町山智浩 ヒラリーVSトランプ 第一回テレビ討論会を語る

町山智浩 ヒラリーVSトランプ 第一回テレビ討論会を語る ABCラジオ

町山智浩さんがABCラジオ『おはようパーソナリティ道上洋三です』に電話出演。2016年のアメリカ大統領選挙、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンの第一回テレビ討論会について話していました。

(道上洋三)さあ、日本時間で一昨日、アメリカ ニューヨーク州で次の大統領候補の民主党ヒラリー・クリントンさんと共和党ドナルド・トランプさんの注目の初のテレビ討論会が開かれました。全米に中継されて、1億人が見たと言われておりますが、その結果、大統領選の行方はどうなるのか? アメリカ大統領選でずっと今年最初から解説をお願いしています。カリフォルニア州バークレー在住の映画評論家でコラムニストの町山智浩さんにうかがいます。町山さん、おはようございます。

(吉田詩織)おはようございます。

(町山智浩)はい。町山です。よろしくお願いします。

(道上洋三)テレビ討論をご覧になって、CNNの世論調査ではクリントンさんがやや支持率が多かったとか。あるいは、ネット上ではトランプさんだとか、いろいろあるようですが。町山さんの印象はいかがでしょう?

(町山智浩)CNNの方は「やや」ではなくて、クリントンさんが62%。トランプさんの勝ちと判断したのが27%っていう倍の差がついていまして。ただ、インターネットでいろんな人気投票っていうか、今回の評価をする投票がありまして、そちらの方ではトランプ圧勝という感じになっているんですね。

(道上洋三)ああー、テレビを見た印象っていうのと、ずっと選挙戦が続く中でアメリカのネット社会っていうのは凄まじい、意地汚い論争になっている風に伝わっているんですけれど。そんなひどいんですか?

(町山智浩)ネットでは、『TIME』っていう週刊誌がありますが。『TIME』とかCNBCっていうテレビ局、あと『FORTUNE』っていう経済誌。その他たくさんの、討論会の後にみんなの投票を集めて、「どっちが勝ったか?」というアンケートを取ったんですが、そっちではトランプが圧勝なんですね。その理由は、RedditというSNSがあるんですね。それと4chっていう、日本の2chみたいな匿名掲示板があるんですが、そこにいるネット民が「ボンバーリング(爆撃)」というんですが。1人で何十回もクリックをして、そのネット投票のトランプ支持率を強制的に上げたせいだったんですね。

(道上洋三)なるほど。

ネトウヨ多重投票でネットアンケートはトランプ優勢

(町山智浩)だから、トランプ支持はこれはいわゆるネトウヨ爆撃の結果です。はい。で、CNNさんの方は500人ぐらいの人たちに実際にこの討論会を見てどうだったか?ってことを個別に聞いていって取ったアンケートなので。それでは、ヒラリーさんがトランプさんに2倍の差をつけて圧勝という結果です。はい。

(道上洋三)町山さんの印象としては、どんな感じなんです?

(町山智浩)これは、英語ができない人でもテレビを見ていれば――日本でもテレビでいろんなニュースでやっていましたけど――すぐにわかったと思うんですが。始終、トランプさんは顔を真っ赤にして眉を吊り上げて叫び続けると。それに対してヒラリーさんはおっとりと微笑み続けるという形だったので。音声を消していても、どっちが勝っているかわかるという、非常にわかりやすいものでしたね。特にトランプはヒラリーの発言を51回遮って。ヒラリーがしゃべっている時に51回も、「違う! それは待て! 違う!」とか、発言を遮ってるんですよ。

(道上洋三)ええ。

(町山智浩)それは、ケンカとかでもそうですけど、負けている人がやることなので。「追い詰められている」という印象を視聴者に強く与えたでしょうね。

(道上洋三)影像って怖いですね。いま町山さんがおっしゃったことが昨日の朝日新聞なんかでもそうありまして。音声を消して画面だけ見ていたら十分それぞれの候補の怒り方とか余裕の見せ方とか。あるいは、手とか表情の癖とか、そういうもので計り知れると。だから、ちょっとした、かつてあった時計ばっかり見ている仕草とか、舌打ちするとか、そういうことでも大きく影響してしまうっていうのは、逆に言うと政策論争って本当にどうなったんだろう?っていうこともあって。怖いですね。

(町山智浩)はい。怖いですね。でもこれは、はじめてテレビ討論をやったのがケネディとニクソンだったんですね。その頃からずっと、態度でほとんど決定されるということが続いていますね。だから、それをちゃんとそのためのトレーニングをヒラリーさんはやってですね、トランプさんはそれが身についていなかったということだと思いますね。

(道上洋三)そもそも、この討論会っていうのは誰が主催しているんです?

