博多大吉 食レポとリアクション芸の難しさを語る

博多大吉 食レポとリアクション芸の難しさを語る たまむすび

博多大吉さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で食レポの難しい食材や、リアクション芸で起きがちなトラブルなどについて話していました。

(博多大吉)しらす丼はどうですか?

(笹川友里)しらす丼はね、先生、召し上がったことありますか?

(博多大吉)あります。

(笹川友里)どんな形状のものを召し上がります?

(博多大吉)生しらすもあるし、釜揚げのやつもあるし。

(笹川友里)ハーフ・ハーフでよくばり丼みたいなやつをいただいたんですけど。あれは……どうですかね? しらす丼は。

(博多大吉)そうなの(笑)。これ、僕と笹川さんがいまから行こうとしている方角は「グルメレポートの時、どうですか?」っていう話でしょう?

(笹川友里)そうそうそう。そうなんですよ。

(博多大吉)「おいしい/おいしくない」じゃなくて、「あれをあなたなら何とたとえますか?」っていう。

(笹川友里)もちろん、おいしいんですよね。新鮮だしツルツルしているのと、フワッフワのしらすで食感が違っていいんですけど……なんと言いますか? 先生は。

(博多大吉)(笑)。うーん、ええとね、とにかく僕はね、目をつぶるね。

(笹川友里)目をつぶる。

(博多大吉)目をつぶって、「味わっているぞ」っていう顔をまずカメラに向かってお見せするところから始まる。

(笹川友里)目をつぶって、そこから始まる。

(博多大吉)「これ、なんだったかな?」と言いながら。でも、あんまり噛んでいたりとかすると、なんて言うのかな? ショウガを多めに入れてしまっていて、舌がやがてピリピリしだして。そこにシソまで来て、もう味がなんだかさっぱりわからないまま飲み込むっていうことはありますよ。

(笹川友里)私もね、「なんの味がする?」と聞かれたら、「うーん……あ、醤油の味」って(笑)。

(博多大吉)そう。だからね、難しいのよ。

(笹川友里)「食感を楽しむ」ですよね。きっとあれはね。

(博多大吉)と、思うんやけどね。味よりもね。

(笹川友里)そうそう。喉ごしというか。生しらすは。

(博多大吉)だから白魚。生でスルッと飲むやつ。あれもね、前もこの番組で言ったと思いますけども、味なんてないじゃない? 味わおうと思ったら、奥歯ですり潰さなきゃいけないですよ。ピチピチした魚を。そんな残酷なこと、できないですから。

(笹川友里)うんうん。

(博多大吉)まあでもね、名物のそういう丼とかね、ちゃんと食べてしっかり感想を言いたいんですけど、しらす丼は結構上位にいますね。僕の。

(笹川友里)難しいランキング。

(博多大吉)うん。ロケ台本で「しらす丼」って書いてある時は、「うわ、やだなー」と思う。

食レポが難しい食材

(笹川友里)へー。他に上位ランクインはどういうお品なんですか?

(博多大吉)豆腐。

(笹川友里)豆腐ね(笑)。

(博多大吉)シンプルな食材で言うと、豆腐とエビ。

(笹川友里)エビも?(笑)。

(博多大吉)エビはね、誰かが「プリップリ」って言ったらもう仕事終了なんです。もうシャッターが下りてるの。そこからこじ開けようとしても、もう無理なの。

(笹川友里)たしかに。「プリップリ」「甘い」が出ちゃうと、もうないですね。

(博多大吉)うん。あと、お豆腐は僕の表現力がないから、もう無理なの。

(笹川友里)相当あるじゃないですか。

(博多大吉)ないない。たとえばね、100円の豆腐と300円の豆腐と800円の豆腐って全く味が違うでしょう?

(笹川友里)そうですね。たしかに、800円はお豆の大豆の味がします。きっと。

(博多大吉)でも、じゃあ「どこがどう違うのか、説明しろ」って言われた時、いま笹川さんがポロッと出した「お豆の味がする」以外にないのよ。

(笹川友里)シャッター終了(笑)。

(博多大吉)ほら、もう閉まっている(笑)。あとはドンドンドンってやっても。だから、これね、表現が本当に難しいの。豆腐を褒めようと思ったら、「大豆本来の味」になるの。あと、「水がきれい」になるの。あとは何? 「店主の人柄」?

