宇多丸 RHYMESTER『梯子酒』を語る

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宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中でRHYMESTERの新作アルバム『ダンサブル』からRHYMESTER久々の酒曲、『梯子酒』を紹介していました。


(宇多丸)さあ、といったあたりでここらで曲をかけましょう。RHYMESTER、9月7日にリリースされます11枚目のニューアルバム『ダンサブル』。今月は毎週、このアルバムから宇宙初オンエアーとなる曲を発表しております。先々週は第一弾ということで『Future Is Born』をかけさせていただきました。mabanuaくんプロデュース。そろそろあちこちのラジオなんかでもかかってなんかしているようで。来週あたり、たぶんこれのミュージックビデオを撮ろうかなと。かなり、また大掛かりなものを……。まあ『Future Is Born』という曲があります。

『Future Is Born』

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そして先週はALI-KICKくんプロデュースのライブで超人気曲となっている『Back & Force』をお聞きいただきました。

『Back & Force』

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さて、今夜宇宙初オンエアーとなる曲。これはまず、『Future Is Born』もライブで1回やったことある。『Back & Force』はもうライブですでに人気曲であったという点で……オンエアーとしては宇宙初だったんですが。今日かける曲はライブでもやったことがない曲なので、いよいよ本当に普通の方は誰も聞いたことがない曲でございます。なおかつ、アルバム最大の問題作というか……RHYMESTERの過去のアルバムの中で、まあ「酒曲」ってあるんですけど。酒曲、最近やっていなかったんで。まあ要はメンバー全員がすごく酒を飲むと。酒曲久々の最新作ということで『梯子酒』。こちらの曲をオンエアーしたいと思います。

非常にね、なんていうんですかね? サビから始まって曲が終わるまで、とにかく「強え!」っていうかね。まあ、だいぶ前からRHYMESTER、アルバム作る時にはこういう選択をするんですよ。要は、「記憶に残らないかっこいいことだったら記憶に残る、非難をあびてもしょうがないようなことをやる」っていう(笑)。非難をあびてもしょうがないような(笑)。って曲っていうことですかね。っていうのはね、先々週も言いましたけど。やれ、ヤンハス(Young Hastle)だ何だって、酒曲でもかなり強力な曲をさ。UZIくんの曲でもいいですけど、強力な曲がずいぶん出てきて、ちょっとやそっとの悪ふざけじゃ記憶に残らなくなってきたんで。

Young Hastle・UZIの酒曲




まあ元祖酒曲。酒曲といえばRHYMESTERなわけですから。そしてやっぱりね、やつらの上を行くひどさ。これをね、やっていかないといけないということで作ってみましたね。あと、「全編テクニカルでなきゃいけない」っていうような呪縛からもう日本語ラップシーンが時代的にその呪縛から解かれたところがある部分も大きいかなと思いますね。全部が全部、めちゃ上手いラップである必要はない、みたいな。この感じ、わかりますかね? まあ、最後まで聞いていただければわかります。

プロデュースは今回、我々とは初共演となるSONPUBさんでございます。SONPUBさんはアーティスト、プロデューサー、DJ。RIP SLYMEやZEEBRA、Def Tech、MINMIなどの作品を手がけるワールドクラスの売れっ子プロデューサー。本当にそうです。本当にグローバルな、ワールドワイドな最先端ダンスミュージックサウンドを手がけるSONPUBさんということでございます。そのSONPUBさんからこのトラック、結構前にいただいていて。で、どういう風に仕上げるかでちょっと時間はかかってしまったんですが、出来上がったらもうSONPUBくん自身がめっちゃ気に入って。「いますぐプレイでかけたい!」っていう風におっしゃっていただいて。非常に気合いを入れてポストプロダクションというか、仕上げまでやっていただいた曲でございます。

ちなみに『梯子酒』、要するに私の持論であるところの「人生でいちばん幸せな時間、それはハシゴしている時だ」と。店から店へ移動する……要するに、「もう一軒、行っちゃう?」っていうテンションが高まった時であり、そして別に経済的な心配とか時間の心配をする必要もなく、というね。まあ、人生でいちばん幸せな時間。ハシゴ、本当にいいじゃないですか。「えっ、もう一軒行っちゃう?」っていうね。で、実際に行ってみると、だいたいそんないいことは起こらないということがあったりしますよね。

