松尾潔 Usher『Hard II Love』を語る

松尾潔 Usher『Hard II Love』を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でアッシャーの新作アルバム『Hard II Love』を紹介。その中から、『Good Kisser』を選曲していました。

(松尾潔)まず、お届けいたしますのは先ごろ8枚目のアルバムをリリースしまして見事定位置のR&Bチャートナンバーワンを獲得したアッシャー(Usher)。そのアルバム『Hard II Love』の中から、これは日本版のボーナストラックですね。アメリカでは2年前、2014年にリリースされたシングルです。アッシャー『Good Kisser』。

Usher『Good Kisser』

アッシャーの新譜『Hard II Love』の中から『Good Kisser』をお聞きいただきました。これはさっきも話しましたように2014年にはネット上で解禁されていた音源なんですが。僕は、たとえばジムでワークアウトする時とかにいつもこの曲、この2年ぐらいよく聞いてますね。なんか気分が上がるんですよね。アッシャー、この曲がいちばん顕著ですけども、今回の作品っていうのはR&B本格回帰という言葉が大変似合う……昔からアッシャーを聞いている人たちにとっては「待ってました!」という作品ですね。

「昔から」という言い方をしましたけどね、アッシャーはまだ40前。30代なのに「昔から」という言葉を使いたくなるぐらい、やっぱりキャリアが長いんですよね。このアッシャーが世に出てきたのはいつだったかな? と思いますと、1993年に『ポエティック・ジャスティス』というジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)と2パック(2Pac)が主演した映画がございました。ジョン・シングルトンという黒人映画監督がメガホンをとったことでも知られております。そのポエティック・ジャスティスのサウンドトラックの中にアッシャー・レイモンド(Usher Raymond)という名前で曲を提供していたのが1993年のこと。

いや、驚きますね。四半世紀近くにわたってずーっとメジャーの最前線にいるというアッシャー。この人は新しい挑戦も次々展開していきます。まあ、EDMを取り入れたのも早かったですし、なにしろ歌ったり踊ったり、身体能力が高いということもこの人の武器のひとつですから。先ごろはアメリカで『Hands of Stone』という映画に出演していますね。アッシャーはね、シュガー・レイ・レナードっていう天才肌のボクサーがいましたけども、そのシュガー・レイ・レナード役をやっているんです。僕もちょっとトレーラーを見ましたけど、様になってますよ。

これは主演というか主人公はロベルト・デュランという、この人も伝説のボクサーですが。そのデュランのセコンド役をロバート・デ・ニーロがやっています。つまり、このアッシャーは以前から映画業界へ挑戦を続けていましたが。今回、ついにロバート・デ・ニーロと共演したということで。ウィル・スミスのステージまで行けますかね? この人、けど可能性はありますよね。ちなみにその『Hands of Stone』という映画のためにアッシャー、1曲提供しています。『Champions』という。これはちょっと毛色の変わった曲でございまして。

ルベン・ブラデス(Ruben Blades)とか、ああいうサルサのスターの人たちと一緒にやっていたりもするんですが。そちらの方も、今回の『Hard II Love』の中に収められております。お届けしましたのはアッシャーで『Good Kisser』でした。

<書き起こしおわり>

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