(笹川友里)(笑)

(博多大吉)もうそうなってくるから、難しいんですよ。ねえ。ラーメンとかうどんとかならまだ、「ダシの味がはっきりしている」とか、そういうのやったら簡単ではないけど、いけるんですけどね。

(笹川友里)たしかにね。

(博多大吉)笹川さん、苦戦するのある?

(笹川友里)苦戦するの? なんでしょうね。でも、私ちょっといま、まだやったことないんですけど、『王様のブランチ』の中でいっつもお家賃当てバトルの時に罰ゲームがあって。納豆ジュースっていうのがあるんですよ。納豆ジュースって納豆をすり潰した見た目をしているならいいんですけど、透明の炭酸水の見た目をしているんですよ。

(博多大吉)で、味だけ納豆を入れている?

(笹川友里)そうそう。でもね、香りだけらしくて。みなさんは「ちょっと臭った靴下の香り」とか言うんですけど、そういう罰ゲーム系も意外にガツン! と来るものと、ちょっとお手柔らかなものってあるじゃないですか。だから、芸人さんのみなさんはリアクションするのが大変な時もあるだろうなと思って見ていますよ。

(博多大吉)うんうん。わかる、わかる。

(笹川友里)本当にマズい時はいいけど、お手柔らかな時ってどうしているんですか?

(博多大吉)それはね、なんだろうな? まずは「僕を映さないで」っていう空気を出す。

(笹川友里)(笑)

(博多大吉)僕はほら、幸い横に華丸さんがいて。華丸さんって目がギョロギョロしていて、目は口ほどに物を言うから。ああいう時って本当に物を言ってくれるから。あの人が目をパッと見開いてくれたらそれでもう罰ゲームは成立するんで、まあ大丈夫は大丈夫ですけども。なんかな? でも、両極端ですよ。うーん、罰ゲームは。痛い時は本当に痛いし。

(笹川友里)ああ、痛いものもあります?

(博多大吉)あるあるある。洗濯バサミの……こんな話、していいのかな?

(笹川友里)ぜひぜひ。

(博多大吉)洗濯バサミで乳首挟むゲーム、あるでしょう?

(笹川友里)ああ、パチン!って弾ける。引っ張られるね。

罰ゲーム用洗濯バサミのルール

(博多大吉)そうそう。あれって、芸人さんによっては知らないよ。でも、吉本の昔からのルールとして、そういう洗濯バサミは1回バラすの。

(笹川友里)えっ?

(博多大吉)で、多少ゆるめるの。じゃないと、乳首が取れちゃう(笑)。

(笹川友里)(笑)

(博多大吉)とか、そういうルールはあるの。で、それの弱め方が難しいの。本当にゆるゆるにしちゃったら、もちろん乳首は挟めないし。挟んで芸人さんが「痛い、痛い!」って言ったところで、これは芸人としては「ナメんなよ! もっと痛い思い、させろ! 俺は乳首に洗濯バサミを挟みたくてこの世界に入ってきたんだ!」っていう芸人さんもいますから。

(笹川友里)そうか(笑)。

(博多大吉)あんまり……だからちょうどいい頃合いなの。だからよく言う、僕がベラベラ言うのもあれだけど、ダチョウ倶楽部さんの熱湯も、あれは本当に熱いの。

(笹川友里)あ、熱いんですか。

(博多大吉)熱いよ。そりゃ、もちろん熱いよ。おでんもめちゃくちゃ熱いよ。ただ、我慢できる熱さなの。

(笹川友里)なるほど。やけどを本当にしないぐらいの。

(博多大吉)ただ、それを知らない方がアツアツのおでんを出すと、口の中に入れられてリアクションする前に自然と口の中の皮がペロンとめくれちゃうとか、そういうのがあるから……。

(笹川友里)その掟をわかっているスタッフさんじゃないと、危険だと。

(博多大吉)危ない。だから洗濯バサミを片手に芸人がちょっと間を取り出したら、「違う洗濯バサミが来た」と思ってください。「あ、これはヤバいやつだ。これ、乳首取れちゃうやつだ」って。

(笹川友里)華丸・大吉さんも洗濯バサミ芸、あります?

(博多大吉)まあ昔ね。若い頃はやっていましたけども。いまはちょっと、タトゥーを入れちゃったんで。肌になれないんで。

(笹川友里)(笑)

(博多大吉)はい。「たまむすび 水曜日」って入っていますよ。

(笹川友里)絶対ウソや(笑)。あとで写真撮って見せてもらいますけども(笑)。

<書き起こしおわり>

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