町山智浩 トロント国際映画祭2016 現地レポート

町山智浩 トロント国際映画祭2016 現地レポート たまむすび

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』で現地取材中のトロント国際映画祭2016の模様をレポート。おすすめ作品を紹介していました。

(町山智浩)それでですね、今日お話するトロント映画祭はカナダのトロントでいまやっているんですけど。ここはカンヌ映画祭とかヴェネツィア映画祭とかヨーロッパの映画祭も結構有名ですが。ここ、トロント映画祭がすごく大事なのは毎年の何の映画がいちばんよかったのか?っていうのは最終的にここらへんで決まっていく映画祭なんですよ。

(赤江珠緒)ふーん。うんうん。

(町山智浩)で、このトロント映画祭ですごく注目された映画はその年の終わりとか、その年の次の年のはじめにあるアカデミー賞をとっていくと言われているんですね。アカデミー賞の前哨戦と言われています。トロント映画祭は。で、あと作品もすごく社会派的な、政治的にいろいろ問題のある作品とかが、ここでまず試されるという。全世界に向けていく前に、ここで試されるということで、非常に重要な映画祭なんですけども。

(赤江珠緒)日本でも、『怒り』がね。

(町山智浩)ああ、なんか来てますよ。『Rage』っていうタイトルでプレミアが行われてましたけど。僕、見れてないんですが。

(山里亮太)赤江さん、出てるんですよ。

(赤江珠緒)はい。私と瀧さんが出てますから。

(町山智浩)すごいですね! 瀧、なんでも出てるな、おい(笑)。

(赤江珠緒)そうなんですよ(笑)。

(町山智浩)すげーな、もう! すごいですね。赤江さんも瀧さんもでも、芝居の訓練とか全然積んでなくて。すごいですね。もうね。

(赤江珠緒)もう李(相日)監督になんとかしていただいて。

(町山智浩)ああ、すごいですね。なんか、プレミアでこっちに来なかったんですか? 赤江さん。

(赤江珠緒)いや、そんな役じゃないです(笑)。私は、そんな役じゃないです。

(町山智浩)ああ、そうなんですか(笑)。まあ、ここで当たれば、評価されると一気にアメリカから全世界公開っていう風なのがトロント映画祭なんですよ。で、今年いちばん注目された作品は『The Birth of a Nation』というタイトルの映画だったんですね。これは「Nation」っていうのは「国民・民族」。それの「Birth」だから「誕生」っていう意味の映画なんですけども。これはもともと1915年に同じタイトルの映画があったんですよ。それは日本語タイトルは『國民の創生』というタイトルだったんですね。

『The Birth of a Nation』

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)それは、現在のアメリカ映画とか……特にアメリカ映画ですけど、世界中の映画のエンターテイメント系の映画の基本的な撮り方が、全部その『國民の創生』っていう1915年の映画で確立されたと言われているんですよ。

(赤江珠緒)100年ぐらい前だ。

(町山智浩)だから、2つの戦いみたいなものがあって、そこにヒロインと彼氏がいて、みたいなことと、ヒロインを撮る時にクローズアップで美しく、みんながうっとりするように撮ってとか。戦闘シーンは複数の場所を行ったり来たりさせながら、ハラハラして撮るとかですね。基本的なアクション映画とか大作映画とかの撮り方ってあるじゃないですか。物語の盛り上げ方の。それがね、最初にこの映画で確立されたんですよ。『國民の創生』っていう映画で。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)それで、映画学校とかに行くと、かならずこれを見せられるんですよ。「この映画をまず見なさい。勉強だから。基本だから」と。でも、すごく問題があるのは、この映画はKKK(クー・クラックス・クラン)という白人至上主義の黒人差別団体を正義の味方として描いている映画なんですよ。

(赤江珠緒)えっ? えっ? そんな内容のものが、映画のテキストみたいになっているんですか?

