渡辺志保とDJ YANATAKE 2017年上半期HIPHOPベスト大賞

渡辺志保とDJ YANATAKE 2017年上半期HIPHOPベスト大賞 INSIDE OUT

渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2017年上半期のヒップホップ・R&Bを振り返り。独自に設定した9部門で大賞を選び、発表していました。

(渡辺志保)そうですね。今日はさっそくパカパカパカパカーンと、勝手に私たちが作った各部門を発表していきたいと思うんですが……まず初っ端。ザ・ベストアルバムSo Far! もうこれっきゃない。しょうがない。これっきゃないみたいな。私とDJ YANATAKEさんの2人で選びました2017年上半期のベストアルバムはですね、ケンドリック・ラマー『DAMN.』!

(DJ YANATAKE)よいしょ~!

ケンドリック・ラマー『DAMN.』

(渡辺志保)もう『DAMN.』に決めました。私。今年の4月に発表されまして、アルバム発売までもすったっもんだがあったわけですけども。『HUMBLE.』のミュージックビデオが出たりとか、いきなり1週間前倒しになるのか、ならないのか、みたいな話もあったりしましたが。で、この『INSIDE OUT』でも丸々60分間かけて『DAMN.』ってどういうアルバムなんだ?ってうのを特集したりとか。

渡辺志保 Kendrick Lamarアルバム『DAMN.』を語る
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で、本当にケンドリック・ラマーの二面性が表れていたりとか。前作『To Pimp A Butterfly』は結構ジャズとかファンクのサウンドも織り交ぜながらという感じだったんですけど、今回はストリクトリー・ヒップホップっていう感じがしますし。

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でも方や、U2なんかも参加して。それでもって「アメリカとは何だ?」みたいな大きな問題に立ち向かうみたいな描写もある。

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かと思えば、すっごいミニマムな自分の身の回りのことを家族のネタなんかも用いて描写するところもある。かと思えば、「他のラッパーなんてキル、キル、キル! お前ら、下がってちゃんと頭を垂れておけ。Be Humble!」みたいなところもあって。

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すげーやっぱりヒップホップファンとしてはこういうケンドリックが聞けるのはうれしいなと思いましたし、ちょうどアメリカではこちらの『DAMN.』のツアーも始まったということで。この夏以降、またケンドリックね、どれだけまたデカい存在になるのかな? という風にも思っています。ちなみにこの『DAMN.』ですけども、いまそのアメリカの『Forbes』とかが集計している2017年アメリカで最も売れたアルバムランキングもこの『DAMN.』が1位になっていて。で、集計したのが私が見たデータでは7月6日集計ですので。アルバム発売から3ヶ月もたっていないんだけど、すでに177万枚。

(DJ YANATAKE)でもね、今日のニュースでダブル・プラチナになっていたから、200万枚ですね。

(渡辺志保)200万枚突破。ちなみに私が見たデータだと、2位はエド・シーランの『Divide』。そして3位がドレイクの『More Life』。4位がブルーノ・マーズの『24K Magic』。5位がミーゴスの『Culture』ということで。

(DJ YANATAKE)すごいな。ヒップホップな。

(渡辺志保)結構ヒップホップ・ダンス系が強いというのがこの2017年の半年の動きみたいな。

(DJ YANATAKE)でも、ダントツっていう感じですか? それとも他に選ぶのに悩んだっていうのは?

(渡辺志保)ヒップホップアルバムっていうことで言うと、セールスとかは全く考えないで言うと、ロジックのアルバムとかもすごい切り口は新しいなと思ったし。あと、フレディ・ギブスね。フレディ・ギブスも「ギャングスターは二度死ぬ」みたいな感じのテーマでアルバムを作っていて。みんなやっぱり、神様ネタっていうのは今回のケンドリックもそうですし、ロジックとかもそうですけど。神様ネタ、人生は一度しかないですから、神に忠誠心を表しましょうみたいなそういう宗教性の強いアルバムはたくさんあるんですけど、フレディ・ギブスはそこをまたちょっとね、二転三転、ギャングスターならではの視点で書いていたなと思いますし、そういう意味ではよかったし。あとはまあ、ジェイ・Zもね、やっぱりね……。

(DJ YANATAKE)そうなんだよなー。

(渡辺志保)いろんなあれやこれや、ネタも含めてジェイ・Zのアルバムも彼にしかできないなという風にも思いましたし。たくさんある。本当、去年ぐらいから一気に、無料で公開するタイプのミックステープのリリース量が減ったなと思っていて。で、その代わりにすげー骨太なアルバムを作るっていうのが昨今のトレンドなのかな? という風にも思っていますし。私はもともと、アルバム単位で楽曲を聞くのが好きだったから。シングルとかミックステープも好きだけど、「アルバム」というアートフォームで聞くというのはまた違うヴァイブスをもたらすなという風に思っていますので。なのでまあ、去年のカニエとかもそうですけど、こういうちょっと面白い素晴らしいアルバム作品に牽引されてシーンがどんどん上がっていくというのはすごいいい動きだなと思っています。

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(DJ YANATAKE)なるほど。わかりました。でもケンドリックに関しては「ケチのつけようがない」と言ってもいいんじゃないでしょうかね。

