義田貴士 メンタルトレーナーという仕事と指導方法を語る

義田貴士 メンタルトレーナーという仕事と指導方法を語る たまむすび

メンタルトレーナーの義田貴士さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。メンタルトレーナーという仕事や、メンタルの指導方法などについて話していました。

(赤江珠緒)へー!えっ、義田さんのお父様が高校野球の監督をされていた?

(義田貴士)はい。昔ですけど。僕が小学校ぐらいの時ですね。ずっと。だから甲子園には出場したことがあるんですよね。

(ピエール瀧)お父さんが?

(赤江珠緒)えっ、あ、そうなんですか?

(義田貴士)そうです。だから僕が小学校の低学年だったと思いますけど。甲子園球場のアルプススタンドでずっと応援してたっていうのがあるんですよ、僕。

(赤江珠緒)へー!

(ピエール瀧)お父さんのチーム、がんばれ!って。

(義田貴士)だから、なんかその時に、よし!きっと僕も自分で甲子園に行くんだ!みたいな思いが、幼心にありましたけど。まあ、さっき言ったようにまったくダメでした。

(赤江珠緒)いやー・・・

(ピエール瀧)お父さんの学校に進学するってことは考えなかったんですか?

(義田貴士)いや、それがね、考えたんすよ。

(ピエール瀧)さっきの原監督の話じゃないですけど。

(義田貴士)そうなんですよ。だけど、僕ね、自分に自信がなかったんで。要するに僕がその高校に行くと、『ああ、あのオヤジの息子だから、当然上手いだろう』って思われると。そうすると、下手なんで。オヤジに迷惑がかかるんじゃないか?っていう。『なんだよ!』って言われるんじゃないか?って中学の時に思って。やっぱこう、逃げちゃったんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(ピエール瀧)そうか。複雑っすねー!

(義田貴士)すごい。だからあそこ、人生の岐路ですよ。僕の。

(赤江珠緒)そうですよ。だって親子でって、たしかにね、難しいことですもんね。

(ピエール瀧)まあ、いまのもね、メンタルの話でしたけども。そういったメンタルトレーナーとしての顔も持つと。

(赤江珠緒)いま、2012年から活動されているということで。プロフェッショナル心理カウンセラーの資格も持っていらっしゃる。これ、メンタルトレーナーをやってみようとそもそも思われたのは、ご自身のそういう体験もあってですか?

メンタルトレーナーを目指したきっかけ

(義田貴士)そうです。僕はもう、メンタルが弱くて。でも僕はプロ野球選手になりたくて。で、プロ野球選手を数々取材させていただいた中で、この人たちの共通がメンタルの強さだったんですね。

(赤江珠緒)ああー。

(義田貴士)で、僕は弱いし。メンタル強い方がいらっしゃる中で、じゃあどうやったら強くなって。その仕組みってなんなのか?っていうことを自分なりに考えて。で、1から勉強してみようかなって。

(赤江珠緒)うわー。

(ピエール瀧)でも、たとえばね、それこそ松井もそう。原監督もそうですし。イチローとかもね、もうすごいじゃないですか。メンタルの部分が。あれって、なんか教わった感じじゃないというか。自分で編み出して、ああなっていったりする感じもあるじゃないですか。

(義田貴士)そうですね。あの、たぶん時代がそうだと思うんですけど。自分自身で、自分の経験からいろんなことを考える方。まあ、あとは恩師と言われている方からそういうことを学ぶ。たとえば親から学ぶ。でも、いまはこう、メンタルトレーナーと言われている、心の基礎というものを専門家から学んだ方が結果が出るんではないか?って言われている時代ですね。

(ピエール瀧)うーん。そうか。

(赤江珠緒)えー、実際には具体的にどんな指導をされるんです?

(義田貴士)まあ、ピエールさんなんかは野球をやられていたんでわかると思いますけども。ピッチャーですよね?

(ピエール瀧)僕、ファーストです。

(義田貴士)あ、ファーストですか。あの、打席に入った時に、『ああ、ここで絶対に打たなきゃいけない』って思うけど。『ちょっと打てないかも・・・』とか、『ここで打たなかったら交代させられる』とか。そういういろんな感情、ありません?