(町山智浩)討論会は全部で4回行われるんですが、それぞれテレビ局がそれぞれに主催します。この間の最初の討論会はNBCテレビといういちばんの民放の曲が主催して、進行役はその曲のキャスターです。今後はCBSテレビ、CNNニュース、FOXニュースの順であと3回行われます。

(道上洋三)ああ、そうですか。これはやっぱりテレビ討論って毎回大きく報じられるんですが。それだけ大きいファクターを持っているわけですか?

(町山智浩)やはりテレビ討論ではじめて彼らの声を聞くという人たちも多いですから。特に最近はまあ、新聞は本当に売れなくなってきていますからね。

(道上洋三)アメリカでも。

(町山智浩)アメリカでもですね。ただ、テレビ討論の場合には、その討論に勝つイコール支持率が伸びるということでは、アメリカでは全くないです。

(道上洋三)ああ、そうですか。

テレビ討論会と支持率の関係性

(町山智浩)たとえば、レーガン大統領が現役のカーター大統領と討論をした1980年があるんですけど。その時は、現役のカーター大統領はいろんな数字を……経済の数字とかを出して、非常に論理的にレーガン候補を攻めていったんですが、レーガンさんの方はそれに対して肩をすくめて、「よくわかんないよ。また数字が出てきたよ。そんなことを言ってもわかんないよ」っていうのを繰り返したんですね。そしたら、レーガンさんの方が支持率が伸びました。

(道上洋三)そうなんだ(笑)。

(町山智浩)みんな、わからないからですよ。要するに、「彼は政治の素人なんだ。カーターは政治のプロであって、我々庶民を騙そうとしている」っていう印象にしたんですよ。

(道上洋三)ああ、なるほど。

(町山智浩)レーガンが「私たちは素人であって、カーターはプロだ。カーターは政治のプロで、政治屋どもが我々庶民を騙そうとしている」という印象にしていったんですよ。で、ブッシュとゴアさんが争った2000年の選挙の討論会では、アメリカにも国民年金みたいなのがあるんですね。社会保障って言うんですが。「その年金制度は大統領がコントロールするんですよ」という風に討論会の司会者に言われたら、息子のブッシュの方が知らなくて、「えっ?」って言ったんですね。「年金って、大統領の仕事なの?」って。したらゴア候補の方が「それは大統領の大事な仕事ですよ。知らないんですか?」ってやったんですね。

(道上洋三)うん。

(町山智浩)したら、視聴者は「知ったかぶりしやがって! 偉そうだ! インテリぶってる!」ということで、ゴアの支持率が下がりました。

(道上洋三)ああ、そうなんだ(笑)。

(町山智浩)それがアメリカの庶民性、ポピュリズムなんですね。

(道上洋三)そういうことで、たとえば投票とか大統領が決まるっていうのは、ある種ちょっと怖い感じがするんですよ。日本でもね、劇場型っていうのか、人気投票みたいになっているような選挙とか、都知事選挙とかっていうのがなきにしもあらずなんですが。アメリカはもっとそれが強いわけですか?

(町山智浩)それが強いです。だから、ディベートとかに関してはですね、もうそれをコントロールするプロがいますね。もう本当にプロ中のプロがいて。服のデザインからネクタイの色、立ち方、しゃべり方をトレーニングしてくれるんですよ。

(道上洋三)あのトランプさんのブルーのネクタイっていうのは、共和党の色なんですか?

(町山智浩)そうなんですよ。だからトランプさんは無地の赤いネクタイとブルーの無地のネクタイと2種類しか使ってないですね。選挙中は。

(道上洋三)この間のブルーのネクタイっていうのは、なにか狙いがあったんですか?

(町山智浩)いや、それは相手のヒラリーさんが赤い服を着ていたからだと思うんですが。でもね、トランプさんに限らず、大統領選挙の時はブルーか赤の無地のネクタイ以外、ほとんど誰もしないですね。それが伝統みたいです。

(道上洋三)なんか勝った時に「赤」っていうのがアメリカはよく使うような気がするんですけど。

(町山智浩)はい。ただまあ、共和党内でやる時は全員が赤になっちゃうと困るんで。赤は共和党の色なんで。色を変えたりしますけども。何本か持っていって、相手を見て変えたりしているみたいですね。

(道上洋三)で、テレビ討論があと3回あるわけですね。で、その上で、いまテレビ討論の印象とは別に、アメリカでいちばん大統領選挙のポイントとなるっていう政策の争点はどれなんでしょうか?

