大槻ケンヂ 印象深かったライブハウストップ5を語る

大槻ケンヂ 印象深かったライブハウストップ5を語る ザ・トップ5

筋肉少女帯の大槻ケンヂさんがTBSラジオ『ザ・トップ5』に出演。印象深かったライブハウストップ5を選び、紹介していました。

(熊崎風斗)それではさっそく、今夜のゲスト、大槻ケンヂさんご提供のランキングを発表してまいります。筋肉少女帯大槻ケンヂが選ぶ、印象深かったライブハウストップ5。
第五位:赤坂BLITZ
第四位:旧・渋谷屋根裏
第三位:旧・新宿ロフトプラスワン
第二位:旭川アーリータイムズ
第一位:旧・神戸チキンジョージ
以上、今夜のゲスト、筋肉少女帯大槻ケンヂさんが選びました印象深かったライブハウストップ5でした。

(中略)

(高橋芳朗)ライブハウスの話、しましょう。

(熊崎風斗)大槻さんに選んでいただきましたから。

(大槻ケンヂ)ライブハウスね。

(熊崎風斗)まず、五位から。

第五位 赤坂BLITZ

(大槻ケンヂ)赤坂BLITZ。これ、TBSさんのラジオなんで(笑)。それはそう言わないといけないなと思って。入れないといけないなと思って。でもね、BLITZは昔、旧・赤坂BLITZっていうのがあったんですけど。

(高橋芳朗)ちょっと段の上。高みにあったところですね。

(大槻ケンヂ)でね、新しくライブハウスができたって、結構中箱っていうんですかね?千人ぐらい入るライブハウスっていうのはね、シャワーがついてるんですけど。新しく作ったばっかりのライブハウスっていうのは意外にシャワーが温水が出ない。

(高橋芳朗)あら?

(大槻ケンヂ)でもね、赤坂BLITZはもう、アチチッ!ぐらいのものが出たんね。

(高橋芳朗)あ、もうできていきなり。

(大槻ケンヂ)さすがだな!と思ったので五位に入れさせていただきました。

(高橋芳朗)(爆笑)

(熊崎風斗)理由がもう、面白いですね。

(高橋芳朗)じゃあ四位。屋根裏。

第四位 旧・渋谷屋根裏

(大槻ケンヂ)あ、これは旧ですね。昔の渋谷屋根裏。センター街にあったんですけど。屋根裏が怖かったー。

(高橋芳朗)怖かった?どういうことですか?

(大槻ケンヂ)当時、ハードコアパンクっていうのが流行っていて。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』みたいな格好をした人が・・・

(高橋芳朗)ウォーボーイズみたいなのがいっぱいいるんですか?

(大槻ケンヂ)ウォーボーイズみたいなのがいっぱいいたんですよ。そういう人がムチ持って暴れてたりしたんです。もう僕が中高時代。怖くて怖くて。

(高橋芳朗)ちょっと僕、それで大槻さんにまだお話したいことがあって。どのジャンルがいちばん怖かったか?っていう話なんですよ。僕、ヒップホップで。クラブとか行くと、『ヒップホップ、怖いでしょ?』とか言われるんですけども。ぜんぜんそんなことなくて。割と、まあ見た目は坊主頭とかで。宇多丸さんみたいなルックスで。でもまあ、結構フレンドリーな人が。『ヤーマン!』みたいなピースな感じなんですよ。

(大槻ケンヂ)うん。

(高橋芳朗)で、大槻さん、ラウドロック系もそんなに・・・あれですよね?オタクっぽい方が多い?