(ピエール瀧)3三振の後とかね。

(義田貴士)ですよね。

(赤江珠緒)ちょっとマイナスなイメージが出ちゃう。

(義田貴士)イメージが。でも、ほとんどの方、僕もそうなんですよ。マイナスなイメージなまんまで打席に立つんですね。すると、脳はマイナスをイメージしてるんで、体がぜったいにマイナスになるんですよ。

(ピエール瀧)ああー、もう本来のポテンシャルは引き出せなくなる。

(義田貴士)出せないんです。逆に、じゃあプラスのイメージにすると、プラスになるんですね。体が。ということは、心をプラスに持っていけばいいだけなんですよ。

(赤江珠緒)なるほど。理屈から言うと、そうなりますね。

(ピエール瀧)そうですね。でも、それは人によって『ヤケクソ』って言ったりすることもあるじゃないですか。

(義田貴士)ヤケクソだと、現場に入ってみないとわかんないですね。じゃなくて、それを本当にどんな場面でも大丈夫って思える心を作るんです。

(赤江珠緒)えっ?作れるんですか?

(義田貴士)作れるんです。作れるです。

(赤江珠緒)えっ?

どんな場面でも大丈夫と思える心を作る

(義田貴士)『えっ?』って、すごい驚いてますね。作れるんです。あの、まあこうやって生放送もそうですし、やっぱりこう、多少の緊張感もあったりとか、『失敗したらどうしよう?』って我々、思うじゃないですか。それを、『失敗したらどうしよう?』ではなくて、『きっと成功する。大丈夫』っていう心を作る。

(赤江珠緒)どうやって?どうやって?義田さん。

(義田貴士)これは、まずはですね、なぜその人がそのようにマイナスな感情を持っているか?っていうことを一人ひとりまず聞くということが。

(ピエール瀧)まず机の上に全部出さなきゃいけないわけですね。

(義田貴士)はい。だって人によっては、たとえばさっきの話じゃないですけど、監督さんが怖いからっていう人もいるし。ここで打てなかったらレギュラー外されるっていう人もいるし・・・とか。いや、チャンスだから絶対打たなきゃいけない!っていう思いが強すぎるっていう人もいるんで。このタイプによっても、当然やり方って変わってくるので。

(赤江珠緒)ああ、そうかそうか。

(ピエール瀧)じゃあ、一概にその、ポジティブにしてあげるってやり方も、方角がいろいろある?

(義田貴士)いろいろあるんです。いろいろ。人の感情っていろいろじゃないですか。マイナスっていう感情は一緒ですけど。その、なぜマイナスな感情になったか?が違うので。

(赤江珠緒)はー!まず、そこからですね。

(義田貴士)たとえば、ミスを昔、して。監督にめちゃめちゃ怒られたっていう記憶がある人は、それを思い出すんですよ。

(赤江珠緒)はー。

(義田貴士)ここでまた三振したら、たぶん監督に怒られるかも・・・っていう。そうすると、それはもうマイナスのことを思ってますよね。すると、監督さんに怒られたっていうことをどうやって紐解いてしっかりする必要があるか?です。まあ、たとえば我々もそうですけど。生放送でミスしてプロデューサーから怒られたっていうと、ああ、もうミスできない!とかって思うじゃなですか。

(赤江珠緒)ああ、そうですね。

(義田貴士)そうすると、ミスしないためにどうしよう?ってことになりますよね。

(赤江珠緒)うん。

(義田貴士)すると、結果ミスするんですよ。

(赤江珠緒)ああー。えっ、じゃあ『好きな子が見に来ているから、ここはかっこ悪いところを見せられない』っていう・・・

(義田貴士)っていう考えは、マイナスになりますよ。けど、『好きな子が見に来ているから、なんかすごいいいところを、僕のパフォーマンスを見せて。もっと好きになるために、ワクワクドキドキ、心地いいな、楽しいな!』と思えて打席に入れると、これはプラスに出ますよ。

(赤江珠緒)はー!

(ピエール瀧)でも、それが自然に出来る人って長嶋監督ぐらいですよ(笑)。

(赤江珠緒)(笑)

(義田貴士)たぶん、その通りだと思います(笑)。

(ピエール瀧)ねえ。そうですよね。

(赤江珠緒)あ、でもそういう、なるべく思考回路に持っていく?

