松尾潔が語る ロビン・シックとマーヴィン・ゲイの共通点

松尾潔が語る ロビン・シックとマーヴィン・ゲイの共通点 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でロビン・シックとマーヴィン・ゲイの、『Blurred Lines』以外の共通点について話していました。

(松尾潔)今週はレギュラープログラム、メロウな風まかせとまいりましょう。葛谷葉子さんの曲が『最後の夜』でしたね。夜の後には朝が来るもの。お届けするのはロビン・シック(Robin Thicke)で『Morning Sun』。

お届けしたのは白人シンガーソングライター、ロビン・シックの新曲で『Morning Sun』でした。ご存知のようにロビン・シックは近年は『Blurred Lines』の大ヒットで知名度を格段に上げております。

『Blurred Lines』騒動

『Blurred Lines』はちょっとミソをつけてしまいましたね。マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の『Got To Give It Up』。邦題『黒い夜』に酷似してるということで、マーヴィン・ゲイの遺族たちがロビン・シックですとか、その曲のプロデューサーでありましたファレル(Pharrell)を訴えるという騒動になりまして。

敗訴です。大方の音楽業界の予想というか希望を裏切って、敗訴でしたね。これは世界中の音楽関係者に波紋を呼びました。一石どころではすまない、大きな波紋を投げかけました。当のロビン・シック、とは言っても、マーヴィン好きだもんな。好きなもんはしょうがないなと。同じようなことを、よく久保田利伸さんがこの騒動に関しておっしゃってますけども(笑)。今回の新曲『Morning Sun』というのも、まあ、普通に歌うとマーヴィンっぽさが出ちゃうんだなと。

それ故に、『Blurred Lines』の時に、彼にまったく悪意がなかったということも明らかになっているわけなんですけどもね。まあ、いろいろと考えさせられます。この騒動に関しては。ロビン・シックは、この『Morning Sun』という曲を出す前に、まあ『Blurred Lines』騒動とこの『Morning Sun』の間に、ひっそりと『Paula』というアルバムを出しています。

これは長年連れ添った、まあ高校時代からのガールフレンド、そして妻であり、いま人気女優でもありますね。ポーラ・パットン(Paula Patton)との別れっていうのがありまして。まあその彼女に捧げる『Paula』っていうアルバムを作ったんですね。で、これがまあ、口の悪い人たちの間では、『慰謝料目当てのアルバムだ』と。まあそういう揶揄も聞かれたんですけど。その別れ行くパートナーへアルバムを贈ること自体が、かつてマーヴィン・ゲイが『Here My Dear(離婚伝説)』っていうアルバムでやったことと同じですからね。

むしろそのことの方が、確信犯ぶりを示す出来事だったんじゃないかな?なんて、こうちょっと、皮肉めいた見方もしてしまうわけなんですが。まあ、長いこと定点観測のようにR&B、ソウル・ミュージックっていうものをずっと聞き続けていると、こういう見立ても、どうしてもやっちゃいますね。そこがまた、ひとつの音楽を聞き続ける魅力かな?なんて思いますが。

<書き起こしおわり>

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