(町山智浩)そう。だから技術的には非常に優れた映画なんですが、内容的には非常に問題のある映画なんですよ。で、アメリカのアフリカ系の人たちは「この映画を絶対に許さない!」と。昔からずーっと反対運動をしているんですけど、いまだに見続けられている映画なんですね。これはD・W・グリフィスという監督が撮った映画なんですが、この人はこれを撮ったことで、その頃KKKっていう組織が完全に存在してなかったのに、この映画で1915年に復活しちゃったんですよ。映画でブームになっちゃって。

(赤江珠緒)ええーっ!

(町山智浩)で、再結成が始まって、それからものすごい数の黒人がリンチされて殺されたんで。まあ、この映画自体ものすごい罪があるんですよね。なかったものを復活させちゃっているんで。で、グリフィスっていう監督はそれを非常に反省して。はっきりと「反省した」とは言ってないんですが、その後は反差別の映画ばっかり撮っているんですよ。だから、「やっちまった!」っていう感じで。あとは贖罪の日々なんですけど。で、この映画ははじめて黒人の監督であるネイト・パーカーという人が、黒人の立場から南北戦争を描いていった映画が今回の『The Birth of a Nation』で。タイトルを1915年の『國民の創生』と同じタイトルにしたのは、その映画に対する挑戦なんですね。

(赤江珠緒)へー。今度、黒人の監督の方が。

(町山智浩)黒人の監督。非常にまだ若いんですよ。で、彼が監督、制作、脚本、主演をした映画が今回の『The Birth of a Nation』なんですよ。で、これは実際に南北戦争前に黒人の奴隷だったナット・ターナーという男が白人の奴隷を所有している人たちに対して反乱を起こして、白人たちを殺しまくったという事件があったんですね。実際に。で、それを映画化したのが今回の映画で。非常にいま、これは大変な映画なんだということで注目されていたんですよ。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)これはいま、アメリカで全く無実の黒人が警官によって殺されるっていう事件がずっと続いてますよね? で、その時にこの映画を公開することはものすごい意味があることだと。ましてや、それに対して黒人が怒って白人の警官を殺すっていうことまで起こってますよね?

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)だから、そのナット・ターナーが南北戦争前に起こした反乱っていうのは、現在も全然状況として変わってないんだということを訴えている映画なんですね。ただ、これがアカデミー賞を独占するんじゃないか? とか。監督、主演、脚本、制作を全部1人でやったネイト・パーカーっていう人は第二のスピルバーグ以上の天才なんじゃないか?っていうことで注目されていたんですけども……彼が17年前の大学生時代にレイプ事件で訴えられていることが判明してですね。

(赤江珠緒)ええーっ!?

(町山智浩)一応、裁判で無罪にはなっているんですけど。その被害者の女性が4年前に自殺したことがわかって。で、事件との関連性とかがまだ判明してないんですが。ものすごいスキャンダルになっているんですよ。現在。

(赤江珠緒)うわー……

(町山智浩)これ、どう捉えたらいいのか? と。作品と作り手を切り離して考えた方がいいのか? と。で、この映画の中では白人の奴隷所有者たちが黒人の奴隷をレイプする場面があるんですね。でも、この黒人の監督であるネイト・パーカーは学生時代にレイプ事件で訴えられていて、一応無実になっているんですが、訴えている女性は白人なんですよ。で、これはどういう風なことなのか、どう考えたらいいのか? ということでみんなで頭を悩ませているんですよ。

(赤江珠緒)ええー、根深いな……

(町山智浩)映画としてはよくできていると。ただ、映画としてよくできていることと作り手の問題っていうのはどうなるのか?っていう。だから、「ウディ・アレン問題」っていうのがあって。ウディ・アレンっていうのはいい監督なんですけども、非常にいろんな問題があって。女性関係とかで。奥さんの連れ子の未成年の子と肉体関係を持ってしまって結婚しているんですね。