(町山智浩)はい。いくつもあるんですが、特にトランプとヒラリーで対立しているのは、移民政策と外交政策ですね。で、移民に関してはトランプは「メキシコからの不法移民を防ぐためにメキシコの金で壁を作る」って言っていて、メキシコは「なんでうちが出すんだ!?」って言っているというやつで(笑)。自分がやらないことを公約するという、珍しい公約をしてますが。

(吉田詩織)(笑)

(町山智浩)それと、「イスラム教徒全ての入国を禁止する」と言っていますが。これもたぶん不可能ですね。イスラム教徒というか、中東の人たちはものすごいビジネスでアメリカとつながっているので、彼らの入国を拒否したらビジネスができなくなりますから。石油資本がね。

(道上洋三)なるほどね。外交の方はどうなんでしょう?

(町山智浩)外交の方は、要するに「日本、韓国、NATOが分担している部分が少なすぎるから、彼らにもっとお金を出させるか、出さないならアメリカ軍を撤退させる」ってトランプは言っていますね。海外でのアメリカの軍事負担を減らすと。で、ヒラリーさんはそうじゃなくて、非常に国際的な安全保障を協調してやっていこうという主義なんで、これは全く対立する形です。

(道上洋三)なるほど。テレビ討論を見ていて、ある黒人の人だったと思うんですけども。「トランプはマーケティングの専門家で、商売が上手いはずなのに、なんでそんな経済政策のことを討論の材料にしなかったんだ?」って不満を述べている人がいましたけれどもね。そういうことをあんまり討論の中でも言っていなかったと思うんですけど。どうなんでしょう?

トランプが勝つためのポイント

(町山智浩)ここがポイントなんですけども、トランプが勝つとしたら、実はそこの部分なんですが。アメリカは2つの通商条約をやっていまして。ひとつはNAFTAというカナダとメキシコの間での関税をなくす、ビジネスを自由にするという協定がありますが。それと、もうひとつはTPPですよね。これは太平洋全体でそれをやるということで。この2つにトランプは非常に反対をしています。

(道上洋三)はい。

(町山智浩)これは強調しています。っていうのは、それを強調すると、五大湖周辺にあるミシガンとかオハイオとかペンシルバニアとかウィスコンシンという、重工業中心にしている州の票が取れるからなんです。で、彼らは工業の仕事が外国に持っていかれることで、非常に苦しんでいるんですね。何十年も。で、ここは実は選挙においては激戦州で、右と左、共和党と民主党の間で揺れ動いているところなんですけども。彼ら労働者の票を取ると、勝てます。激戦州なので。

(道上洋三)なるほど。

(町山智浩)で、トランプはそこを強調しています。で、ヒラリーさんはそこを取るためにTPPに反対し始めました。この間までは賛成だったんですが。ただ、NAFTAには反対していませんね。いまさら撤廃することはできないので。あまりにも、長い間続いているので。あと、もうひとつはヒラリーさんをバックアップするのはやはり、ウォール街を中心とした財界の人たちなんですね。経済界のトップの人たちなので、彼らはグローバリゼーション支持なので。グローバリゼーションでお金を儲けていますから。あんまりヒラリーさんがその労働者の側についた政策を出すと、自分の支持者を裏切ることになるので、ヒラリーさんはそこを強調しないです。

(道上洋三)ああー。

(町山智浩)トランプさんはバックにウォール街関係がついていません。経済界、財界はついていないので、労働者側に有利な、反グローバリゼーション的な政策を主張しています。そこでどっちに動くか? なんですね。

(道上洋三)一見、なんか逆のように見えるんですけどね。いままで、つまりアメリカを支えてきて、国の政策や国務大臣までやったクリントンさんの方が財界筋にはよくて、演説なんかを聞いていると、「一部の裕福な人たちが得をする社会じゃなくて、もうちょっと中産層から下の方の人も支えてあげなきゃ」みたいなことをクリントンさんが言っていて、トランプさんはおっしゃったように、「労働者を守ろうじゃないか」って言っていて。言っていることがあんまり変わらないように印象をで思っていたんですけど。逆なんですね?