(渡辺志保)というわけで、今日はそれぞれね、各部門選んだ中から1曲ずつお送りしたいと思うんですけども。まず2017年上半期のベストアルバムSo Farからケンドリック・ラマー『DAMN.』より『DNA.』を聞いてください。

Kendrick Lamar『DNA.』

(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのは2017年上半期ベストアルバム、ケンドリック・ラマー『DAMN.』より『DNA.』をお届けしました。こちらもドン・チードルの熱演が光るミュージックビデオも素晴らしかったですし。本当にまだまだね、『DAMN.』をどんな風に読み解かれていくのかというところも楽しみたいと思いますので。まだ聞いてないという方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ各種ストリーミングサービスなのか、ネットなのか……。

(DJ YANATAKE)国内盤のCDなんじゃないんですか?(笑)。

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(渡辺志保)はい。国内盤のCDをぜひぜひゲトッていただいたいと存じます。というわけで、どんどん進めてまいりましょう。次はベストビジネス、メーン!So Farというわけで、なんやねん?っていう感じですけども。ベストビジネスマン部門。わかりますか? 「なんのことや?」って感じですけど(笑)。ベストビジネスマン部門はジェイ・Zしかいないと思って。で、「ビジネスマン(Businessman)」。これ、すごく細かいんですけど、「Best Business, Man」っていう部門。わかります? 何から来ているか?っていうと、SKY-HIくんもTwitterで言っていたんですけど、ジェイ・Zのちょっと有名なラインでカニエ・ウェストの『Diamonds』という曲がありますけども。そのリミックスのラインでね、「I’m not a businessman; I’m a business, man!」っていうラインがあって。


※動画2:15あたりで登場します

「俺はただのビジネスマンじゃないんだ。俺自身がビジネスなんだよ、メーン!」っていうラインね。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)だからこれはビジネスマン部門じゃなくて、「ビジネス、メーン!」部門。自分で言っていてなに言っているのかわかんないですけど(笑)。

(DJ YANATAKE)でもうれしそうだな(笑)。

(渡辺志保)そう(笑)。それでジェイ・Zを選出させていただいたんですけども。で、もちろんみなさんご存知だと思いますけど、去る6月30日にジェイ・Zのニューアルバム『4:44』が発売されました。それも『INSIDE OUT』でしこたましゃべらせていただきましたけども。

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(渡辺志保)まあ通信会社のスプリントと、あとはジェイ・Zが保有している音楽ストリーミングサービスTIDALとの協業ですね。コラボレーションのビジネスとして発表されたアルバムですよと。で、かつアルバムと同時に100万枚売り上げましたみたいな。でも、これも結構いろんなからくりがあってね。「100万枚分のアルバムをすでに買収した」っていうテイ。なんかもうみんながチマチマと100万ダウンロードしたというのではなくて、もう後ろから大きい力が動いて一気に瞬間的に100万枚売り上げましたという。それはもうさ、これもこの間言ったけど、その手法って前作の『Magna Carta Holy Grail』の時も同じで。あの時もサムスンが何百万人、何千万人のユーザー分のジェイ・Zのアルバムをすでに買い占めたからいきなりチャート1位ですげー記録、みたいな。でもさ、そんなのちょっとワックじゃん?っていう私もいる。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)そんなの、ピュアにシコシコと田舎でミックステープを作っているラッパーにしてみたら、そんなのラップゲームじゃねえよ。そんなのヒップホップじゃねえよ! みたいに思う私もいるし。でもさ、ジェイ・Zって昔から……もともと別に彼はラッパーになりたくて自分のキャリアをスタートさせたわけじゃなくて、もともとハスラーとしてストリートを牛耳っていて。で、「俺、こういう風にクスリを売ってるなら、ちょっとラップもやってみようかな?」みたいな感じで。それで自分のすごい綿密な計画などがあってラッパーデビュー。で、すごい成功して、かつ、お洋服のビジネスを始め、お酒のビジネスを始め、スポーツクラブを経営し、世界でいちばんイケてる奥さん(ビヨンセ)をもらい……みたいな。本当にさ、生きるビジネスみたいな。でも、それってやっぱりすげー成り上がりストーリーだから、すっごいヒップホップらしいとも思うんですよね。

ブルックリンのプロジェクト(団地)に生まれて、貧しい子供時代などなどをすごしながら、もう本当に自分の力でのし上がって、世界の通信会社なんかをもバックにつけてね。で、アルバムをバーン!って出すって、逆に言うとこの世界においていま、そんなことをできるのってジェイ・Zしかいないじゃん、みたいな。まあ、ドクター・ドレーさんもたぶんできると思うけど、こういうすごいわかりやすいことをやるのってたぶんジェイ・Zしかいないなとも思ったし。で、これも前回の『4:44』の特集でも言わせてもらったけど、成熟した男が何をラップするのか?っていうのを私はこのアルバムでまざまざと見せつけられたという感じもするし。

で、去年たとえば、ア・トライブ・コールド・クエストとかデ・ラ・ソウルとかが10何年ぶりにアルバムを出しましたとか。あと、コモンもすごい素晴らしいアルバムを出していたけど。結構彼らって、特にATCQとコモンはさ、いまの現状のアメリカに対して何を思うか?っていう、結構政治色が強かったり。で、すごいこれは全然ディス・リスペクトじゃないけど、言い換えるとちょっと説教くさいというかね。ちょっと教科書的すぎるところもあったんじゃないか? と思うんですよ。でもそれって、やっぱりいまのQティップにしかできないラップ。いまのコモンにしかできないラップだから全然いいんですけど。