(義田貴士)心と思考を持っていくために、だからまあ、基本的にメンタルトレーナーってすぐ今日言って、明日できるものではないので。なので、基本的には長期契約をさせていただいて。いろいろと紐解くということですね。

(ピエール瀧)そうですよね。トレーナーの方に自分のある意味、コンプレックスみたいなところも吐き出さなきゃいけないので。そこの人間関係の信頼関係をまず築かないと、話してくれないですもんね。

(義田貴士)そうなんですよ。『はじめまして』っていう人でね、そんな自分の心の悩みを言うってこと、ないじゃないですか。なので、信頼関係を作るのはとっても大切なんですよ。

(赤江珠緒)はー!そうかー。

(ピエール瀧)そっからもう、始まってるんですね。じゃあね。

(赤江珠緒)でもいま、実際に甲子園を目指す高校球児のメンタルトレーニングをされているということで。その高校生も、やっていくことで変わってくるんですか?

(義田貴士)ああ、もうぜんぜん変わってきまして。まあ、ある高校は、いままでずっと県で1、2回戦負けのところが、ちょっと、もちろん僕だけの力じゃないんですけど。みなさんスタッフでやって。1年半後の夏の大会で、県の決勝戦まで行くことができたと。

(赤江珠緒)ええーっ!?

(ピエール瀧)いや、でもまあ、高校野球でメンタルトレーナーを採用しているってことは、やっぱり相当しっかりした学校か、目標を持って甲子園だ!っていうようなところっていうことですよね??

(義田貴士)そうです。そうです。

(ピエール瀧)のんべんだらりとやっている学校は、呼ばれませんもんね。

(義田貴士)そうですね。はい。

(ピエール瀧)そういうことですよ。

(赤江珠緒)いやー、そうか。でもこれは、高校野球に限らず大人でも?

(義田貴士)あの、僕いまちょっと名前は守秘義務あるんで言えないですけど、あるプロ野球選手とか、あとまあ企業の社長さんとか、企業とかっていうこともやらせていただいてるんですけど。要は、目標があるじゃないですか。たとえば売上目標とか、プロもこれぐらい成績を出したいとか。そこに到達するために、どういう心を持って行くと到達できるか?っていうことなんで。これはもう、あらゆるジャンルで。

(ピエール瀧)やっぱりこれね、さっきも言いましたけど。昨日の青森大会でね、最後、振り逃げで、ワイルドピッチで決勝きまっちゃうとか。まあ、甲子園でもありましたけども。ランナー三塁でバックホームなのに一塁に投げちゃって、試合が終わっちゃうとかっていう。その子たちの傷って、すごいものがあるじゃないですか。もう上のレベル、大学とかに行けなくなっちゃうぐらいなのかな?っていう風に思ったりもするんですけども。そういう子たちには、どう声をかけて・・・

(義田貴士)これ、まさにピエールさんがおっしゃったように、その子たちは次の人生があるんで。ここはしっかりと向き合う必要があるんですよ。要するに、あれだけの才能がある方なんで、上に行くと、また自分の目標に到達する可能性があるじゃないですか。なので、たとえばああいう、昨日の青森のピッチャーでいくと、まあ自分のミスとはいえ、それをしっかりと全部出させます。

(赤江珠緒)ああー。

(義田貴士)『それはそうだよね。これだけ泣くぐらい悔しいよね。あと一歩だったもんね』とかって思いをウワーッ!っと出させます。ずっと聞いて。で、『さあ、1回、1日ぐらい考えてみよう。もういい。悔しくて。悔しいというのをしっかりとまず向き合いましょう』っていう。で、その後に、次の日とかに、『さあ、どうだったか?ここから、このまま悔しくて、なにもしなくて、この夏休み、ボーッとする1ヶ月を過ごすのか、それか大学とかプロを目指して、さあ1ヶ月ってどのように行動するか。はい。これで差は出ると思うんだけど、どうしようかな?』って。

(赤江珠緒)はー!なるほどね!

(ピエール瀧)やっぱ、1回吐き出させなきゃダメなんすね。やっぱ。

(義田貴士)そうです。

(ピエール瀧)自分の中にしまいこんで、うーん!ってなっていると、いつまでもその傷は治らないっていう。

(義田貴士)治んない。で、結局、行動していただくことだけなんですよ。我々の人生が変えられることは。ということは、行動ができるように、どのようにこっちが心を持っていくか?なんですね。

(赤江珠緒)なるほどね。いや、これは納得。うん。そうですね。

<書き起こしおわり>


義田貴士 メンタルトレーナーという仕事と指導方法を語る
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