(町山智浩)いえ、変わらないですよ。あんまり。

(道上洋三)そうなんですか?

(町山智浩)ヒラリーさんは民主党の中でも右派なんですよ。で、財界寄りだったんですよ。ただ、対抗でバーニー・サンダースという民主党内の左派が出てきて、それにかなり苦戦しましたよね? で、サンダースさんは貧しい人側の主張を出していったので、彼の票を持っていかなきゃならないんで。ヒラリーさんとしては。だから少し左に寄せていて。それで、トランプさんの方は、共和党というのは金持ち寄りの、財界寄りの党だったんですけども、党内で彼らに勝つために、貧しい人寄りの政策をトランプさんは取ったんで。面白いことに、各党内部での戦いによって、彼らは実は政策が非常に似てきているんですよ。トランプとヒラリーは。

(道上洋三)そうですね。ますます、選びにくくなっているんじゃないかと思うんですけど。最終戦はどうなりますか?

(町山智浩)選びにくいです。非常に選びにくい形になっていますね。もう互いが嫌いな人が……要するに、「絶対にトランプは嫌だ!」っていう人がヒラリーに投票する。「ヒラリーが嫌だ!」っていう人はトランプに投票するという、敗退投票みたいな形になっています。

(道上洋三)なるほど。これ、テレビ討論を終えてのアンケートとは別にですね、全体の支持率っていうのは、新しいのは出ているんですか?

(町山智浩)全体の支持率、討論後はまだ出ていないですけども。どちらも50%を切っている形なんですね。要するに、いままでの大統領選の中で最も人気のない2人の対決という形になっていますね。はい(笑)。

(道上洋三)(笑)。町山さんはよくそうおっしゃるんですけども。でも、今回のテレビ討論ってすごい視聴率はよかったんじゃないですか?

(町山智浩)ものすごいよかったですよね。はい。もうスーパーボウル並に……要するにアメリカンフットボールの最高峰の戦い並の視聴率じゃないか? みたいなことは言われていますね。

(道上洋三)その最低の大統領選挙なだけに、みんな選びあぐねて熱心に見ているという、こういう図ですか?

(町山智浩)そういうことですね。はい。

(道上洋三)まあ印象だけでは大変、町山さんも戸惑ってらっしゃるような気がするんですけど。最終的にはどちらなんでしょう?

(町山智浩)はい。まず、トランプが優勢になるたびに株価が落ちるという状況が続いていますので。たとえば、クリントンさんが優勢になると金の値段が下がるんですよ。「金の値段が上がる」というのは経済のこれからの先行きに不安がある場合なんですね。だから、金が下がるというのは、「ヒラリーさんが勝てば経済は安定する」という意味なんですよ。

(道上洋三)ああ、なるほど。

支持率と株価、金価格の関係性

(町山智浩)でも、そういう経済全体の動きと全く無関係なのがその貧しい労働者の人たちなんですよ。そういうものの恩恵を受けない人たちですね。国際的な、アメリカ全体の経済の上下に影響を受けない、仕事のない……工場労働の人とか田舎の労働者の人たちが、実はこの選挙の勝敗を握っているんですよ。オハイオとかに住んでいる人たちです。

(道上洋三)なるほど。金が下がるとクリントンさんが有利?

(町山智浩)クリントンさんが有利だと、金が下がるんです。株が上がって。要するに、クリントンさんは財界寄りですから。

(道上洋三)なるほど。株が下がると、トランプさんが有利?

(町山智浩)そうじゃなくて、トランプさんが有利になってくると、株が下がります。あ、すいません。株が下がってもトランプさんの支持率は上がりますね。経済が不安定になって不安が大きくなると、トランプさんの支持率は上がります。

(道上洋三)ああ、そうなんだ。なるほど。

(町山智浩)だからいま現在、経済はまあちょっとよくないんですが。でも、そんなにひどくないんですよ。だから、ヒラリーさんが勝つ可能性があるんですが、この後に大暴落とかが始まると、トランプさんが勝つ可能性は出てきますね。

(道上洋三)ああー、なるほど。株と金の動きを見ていると、両方の支持率がある程度見えてくると?

(町山智浩)はい。かなり連動しています。

(道上洋三)そうですか。で、結局次の大統領はどちらがなった方が、アメリカは幸せになると町山さんは思われます?