だからジェイ・Zがね、彼はすごい美学を持っているなと思ったのは、やっぱりとことん金を稼ぐことに執着しているし、ハスラーとしてのおっさんの意見です、みたいなのをすごいね、そこがジェイ・Zの揺るぎない美学みたいなものをすごく感じたので。「ああ、やっぱりここまで成功するとこういうラップになるんだな。ふむふむ、感心」みたいなね、感じがしたし。で、これもまだまだその謎が解けないアルバムというか。いろんなビデオとかも出ていますけど、なかなか、「じゃあ『4:44』っていったい、何だったんだ?」って。ビヨンセに謝っているのはわかるんだけど、結構散りばめられた伏線を回収していないのがいま、7月半ばっていう感じがするので。これもね、今後どういう風に味わい深くなっていくのか。まだまだ、何度も何度も楽しめる作品なのではと思っておりますので。ベストビジネス、メーン!So Farというわけで、ジェイ・Zを選ばせていただきました。では、ここで聞いていただきたいと思います。ジェイ・Zで『4:44』。

JAY-Z『4:44』

(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのはベスト・ビジネス、メーン!So Far、なんのこっちゃって感じがしますけども。2017年のベスト・ビジネス、メーン。ジェイ・Zの最新アルバム『4:44』から表題曲『4:44』を聞いていただいております。

(DJ YANATAKE)でも、なんかわかるな。やっぱり日本だと、そこまでやっぱりヒップホップの「こんな稼いでいるわ!」みたいなところまでは正直、行っていないわけだから。やっぱりそういうビジネスとしての成功みたいなものはね、みたいよね。ジェイ・Zの先にね。

(渡辺志保)そうなの。なにがあるか?っていうね。だからそこはね、リビングレジェンドとしてね、ジェイ・Zさん。今後とも楽しみにしています、みたいな感じでお届けしております。では、どんどん参りましょう。次はベスト・ニューアーティスト。2017年上半期んおベスト・ニューアーティスト。我々が選んだのは、プレイボーイ・カーティ!

(DJ YANATAKE)よいしょ~!

(渡辺志保)カーティくん、おめでとうございます! プレイボーイ・カーティはね、特に『INSIDE OUT』なんかをチェックしていただいております早耳リスナーさんはすでにもうおなじみの存在かと思いますし。で、実は2年前にね、東京にも来ているんですよね。別にライブしに来たわけじゃなくて、ダニー・セスとかセオフィラス・ロンドンとかが来ていた時期があって、その中にカーティくんも一緒に来ていて。

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で、ソーシャルクラブ・トーキョーでライブもちょこっとしていて、見れた人はラッキーっていう感じなんですけど。で、去年、エイサップ・モブに加入しまして、エイサップ・ロッキーがもともとかわいがっていたんですよね。で、カーティくん自身はアトランタ出身なんだけど、そういう風にロッキーにフックアップされ、ちょっとファッションアイコンとしても業界の注目を集めていた。で、それで今年、2017年4月にやっと自分のミックステープ『Playboi Carti』をリリースして。で、たしかこれ、ケンドリック・ラマーの『DAMN.』と同じ日に発表されていまして、結構私のタイムラインは『DAMN.』一色になりつつも、「でもプレイボーイ・カーティのミックステープもすげーイケてる!」みたいな意見もちょこちょこ見たし。

で、私も5月にアトランタに行った際に、やっぱりすごい本当にどこに行ってもかかっていた!っていうのがひとつ、このプレイボーイ・カーティのミックステープ丸ごとかかっていましたね。よく聞いたなという印象があります。

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そして、そのミックステープから特大シングルヒット『Magnolia』がありまして。これもね、「俺がニューヨークにいる時は、俺はミリー・ロックを踊るんだぜ」みたいなリリックもあったりして。で、この『Magnolia』とプレイボーイ・カーティ、結構ちょいちょいさっきの話じゃないけど、ジェイ・Zが気にしているんですよね。で、ジェイ・Zは今回TIDALで『4:44』を作るのにインスピレーションを受けた楽曲・プレイリストっていうのがあって、その中にもこのカーティの『Magnolia』が入っているし。で、ツイートでもいろんなソングライターとしてホール・オブ・フェイム(殿堂)入りした時にもバーッといろんなラッパーの名前を列挙していましたけど、その中にもプレイボーイ・カーティが入っていたし。

まあエイサップ・ロッキーもかわいがっているし、こうやってね、ジェイ・Zもかわいがっているし、なんかすげー引きがあるなと思いつつ。で、この『Magnolia』もすっごい耳に残る名曲ですしね。つい最近もリル・ウェインがフリースタイルを発表していましたけども。なのでこのプレイボーイ・カーティ、ネクスト・エイサップ・ロッキーみたいになるのか? という風に思っておりますので。彼の2017年下半期の動向も非常に気になるところです。というわけで、さっそく聞いていただきましょう。2017年上半期ベスト・ニューアーティスト、プレイボーイ・カーティで『Magnolia』。

