プチ鹿島と加藤弘士 甲子園タオル回し応援問題を語る

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プチ鹿島さんとスポーツ報知・加藤弘士さんがTBSラジオ『プチ鹿島のスポーツ紙大将』の中で2017年の夏の甲子園で大ブームとなったタオル回し応援問題について話していました。



(山田美幸)まだまだこの後もスポーツ新聞の斜め読み、続いてまいりたいと思います。次は、こちらです。

(プチ鹿島)甲子園タオル回し問題! はい。これ、甲子園は先月のことなんですけども、実は今日、ご一緒している(スポーツ報知)加藤デスクがですね、この夏に甲子園関連の記事を書いたら、それがことごとくヤフーニュースのトップを。

(加藤弘士)そう。3本書いたら3本ともヤフートップになってですね。

(プチ鹿島)すごいんですよ。反響が。

(加藤弘士)桑田真澄さんの甲子園大会女子野球も一緒にやったらどうだ?っていうのと、あと、このタオル回し問題。なくなればいいのに……っていうのと、あともうひとつはアゲアゲホイホイ(応援)が増加した理由っていう3本ほど書いたんですが、全て拾っていただいて。相当バズッたというか。その中でも、やっぱりこのタオル回し問題っていうのが。

(プチ鹿島)この夏の野球ファンというか……どっちがいいのか?っていうのでみんな論争するっていう。

(加藤弘士)賛否両論で、400万件以上のアクセスがありまして。

(プチ鹿島)すごいですね! その大元の人に今日、スタジオに来ていただいているので。で、僕も実は『荒川強啓デイ・キャッチ!』という番組に出させていただいている時に、いち早く記事が出た時にいろいろと調べたんですよ。で、加藤さんの記事が出たので、もう1回……実はこれって、甲子園云々というよりは観客論の話なんですね。

(加藤弘士)ええ。

(山田美幸)観客論?

観客論の話

(プチ鹿島)観客論という普遍的なテーマだと思うので、改めて加藤さんにお越しいただいたので話したいんですが。きっかけになったのはこれ、8月16日の東京新聞。まあ、スポーツ新聞ではないんですけども、「甲子園『タオル回し応援』NG」という記事が大きく載ったんですよ。で、まあタオルを回す応援の自粛を高野連と出場校に求めている。なぜそうなったのか? というのは、昨年夏の大会に苦い教訓があるんだと記事は言うんですね。東邦と八戸学院光星の試合で9回裏出4点差をつけられた東邦がタオルを回す応援を始めたら、それが東邦の席だけじゃなくて、もう内野席もバックネット裏も外野も全部観客がタオルを回しはじめて。言ってみれば、球場一体となって東邦を応援したという。

(加藤弘士)そうですね。ちょうどネット裏には子供たちを無料招待して、いちばんいいところで見てもらおうという。あの子供たちもみんなワーッてタオルを回しているような、異様な光景ではありました。

(プチ鹿島)そしたらやはり、相手の投手がそれが視線に入るので動揺したんですね。一挙5点取られてサヨナラ負けをしたんです。で、試合後に負けた側の投手が「全員が敵かと思った」と。こういうのがあってタオル回し応援っていうのが流行ったわけですよね。で、応援が一方に偏る。しかも高校野球という世界でね、どうなのか? ということで自粛を求めたという記事なんですが……僕は正直、最初にこの記事を読んだ時は「ひとつの応援の仕方に自粛要請をするなんて。そこまでするの?」と思ったんです。