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(赤江珠緒)ああー。

(町山智浩)だから、いろいろと問題になっていますね。だから、クリント・イーストウッドっていうね、ハリウッドの種馬問題もあるんでね。

(赤江珠緒)ああー、先週ね、やりました。

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(町山智浩)そう。下半身にはいろいろあっても、その作品がよければそれだけ単独で評価できるのか? とか、いろいろね、論争が起っているのがその『The Birth of a Nation』なんですよ。で、今回ね、いろいろ物議を醸すような映画が多くてですね。今回、オリバー・ストーン監督の『Snowden』っていう映画は、2013年にアメリカの国家安全保障局の職員でCIAでも働いていたエドワード・スノーデンっていう人が突然、アメリカの政府がアメリカの国民の電話を盗聴している、国民を監視している事実を暴いて……ただ、彼自身は国民を監視する仕事をしていた人なんですよね。

『Snowden』

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)だから、これは国家に対する裏切りなんじゃないか? と。だから、エドワード・スノーデンは「彼は内部告発をした正義なんだ」っていう人もいるんですね。でも、「最初からそれがわかっていてそういうところに勤めていたのに、おかしいじゃないか?」って言っている人もいるんですよ。だって、国民とかを監視する、スパイとかテロリストを監視する組織だってわかって入っているのに。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)ねえ。それを内部告発して。現在はロシアにいるんですね。亡命をして。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)だから、「売国奴じゃないか?」って言っている人もいるんですよ。

(赤江珠緒)うわっ、社会問題に切り込んだ作品が多いですね。

(町山智浩)そうなんですよ。だからどっちか論争がある人を、今回、オリバー・ストーン監督は彼を英雄だとして描いているのが『Snowden』なんですね。だからものすごく論争を呼ぶ映画ばっかりなんですよ。今回。『Jackie』っていう映画はケネディ大統領の奥さんだったジャクリーン・ケネディが主役で。ケネディって実は国葬にされなかったかもしれないっていうんですよ。

『Jackie』

(赤江珠緒)えっ?

(町山智浩)暗殺されたんですけど。大統領になって結構すぐに暗殺されちゃったんで、国葬にするほどの仕事をしてないから、国葬にすべきじゃないっていう意見があって、それに対して奥さんが戦うっていう話が今回、『Jackie』っていう映画なんですね。

(赤江珠緒)へー! 実際にそうだったんですか?

(町山智浩)ええと、それはオチの部分なんで、調べてもらった方がいいんですが(笑)。

(赤江珠緒)そうですか(笑)。

(町山智浩)あとね、『Loving』っていう映画も論争を呼んでいて。1967年まで南部の全部の州では白人と白人以外の人種が結婚することは犯罪だったんですよ。ところが、ラビングっていう旦那さんと奥さんは、ラビングさんが白人でその奥さんは黒人だったんですね。で、南部のバージニア州で結婚をしたために逮捕されてしまって。で、異人種間結婚を禁止する法律では、有色人種の方だけが罪に問われて、奥さんは60日間も刑務所にブチ込まれたんですよ。

『Loving』

(赤江珠緒)ええっ? ひどいですね。

(町山智浩)それで裁判で戦って、「異人種間結婚禁止は憲法違反である」ということを勝ち取ったラビング夫婦の映画が『Loving』っていう映画なんですね。これ、ひどいでしょ? 誰か肌の色の違う人を愛したら、刑務所にブチ込まれるんですよ。1967年。僕が生まれてからしばらくの間、そういう法律があったんですよ。南部には。

(赤江珠緒)いやー、怖いね。

(山里亮太)すごく昔っていうわけじゃないんですよね。この話は。

(町山智浩)それと、愛によって戦ったラビングさんの話であるとか。あと、『Denial』っていう映画があって。それは「ユダヤ人のホロコーストはない」って言っている人がいるじゃないですか。「あれはなかったんだ!」って言っている人がいるじゃないですか。それを「Denial」って、「ホロコースト否定派」っていうんですけど。その人と裁判で戦った学者の映画が『Denial』なんですね。

『Denial』

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)で、これホロコーストとかって、虐殺事件があると「それはなかった!」って言う人がかならず出てくるんですよ。日本でも「関東大震災での朝鮮人虐殺はなかった」って言っている人がいるんですよね。あとね、アルメニア人もトルコに大虐殺されたんですよね。アルメニア人っていまアメリカにものすごく住んでいるんですけど、それはみんな虐殺から逃げてきた人たちなんですよ。で、そのアルメニア人虐殺のことを映画にした映画が『The Promise』っていう映画で。それも今回、『Denial』と一緒にトロント映画祭でかかっているんですよ。