で、まさに私、先日そのハシゴ酒においてね、昨日の『たまむすび』で玉袋筋太郎さんもお話をいただいたようですけど。玉さんの赤坂のスナック玉ちゃんというところで、まさにこのアルバム『ダンサブル』のアルバム打ち上げみたいな感じでメンバーとかと飲んで。で、いい気持ちになっちゃって。「じゃあ、スナック玉ちゃんに久しぶりに行こうぜ!」っつって。私が引き連れて意気揚々と赤坂の街を……ただ、問題はその日ね、雨がそぼ降っておりましたね。で、ただ私、雨で滑ることに関しては非常に人一倍気をつけている男です。人一倍気をつけている男ですが、ここがやっぱり「ハシゴの魔」と言いますか。やっぱり気持ちがはやっていたんでしょうね。「ああ、スナック玉ちゃん! 階段を降りて、ここで……こっちへ来いよ!」っていう。この「来いよ」っていうこのアクションと階段を降りるアクション。これがよくなかった。

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この動きですよね。足をこちら、下に伸ばすアクションと「来いよ!」で体の重心が後ろに行った瞬間のこの重心バランス。これが、ターンッ! ドドドドドーンッ! まあ、そんな高い階段じゃなかったんですけど。まあ、『蒲田行進曲』ばりの階段落ちをいたしまして。で、とはいえこれから楽しいところに入っていくという……もう、ドドドドドンッ!って落ちた目の前がスナック玉ちゃんのドアなわけですよ。これはもう、「痛てて……」なんて言ってられないと思って。「ああ、大丈夫、大丈夫!(パンパン)」ってやって。

で、「はい、どうもどうも!」って入っていったら、「宇多ちゃん、どうしたんだ!? 血だらけじゃないか!」っていう(笑)。でも、こっちももう酔っ払って調子づいてますからね。「ああ、こんなん大丈夫! こんなん、舐めときゃ大丈夫なんすよ!(ベロベローッ!)」ってね(笑)。そしたら、横にいたDJ JINが「いや、ダメだよ! 口なんかバイキンだらけなんだから!」なんて。まあ、冷静なあれがありまして。で、いま絆創膏を貼ったりなんかしているんですけどね。手の血だらけは別にいいんですけど、やっぱり背中を打ったのがね(笑)。ちょっと数日痛くて。もうだいぶ良くなってまいりましたけどね。ということでみなさん、ハシゴ酒の調子こきには気をつけようというね。

もしこの事件があった後に曲を書いていたら絶対に「血だらけだが笑顔で入店」みたいな(笑)。「笑顔 血まみれで入店」みたいなエピソードも入れていた可能性もありますけどね。はい。そんな情景、みなさんそれぞれのハシゴ酒の様子を思い浮かべながら聞いていただければ幸いです。ニューアルバム『ダンサブル』より宇宙初オンエアー。SONPUBプロデュース、RHYMESTERで『梯子酒』!

RHYMESTER『梯子酒』


うーん、ひどい!(笑)。というね、『梯子酒』ということでございます。最後のね、「なに飲むの?」のくだりね、あれは要はもうスタジオで(Mummy-)Dがふざけて最初に録っていたんですけども。そこでキャッキャキャッキャなりだして、いったん入れてみたらね、もうない状態には戻れないというかね(笑)。物足りないっていう感じになってしまいまして。でも、やっぱり単にかっこいい曲とか作ってもしょうがないっていうところがありますからね。「マッコルリ♪」とか言いたいだけなんでね。単にね(笑)。「飲みたくない時、なに飲むの?」って「帰れ!」っていう話なんですけどもね。それでもね、ウーロン茶でとりあえずつないで……っていうこの気持ち、わかりますかね?

あの、酒曲の中でも大人な時代というかね。「尿酸値」なんてワード、やっぱり大人になってから出てきたものですし。あと、僕の語彙の中に「カラオケ付き飲み放題プラン」という語彙はなかったですけど。僕はあんまりそういうお店に行ったことがなくて。でもやっぱり玉さんと飲み歩くようになって、スナック流儀というかね。まあ、そのスナック流儀においても僕はボトルごとバーン!っていうね。まあ、ただ正直ワインのボトル2本ぐらいじゃあグラングランなんて、そんなことにはなりません。……ってね、ケガしている人が言うなっていう話なんですけど(笑)。はい。ということでございます。来週もアルバム『ダンサブル』より宇宙初オンエアー曲をどんどんやっていきますので。ここから、本当に誰も聞いたことがない曲が増えていきますので、ぜひぜひお楽しみにしてください。

<書き起こしおわり>

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