Playboi Carti『Magnolia』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのは我々が選んだ2017年上半期ベスト・ニューアーティスト! プレイボーイ・カーティの『Magnolia』。みなさんも結構クラブなんかでガンガン聞いているという方、多いんじゃないでしょうか。

(DJ YANATAKE)ねえ。結構ダンサーの子がこれを使っているのとか、よく見ますね。

(渡辺志保)ああ、そうなんだ。素晴らしい。でも本当、今年も新しいアーティストがどんどん出ていますし。ヤナタケさんも『INSIDE OUT』で何回かかけていたXXXテンタシオン周りとか。

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彼はね、フロリダの方の出身ですけども。同じあのへんのリル・パンプくんとかね。ちょっとクセの強そうな若いアーティストもいま出てきていますし。

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いろいろと今年も目が離せない。当たり前だけど。

(DJ YANATAKE)国内もね、JP THE WAVYくんとかね。

(渡辺志保)そうですね。さっそく『INSIDE OUT』にも出ていただきましたけども。

渡辺志保とJP THE WAVY『#超WAVYでごめんね』を語る
渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』に注目の若手ラッパーJP THE WAVYさんを迎え、バイラルヒット中の『#超WAVYでごめんね』についてトークしていました。 #超WAVYでごめんね @sorry_wavy くん、あり...

(DJ YANATAKE)ねえ。ああいう動きはなかなか面白かったですね。

(渡辺志保)あとはゆるふわギャングがね、アルバム大ヒットみたいなところもありましたし。見逃せない、聞き逃せないっていう感じでしょうか。これからもね、どんどん新しいアーティストが出てくると思いますので、逐一こちらの番組でもみなさんとシェアしたいと思います。

(DJ YANATAKE)はい。

(渡辺志保)というわけでどんどん参りましょう。次はベスト・フィメール・アーティストSo Far! 2017年上半期ベスト・フィメール・MCは、レミー・マーティンさん! おめでとうございます!(笑)。

(DJ YANATAKE)そういえば、そうだった(笑)。あんだけ熱く語ってたわ(笑)。

DJ YANATAKE Nicki Minaj VS Remy Maビーフと『Shether』を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で激しい舌戦を繰り広げているニッキー・ミナージュとレミー・マーの女性MC同士のビーフについてトーク。レミー・マーが発表したディス曲『Shether』について話していまし...

(渡辺志保)しかもさ、今回この放送を収録するにあたって、去年の上半期の自分の書き起こしていただいたみやーんさんの記事を読んだんですけど、ベストカムバック賞で私、レミー・マーティンを選出していて(笑)。なんで2年連続でレミー・マーティンを……まあ、好きだからなんですけども。

DJ YANATAKEと渡辺志保 2016年上半期HIP HOPベスト大賞
DJ YANATAKEさんと渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2016年上半期のヒップホップシーンを振り返り。9つの部門を作り、ベストな作品やアーティストを選出し紹介してました。 【今夜も聞き逃し厳禁??】7/18...

(DJ YANATAKE)うん(笑)。

(渡辺志保)「やべー、なかなかねえ、このくだり!」と思って。で、まあみなさんもご存知でしょうけど、今年レミー・マーティンがなぜかいきなりニッキー・ミナージュにすっげー痛烈なディス曲を発表してね。バービーちゃんが切られているジャケットの『ShETHER』っていう曲を発表しましたけど。それでさ、ニッキーもしばらくはおとなしくしていたんですよね。で、その後のちょっと弱っちい感じのディス曲を出して。そしたらまたレミーが反論し、またニッキーがちょっと他の客演した曲のラインにもサブリミナル・ディスを忍ばせ……みたいな。

渡辺志保 Remy Ma VS Nicki Minaj ビーフを解説する
渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でレミー・マーとニッキー・ミナージュのビーフについて解説していました。 Remy Ma takes direct aim at Nicki Minaj on new diss son...

で、結構決定的だったかと思うんですが、この間ニューヨークで行われたHot97のサマージャムでももうデカいステージでレミー・マーティンが正々堂々とリル・キムを呼んでまたニッキー・ミナージュをまたコテンパンにディスったみたいな。

「あれはすごかった!」っていう風にね、実際に見に行ったDJ YABLOVEくんとかもおっしゃっていましたけども。まあ、そういうのがあって、女同士のケンカってやっぱりすごい怖いじゃないですか。だからちょっと今後ね、レミー・マーティンとニッキー・ミナージュ……まあ2人とも同じニューヨーク出身の女ラッパーなんだけど、スタンスはもちろん全然違うので。まあこのビーフがどう発展するのやら、このままシューッと収束するのやら、こちらも私、かなり面白いと思って見ています。

で、このベスト・フィメール部門はかなり悩んだんですけど。レミー・マーティンと同じぐらい気になっていた私のお気に入りフィメール・ラッパーがもう1組。カーディ・Bっていうね、彼女もニューヨーク出身の、もうリアリティーショーなんかでもすごいお騒がせヴァイブスを撒き散らしている女の子で。いま『Bodak Yellow』っていうシングルもスマッシュヒットしているんですけど。

