松尾潔 Running Man ChallengeとTinashe『Superlove』を語る

松尾潔 Running Man ChallengeとTinashe『Superlove』を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でランニングマン・チャレンジと『My Boo』ブームについてトーク。流行りにのってリリースされたティナーシェの『Superlove』を紹介していました。

(松尾潔)さて、続いてランニングマン・チャレンジ(Running Man Challenge)の話をまたしましょうか。バックで流れておりますゴーストタウン・DJ’s(Ghost Town DJ’s)の『My Boo』。

Ghost Town DJ’s『My Boo』

なんだかんだとこの曲、この番組でよく流してますね。90年代のアトランタのR&Bシーンを振り返る上でも重要な曲ですし。

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なんと言っても、今年高校生や大学生たちがこぞってこの曲でふざけて踊る様を動画サイトに次々アップしたことがきっかけで全米というか世界中に広がった、まあ害のないブームでした。ランニングマン・チャレンジ。

残念ながら、日本でこれが流行ったという話は聞きませんね。僕も仲間内で「やってみる?」っていう話もあったんですが。やっぱり、なかなかそうカジュアルにできませんね。「○○チャレンジ」っていうのはね、前に番組で話しましたけども。動画サイトで日本語に訳すとお馴染みの「やってみた」っていうやつなんですけども。これ、ちょっと面白いブームでしたね。後々、2016年を回顧する時に懐かしく思い出されるんでしょう。

で、その『My Boo』。これの便乗商品。ストレートなカバーを含めていろいろ出ているんですけども、上手いところに着地させたな! 溶けこませたなっていうのがティナーシェ(Tinashe)でございますね。ティナーシェもなんだかんだと、この番組でよくご紹介している女性シンガーなんですが。『Superlove』という曲。これは明らかに『My Boo』の熱が冷めないうちに、そのサウンドを模倣してやっちゃえ!っていう。まあ、僕はこういう商売っ気のある、でも曲として爽快なものっていうのはR&Bを楽しむ醍醐味のひとつだと思っておりますので。こういう、いい意味でのやっつけ仕事っぽい感じは大歓迎ですね。まあ、番組をずっと聞いてくださっている方は僕が言わんとすることは容易にご理解いただけると思うんですけども。

じゃあ、そのどれぐらい似ているのか?っていうところも含めて楽しんでいただきましょう。もうこれ、さっきのキース・スウェット(Keith Sweat)からの流れで言うと、広い意味でのアトランタブームでもあるんですね。

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聞いてください。ティナーシェで『Superlove』。

Tinashe『Superlove』

Sammie『Without You』

2016年の夏を代表するナンバーとなりますかどうか。ティナーシェ『Superlove』に続きましては、サミー(Sammie)で『Without You』、お聞きいただきました。サミーという名前に聞き覚えのある方、どれぐらいいらっしゃるんでしょうか? 2000年、いまから16年前ですね。『I Like It』というそれはそれは疾走感のある、当時マイアミベース、アトランタベースと言われた、ちょっとサビになるとリズムが倍速になったりする。僕もCHEMISTRYの『Point of No Return』でやったあれですよ。あれで人気を博したシンガーでサミーという人がいました。

その時、まだ13才で。僕は当時、いまでも印象に残っているサミーのインタビュー記事で、「学校が休みの間にレコーディングしないとね」みたいなことを言っていましたね。だから、もう本当それこそ歌う勤労少年っていうところで記憶していたんですね。で、『I Like It』っていう曲が当時、2000年はね、年間を通してもトップ10に入るような大ヒットでしたけども。それからサミーは一時学業の方に専念してみたり、ソフトに復活したりとかもしていたんですけども。まあ、決定打に欠けるというか、『I Like It』を超える曲がないという感じでしたね。

ソウルジャ・ボーイ(Soulja Boy)というラッパーとコラボレーションしてちょっと浮上しかけたこともあったんですけども。どうしてるのかな? なんて、この時期になると割と僕は聞きたくなる曲のひとつなものなものですから思っていたら、意外なことにね、ここにきてリリースを……彼ももう29才なんですけども。リリースのペースを早めていまして。で、面白いことにこの『Without You』っていう曲は僕、動画サイトでミュージックビデオを見たんですけど。なんと、銀座でロケしてますね。なんか日本でレコーディングしたとかっていう話も聞いております。

プロデュースを手がけているのはジョウ・マラン(JawMaran)という人で。ジョウ・マランっていう名前だけだと、まあこういうサウンドですからアフリカン・アメリカンかな? なんて思ってしまうんですけども、ミャンマーの人らしいんですよね。ミャンマーの人という風に聞いております。面白いですねえ、R&Bがね、世界の言葉になってきているということを象徴するような、そんな現象かと思いますが。

<書き起こしおわり>

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