(町山智浩)アメリカには2つ、ありまして。グローバリゼーションの中で生きている、たとえば金融関係の人とか、ITであるとか、マスコミ関係者とか、そういう人たちはヒラリーさんが勝つと経済的に安定するし発展が見込めます。ただ、アメリカの真ん中へんにいる人たちはそういうことと関係のない仕事についている人たちですね。まあ、木工所で働いている人とか、いわゆるマニュファクチャリングっていうんですが、工業製品を作っている人たちはグローバリゼーションが進むたびに貧しくなっていくんですよ。

(道上洋三)なるほど。

(町山智浩)その人たちは、トランプが勝つと、アメリカ全体が貧しくなろうと、自分たちに仕事が来ればいいという人たちですから。その人たちはトランプ支持なんですよ。ただ、その人たちがたくさん住んでいる中西部のオハイオ、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルバニアが大統領選を決定します。

(道上洋三)そうですか。やっぱり、これからっていうことですか?

(町山智浩)もう、ここはだから、世界の利益とアメリカっていう国全体の利益と、多くの票を握っている田舎の人たちの利益が全く食い違っているということに面白さがあるんですね。

(道上洋三)うーん……面白さはありますけど、アメリカの社会がやっぱり、町山さんが「最低の大統領選挙」と言われるぐらい、やっぱり病んでますね。

(町山智浩)やはり、ひとつの国の中で真ん中の部分を置いていって、外側だけ発展してしまったので。で、いわゆる高学歴でない、現在の社会の発展……金融技術の発展であったり、ITの発展であったりについて行けなかった人たち。要するに土地に密着して暮らしている人たちを置いていってしまったっていうことが、いちばん大きな問題だと思いますね。

(道上洋三)なるほどね。

(町山智浩)はい。で、その人たちの票をトランプは取ろうとしているということです。

(道上洋三)でもやっぱり、町山さんはアメリカを捨てて日本に帰ってきて暮らそうとは思われない?

(町山智浩)いや、どこでもいいですよ。別に(笑)。

(道上洋三)どこでもいいの?(笑)。

(町山智浩)まあ、どこでもいいです。根なし草ですから。はい。

(道上洋三)そちらからご覧になっていて、いまの日本っていうのはどういう風に映っています?

(町山智浩)ああー、食べ物とかはどんどん安くなっていくんで、すごいヤバい感じはします。はい。

(道上洋三)ああ、そうなんですか?

(町山智浩)はい。やはり、バイトさんのお給料とか最低賃金とかがものすごい安いですよね。僕が学生時代とほとんど変わらない状況ですから。これは本当に危険な気がしますね。

(道上洋三)物価上昇2%が実現できなくて、ちょっと悩んでいるんですけど。はい。

(町山智浩)僕、1989年ぐらい、バブルの時にちょっとご飯を食べたりすると、もうすごいお金を高く取られましたけど。いま、結構いいお店に行っても安いでしょう? 日本は。これは本当に経済が停滞しているなっていう。まあ、安くて美味しいですが。ヤバいなっていう気がします。

(道上洋三)大阪は、もっと安くて美味しいですよ。

(町山智浩)そうなんですよ(笑)。この間も行って、美味しかったんですけど(笑)。いや、これはでも、2、3年前に大阪に行ったら、もう歩けないぐらい混んでいて。中国のお客さんでね。で、この間、先週に行ったらもう全然いないんですよ。

(道上洋三)だいぶ様子は変わってます(笑)。

(町山智浩)○○(※聞き取れず)の前とか、だって本当に行列で大変だったですよ。2、3年前。これはすごいなと思いましたね。浮き沈みが激しすぎて。

(道上洋三)そうなんです。ええ。アメリカと同じように、ちょっと悩みは深いようです。まだまだ続きそうです。ありがとうございました。

(吉田詩織)ありがとうございました。

(町山智浩)はい。どうもありがとうございました。

(道上洋三)アメリカの大統領選挙、第一回のクリントンさんとトランプさんのテレビ討論について、アメリカ在住のコラムニスト、映画評論家、町山智浩さん……町山さんは政治評論家ではなくて、実際に暮らしてらっしゃって。いろんな文化、芸能を含めて、あちらでコラムを書いたり評論をされたりしているので。違う視点で大統領選挙をご覧いただいてこれまで解説をしていただいているので。我々はすごく、いままでと違うアメリカを見ているようでね、面白いんですけども。どうなるんでしょう?

<書き起こしおわり>

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