宇多丸『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』最終回を語る

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宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中でテレビ東京で放送されていたドラマ版『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』の最終回について話していました。


(宇多丸)あとですね、近々の話題で言いますと、昨日。金曜日深夜、テレビ東京系で放送されていた『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』第11話、最終回ですね。ついに終わってしまいました。まあ本日ね、奇しくも入江悠監督の劇場版最新作『22年目の告白 -私が殺人犯です-』をやるわけですけども、まあ『サイタマノラッパー』……なんて言うのかな? さっき駒木根(隆介)くんにコメントをもらうに至るようなというか。そしてまた『タマフルTHE MOVIE』を入江さんに脚本・監督やっていただくに至るようなというか。まあ、このコーナー、シネマハスラー時代から数えてずっとやっていますけど、ある意味その、キャリア丸ごと一緒に歩んでいるし、一緒に成長しているし、一緒に切り結んだというか。

まあ、全然真剣勝負は真剣勝負なんですよ。何度も言いますけど、『2』の時は結構、「音楽的な演出としてこれはどうなんだ?」みたいな厳しいことも言ったりましたけど、さらに『3』でブラッシュアップしてくるという、そういうお互いにいい意味で創作と評論のいい相乗が生まれて。そしてなおかつ、『サイタマノラッパー』という作品の一部に多少は貢献できたのではないか? という。まあとにかく、非常に因縁深い『サイタマノラッパー』シリーズ。で、いろいろとその因縁も込みでRHYMESTERがオープニングでというね。

まあ、そもそも僕らの復活後一発目の曲で『Once Again』という曲は『サイタマノラッパー』に感銘を受けて作った曲だし……っていうのは今回の『マイクの細道』。すでに発売になっておりますDVDの副音声で。しかもその副音声で、ミュージックビデオの監督tatsuaki監督と映画監督・ドラマ監督でもある入江悠監督の、奇しくも対談にちょっと僕がセッティングというかね。もう普通にサタデーナイトラボっていう感じなんだけど。だからそのミュージックビデオの監督と映画の監督の撮り方とか……特にカッティングですね。編集の感覚ってどう違うんだ? とか。作品に向けてどういうコンセプトで行くのか? どういう違いがあるのか? 2人とも、要は同じ映像監督なのに全くその言語が違う感じっていうのが2人ともものすごい新鮮がっていて。

これね、本当に裏サタデーナイトラボというかね。単純にそれで興味深い内容になっているので、そちらを是非見ていただきたい。シングルで、要するにミュージックビデオがだいたい3分、4分弱でたぶん終わると思うんですけど、結局コメンタリーは40分ぐらいですかね。その間、真っ黒ということで、はい。みなさんの好きなラジオでーす、っていうことでございます。っていうことで、昨日、『マイクの細道』の最終話。もうね、最初この10年の歩みとか……特に一作目、劇場版『SR サイタマノラッパー』諸々を考えるとね、あのエンディングのシーン。線路沿いのあの通り。

しかも、ドラマ最終話が大半線路の横で、大して上手くもないフリースタイルを延々やって。しかもそれを聞いているうちにもう泣けて泣けて……っていう。で、もうね、去っていく。そしたらその去っていった先に……エンドロールまで計算されていたんだってう。しかも、この10何話のエンドロールが全部計算されて、最後逆方向にIKKUが。しかもその先に待っていたのは……っていうね。「お前、まだやめらんねえんだな!」っていうのとかも含めて、本当にもう完璧な最終回だったんじゃないかと思いますが。その最終回オープニング、毎回RHYMESTERの『マイクの細道』が流れておりましたが、昨日だけはテレビ版の方もSHO-GUNGバージョンがオンエアーとなっておりました。

ということで今日は……先週ちょっとかけそこなってしまいましたので、チラッとこちらをお聞きください。RHYMESTER『マイクの細道(SR Remix)feat. SHO-GUNG』。

RHYMESTER『マイクの細道(SR Remix)feat. SHO-GUNG』


はい。SHO-GUNGが見事クライマックス、クラブチッタのライブで……最初はアウェイ気味だったんだけど、だんだんパフォーマンスで巻き込んで。ドカーンととは言わないけど、ちゃんと支持者を増やして帰る。で、見ながら……これ本当に僕は現実とあれとの境目がなくなっているんですけど。僕はいつも『SR』に。『サイタマノラッパー』ファンはみんなそうだと思うんだけど、見ながら、「でもさ、俺らだって別に最初から……っていうか、これを1個1個重ねてきただけだけどね。言っとくけど! 何を甘ったれたこと言ってんだよ、ボケ!」みたいな(笑)。って言いながら。

で、彼らがライブを終わって、それなりに反響を得ているんだけど、最後に僕らのライブを。当日は本当にクラブチッタでリアルに、劇中で登場したCreepy NutsとかKEN THE 390とか、あとは鎮座DOPENESSも素晴らしかったですし。P.O.Pもライブやりましたしね。ぼくりりもやったし、HI-KINGもやったし。みんなあのライブ、本当にみんなライブがよかった日で。そん中でも、自分で言うのもなんだけど、そのみんな半端じゃない、結構気合入ったライブを重ねてきたトリのトリで……しかもその、脚本上も「RHYMESTERの圧倒的なライブの力量の差」かなんか書いてあるわけ(笑)。「いやいや、ちょっと待てよ」とは思ったんだけど、まあちゃんとライブは実際、言うのはなんですけど、重責をきっちりとそれなりに果たしたと思うんですよ。

『Back and Force』というね、まだリリースはしていない曲からの『B-BOYイズム』という流れで。で、それをSHO-GUNGたちが見ていてっていうところでね。ただ、本当に先輩ラッパーとして、「お前らさ、チッタがゴールとか言ってねえでさ。別にこれ、それなりにみんなインパクト残して、たぶんみんなバックステージのやつらが認めたと思うから。別に音源、たまに上げるとかでいいから。ライブ半年に1回とかでいいから、やれよ! ここで後ろで、ちゃんと俺たちとコミュニケーション取れよ!」っていうさ(笑)。

っていうか、はっきり言ってもっとリアルなことを言えば、僕はちょっと怖い先輩としてリハを見に来るところ、「記号的演技」とかいって、みんな俺の使っている用語で俺のことを批判するけども。あそこは別に良かったんじゃない? 体現できていたでしょう? 俺、自分で見て「あっ、怖っ!」って。で、あんな怖くなくて僕らはむしろライブを見て良ければ「良かったよ」って絶対にちゃんと普通に声掛けに行くし。

「なんか音源とかないの?」とか。全然やるんで。その上でプレッシャーをかけるんで(笑)。なので、いつでも相談に来てください、SHO-GUNGのみなさん(笑)。『マイクの細道 SHO-GUNGバージョン』もいつかライブでやりたいけど、みなさん結構売れっ子なんでね。名優・駒木根を始めね!(笑)。ということで、お疲れ様でしたということで。奇しくもこの後、入江悠監督の最新作を評させていただきます。

<書き起こしおわり>

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