彼女もミーゴスのオフセットと付き合っているんですよね。で、別れた、別れてないみたいな噂がいま、本当にまことしやかにバンバンバンバン、ネット上を中心に駆け巡っておりまして。このカーディ・Bちゃんも2017年下半期、どんな活躍をするのか楽しみなので。そんなやつもいるんだなと思いながら、このレミー・マーティンの痛烈なディス曲をここで聞いていただきたいと思います。2017年上半期ベスト・フィメール部門はレミー・マーティン。聞いてください。『ShETHER』。

Remy Ma『ShETHER』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのは2017年上半期ベスト・フィメールMC、レミー・マーティンで『ShETHER』をお届けしております。怖いね、怖いね怖いね~。なんかこの曲の中でさ、レミー・マーティンは「自分がインディペンデント・レーベルのアーティストだから、原盤の権利とかも全部自分で持っている。でもあんたはそれも全部、他の男の手に渡っているんだよ、このクソビッチ!」みたいなことを言っていて。でもさ、この「マスター(原盤)の音源を全部自分で持っていまっせ!」っていうのはジェイ・Zも『4:44』でラップしていたのね。だから、まあいまいろんな音楽ビジネスも多様化していますから。本当に今後、アーティストが着目するところってそういうところになっていくのかな?って思ったり思わなかったりしました。という感じでございます。というわけで、ベスト・フィメール・アーティストSo Farはレミー・マーティンを選出しましたが。

次は2017年上半期ベスト・ソング部門。こちらです! というわけで、ベストソングはフューチャーの『Mask Off』を選出させていただきたいと思います。はい。これもね、フューチャーは今年、まず『Future』というアルバムを急遽出しまして。その次の週に、今度は『HNDRXX』というタイトルのアルバムを出して。しかもそれがさ、『Future』を出した週は『Future』がビルボード1位。その後に『HNDRXX』を出したら、『HNDRXX』が1位というわけで、2週連続自分の別の新しいアルバムでビルボードの総合チャートのトップを取ったという。それも史上初のアーティストということになりまして。もうね、それこそアトランタでドラッグを売っていたフューチャーがこんなデカい存在になったとは……ということで、すごい胸アツみたいな感じがしまして。

その中でも、『Future』の方がよりハスラーっぽいアルバムで、『HNDRXX』はザ・ウィーケンドとかリアーナも参加して、ちょっとロマンチックな場面もあるんですけど、『Future』の方はひたすらハードに攻めるという。で、そのアルバム『Future』の中から大ヒットしたシングルがこの『Mask Off』ということで。この『Mask Off』はフューチャー自身にとっても、自分のキャリア史上で最大のヒットシングルになったと。で、私も実際にアトランタに行っても、めっちゃみんな歌っていたし。で、結構この渋谷のクラブとかに行っても、めちゃめちゃみんなね、「パコセッ! モリ、パコセッ!」っていうのをすごい合唱していて。「いいな!」みたいな。そのたびに私もすっげー飛び跳ねちゃうみたいな。いい歳して「モリ、パコセッ!」で飛び跳ねちゃうみたいな感じがしますので。

まあこれね、引き続き2017年下半期もますますどんどんクラブのフロアでも聞いていきたいなと思っておりますので、ここでみなさまにも聞いてもらいたいと思います。2017年上半期ベストソング、フューチャーで『Mask Off』。

Future『Mask Off』

(渡辺志保)はい。いまお聞きいただいておりますのは『INSIDE OUT』クルーが選ぶ2017年上半期ベストソング、フューチャーで『Mask Off』でした。このフルートネタもみなさん、さんざん聞いているんじゃないでしょうか。DJのみなさん、まだまだフロアでかけ続けていただきたいと思っております。

(DJ YANATAKE)ねえ。これはもちろん異論ないですけど。やっぱりヒット曲は他にもいっぱいあって。リル・ウージー・ヴァートのさ、『XO TOUR Llif3』とかさ。

DJ YANATAKE Lil Uzi Vert『XO TOUR Llif3』を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でリル・ウージー・ヴァートの『XO TOUR Llif3』とそれに付随したダンスチャレンジ「#LilUziVertChallenge」を紹介していました。 (DJ YA...

あとはね、『HUMBLE.』とかもそうですけど。なんかとにかくビルボード・チャートの上が全然変わらないみたいなね。

(渡辺志保)ああ、そうだね。みなさん根強く居座ってらっしゃるっていうか、本当に今年はもう年明けからね、いきなりフューチャーもあったし、ミーゴスなんかもリリースがあったし。いきなりラップ、ヒップホップ。しかもサウス、アトランタのメンツがかなりグイグイ来てて、すっげーやっぱアトランタがアツいんじゃねえの? みたいなのは非常に感じたし。かと言えば、ケンドリックみたいなアーティストもいるし。でもケンドリックも最初の『HUMBLE.』はアトランタのマイク・ウィル・メイド・イットのプロデュースだったし。あとほら、『INSIDE OUT』ではあまり触れないけど、この間もかけたけどカルヴィン・ハリスのアルバムなんかもね、あんだけヒップホップオリエンテッドな作りにもなっていますので。
https://miyearnzzlabo.com/archives/44056

やっぱりまあ、波が来ているのかな? と思います。来ているといいなと思います。そんなわけでお送りしていますが、次の楽曲に参りましょう。お次は2017年上半期ベスト・グループ部門! あ、すいません。またおなじみのイントロが流れてきてしまいましたけども、2017年上半期のベストグループ部門はミーゴスのお三方に決定したいと思います。

(DJ YANATAKE)よいしょ~!

