいますごく、いろんなタイプのラッパーが出てきていまして。たとえばセンセーショナルにデビューしたちゃんみなとか。あと、ゆるふわギャングという男女のユニットで活躍しているSophieeちゃんとか。あと、さっきもダイジェストでちょこっとだけ聞いていただいたんですけど、Elle Teresaちゃんっていう超ギャルなラッパーのかわいい子がいるんですけど。



(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)で、そういった子たちがボボボボッと、彼女たちも作品を出している。で、ちょっとここで1曲紹介させていただきたいんですけど、Awichという女性ラッパーの方がいまして。私は結構、日本の女性ラッパー待っていました!っていう感じがすごくするんですが。沖縄出身、沖縄育ちなんですけど、アトランタに留学しまして。そこで旦那さんとなる男性と出会ったんですよね。で、彼女はそこで赤ちゃんを身ごもるんですけど、旦那さんが壮絶なバックグラウンドを持った方で。なんと、一緒に帰国しようと決めていた矢先に銃殺されてしまうという。

(宇多丸)おおっ……。

(渡辺志保)ということがありまして。でも、彼女は自分の壮絶な過去を乗り越えて、いまもずっと歌手活動をしていまして。で、この夏、8月に『8』というソロアルバムをリリースしたんですけども。なので、語っている内容が本当にリアル……「ヒップホップ」と形容していいのかわからないですけど。やっぱり男女関係なく、ちょっとそこらのラッパーとは全然違うフィルターを通した、生身の言葉みたいなのがすごく響く。で、ライブも本当に間違いないアーティストでして。夏、めちゃめちゃヒットした1曲がありますので、ここで聞いていただきたいと思います。Awichで『Remember feat. YOUNG JUJU』。

Awich『Remember feat. YOUNG JUJU』



(渡辺志保)はい。いまお聞きいただいておりますのはAwichで『Remember feat. YOUNG JUJU』。なかなかダンサブルというか。

(宇多丸)だし、こういうキャリアの人も珍しいよね。

(渡辺志保)そうですね。なかなか日本には……もちろん、そういう女性はたくさんいらしたのかもしれないけど、それを上手いこと自分の作品にしているというのがすごくいいなと思いましたね。

(宇多丸)おいくつぐらいの人なんですか?

(渡辺志保)1986年、7年生まれぐらいだったと思います。

(宇多丸)じゃあそんなに、めちゃめちゃ若いとかじゃなくて。それもなんかね、いいよね。

(渡辺志保)いいですね。なので、本当に自分が経験したことがいい具合に作品、リリックに落とし込まれているっていう感じですね。いま聞いていただいた曲でフィーチャリングされているKANDYTOWNというクルーのYOUNG JUJUくんもすっごくいいバースを蹴っているので、ぜひぜひ気になった方はチェックしていただきたいと思います。

(宇多丸)さあ、じゃあ、どんどんね。

(DJ YANATAKE)時間がなくなってきたんですけど、注目したいトピックが2つ、あるんですけど。KOHHくん以降、日本でもトラップと言われる種類の……ヒップホップの中でもいろいろあるんですけど、トラップと呼ばれるスタイルが本格的に主流になってきて。まさにBAD HOPのサウンドなんかを聞いてもらえればわかるんですけど。でも、YZERRたち的にはさ、この間も話を聞いたんだけ度、トラップみたいなものをわざわざ言うわけでもなく、そもそも最初に聞いたのがそういうヒップホップだったんでしょ?

(YZERR)そこにすでにありましたよね。聞いた時にはそれだったというか。逆に、ずっと前の音楽を聞く方が逆に、難しいって言ったら変ですけど。やっている人が、いまだとやっぱりトラップの方が多いなっていうイメージですよね。

(渡辺志保)そうかもね。

(DJ YANATAKE)簡単にトラップって言うと、どういう音楽ですか?