(加藤弘士)ええ。

(プチ鹿島)で、その『デイ・キャッチ!』という番組で、この記事を元に去年の試合ね。取材をした他のスポーツライターの方にお電話をして聞いたんです。そしたら、「やっぱり異様な空気だった。しかも、一方的な判官贔屓ならまだしも、次の試合を見ることを目的に来たお客さんが「ちょっと負けている方を応援してやれ。これ、ひっくり返ったら面白いな」っていう気分で(タオルを)回しはじめて。そういう気分なんだ」って言うんですよ。で、他にも去年の記事を調べてみると、これはNumber Webで中村計さんという方が書いている当時の試合の後に書いたコラムで、「ファンは果たしてどれほど本気で東邦の勝利を願ったのか? 単に逆転劇が見たいという軽い気持ちで便乗しただけではなかったか?」っていうことを問題提起して。

(加藤弘士)はい。

(プチ鹿島)やっぱり現場で見た人は「うーん……」っていう感じの反応が多いわけですよね。で、その後に加藤さんの記事が出たわけですよ。「もうタオル回し、やめませんか?」っていう。

スポーツ報知・甲子園大会から「タオル回し」がなくなればいいのに


(プチ鹿島)で、なるほどなって思ったのが、最近の甲子園の観客席のフェス化。これ、僕すごくわかりやすかったですね。

(加藤弘士)そうですね。まあ、いま『アメトーーク!』とかの高校野球大好き芸人とかの……これ、いいこともあるんですよ。高校野球の面白さを広く世間のライト層に知らしめたという功績もすごくあるんですけど、それを見に行ったお客さんがひょっとしたらグラウンドの中の勝敗にまで関与したくなってきているというか。「せっかく来たんだから、ものすごいものを見たい。感動のドラマを見たい」っていうことで、自らグラウンドの中に入っちゃっているんじゃないかな? というような感覚が僕としてはあったものですから。

(プチ鹿島)しかも変な話、やっぱり高校生だからコントロールしようと思えば、影響を与えようと思えば、できるわけですよね。威圧感でね。それは僕がお話を聞いたライターの方もおっしゃっていたんですけども。高校野球っていうのはまた最近、入場者数も増えている。盛り上がっている。でも、そうした番組、すごくありがたいんだけど、一方でその番組で感動とか劇的なシーンを見たら、さっき加藤さんがおっしゃったように、せっかく来たんだったら自分も劇的な瞬間に立ち会いたいという。どうやら、その欲望を全開にしている方がかなり見受けられるというんですね。だから、僕はこれ、思ったんです。人によってはですよ、もちろん「賛否」ですから。「いや、お金を払っているんだから、別にどんな応援したっていいじゃないか」っていうひとつの意見もある。

(加藤弘士)はい。

(プチ鹿島)でも、僕はやっぱり判官贔屓だったらともかく、そこでもなくて、しかも次の試合を見に来た人が前の試合の9回ぐらいで「ちょっとコントロールしてやろう。面白いものを見てえな」っていうのはちょっと違うのかな?って。で、調べたら調べるほど、そういう考えになったんです。

(加藤弘士)まあ、たしかにね、「お金を払って来ているのに禁止にするのか?」とかね、「それだったら無観客でやれっていうのか?」っていうね、いろんなご批判をいただいたんですけども。そうじゃなくて、まずやっぱりやっている選手たちのことをまず第一に考えたいなと。やっぱりアマチュア野球はプレイヤーズファースト。で、一方のプロ野球っていうのはお客さんがいないと成立しないわけだから。プロ野球は全然、ファンファーストでいいと思うんですね。

(プチ鹿島)プロでタオルを回すのはいくらでもいいと思うんですよ。

(加藤弘士)全然いいと思うんですよ。で、野次ればいいし。打たれたら、それは罵声を浴びせるのもひとつの楽しみ方だと思うんですけど。

(プチ鹿島)だって巨人なんて、ねえ。タオルを回しても13連敗しているわけですから。

(加藤弘士)(笑)

(プチ鹿島)でも、高校生はやっぱりそこはダイレクトに、ちょっと敏感に受け取っちゃいますからね。

(加藤弘士)それはだって、この甲子園の舞台に立つことを夢見てね。代表校として甲子園に乗り込んできた選手に「全体が敵なのかと思いました」って言わせちゃう甲子園であっていいのかな?っていう問題提起をしたくてですね。だからちょっと、僕としては煽情的なタイトルをつけたんですね。『甲子園大会から「タオル回し」がなくなればいいのに』みたいな。これは私が大好きな松井五郎さん作詞、工藤静香の『抱いてくれたらいいのに』を……。

工藤静香『抱いてくれたらいいのに』



(プチ鹿島)そういう仕掛けがあったんですね!