(大槻ケンヂ)うん。いい人が多いですよ。あのね、80年代ぐらいのパンクのハードコアっつってイガイガのマッドマックスみたいな格好をしている方々っていうのは、当時そういう人たちは悪くしなきゃいけないっていうか。本当にライフスタイルとしてバッドっていうか。バッドボーイじゃないといけないっていうのがあったから。どうしても、暴れざるを得ないっていう部分が。

(高橋芳朗)暴れざるを得ない。

(大槻ケンヂ)本当は優しい方だったり。仲間同士は優しかったりするんですけどね。ただ俺、この間あるライブハウスで、まあ80年代ぐらいのパンクの人大集合のライブで。そこでその、40ぐらいになったパンクの人。飲みながらね、後ろの階段のところで昔話をしてるんですよ。『あの頃は楽しかったなー!あのさ、新宿の昔のロフトの前でさ、ボッコボコにしてやってさ。黒い革ジャンが真っ赤になったんだよな。血で。楽しかったー!』って言って。

(高橋・熊崎)(笑)

(大槻ケンヂ)ああー、やっぱり本当に怖いんだなっていうのはありましたよね。本当にそういう時代がありました。

(高橋芳朗)印象として、パンクもそうなんですけど。パンクとハードコアパンクもそうなんですけど。ロカビリーとか、サイコビリー。怖いって言いません?なんか交流とか、ありました?

(大槻ケンヂ)サイコビリーの方はね、まあ、なくもないですけど。まあでも、僕らが割と草食系とは言わないけど。なんか、あんまりやっぱ、怖い風にしなきゃいけない人同士が会うと、怖くなっちゃうっていう。で、僕らはぜんぜん、そういう人たちにもなんか、『ああ、君たちは面白いから』みたいな感じでね、よくしてもらっていたな。

(高橋芳朗)ああー、怖い同士がぶつかると、いろいろケンカが起きたりするけど。じゃあ、そういう草食系の・・・

(大槻ケンヂ)でもね、意外にねすごいのはあのね、僕より年上の世代のフォークの方々とかね、結構・・・

(高橋芳朗)フォークの方、怖いですか?

(大槻ケンヂ)うん。フォークとかロックとか。僕より上の、いま60代の方々の話とか聞くと、なんかライブハウスのホールの楽屋で。ちょっと誰かがディスったんだって。軽く、人のことを。そしたら、その人が長いテーブルの向こう側からドン!って乗っかって。そのテーブルの上を走ってきて。ダダダダダッ!ってみんな見てる中、走ってきて。その人を蹴っ飛ばしたんだって。

(高橋芳朗)ドロップキック的な。

(大槻ケンヂ)ディスった人を。で、その人が車の、キャスターの付いているイスに・・・だから、キャスターごと、スーッと行っちゃって。そこにあった他のミュージシャンの高い楽器を倒して壊しちゃったの。

(高橋芳朗)ええーっ!?

(大槻ケンヂ)そしたら、その瞬間にケンカしていた2人が直立不動になって。『どうも、すいませんでした!』って。

(高橋芳朗)(爆笑)

(熊崎風斗)ケンカどころじゃないと。

(大槻ケンヂ)ケンカどころじゃない。

(高橋芳朗)割とそのへんはいい子というか。

(大槻ケンヂ)だから結構、僕らより上のフォークの方は結構・・・

(高橋芳朗)うわー、怖いなー。そっか。ケンカに巻き込まれたことも、じゃあ?

(大槻ケンヂ)僕はないですね。

(高橋芳朗)あ、やっぱり。それは上手いこと、こう?

(大槻ケンヂ)うん。ないですね。まあ、言えない・・・(笑)。あ、これはあの・・・まあ、いいや。

(高橋芳朗)(笑)。聞きたいですけども、マズいですか?わかりました。わかりました。

(熊崎風斗)続いて、三位。こちらも旧・新宿ロフトプラスワン。

第三位 旧・新宿ロフトプラスワン

(大槻ケンヂ)これは、いま新宿ロフトプラスワンって歌舞伎町にあるんですけど。昔は、もうなくなっちゃったな。新宿厚生年金会館の横にあったんですよ。で、平野さんっていう新宿ロフトっていうライブハウスのロフトグループの、いま会長さんかな?が、やってらっしゃる。平野レミさんの親戚だったりするんだけど。

(高橋芳朗)へー。

(大槻ケンヂ)で、やってらっしゃったんですけども。トークをする箱なんですよ。で、いまは若い人に任せて。すごく僕もしょっちゅう出てて。楽しいトークがいっぱいあるんですけど。当時は、団塊の。まあ、平野さんが団塊の世代なのかな?だから、いろいろとちょっと面倒くさいオヤジですな。議論の好きな・・・

