玉袋筋太郎 サンキュータツオ 春日太一『俺たちのBL論』を語る

玉袋筋太郎 サンキュータツオ 春日太一『俺たちのBL論』を語る たまむすび

サンキュータツオさんと春日太一さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。著書『俺たちのBL論』について、玉袋筋太郎さん、小林悠さんと話し合っていました。

(小林悠)では、BLの話を。

(玉袋筋太郎)サンキュータツオ!そして春日太一先生!

(春日太一)どうも、よろしくお願いします。

(サンキュータツオ)ありがとうございます。よろしくお願いします。

(玉袋筋太郎)2人は先生ですよ。なに?その男同士のラブっていうのは?

(サンキュータツオ)いや、僕ら本を出したんです。『俺たちのBL論』っていうね。その告知にね、殴りこみ!という形で。初めてこの『たまむすび』に出させていただきます。

(玉袋筋太郎)スペシャルウィークだぜ!タツオくん。本当に。

(小林悠)ありがとうございます。

(サンキュータツオ)いや、まあこれから男同士の恋愛を楽しもうじゃないですか。

(玉袋筋太郎)それだ!

(サンキュータツオ)そういうことですよ。

(小林悠)『それだ!』って(笑)。乗り気になっているのは!?

(玉袋筋太郎)ねえ。だから男女の恋愛っつーのはなんかこう、そばで見ていてもなんか発展性がねえなって。何か妄想することがない。だって、関係を持ったらお終いなんだもん。

(春日太一)まあ、そうですよね。

(サンキュータツオ)男女の恋愛は、もうその時点で答え合わせじゃないですか。でも、男同士のやつはそこからが、もう問題の・・・

(春日太一)(笑)。ちょ、ちょっと。フルスロットルすぎる!最初から(笑)。

(玉袋筋太郎)男2人で来て(笑)。男2人が怪しいみたいな(笑)。

(春日太一)よく言われますからね。『この2人、怪しい』って。

(小林悠)あれ?キチッとご紹介いたしましたか?私もちょっとうっかりしておりました。動揺しましたけども。さっそくご紹介しますね。漫才コンビ、米粒写経よりサンキュータツオさん。

(サンキュータツオ)よろしくお願いします。

(小林悠)そして、時代劇研究家の春日太一さん。よろしくお願いします。

(春日太一)どうも、よろしくお願いいたします。

(玉袋筋太郎)タツオちゃんなんかもう、TBSの顔だもんね。

(サンキュータツオ)いえいえ、いつもは『(荒川強啓)デイ・キャッチ!』でお世話になっております。

(玉袋筋太郎)結構古いんだよ。タツオちゃんとは。

サンキュータツオと玉袋筋太郎の出会い

(サンキュータツオ)古いというか、僕は心の中ではもう師匠だと思っているぐらい。まあ僕、この世界に飛び込むきっかけがやっぱり玉さんなんで。

(小林悠)あら?何があったんですか?

(玉袋筋太郎)俺たちがやっていたな、浅草お兄さん会っていうライブ。で、新人の芸人さんたくさん出てもらったんだけど。そん中に米粒写経がいたんだよ。

(サンキュータツオ)はい。僕、まだ当時大学4年で。で、どうやって芸人になるのかもよくわかんない感じで。そん時にフリーの人たちばっかりが集まったのが、浅草お兄さん会。そこで出会ったのがマキタスポーツであり、同じ(東京ポッド)許可局をやっているプチ鹿島であり、U字工事とか。

(玉袋筋太郎)鳥肌実とか。

(サンキュータツオ)そうですね。

(玉袋筋太郎)いろんなのがいたんだよ。

(小林悠)いまがあるのはもう本当、浅草キッドのおかげ?

(サンキュータツオ)もう、もちろん。僕、いまでも忘れないんですけど。初舞台っていうのがお兄さん会だったんですけど。新宿のシアターモリエールっていうところでやって。まあ、何をまかり間違ったか、ちょっとウケたんですね。

(玉袋筋太郎)(笑)

(小林悠)いいじゃないですか。

(サンキュータツオ)で、そん時に、僕ら出番を終わって。もうちょっと無我夢中になっている時に、階段のところでスタンバってたら、後ろから玉さんが来て。パーン!って僕のお尻を叩いてくれて。『面白かったよ』って。この一言を言ってくれたんですよ。

(小林悠)おおっ!