(渡辺志保)これ、この間アメリカでもやっていましたBETアワードでもアワードのいちばん最初に発表されたのがベストグループ賞でして。それで見事ミーゴスが獲得して感動的なスピーチをしていましたけども。これも彼らしかいないんじゃないかと思ったし。この間も彼らのリリックを訳す機会がありまして。「俺たち最初はファッション・シットで出てきたんだぜ」っていうリリックがあって、たしかに『Versace』で最初ね、SoundCloudとかで盛り上がったのがミーゴスでしたけども。

あの時はまさかこの「ヴェルサチ、ヴェルサチ、ヴェルサチ……」って言っているだけのミーゴスがこんなに世界で愛される3人組になるとは思わなかったし。で、冒頭にも言いましたけど、今年アメリカで最も売れたアルバムのいま第5位がミーゴスの『Culture』。だから本当にカルチャーになってんなと思うしね。『Culture2』ももうすぐ出るとか、『Culture3』ももうできているみたいなニュースもあったりしますし。今後もこのおミゴたちがね、どれだけデカくなるのか、勝手に会ったこともないけど母のような気持ちで見守りたいと思います。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)で、今日かけさせていただきたいのは、今年出たアルバム『Culture』から『T-Shirt』っていう曲をね。「Tシャツってどんなタイトルやねん!」っていう感じなんですけど、『T-Shirt』という曲をかけさせていただきたいんだけど。もしかしたらみなさんの中には『Bad and Boujee』の方がおなじみだって方もたくさんいらっしゃるかもしれない。ただ、私から言わせると『Bad and Boujee』は去年のシングルなんだよね。去年の10月にリリースされて、しかもテイクオフのバースがないのよね。だから、クエイヴォとオフセットとリル・ウージー・ヴァートの3人で歌っている曲だから、私としてはミーゴス度、ミーゴスの純度が高いのはこっちの『T-Shirt』。

で、おなじアトランタOGのD4Lのラインなんかもそのまま使っていたりしますので。よりちょっと純度の高いミーゴスチューンをここでお届けしたいと思います。それでは2017年上半期ベスト・グループ部門、ミーゴスで『T-Shirt』。

Migos『T-Shirt』

(渡辺志保)はい。いまお聞きいただいておりますのは2017年上半期ベスト・グループ大賞。もうあんたが大賞!っていう感じがしますけども、ミーゴスのお三方による名曲『T-Shirt』でした。あのさ、アルバム『Culture』からもめっちゃミュージックビデオがとめどなく出ているじゃん? 本当に。だから本当にいつまで続くんだろうな?って思うし。クエイヴォとかもさ、めっちゃいろんな人の客演に出ていますしね。本当に今後もおミゴのお三方のさらなるご発展をこの東京の隅っこから願いたい、母より……みたいなね、感じがしますけども。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)本当にキャッチーだし、愛されて。こういうラップがヒットするっていうのはそれはそれで本当に健全だと思いますので、みなさんまだ聞いていないという方がいらっしゃいましたら、いますぐゲトッていただきたいと思います。というわけで、どんどんお伝えしていますが、次は2017年上半期ベスト・R&Bアルバム! 私が選んだのは、悩みに悩んでSZAの『Ctrl』を選ばせていただきました。で、Sydの『Fin』とかとめっちゃ迷ったんですけど……。

R&Bの醍醐味ってひとつはね、ブルーノ・マーズが歌っているような、たとえば本当に「俺たちが脱いだヴェルサーチの服が床の上に転がっていてロマンチックな夜」とか、「君のためにピンクのストロベリー色のシャンパンを開けまっせ」とか、すごいロマンチックでドラマティックでキラキラしてゴージャスな世界。まあ本当に、あとは「あいつとケンカしてこんなにムカつく」みたいなことをすごいビヨンセみたいなエネルギーを込めて歌っているとか。いかにドラマティックに歌って伝えるか、みたいなところがひとつの美学としてあるんですけど。

SZAのアルバムを聞いて感じるのはその逆で、ちょっとした心の機微だとか、あと『20 Something』ってこのアルバムでも言っていたけど、20代の女の子のなかなか上手くいかない恋愛とかを切り取って伝えるのがめっちゃ上手いという風に私は勝手に感じていて。で、『Ctrl』に入っている曲もさ、めっちゃ派手な曲というのは特にはないんですけど、その分めちゃめちゃ心を打つし、ちょっと乾いた感じのするSZAの歌声でそういうことを歌われると、すごいリアリティーも増すなというのがひとつあります。で、私が「おお、このトピックすげえ!」と思った曲がこのアルバムの中に『The Weekend』という曲が入っていて。でも、あのR&Bシンガーのザ・ウィーケンドにもかけていると思うんだけど、これって何の曲か?っていうと、1人の男を3人でシェアしている女の子の話なんですよ。

