毒蝮三太夫 ネガティブな会話の切り替え方を語る

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毒蝮三太夫さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の中でリスナーからの質問「会話がネガティブな流れになった際、どうすれば自然に楽しい雰囲気にできますか?」について回答していました。



(井上貴博)ちなみに、そういうことで言うとマムシさんって新年にあたって目標を掲げる人ですか? というのも、メールが来ていて。中野区の27才男性から、「2017年はどんな年にしたいですか?」っていう。そういうのを考える人ですか。マムシさんって。

(毒蝮三太夫)まあ、トランプに負けないように、花札で行こうかっていう。

(ジェーン・スー)ダジャレじゃないですか(笑)。

(毒蝮三太夫)いやいや、1年の計っていうのは一応やりますよ。っていうのはね、まず交通事故を起こさない。だから安全運転をすること。それから、転ばないこと。80ぐらいになるとね、転ぶっていうことをものすごく気をつけなきゃ。風邪もひかないこと。転ばないこと。それからあとね、穏やかに奥さんに話をすることっていうのをいっつも思っているんだけど、上手く行かないんだ。「おい、これやっとけよ!」とかね、「おい、わかってんだろ?」とかね、「なんだ、知ってるよ!」ってつい言っちゃうんだよ。

(ジェーン・スー)はいはいはい。

(毒蝮三太夫)まあ、井上は所帯を持っていないからそういう……彼女がいるのかどうか知らないけど。ねえ。そういう人がいないだろうけど、いちばん近い人に対して穏やかに、マメにやってあげたいなというのが1年の計でいつもあるね。やっぱりいちばん大事なのは身近な人だなと思うからね。だから、交通事故を起こさないこと。風邪をひかないこと。転ばないこと。それから、奥さんに穏やかに優しくすること。これだけでも、なかなかできないよ。

(ジェーン・スー)そうですよ。でも本当に転ばないのと交通安全は私たちもお願いしたいですよね。マムシさんにいつまでも「ようようよう!」っていろんな街角に立ってもらうためには。

(毒蝮三太夫)で、俺の放送を聞いて、タカユキ……

(井上貴博)貴博です。

(毒蝮三太夫)貴博ならば、銭湯でやるじゃないですか。で、銭湯でいろんな人が来てくれているよね。年寄りも、若い人もいるけども。そういうところで俺が年寄りと「おい、ババア」とか、「くたばり損ない」というのを、どうしてあんなこと言うの?って思うだろう?

(井上貴博)うん。最初はものすごく強く思っていましたけども……

(毒蝮三太夫)放送が始まった時は。いまは?

(井上貴博)いまはもうそんなに。「愛情なんだな」って……

相手を構う毒蝮トーク

(毒蝮三太夫)「愛情」って言えばかっこいいんだけど、まあ構っているわけですよ。相手を構うこと。ちょっとふさぎ込んでいる人がいたら、「おい、元気出せよ!」って肩を叩いてやる。要するに、構う。下町っ子は特にそれが上手いし、好きなんだよ。だから、ラジオっていうのは構う文化じゃないですか。いろんなところからメールが来たり、それから教えてくれたり。それから「聞いてますよ」とか「いま運転中ですよ」とか、「いま息子が病気で大変なんですけど」って。だからこちらが構ってあげるわけだ。

(井上貴博)いま、まさにね、奇しくもマムシさんがおっしゃったこと。こういうメールが来ているんですよ。「会話がネガティブな流れになった時に、どうすれば自然に楽しい雰囲気に変えていけるのか、そのコツを教えていただきたい」と。いま、ちょっとリンクするところがあると思うんですけども。

(毒蝮三太夫)ネガティブっていうのはふさぎ込んだりっていうこと? ちょっとダークになっているというかな。

(ジェーン・スー)そうです、そうです。

(毒蝮三太夫)ブルーになった時にはね、それはね、ああ、これはなかなか素人は難しいけどね。「人生は舞台。人はみな役者だ」ってシェイクスピアが言ったじゃない。だから、役者になっちゃうんだよ。その時は。

(井上貴博)役者になる。

(毒蝮三太夫)だから、明るい人になっちゃう。

(井上貴博)そこは演じるわけですか?

(毒蝮三太夫)そう。演じる。

役者になって演じる

(ジェーン・スー)たとえばね、親とか親戚とかが入院しているところにお見舞に行ったりすると、元気になってほしいのに「私はこのままダメかもしれない」とか「この先、どうなるか不安で」ってなった時に、どうやって励ましていいのか難しいんですよね。

(毒蝮三太夫)それは俺も朝の番組で年寄りにたくさん会うじゃない? するとね、足の痛い人とか腰の痛い人、目の見えない人がたくさんいるじゃない。すると、「死にたいよ」って言う人もいるんだよ。そういう時ってゾッとするじゃない? その時に、「死んだら俺に会えないよ。こんないい男の俺に会えないのは、つまらないだろ? 生きてなきゃ。笑えよ!」なんて。これは役者だよ。

(ジェーン・スー)そうですね。演ずることだ。

(毒蝮三太夫)できるよ。スーちゃんだって演じている部分があると思うよ。

(ジェーン・スー)真面目になんでも受け止めて、その人のテンションに合わせることが優しさではないっていうことですね。空気をギュッと、勢いを変える。

(毒蝮三太夫)一緒になって沈んだら、共に沈んじゃうわけだ。この間ね、やっぱりお風呂屋さん・銭湯の時に、こういう人がいたよ。目の悪い、見えない人が来ていて。「マムシさん、聞いてね」「どうしたの?」「うちの亭主が新聞を見ていてね、『おい、お前。これなんて言うんだ?』って聞いたから、『私、目が見えないのよ』って言ったのよ。その時、どう答えたらいい?」っていうの。覚えてない?