(玉袋筋太郎)こっからもうBLが始まってるんだよ。

(小林悠)ちょっとやおいが始まってますね。

(春日太一)いやー、キュンと来ますね(笑)。

(サンキュータツオ)これね、普通考えられない。漫才コンビって僕の相方、居島(一平)っていうのがいるんですよ。で、普通はボケの方に言うじゃないですか。『これ、ツッコミの側に言ってくれているってことは、玉さんはいつも博士さんにすごい感謝している方なんだな』っていうのも伝わって。僕なんかも・・・

(玉袋筋太郎)あの頃はな。あの頃は(笑)。

(一同)(笑)

(玉袋筋太郎)言うんじゃない!言うんじゃない!(笑)。まあ、そういう長い付き合いなんですよ。それで、同じ事務所ですしね。オフィス北野で。まあ、そのタツオと。ねえ。

(サンキュータツオ)僕はもう、玉さんと共演するのが夢だったんで。こういう形で出させていただいて。

(春日太一)相当緊張されてましたからね。

(玉袋筋太郎)そうなの?どうってことないんだよ。家にも来たことがあるんだから。その春日太一先生と、このね、2人の共同作業が・・・

(サンキュータツオ)初めての共同作業(笑)。

(春日太一)本当ですよ。共同作業ですよ。

(玉袋筋太郎)ベイスターズは応援してるけどね。一緒に。うん。

(小林悠)これは一体なんのご本なんでしょうか?

(サンキュータツオ)はい。『BL(ボーイズラブ)』。まあ、いま世間を騒がせてるのは『PL』の方ですけども。

(玉袋筋太郎)(笑)。また持ってるね、おい!出してくるね!(笑)。

(サンキュータツオ)ボーイズラブですよ。いや、桑田さんと清原さんもそういうの、あるかもしれませんけども。

(玉袋筋太郎)あったんだけども、3年前から。断ち切っちゃった。

(サンキュータツオ)そうなんですよ。

(春日太一)小姑のように言ってましたからね。

(サンキュータツオ)これ、僕らの目からしたらもう振りにしか見えないんでね。いずれまた2人の邂逅があるんじゃないか?と思うっていう。

(玉袋筋太郎)(笑)。そういった妄想だよ。そこで、そういうのを考えて萌えるってことでしょ?

(サンキュータツオ)そうなんですよ!で、いままでは基本的にある一部の女性たちがひっそりと楽しんでいた趣味であるこのボーイズラブというものを、男の僕がちょっと知ってから、今度は春日さんにそれを伝授しようと。

(春日太一)弟子みたいなもんですよね。私がね。

(小林悠)じゃあ、もともとぜんぜん好きではなかった?

(春日太一)全く興味なかったと言えばないぐらいの世界ですよ。で、もともとタツオさんがいろんなところでしゃべったりとか、Twitterでやってはすぐ、よく炎上してたんですよね。

(玉袋・小林)(笑)

(サンキュータツオ)『そういうことを表立って言うな!』みたいな。

(春日太一)で、それがあったので。たぶん、ちょこっとしか言ってないから炎上するんだろうし、よく言葉が伝わらないんだろうから、だったら1冊の本にして、僕にちゃんと伝えてもらって。それで、ちゃんと説明すればわかってもらえるはずだということでね。そのための媒介になろうというようなイメージで。いろいろ教わっていくうちに、なんか私がミイラ取りがミイラになっていったような物語がこの本の中で展開されることになってしまうという、恐ろしい大河ドラマが。

(玉袋筋太郎)面白かったよ、これは。

(小林悠)ねえ。

(サンキュータツオ)ありがとうございます。いや、春日さんと言ったら、やっぱりインタビュー仕事ですから。もうどれだけね、あいてのいいところを引き出すのか?っていうところで、いつも俳優さんにインタビューしてるんだけど。今回はそれがもう、タツオさんだから!っていうことで。

(玉袋筋太郎)おお!

(サンキュータツオ)で、僕も身を任せて。ちょっと抱かれたような・・・

(玉袋筋太郎)ああー、そういう感じだ。

サンキュータツオのBL講義実況中継本

(春日太一)もう先生からずっと講義を受けるような感じで。その講義の様子をそのままこれは本にしたというあれですね。

(玉袋筋太郎)講義されてね、春日先生がだんだん目覚めていく感じが面白いんだよね。これ、読んでいると。

(春日太一)リアクションに変わっていくというね。

(玉袋筋太郎)そう。だんだんね、尻の穴が緩んでいく感じが・・・素晴らしいんだよ。

(サンキュータツオ)ドキュメントですからね。

(春日太一)いろんな意味で緩んでますからね。自分でも驚きましたね。なぜ、あんなことを言ってしまったんだろう?という瞬間が訪れますからね。

(玉袋筋太郎)まあ、笑ったんだよ。そこは直接BLには関係ねえんだけど、春日先生が悩んでる時ね。悩んだ時、自室でね、素っ裸になって、椅子に座ってクルクル回ってるんだよ。あのカミングアウトはね、いちばんずっこけたよ!(笑)。