(渡辺志保)簡単にですか? チキチキチキチキ、(ドラムの)ハイハットが鳴っていて、ベースがズンズンしているのが特徴的なんですけど。もともとアメリカの南部の方でドラッグディールすることを「トラップ」って言っていたんですよ。なんで、ギャングスタ・ラップとかと同じような感じで、いけないものをさばきながら、その生活をラップすることをトラップ。で、そのラップに合うサウンドをトラップサウンドって言っていたのがそもそもの発祥というか成り立ちですね。

(宇多丸)ああ、そうなんですか。勉強になるな。

(DJ YANATAKE)で、僕らたとえばMCバトルで言ったら、いわゆる昔のDJプレミアみたいな。BPMで言ったら90から100ぐらいという、そういう普通のみんなが思い描くようなヒップホップサウンドの方がフリースタイルもやりやすいとされていて。トラップみたいなのはBPMで言うと70とか、遅いビートなんだよね。そういうので、遅く歌ってもいいし、それを倍に取って早く歌うとかでもいいと思うんですけど、フリースタイルやる子たちも変わってきていて。むしろ、そういうトラップみたいなのじゃないとやりにくいみたいな。

(渡辺志保)結構トラップのトラックって、音がスカスカなんですよね。そういう方が乗せやすかったりするもんですか?

(サイプレス上野)これ、T-PABLOWがすごい言ってましたね。だからいわゆる(ヒップホップ)クラシック的なビートが来たら、「超やりづらいんすよ……」って言っていて。で、俺たちはトラップが(フリースタイルダンジョンのDJの)SN-Zくんがかけた瞬間にステージ上で「もうやめてくんないかな……」って。

(一同)(笑)

(渡辺志保)サ上さん的にはやりづらいと。

(サイプレス上野)「これ、ちょっとなんか、ねえ……。フロウこれ、三連でしょ? 三連の練習、思い出して。思い出して、俺!」って。

(渡辺志保)練習して挑むという。たしかにね。そういうの、ありますか?

(YZERR)本当にそうだと思いますよ。トラップの方が全然やりやすいです。

(渡辺志保)逆にじゃあ、10年前、20年ぐらい前のビートだと、フロウが出てこない?

(YZERR)しにくいですね。

(宇多丸)面白いよね。

(サイプレス上野)だから若い世代のラッパーたちと一緒にサイファーとかしていると面白いんですよ。逆に引き出してくれるっていう。「ああ、こういうこと、やれるんだ」って。「じゃあ、俺も試してみよう」みたいになって、一緒にやったりとかできるんで。

(宇多丸)俺だってBAD HOPのアルバムを聞き込んで、「こうやってやるんだ」って。

(サイプレス上野)本当、そうっすよね。

(宇多丸)本当、本当。マジで。

(DJ YANATAKE)まあね、そういう世代間でいろんなヒップホップのスタイルがあって別にいいし。新しいものだけじゃなくて、古いものもいいもの、ありますし。スタイルとしてもね。まあ、そうやって新しい世代が新しいスタイルを完全に確立しているというお話をしたかったんで、そういう話と。あと、もう1個。YouTubeの再生回数。気にしたりもするじゃないですか。ちょっと前まで、日本語ラップが100万回転したら相当すごいなって話をしていたんですけど……いま、来てます。記録的なことだけ簡単に説明しますと、約ですけど。韻踏合組合の『一網打尽 Remix』。これ、3年ぐらい前の曲ですけど、じわじわと来ていて。今、880万回。



(渡辺志保)パネェ!

(DJ YANATAKE)そしてAKLOの『RGTO』は730万回転!



(DJ YANATAKE)さらにBAD HOPの『Life Style』が700万回転。これ、割と最近の曲ですよね?



(渡辺志保)しかも結構、リリースされてすぐに300万回ぐらい行っていて、ハンパねえ!って思ったんですけど。

(YZERR)めちゃくちゃうれしいっす。

(宇多丸)いま、たしかさ、YouTubeのカウントのやり方がちゃんと最後まで聞き切らないと「1回」ってカウントしない風に変わったんだよね。基準が。それで700万回って本当にすごいよ。

(DJ YANATAKE)本当にすごいですよね。

(渡辺志保)で、コメント欄とかをちょっと見ても、英語のコメントとかがすごく増えていて。

(宇多丸)なるほどね。そうかそうか。日本国内だけで回っているんじゃない感じか。

(渡辺志保)結構海外からのコンタクトがあったりとかもするんじゃないですか?

(YZERR)でも、そうですね。結構トラックメイカーの方とかは連絡を取ってくれたりとかしていますね。

(渡辺志保)新世代っていう感じがしますけどね。

(DJ YANATAKE)いま、トラックメイカーとかもYouTubeとかSoundCloudとかにデモをアップしている外人の人とかいっぱいいて。みんなそこから探して直接コンタクト取って、曲を買い取ったりとかして、海外のプロデューサーのビートを使うなんてのも当たり前に行われていて。結構安いみたいですよ(笑)。

(宇多丸)ああ、そう?