(高橋芳朗)まあ、ゴールデン街も近いですもんね。

(大槻ケンヂ)うん。みたいなのをやりたかったんですね。だから、僕が最初に出た時かな?町田康さんと一緒のトークライブで。平野さんが、店長さんがまずマイクを持って、僕と町田さんを紹介するんだけど。いちいち町田さんに突っかかるの。町田康さんはいま作家でミュージシャンもやって。昔は町田町蔵っていう名前でパンクロッカーだったの。いまもパンクやってらっしゃいますけども。それで、その何十年も前の話を出して。『町蔵!町蔵!』って。いや、いま町田康さんだから・・・

(高橋芳朗)(笑)

(大槻ケンヂ)『町蔵!町蔵は東京出てきた時、結構キテたよね?』って。もう康さん苦笑いして。『もう・・・はいはい。はいはい』みたいな感じだったんで。『乗らないよ、俺は』みたいな感じで。で、俺、2回目がね、代々木忠さんってAVの監督さんだったんですよ。その方と対談して。その時はもう平野さんの紹介もなかったかもしんないんだけど。

(高橋芳朗)はい。

(大槻ケンヂ)そしたら、その時はお客さんも入ってこれるみたいなスペースを作りたかったんですね。そしたら本当にお客さんが入ってきちゃって。代々忠さんと僕の絡みの中に。突然入ってきて、女の人なんだけど。『エクスタシーに達する芝居をしているメグ・ライアンの真似をします』って言って。

(高橋芳朗)複雑ですね。

(大槻ケンヂ)なんか、メグ・ライアンの映画にあるらしいんですよ。

(高橋芳朗)ああ、『恋人たちの予感』ですね。エクスタシーに達する瞬間のふりをするっていうのがあるんです。名場面です。

(大槻ケンヂ)それを、代々木忠さんと僕の前で突然始めて。どうリアクションをすれば?っていう。『ああーっ!』ってエクスタシーに達したメグ・ライアンになりきって終わったわけですが。代々忠さんも僕も、『で?』みたいな感じになりましたよね。

(高橋・熊崎)(笑)

(大槻ケンヂ)でもそれが、ちょっと許されるような箱。ライブハウス。いまはもうちょっとまろやかになるようになってますけどね。

(熊崎風斗)じゃあ、続いて二位ですね。これ、旭川アーリータイムズ。

第二位 旭川アーリータイムズ

(大槻ケンヂ)ここはこの間弾き語りで行ってきたんですけども。ええとね、素敵なところでね。もう旭川の中にポツンと建っているんですけども。なんて言ったらいいかな?昭和フォーク記念館みたいなところ。

(高橋芳朗)これ、レンガ造りの?

(大槻ケンヂ)うん。もうモダンで。モダンを超えて、つげ義春さんの漫画に出てくるような感じで。で、開けるとね、昭和フォークと70年代ロックのレコードのジャケット、ポスター、写真、サイン。そういうものがブワーッとあって。うん。それでね、なんだろうな?で、2階があるんですけど。2階が控室なんですけど。

(高橋芳朗)ええ。

(大槻ケンヂ)『2階、控室ですから』っつったら、物置みたいなところがあって。俺、久しぶりにちゃんと張ってある蜘蛛の巣って見たんだ。『いや、ここにいるの、嫌だな』と思って。ちょっと旭川のところをウロウロして帰ってきて。ライブ終わって戻ったら、実はその横にもう1個、部屋があって。だからそこはね、やっぱり70年代フォークの、たとえばふきのとうとかのライブチケットとか。吉田拓郎さんのチケットとか。そもそも、店員さんがふきのとうのファンクラブに入っていたっつって。

(高橋芳朗)じゃあもう、博物館みたいな?