で、「ウィークエンド担当は私」「月曜日、木曜日担当はあなた」みたいな。で、しかも門限も決まっていて。まあわかんないよ、奥さんなのかなんなのかわかんないけど、「週末の夜10時半までしか会えない」みたいなことを歌っていたりするんだけど。それが結構、めっちゃ悲壮感があるかと言えば、全然そんなことないのよ。「淡々と」っていうのも変なんですけど、本当にディテールを時には細かく歌ったりとか、そういう女の子の抱えるちょっとモヤッとした部分みたいなことをやっぱりね、すごいリアリティーのあるリリックで歌えるのがSZAかなと思って。

で、Sydのアルバムもすっごい素晴らしくて。同じような感想を抱いたりもしたんですけども。もちろん、ケンドリック・ラマー、スクールボーイ・Q、アブ・ソウルらが所属するTDEのファーストレディとも言われてますから、そのへんのリリカルな感情表現っていうのはすごく彼女に勝るR&Bシンガーはいないなという風にも思いました。

というわけで、ここで聞いていただきたいのはトラヴィス・スコットを招いたシングルですね。2017年上半期ベストR&BアルバムはSZAの『Ctrl』。そしてその中からトラヴィス・スコットを招いたこの曲を聞いてください。SZAで『Love Galore』。

SZA『Love Galore』

(渡辺志保)はい。いまお聞きいただいておりますのは2017年上半期ベストR&Bアルバム、SZA『Ctrl』から『Love Galore feat. Travis Scott』を聞いていただきました。というわけで、お届けしておりますけども、『INSIDE OUT』クルーが選ぶ2017年上半期のベストソング諸々アワードももう残すところあとわずかとなっていまして。私から発表する部門はこちらが最後になります。私が選んだ、ベストアルバムも紹介し、ベストソングも紹介し、ベスト・ビジネス、メーン! も紹介し、何が残っているのか? といいますと、ベスト・ダディ!(笑)。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)2017年上半期のベスト・ダディ部門は、こいつしかいねえ! DJキャレド! でもね、DJキャレドはめっちゃお父さんじゃないですか。で、彼の最新アルバム『Grateful』っていうのも本当に、なんであのアルバムは「Grateful」……「感謝でいっぱい」っていう気持ちを表す言葉ですけども。なぜ、あのアルバムを作ったか? というと、ただ理由はひとつだけ。「息子が生まれたから」っていう。これ、もう半端なくないっすか? みたいな。で、ジェイ・Zもビヨンセに謝るために『4:44』を作りましたって言ってますけども、息子が生まれたからアルバムを作っちゃいましたって。で、しかも自分はラップするわけでもなくさ、あんなに豪華アーティストたちを集めて、みんなに「俺の息子が生まれたことを一緒に祝えよ!」みたいなのは、やっぱりキャレドさんにしかできねえなっていう風にも思ったし。

で、ちょっと真面目なことを言うと、これはネットの記事の見出しを以前にチェックしただけなんだけど、チャンス・ザ・ラッパーがいますよね? で、チャンス・ザ・ラッパーもめっちゃ彼はご自身の娘さんのことを大事に思っていて。

Come through Queen.

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で、娘がいるからこそ、地元シカゴの子供たちに寄付をしたりとか、そういう公共の教育をもっとよくしたいっていう思いで活動をしてらっしゃいますけども。そういうチャンス・ザ・ラッパーがいたりとか。で、ジェイ・Zに関しても『4:44』でも自分の息子のこと、娘のこと……双子ちゃんが生まれましたみたいなこともラップしているし。カニエ・ウェストもめちゃめちゃ子煩悩でいまや知られるという感じがしますけども。昔から、ヒップホップの世界ってファーザーフッドについて歌うことってあまりないんですよ。2パックも『Dear Mama』っていう曲はあるけどね、『Dear Papa』っていう曲はないし。まあそれは一例なんだけども、それってやっぱりアフリカン・アメリカンの方の社会の中でやっぱり、未婚の母が多かったりとか、男性がパートナーに子供ができたとしても「じゃあ結婚しよう」ってそこでめちゃめちゃ家庭と仕事もがんばるみたいな、そういうシチュエーションでもないっていうのもひとつありまして。

で、私が見た記事ではそのチャンス・ザ・ラッパーがアフリカン・アメリカンの男性たちの間でめっちゃいい「お父さん」としてのいいモデルになるんじゃないか? で、これで彼らを取り巻くハードな状況がちょっとは改善するんじゃないか?っていう記事もありまして。なので、結構ヒップホップ、ラップのシーンに「父性」を表現するとか持ち込むっていうことは案外大事なことなんじゃないかなという風に、女性の立場の私からすると思うところではあります。で、いまこれから聞いていただきたいのはDJキャレドの最新アルバム『Grateful』に収録されている曲なんですけど、『I Love You So Much』というすごい超直球のタイトルなんですが。これはチャンス・ザ・ラッパーを招いていて。

で、その子煩悩なパパ2人による曲なんですけど。『I Love You So Much』って誰のことを愛しているか?っていうと、もちろん「自分の子供のことをめっちゃ好きや! めっちゃ愛しているぜ!」っていう曲なんですよ。で、驚くべきことにこれはフックをチャンス・ザ・ラッパーがラップ、コーラスをラップしていて。あとはDJキャレドがいかに自分が息子を愛しているかのスピーチで構成されるっていう、なかなかすごいいい、心温まる楽曲になっておりますので、2017年上半期ベストダディ部門としてちょっとこの曲を聞いていただきたいと思います。それでは聞いてください。DJキャレド最新アルバム『Grateful』より『I Love You So Much feat. Chance The Rapper』。