(加藤弘士)そうです。安全地帯とかよく作詞しているんですけどね。「いいのに……」みたいな。ちょっと狙ったんです。

(プチ鹿島)だからこれ、いま観客論のそのスポーツ新聞の新聞記事とWEBの違いの話にもなって面白いんですけど。あの加藤さんのコラムって実はWEB限定ですよね。

(加藤弘士)そうですね。はい。

(プチ鹿島)だから僕、あれを読んで面白いなと思ったのは、たしかにスポーツ新聞で紙で買う人にとってあのコラムは当然面白いんですよ。だけど、変な話通りすがりの人も巻き込んで論争を巻き起こすとしたらネット配信の方が有効なんですよね。そういう狙いがあるのかなと。

(加藤弘士)正直、高校野球をたまにテレビで見るくらいの方からもたくさんのご意見をいただきましたし。で、やっぱり指導者とか実際にプレイヤーだった方からは「加藤、よく言ってくれた!」っていう声が大きいんですけど。やっぱり高校野球との関わりがなければないほど、「それじゃあお前は全てを否定するのか!」っていうことで。「金を払ってんだから、何を言ってるんだ!」っていう。

(プチ鹿島)それはもちろんライトな観客としての意見だから、それはそれでありますよね。

(加藤弘士)ただね、やっぱりやっている選手がいちばんいい気持ちで、いいフィーリングで正々堂々の勝負ができる場であってほしいなという問題提起をしたくて。その結果、たくさんご批判もいただいたんだけども。いろんな方に考えるきっかけを与えられたという意味ではやってよかったなと。

(プチ鹿島)でもそこがWEBの面白いところでもありますよね。みんなが自分の意見を言えるっていうのはね。

(加藤弘士)かつ、書いた側は傷も負うんですけども。ただ、その結果、僕が書いて以降、そういったタオル回し行為はなかったんですね。たぶん今後、やりにくくなるとは思うんですよね。「あれ、ひょっとしたら選手、嫌かな?」っていう風な。少しでもそういうものを残せたらいいなというか。

(プチ鹿島)だからこれも結局、あくまでも高野連は「自粛」なんですよね。いまの話をいろんな方に聞いて、「じゃあ禁止した方がいいの?」って言われるんですけど、そこまではやるべきじゃないですよね。

(加藤弘士)それはそれぞれの、見に来ている方の。

(プチ鹿島)だからむしろ、こういう加藤さんのコラムとかを読んで、知識として持って。やっぱりそれがマナーに反映されればそれがベストなのかなと。

(加藤弘士)明文化して禁止するとかっていうのは、僕は不自由でね。

(プチ鹿島)そうなるとまた今度は論調が変わってきますよね。「いや、そこまでやることはないだろう」って。

(加藤弘士)だから当然、高校野球って楽しいし、やっぱり生で見るとね、あの甲子園っていうのは格別なんですよね。そこをやっぱり楽しく、本当に爽やかにね。タオルを回さなくても、甲子園は楽しいですよ。最高に面白いです。

(プチ鹿島)そうですよね。だからその観客論というか、観客の意識の変化っていう意味でも面白かったし。あえて、「さあ、どうなんですか?」っていうね。加藤さんとしては賛否の題材を投げたという意味でこの記事、本当に面白かったです。

(加藤弘士)はい。

(山田美幸)ということでスポーツ新聞斜め読み、甲子園タオル回し問題をお送りしました。

<書き起こしおわり>

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