(渡辺志保)まあ、ピンキリでね。

(DJ YANATAKE)高い人もいるけど、結構安くていいビートもあるみたいです。

(宇多丸)やっぱりさっきのJP THE WAVYの話もそうだけど、インターネット世代というとダサい言い方になっちゃうけど。まあ、そういう感じだよなって。

(渡辺志保)上手いことみなさん、使ってらっしゃるから。

(宇多丸)上手いこと使ってていいよ。もともとヒップホップって、ネットワークの文化じゃない? だから、インターネットともともと親和性が高いよなと思っていたけど。

(渡辺志保)そうかもしれないですね。自分でコミュニティーを作れるというのは。

(宇多丸)そうそう。で、文脈を共有している人同士がネットワークでやり取りしていくっていうものだから、すごく、まさにそれが実現している時代だなとも思います。

(DJ YANATAKE)で、今日はとにかくいまヒップホップがこんだけ盛り上がっているんだよというのがいろんな人に伝わればというので来たんですけど。最後にもう1個だけ。とにかく、今後の注目リリースということで1個。PUNPEE!

(宇多丸)もうね、大物。これ、PUNPEEがさ、発売がちょっと遅れたじゃん。これ、いちばんホッとしたやつです!

(一同)(笑)

(宇多丸)正直。PUNPEE、いまもう大人気なわけですから。

(DJ YANATAKE)はい。とにかくジャンルを超えて人気があるところ、ありますけども。この間のフジロックも雨の中、ホワイトステージが。2番目に大きいところですけど、入場規制となるぐらい。

(サイプレス上野)もう、すごいいいライブになったっすね。……クソーッ!

(宇多丸)飲むべ、飲むべ!(笑)。ハイボールをあおる上野であった。

(渡辺志保)はい(笑)。

(サイプレス上野)(プハーッ!)

(DJ YANATAKE)まだまだ、いろんなリリースありますけども。とにかくPUNPEEにガーン!って行ってもらってですね、さらにみんなで盛り上がっていきたいなと。

(宇多丸)本当、突破していく人がどんどん出ていった方がいいんで。よろしくお願いします。

(DJ YANATAKE)10月4日に『MODERN TIMES』がリリースされます。


(宇多丸)はい。ということで、あっという間にお時間になってしまいました。

(サイプレス上野)早っ!

(YZERR)めちゃくちゃ早いっすね!

(宇多丸)じゃあ、それぞれ、告知などを。YZERRくん。

(YZERR)BAD HOPが『Mobb Life』というアルバムを出したんですけど、そのツアーで全国20ヶ所ちょいぐらい。よかったらSNSとかで上げているんで、チェックしてください。よろしくお願いします。


(宇多丸)はい。BAD HOP、アルバムも最高なんでぜひ聞いてさい。そして、上ちょ。

(サイプレス上野)はい。明日大阪BIG CATでCreepy Nuts。R指定&DJ松永とツーマンをやります。台風直撃、イエーッ!

(一同)(笑)

(宇多丸)いろいろと食らう(笑)。

(サイプレス上野)大海賊だけにね、これぐらいあった方がいいかと。

(宇多丸)波風があった方がね。あと、お二方。

(DJ YANATAKE)10月7日、8日、豊洲PITでSOUL CAMPというめちゃくちゃデカいヒップホップのフェスに『INSIDE OUT』として僕と渡辺志保も代表して。DJのところで出るのと、来週月曜日に、今日拾いきれなかったものをblock.fmの『INSIDE OUT』で。

(渡辺志保)日本語ラップ秋の収穫祭 補習オンエアーを。

渡辺志保とDJ YANATAKE 2017年秋・日本語ラップ収穫祭 補習授業
渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で歴史的なリリースラッシュとなった2017年秋の日本語ラップシーンを総括。『タマフル』の特集の...

(DJ YANATAKE)さらにね。

(宇多丸)全然まだね。

(渡辺志保)全然まだなんで。リクエスト、お待ちしております。

(宇多丸)ということでございました。本当に勉強になりました。ありがとうございます。そして、上ちょもYZERRくんもありがとうございました。日本語ラップ2017 秋の収穫祭でした!

<書き起こしおわり>