(ジェーン・井上)覚えてる。

(毒蝮三太夫)覚えてるだろ? その時、俺、答えようがないから、「そしたらな、向こうも読めなかったんだし、あなたは見えないんだから、適当に嘘でもいいから答えちゃえよ。『TPPの問題。それはね、離脱しちゃったらダメなのよ。TPP参加しなさいって書いてあるのよ』って……」「だって、嘘じゃない?」「嘘でもいいから。嘘ついて言っちゃえよ!」って言ったの。覚えてない? あれ、俺、とっさに答えたんだよ。そしたらね、目の見えない人たちの会に行ってあげたら、その人たちがあの放送を聞いていて、「ああいうことでいいんですよ」って。要するに、嘘でもいいから、その場をしのげるようなことを言ってくれればいいの。

(井上貴博)場面転換してくれるというか。真正面から受け止めるから、ちょっと。

(毒蝮三太夫)「私は見えないのに……」って言ったら、お互いに「ああ、見えないんだ。うちのカミさんは」って。それはポジティブにならないじゃない? だけど、嘘でもいいから。「それは私がいい女って書いてあるのよ!」ってなんか言えばいいのよ(笑)。

(ジェーン・スー)ああ、それ面白い(笑)。

(毒蝮三太夫)って言って、「私、嘘ついてる」っていう罪悪感に陥ることはないと思うよ。ジョークなんだから。わからない?

(井上貴博)いや、わかります。すごくよくわかります。

(毒蝮三太夫)わかる? これはね、いまの若い人、上手いよ。結構。だって俺ね、これも実際にあったんだけどね。老人ホームでね、向こうから歩いてきた人が人工呼吸器をしているの。

(ジェーン・スー)管がね、鼻から。

(毒蝮三太夫)それで、杖をついて一生懸命に俺のところに歩いてきたの。それで、「どうだい、調子は?」って言ったの。そしたら、俺の顔を見ながら「いやー、いま絶好調だよ!」って。絶好調なわけないよ。でも、俺はその人で救われたね。でも、その人が具合が悪いっていうのはわかっているから、「元気かい?」って聞くのも悪いなと思って。「調子はどうだ?」って聞いたんだよ。そしたらもう、「悪いよ」とか「腰が痛いよ」って、普通そう返ってくると思うじゃない? そしたら、「元気出してくれよ」って言おうと思ったんだよ。そしたら、「絶好調だよ!」って言うから、俺、答えようがなくなって。笑うしかないよ。

(ジェーン・スー)1枚上手でしたね。

(毒蝮三太夫)上。座布団あげたよ。だからね、素人の人でもそのぐらい、お年寄りでもそういうね、絶好調な人がいるんだよ。だから、ネガティブになるって、ネガティブになることが多い。多いけども、お互いに……だから戦争中にね、物がない時に、こういうのがあった。『パンと恋と夢』っていう映画があったの。戦争の映画なのね。そしたら、戦争で銃撃戦が終わって一段落しているわけ。それで、みんなで食事の時間。コッペパンをみんなで食べているわけ。そしたら兵隊がある同僚に向って「おい、お前。なにがそのコッペパンに詰まっているんだ?」っつったらパッとコッペパンを割って見せて、「恋と夢だよ!」って言うんだよ。で、なにも入ってないんだよ。だからその『パンと恋と夢』っていう映画なんだけど。だから、そういうジョークですよ。恋と夢を詰めて俺は……だから、バターピーナッツやチーズを挟んだのよりもこれは美味いぞ!っていうね。

(ジェーン・スー)ユーモアでしのぐっていうことですね。

(毒蝮三太夫)だからそれは難しいですよ。非常に難しい、フランスとか喜劇役者じゃないんだから上手く言えないけども、やっぱり笑顔でもいいから。

(ジェーン・スー)「絶好調!」って言うのもすごいユーモアだもんね。

(井上貴博)ちょっと意識を変えるだけでね、上手くその場は言えなくて、ちょっと変わりますもんね。

(毒蝮三太夫)だから、よく震災やなんかで苦しんでいる人やなんかのところに行って、「がんばってくださいよ」っつったら、「これ以上がんばれるかよ!」って。政府の役人が怒られたっていうね。だから、そういう時には言葉遣いも気をつけて。「元気を出してください」っていうことががいちばんいい。

(ジェーン・スー)「がんばって」じゃなくてね。「元気を出してね」って。

(毒蝮三太夫)「元気で行きましょう。ほら、笑顔で行きましょう。笑顔は全て洗い流す。笑顔は涙を乾かしてくれますよ」みたいな。

(ジェーン・スー)たしかに。「がんばって」じゃなくて「元気を出してね。それを待っているよ」っていうのがね、いいかもしれないですね。

(毒蝮三太夫)「がんばって」っつったらね、「がんばってるよ、俺!」って思っちゃうよ。だから背中を叩いて。(バシッ!)。

(井上貴博)ちょっと、痛いよ!(笑)。

(ジェーン・スー)(笑)

(毒蝮三太夫)「元気出してくれ!」って。だから、スーちゃんの番組も。『会議は踊る』で……

(ジェーン・スー)生活! 生活! もう全部、1個も当たってない(笑)。

(毒蝮三太夫)『生活は踊る』でね、午前中だから。みなさん、元気を出して1日を楽しく行きましょう!

(井上貴博)そうですね。今日、1月3日も元気を出して行きましょう。

<書き起こしおわり>

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