『The Promise』

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、それもトルコ側の人たちは「(虐殺は)なかったのに、そんなのを映画にしやがって!」って怒っているんですよ。

(赤江珠緒)まあ、なかったことにしたいというね、気持ちは……

(町山智浩)なかったことにしたい人たちがいっぱいいるんですよ。世界中に。で、そういったものを告発していく映画がやっぱり多いんですよね。トロント映画祭って。で、結構ハードでヘビーなのが多いんですよ。

(赤江珠緒)ちょっと映画祭とかで立て続けに見ると、なんかズーン!って来そうな映画が多いですね。

(町山智浩)1日3本見てますからね、いまね(笑)。

(赤江珠緒)うわー!

(山里亮太)いまの内容で?

(町山智浩)すごくヘビーですよ。結構。あとね、『メッセージ(原題:Arrival)』っていう映画もすごかったですね。これは宇宙から巨大宇宙船が地球に12個ぐらい飛来するんですけど。で、宇宙人と話そうとしたら、言葉が通じないんですよ。当たり前ですけどね(笑)。で、その通訳として言語学者の女性が雇われるっていう映画が『メッセージ』っていう映画なんですよ。

『メッセージ(原題:Arrival)』

(赤江珠緒)ほうほうほう。

(町山智浩)だから、「歩くっていうのは『あるく』って言うんですよ。おたくの国ではなんて言うんですか?」って、歩くふりをして、こう、辞書を作っていく話なんですよ。異星人との間で。

(赤江珠緒)でも最初はそこから始めないとね。

(町山智浩)そこから始めないとなんないんですよ。これもすごい面白かったですね。この『メッセージ』の監督(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)は『複製された男』の監督なんですよ。

(赤江珠緒)おおー、さっきおっしゃっていた。

(町山智浩)そう。すごくいま注目されている監督なんですけど。まあ、それも面白かったです。やっぱりトロント映画祭、映画の質がいいんですよ。あとね、『The Magnificent Seven』っていう映画もありますね。これはね、『荒野の七人』のリメイクで、イケメン俳優ばっかり揃えている『荒野の七人』なんですけども。これも結構面白いんですけど。

『The Magnificent Seven』

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)それで、時間がないんでいちばんのおすすめ。いま見てきた映画。僕、すごく感動して、これがベストワンだと思っている映画があって。それがですね、『La La Land』というタイトルの映画なんですよ。

『La La Land』

(赤江・山里)ラ・ラ・ランド?

(町山智浩)そう。声を揃えてくれてありがとうございます。「ラ」っていうのはね、「La」って書いて。「La」ってロスアンゼルスのことなんですね。なんで、『La La Land』ってロスアンゼルスのことを言ってるんですけど。これ、ミュージカルロマンチックコメディーなんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)それで、監督は『セッション』という鬼コーチがドラムで若者をただしごくっていう恐ろしい映画がありましたね?

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(赤江珠緒)ありましたよー!

(町山智浩)あの『セッション』の監督のデミアン・チャゼル監督のメジャー第一作目なんですよ。

(赤江珠緒)えっ、あの監督はそんなロマンチックなものを?

(町山智浩)そうなんですよ。彼、もともとジャズの勉強をしてきて、音楽の方面よりも映画に来ちゃった人なんですけども。今回もジャズ映画で、ジャズ・ミュージカルなんですね。で、主人公はエマ・ストーンっていう、『バードマン』の娘役で。最近の『スパイダーマン』の彼女役の目の大きい女優さんね。

(赤江珠緒)エマ・ストーンさん。はい。

(町山智浩)あの子が売れない女優で。で、彼女と恋をするジャズピアニストがライアン・ゴズリングですね。『ドライブ』とかですね、『ブルーバレンタイン』の非常にイケメンでいい身体している人ですけど。この2人の恋物語なんですけども。すっごいいいんですよ。

(山里亮太)すっごいいい?

