菊地成孔 ゴディバ個人タクシーの衝撃を語る

菊地成孔 ゴディバ個人タクシーの衝撃を語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で偶然乗った内装が全部ゴディバの個人タクシーの衝撃について話していました。

(菊地成孔)まあ、「個人タクシーがヤバい」っていう昔からある話に(初乗り)410円時代が来てからとんでもなくドライブがかかっている話とかはまた来週……まあ、ジャズに関わる話としてね。この間、乗ったら内装がチョコレートで有名なゴディバ(笑)。ゴディバの箱に改装してある個人タクシーに乗ったんです。ゴディバの箱になってんの。個人タクシーの中が。だからゴディバのテープとか……まあ、「GODIVA」ってはっきりと書いてあるんだけど、ゴディバのテープとかゴディバの箱の。あれ、相当研究したと思いますよ。だから、入るとなんかほら、よくあるじゃない? 企画のさ。全日空が『ポケモン』とコラボしましたとか、『シン・ゴジラ』とコラボしましたとか。

個人的に勝手にゴディバとコラボ

あんな感じで、その人は個人的にゴディバとコラボしていると思うんですよね(笑)。おそらく、許可なく。その段階で、かなりヤバいわけです。もう。で、これは当然、ゴディバのチョコレートが出てくるなって思って乗ったんですよね。で、比較的長距離乗ったんですけど、乗れども乗れどもゴディバのチョコレートが出てこないんですよ。だから、おかしいなと思って。「どうぞ」ってゴディバのプラリネが出てくる流れでしょう? これ。流れなんで、しょうがないからもう、いちばん無粋ですけど水を向けちゃって。「あの、ゴディバ……お好きなんですか?」って一応水を向けて。「聞くまでもないよ」っていう話なんですけど。だって内装が全部ゴディバなんだから、聞くのももう恥ずかしいなって思ったんだけど。もう30分乗っても40分乗っても出てこないから。

「ゴディバ、お好きなんですか?」っつったら、「別に」って言われたっていうね(笑)。真夏の夜の夢だったんじゃないかな? とも思いますよ。本当に。びっくりしましたね。ただね、あと流れている曲がショパンだったんですよ。個人タクシーの人って自分で選曲している場合が多いの。で、「ショパンですね、これ」っつって。で、さすがに「別に」とは言われないと思ったから。これは。「ショパンですよね、これ」っつったら、「日本人がいちばんよく寝るのがショパン」って言ったんです。その人が(笑)。寝るのが。だから、お客さんがいちばん寝るのがショパンなんだと。

で、もうそっから先はね、もうクラシック話で盛り上がってね。知っている話をバンバンバンバンつぎ込んで。「ブラームスとシューマンの奥さんは不倫していない。実は」とかね。そういう話で盛り上がって。全然ジャズアティテュードじゃねえじゃんっていう(笑)。クラシックアティテュード。しかも、まだ古典派ですけどね。の、話なんぞをしたというエピソードですね。まあ、ジャジーなエピソードをね。話題はクラシカルですけど、ネタはジャジーですからね。だからまあ、ジャズだと思って聞いていただきたいですよね。

<書き起こしおわり>

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