(春日太一)(笑)

(玉袋筋太郎)サウナで読んでいて、いちばん笑ったよ(笑)。ゲラゲラゲラと。

(小林悠)サウナで読んでたんですか!?(笑)。

(玉袋筋太郎)サウナで読んでますよ!そこもBLなわけですよ。

(春日太一)サウナでこの表紙を見せる(笑)。

(玉袋筋太郎)サウナでね、ボーイズラブを読んでる俺。しかも、玉袋筋太郎。わけわかんねーの、これ!

(一同)(笑)

(玉袋筋太郎)俺もね、こういう世界。だからタツオちゃんぐらいの頭ある人がさ、ちゃんと説明してくれると、やっぱわかるね。毛嫌いしてたもんが、あっ、そうなんだ!って。わかってくるんだよ。

(サンキュータツオ)いやー、僕はね、玉さんはわかってくださると思ってました。やっぱりね、中学時代に一緒に新宿で遊んでいた友達とのあの感じっていうのは、まさに女性から見たら、『えっ、これ恋愛じゃないの?』っていう付き合いだと思うんですよね。

(玉袋筋太郎)そう。あの、やっぱり女の子に嫉妬されるぐらいの友情っていうのを大切にしたいと思っていたからね。そうそうそう。

(サンキュータツオ)いや、だから玉さん、たとえば世の中の全てのことを競輪目線で見たりとかするわけじゃないですか。

(玉袋筋太郎)競輪目線で見てますよ。はい。

(サンキュータツオ)だからまあ、春日さんだったら全部ね、時代劇とか。

(春日太一)時代劇目線とかね。

(サンキュータツオ)その一部の女性たちの中で、世の中全て男性同士が恋愛してるんじゃないか?っていう目で見ている人たちがいるんですよ。

(玉袋筋太郎)いるんだってな。

(小林悠)それは本当に人間同士だけじゃなくて、いろんな物とかを見てもそう思うってことですか?

(サンキュータツオ)だから今回の書籍、ちょっと攻めているんですけど。表紙がですね、鉛筆と消しゴムなんですよ。実はこう、上級者。黒帯になるとですね、鉛筆と消しゴムだけでもう、1時間は楽しめるっていうぐらい妄想が広がると。

(小林悠)ええっ!?

(玉袋筋太郎)これ、すっごいよ。

(サンキュータツオ)鉛筆は消しゴムのことをどう思っているのかな?とか。消しゴムは鉛筆に対してどういう感情を持っているのか?そして、2人はどういう付き合いをしているのか?っていうことを妄想するだけで楽しいという。だから僕、これを『BLメガネ』と呼んでいるんですけど。割とBLメガネをかけると楽しい世界が広がるよというのが今回の本なんですね。

(春日太一)本当にそうなんですよね。世界がきらめいて見えてくるというかね。

(玉袋筋太郎)ああー!

(春日太一)ただの人間の並んでいるだけっていうものに、もうひとつ、感情が乗っかってきますから。『ほう!』みたいな感じで、ニヤニヤが止まらなくは、たしかになってきますよね。

(玉袋筋太郎)これ、春日先生もね、なんて言うの?教えを受けてさ、じゃあ、三船(敏郎)と仲代達矢の関係は?なんて話にも行くし。『座頭市』の話も出てくるし。

(小林悠)『座頭市』の話、面白かったです!

(玉袋筋太郎)全て、やっぱり通ずるものがあるね。うん。

(小林悠)で、みなさん『BL』って言うと、もし男性が『BL好き』っていうことは、『あ、同性愛の方なのかしらね?』っていう。そういうわけではないことなんですよね?

(サンキュータツオ)そういうわけではないんですよね。まあ、それもなぜなのか?っていうのはこの書籍に書いてありますのでね。

(玉袋筋太郎)俺、48才でしょ?もうすぐ、まあ今年49で50才近いんだけど。50才になったら、1回俺、裏返そうと思って。そっちの世界に行ってみようかな?って。

(サンキュータツオ)ええーっ!?本当ですか?

(玉袋筋太郎)喜び楽しみ2倍2倍!