(町山智浩)すごいいい。まず、画面が美しいんですよ。ロケでロスアンゼルスで撮っているんですけど。現代の。色がカラフルで、1960年代のジャン=リュック・ゴダールの映画みたいにものすごくポップでカラフルなんですよ。で、踊りもすごいんですけども、いろんな昔の映画……『シェルブールの雨傘』とかですね、『巴里のアメリカ人』とか、そういったものがすごく染み込んでいる映画なんですね。

(赤江珠緒)じゃあ、美しい映画なんですね。これは。

(町山智浩)美しくて楽しくて……すごい楽しいんですよ。で、切ない恋物語で、しかも『マルホランド・ドライブ』っていうデビッド・リンチの映画も入っていてですね。で、本当に愛し合っていても、それで上手くいくんだろうか? みたいな切ない話も中に、テーマとして入っていてですね。すっごくいい映画だったですね。

(山里亮太)『セッション』の監督がそういうミュージカルとかをやるっていったら、圧巻のシーンとかもありそうですもんね。

(町山智浩)そうなんですよ。それで彼の音楽学校時代の友達が音楽をやっているんですけども。音楽もジャズミュージシャンなんで、「ジャズなんてもう死んでいく音楽なんだよ。新しい音楽をやれよ」って出てくるのがジョン・レジェンドだったりね。

(赤江珠緒)うん……

(町山智浩)あの……知らない?

(山里亮太)知らない。それは、ジャズの……?

(町山智浩)ああ、そう。ミュージシャンなんですけども。あの、「黒人のえなりかずき」と言われている人ですね。まあ、それはいいんですが……(笑)。

(山里亮太)(笑)

(赤江珠緒)ええっ? そんな人、呼ばれてます? はじめて聞きましたけども。

(町山智浩)まあ、とにかくすごいいい映画がね、この『La La Land』だったんで。僕はこれ、アカデミー賞いくだろうなと思いましたね。

(赤江珠緒)へー! だって、すごい重厚な映画がバーッてきた中で、町山さんはこれが今回、イチ押しと?

(町山智浩)本当にロマンチックでかわいくて楽しくてダンサブルで。本当に素敵な映画なんですよ。夢の様な映画でしたよ。

(山里亮太)町山さんの今年一が出ましたから。ついに。

(赤江珠緒)そうですね。

(山里亮太)これもいま、映画ファンの人たちはザワザワッとしてますよ。

(赤江珠緒)えっ、『セッション』で鬼教官をしたJ・K・シモンズさんも出演って、そうなんですか?

(町山智浩)一瞬だけ出てきます。あの鬼教官が。相変わらず嫌な役で。はい。これ、デミアン・チャゼルってすごいです。この人ね、まだ31才なんですよ。

(赤江珠緒)えっ?

(町山智浩)31才ですよ、これ。で、いままでコッポラとかマーチン・スコセッシとかがなんとか昔のジャズミュージカルを現代に蘇らせようと思って、失敗してきたんですよ。いろんな巨匠が。彼は、やり遂げましたよ。

(赤江珠緒)おおっ、すごい! 町山さんの評価が。

(町山智浩)これはすごいと思いましたね。天才登場!っていう感じですね。完全に。

(赤江珠緒)わかりました。ちょっといろいろ見たいのが一気に増えましたね。

(山里亮太)町山さんの今年一がね、聞けたんで。

(町山智浩)はい。今日の夜11時、お願いしますね。『町山智浩のアメリカの”いま”を知るテレビ』。BS朝日。

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(赤江珠緒)今日はカナダで行われているトロント国際映画祭で見たいろんな映画のお話をしていただきましたが。町山さん、来週は日本に帰国中ということで。久々にスタジオで。

(町山智浩)はい。日本に行きます。スタジオにお邪魔します。

(赤江珠緒)町山さん、ありがとうございました!

(山里亮太)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

<書き起こしおわり>

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