渡辺志保 Tee Grizzley『Teetroit』を語る

渡辺志保 Tee Grizzley『Teetroit』を語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でティー・グリズリーの『Teetroit』を紹介していました。

(渡辺志保)ここでもう1曲、私の押しチューンを紹介したいんですけども。ティー・グリズリーという最近注目の若手ラッパーがいまして。今日、紹介するのは彼の新曲『Teetroit』という曲を紹介したいんですが。この『Teetroit』ってなんだ?っていう感じなんですけど、これはティー・グリズリーの「Tee」と彼の出身地デトロイトをかけた造語で『Teetroit』って言っているんですが。デトロイトって昔から、もちろんベリー・ゴーディのモータウンがありましたし。ヒップホップシーンにおいても定期的に素晴らしい才能が出てくる土地でもあるんですよ。

もちろんJ・ディラもそうですけど。エミネムとかね。あと、ダニー・ブラウン、デージ・ローフ、ビッグ・ショーンとか。彼ら全員デトロイト出身で。デトロイトって車の自動車工業が盛んなんですけど、だんだんそれが傾いてきて、いまはすごく財政的にも治安的にもあまりよろしくないという状況がありまして。このティー・グリズリーくんに関しましてもすごいギャングスタ生まれギャングスタ育ちみたいなバイブスのラッパーでして。10代の時にお父様が殺され、同時にお母様がヤクの運び屋をしていて15年の刑を言い渡されたというようなバックグラウンドがある。

で、家族の中ではじめて、大学に彼が入学したそうなんですけども……まあ1年生の時に金に困って学内で盗みを繰り返し、現金やPCなど合計2万ドル相当を盗み出し。そこから刑務所に入ってしまって、それから何回も繰り返し繰り返し、ムショ生活が続いてしまうんですけども。なんと、2015年4月に獄中で最新のミックステープを製作。その後に『First Day Out』っていう曲をムショの中にいながらも、その曲がスマッシュヒットしまして。

Tee Grizzley『First Day Out』

で、そこからだんだん、ストリートやネットを中心に話題を集めていっているというような彼、ティー・グリズリーくんなんですけども。で、この『Teetroit』という曲の中にも出てくるんだけど、「Try to make us be a victim, they gon’ riot like the 60’s(あいつらは俺らを犠牲者にしたがっていて、60年代みたいに暴動を起こしたがっているんだよ)」っていうラインが有るんだけど。その「暴動」っていうのが、これが1967年に起こったデトロイトの暴動っていうのがありまして。

まあ、記録上だと43名が死亡して1189人もが負傷した。特に犠牲者の大半は黒人だったわけなんですけども。で、その暴動が1967年に起こっていて、それを自分のリリックにも落とし込んでいるんですが。その暴動を題材にしたその名も『Detroit』っていう映画が実は公開が迫っておりまして。8月4日に全米公開。で、ちょうどこの間ね、50年前にその暴動が起こった日にプレミア上映なんかをされまして。で、そのサウンドトラックも古き50年前のデトロイトを彷彿とさせるような60年代のモータウンのサウンドなんかがバーッと入っているらしくて。

ザ・ルーツとビラルがやっている曲なんかが公開になりましたけど。ちょっとにわかに私もデトロイトのあれこれを調べる機会にもなったなという風に思いましたので、ちょっとここで聞いていただきたいと思います。ティー・グリズリーで『Teetroit』。

Tee Grizzley『Teetroit』

はい。いま聞いていただいておりますのはティー・グリズリーの新曲『Teetroit』でございます。彼はミーゴスとかヤング・サグなんかも擁しておりますマネジメントの300エンターテインメントともサインをしたということですので。これから、いまね、300エンターテインメントというと本当に全米一のギャングレーベルみたいな感じがしますので。これからどんな成功を収めるのか、密かに気になっておりますというところです。

<書き起こしおわり>

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