(大槻ケンヂ)いや、もう僕ね、あのままね、昭和フォーク記念館で保存すべきじゃないか?って思ってね。いいなと思いました。

(高橋芳朗)メグ・ライアンがエクスタシーに達した話から、ずいぶん変わりましたね。

(大槻ケンヂ)本当ですね。

(熊崎風斗)旭川が二位で。一位は今度、神戸ですね。チキンジョージ。

(高橋芳朗)有名ですね。

旧・神戸チキンジョージ

(大槻ケンヂ)これも旧・神戸チキンジョージ。これ、震災の後にリニューアルして。大きくなって。僕、それからは行ってないんですけど。その前は、神戸の生田神社のそばだったかな?に、あったんですよ。それでね、ええと面白いところでね。ライブハウスがあって。で、ライブハウスの楽屋に行こうとすると、ライブハウスのホールとステージと楽屋の間に、キャバレーがあるんですよ。

(高橋芳朗)ええっ?

(大槻ケンヂ)まあ、あったですけどね。いま、改装してそうなってないけど。いまは変わっちゃったけど。すごいんですよ。そのキャバレーも、昔のキャバレーですよ。その当時も、もうレトロと言うような。なんか社交ダンスみたいなのを熟女のホステスさんとおじさんがしてたりとか。

(高橋芳朗)ほー!

(大槻ケンヂ)あのね、ミラーボールが回って、箱バン。箱バンがなんか演歌歌謡みたいなのを演奏して。ムード歌謡演奏してるんですよ。で、ライブをアンコールなんか行く時も、楽屋に行こうとすると、その吹き抜けの中廊下っていうのかな?天井が高いキャバレーで。その真ん中に渡り廊下があって。そこを通って行くの。

(高橋芳朗)へー!

(大槻ケンヂ)だからそういう昭和レトロな光景を見ながら行くんですよ。楽屋に。

(高橋芳朗)雰囲気がありますね。

(大槻ケンヂ)いや、すごいですよ。で、楽屋にいるでしょ?楽屋の横がホステスさんたちの待機室なの。

(高橋芳朗)あっ、その雑談が聞こえてきたりとか?

(大槻ケンヂ)で、ホステスさんたちが、当時僕、20代だったんだけど。だからそう思えたのか、もう本当、熟女のみなさまですよ。それで、そういうのがキャミソールとかじゃないですね。あれはもう、シュミーズってやつだよね?シミーズっつーの?

(高橋芳朗)じゃあもっと透けて見えちゃっているような?

(大槻ケンヂ)なんて言うか、下着とか。下着の上に着るようなもの1枚で。ドレスアップする前だから。髪とかなんかカールする、あのサザエさんの、丸める・・・

(高橋芳朗)刑事ドラマで聞き込み行くと、隣から『いないのよ』って出てくる。

(大槻ケンヂ)そうそうそう。『大都会』とかであったような。ああいう人たちがウロウロウロウロしてて。『あんたたちも今日、ライブ?』なんて。『はい。今日、出るんです』『よかったら来なさいよ』『いやー、ちょっとお金ないんで行けないっすよ』『安いわよ』なんて呼ばれて。あれはね・・・

(高橋芳朗)それは味がありますね。

(大槻ケンヂ)で、神戸でしょ?だから東京から行くじゃないですか。ものすごい、カウンターカルチャーっていうか。なんて言うか、もうショックを受ける。多くの若いバンドマンが、あそこでショックを受けたと思いますよ。

(高橋芳朗)へー。

(大槻ケンヂ)で、また渡り廊下を歩くと、箱バン。そのキャバレーのいつもいるバンドが演奏してるんですけど。まあ、我々もバンドマンじゃないですか。でも、彼らもバンドマン。でもまあ、本当人とかいないんだわ。人がほとんどいないところで、でもきっと、相当の腕を持っている人たちなんですよ。そういう人たちがもう、なんかムード歌謡とかをこう、やる気なさそうに演奏してて。

(高橋芳朗)本当はロックとか、やりたいのかもしれないですよね。

(大槻ケンヂ)やりたいんじゃないかな?っていうね。実際我々が歩いているのも見えるわけです。でも、そっちは向かないみたいな。なんか、人生模様というか。

(高橋芳朗)そうですね。

(大槻ケンヂ)あれは、強烈な思い出ですね。

(高橋芳朗)いやー、いいお話ですね。

(熊崎風斗)本当ですね。

(大槻ケンヂ)いまはもうないですけどね。

<書き起こしおわり>

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