(一同)(笑)

(サンキュータツオ)高見山(笑)。

(玉袋筋太郎)こんなところで、なんで俺はカミングアウトしてるのかよくわかんねーんだけど(笑)。まあ、そこまで行かなくても、このBLメガネをかけることによって、その自分を主人公に置くことだってできるし。そういう楽しみ方ができるんだな!っつーのをわかったよね。

(小林悠)退屈な時間っていうのがなくなりますね。

(玉袋筋太郎)広がったな!

BLメガネで映画の見方が変わる

(サンキュータツオ)だから春日さん、実際にいまね、このラジオを聞いてくださっているぐらいの方々と同じ、たぶん目線だったと思うんですけど。たとえば、時代劇の見方とかどうですか?

(春日太一)ぜんぜん、映画の見方が変わりましたよね。だから男同士の友情・・・友情では片付けられない何かサムシングって、映画の中で・・・

(玉袋筋太郎)サムシング(笑)。

(春日太一)いや、映画の中であるわけですよね。『これをなんて言葉にすればいいんだろう?』って言った時に、BLメガネをかけた途端に『はー!そういうことか!』っていう風に見えてくるっていうことが多々あるんですよ。まあいま発売中の週刊文春の中に書いた話だと、『兵隊やくざ』の勝新太郎と田村高廣の2人は、普通におかしいんですよ。友情にしては。

(玉袋筋太郎)うん。おかしい!

(春日太一)で、戦友にしては、仲良すぎるっていうのもあるし。なんなんだろう?って思った時に、BLメガネをかけた途端に、『はい!わかりました!』っていう。

(一同)(笑)

(春日太一)これは戦場を舞台にした全8作かけてのメロドラマであると。

(玉袋筋太郎)メロドラマ!

(春日太一)戦場メロドラマであると。最後、2人で子供育てますからね。で、『俺たちのこれは子供だ!』とか言って、ニコニコしながらやりますので。そう見ると、全部の謎が解けちゃうっていうね。面白いですよ。だからみなさんも、そういう目で見てみると、映画が改めて面白くなります。

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(玉袋筋太郎)そのメガネをかけることができる本が、これですか?この1冊。

(サンキュータツオ)はい。僕はもう、全人類共通で標準装備できるメガネだと思っているんで。

(春日太一)世界が平和になる。

(サンキュータツオ)みんな、ツボを押されてないだけで。っていうのをこの書籍にまとめましたんで。

(春日太一)かけかたがわかるっていうね。

(サンキュータツオ)玉さんもサウナで読んでくださって。ありがとうございます。

(春日太一)サウナって完璧な場所ですね。

(玉袋筋太郎)危険だよね!危険だよ。一線を超える可能性があるね。

(小林悠)(笑)

(玉袋筋太郎)小林さんも今日、メガネかけてるけど。BLメガネにしてくださいよ。

(小林悠)そしたら、もっと楽しく生きられるような気がします(笑)。

(玉袋筋太郎)でしょう?ねえ。私もちょっといろんなことを言っちゃったけど。

404 NOT FOUND | miyearnZZ Labo

(サンキュータツオ)要はね、ベントレーとマイバッハで妄想ができますから。車同士。

(玉袋筋太郎)車同士!ハイエースとマイバッハ!対極だよ!商業車とマイバッハ!これのね、BL。考えよう。俺。

(サンキュータツオ)車×車でね。どっちが乗るんだ?っていう話でね。

(玉袋筋太郎)車っつーのはやっぱり男性自身だからね。っていうことはだよ、俺のハイエースっつーのは、ハイエースがぶら下がっていると思ったら、それは実用的な車ですよ。マイバッハっつったらもう、大きさが違うもん!マイバッハ!

(一同)(笑)

(サンキュータツオ)もういいんじゃないですか?(笑)。

(玉袋筋太郎)ありがとう(笑)。鈴つけてくれて、ありがとう。

(春日太一)もう、このまま中野に飲みに行きたいですね。この勢いでね(笑)。

(玉袋筋太郎)飲み屋じゃねーんだよ(笑)。

(小林悠)というわけで、1月22日に発売されました『俺たちのBL論』ですね。ぜひお手にとってください。後ろの方にですね、ワークシートがありますから。ぜひ、自分の妄想チェックなどもできると思います。サンキュータツオさん、春日太一さん、ありがとうございましたー!

(サンキュータツオ)ありがとうございました。

(春日太一)ありがとうございました。どうも。

<書き起こしおわり>

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