DJ Khaled『I Love You So Much Ft. Chance The Rapper』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただいておりますのは2017年上半期ベスト・ダディ大賞。DJキャレド最新アルバム『Grateful』から『I Love You So Much Ft. Chance The Rapper』でした。こちらも日本国内盤が出るそうなので。で、私もがっつり対訳もやらせていただきましたのでぜひぜひリリースの暁にはまたみなさまにもお知らせしたいと思います。はい。というわけでつらつらとお届けしてまいりましたが、いかがだったでしょうか? 2017年上半期、俺のベストソングはこれだ! 私のベストアルバムはこれだ! というのがありましたら、いまでもどしどしお待ちしております。ハッシュタグをつけてぜひぜひつぶやいてみてください。

(中略)

(DJ YANATAKE)はい。面白かったですね。上半期ベスト。っていうか、すごいいい曲がいっぱいあって、ここで今日、賞的には紹介しなかったけど、でも本当に途中でも話したけどロングランヒットがいっぱいあったし。これを今年の後半に超えてくる曲たちは出てくるのか? みたいな。

(渡辺志保)本当ですよね。なにが出てくるんだろう?って思いますよね。

(DJ YANATAKE)かなり前半で本当にビッグヒットが多かったんで。今年、また面白いですね。ヒップホップね。

(渡辺志保)本当に目が離せないです。

(中略)

(DJ YANATAKE)という感じでそろそろ終わりに近づいているんですが……ちょっと日本語ラップも。いろいろと面白い動きがいっぱいあったんで。ひとつ、くくりを僕も紹介したいなと思って、それをかけながら終わりたいと思いますけども。他になにか、言っておきたいことあります?

(渡辺志保)そうね。でも日本語ラップはすごいアツいし。私も本当にいままでヒップホップの「ヒ」の字も出なかったような方からヒップホップの話題を振られたりとかしてね。あと、私とヤナタケさんがトークショーにお招きいただいたりとか。やっぱりそういう意味ではフリースタイルブームにも引っ張られて、かなり波を感じるWAVYな半年でしたね。

(DJ YANATAKE)WAVYな半年でしたね。そんな中、『INSIDE OUT』的にも日本語ヒップホップシーンで一部門、こちらをご紹介させていただければと思います。でも、「世界」と言ってもいいんじゃないかな?

(渡辺志保)世界規模。

(DJ YANATAKE)ぐらいのクオリティーだということで、ベスト・プロデューサーSo Far! Chaki Zulu! まあ、この番組にもYDIZZYが来てくれましたけども、kiLLaクルーを中心にまあすごい数の……。

(渡辺志保)おびただしい。クールと思った曲は大体Chakiさんっていうね。

(DJ YANATAKE)ちょっとまたここに来てChakiくんのトラック、すっげーかっこいいなと思わされた半年じゃなかったですか?

(渡辺志保)本当にそう。で、つい最近も出ているAwichさんのトラックとかもめちゃめちゃかっこいいし。

(DJ YANATAKE)うんうん。

(渡辺志保)本当にChakiさんはもう出すトラック、出すトラック全部当たり! みたいなね。

(DJ YANATAKE)そうなんですよね。なんで、やっぱりこんだけのヒットプロデューサーということでぜひ『INSIDE OUT』で……1回、ちょっと呼んでみましょうかね。Chakiくんね。

(渡辺志保)ぜひお話を聞きたいですね。

(DJ YANATAKE)僕も現場で会ったら普通に話たりするんで。だし、来てほしいんですけども。ChakiくんはkiLLaクルーを中心にもちろんトラックが目立っていたんだけど、今日は最後にChakiくんの曲で紹介したいのはね、SALUくんの『Life Style』。

(渡辺志保)おっ! あれビデオもね、秀逸な。

(DJ YANATAKE)ビデオ、SALUくん自分でいま監督もやっていますからね。そのChakiくんが「外部」って言ったら外部なんですかね? YENTOWNとかkiLLa以外でまたヒットを飛ばしているっていうところで、もっと今年後半の活躍も見えてきたみたいなね、ところだし。このビデオがめちゃくちゃ回転数がすごいみたいでね、盛り上がってますね。だし、俺いまこれをクラブでかけるとマジで鉄板!

(渡辺志保)マジか!

(DJ YANATAKE)すごいんだよ。これ、超盛り上がるんだよ。

(渡辺志保)すげー!

(DJ YANATAKE)という、DJ的にも非常に助かっております。こちらの曲をかけさせていただきながら『INSIDE OUT』上半期ベスト、終わりという感じですかね。

(渡辺志保)はい。

(DJ YANATAKE)また来週以降も『INSIDE OUT』、続いていきますので。下半期もぜひ、よろしくお願いします。じゃあ最後は『INSIDE OUT』が選びました2017年上半期ベスト・プロデューサー。Chaki ZuluによりますSALUの『LIFE STYLE feat. 漢 a.k.a. GAMI, D.O』を聞きながらお別れです。ありがとうございました。

(渡辺志保)ありがとうございました。See You!

SALU『LIFE STYLE feat. 漢 a.k.a. GAMI, D.O』

<書き起こしおわり>

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