吉田豪 3.11の思い出を語る

吉田豪のインタビュー術『聞き出す力』を語る 上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!

吉田豪さんがニッポン放送『上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!』に出演。ちょうど3月11日の放送だったため、4年前の2011年3月11日、東日本大震災直後の思い出を話していました。

(上柳昌彦)豪さんはあの4年前の3月11日はどこにいたんですか?

(吉田豪)僕はもう普通に自宅で仕事してたら、大変なことになったっていうね。

(上柳昌彦)新宿でしたっけ?

(吉田豪)新宿です。新宿二丁目なんで。思ったよりオネエの方とかはいなかったですね。みんな同じ場所に集まってきて・・・みたいな感じでしたけど。もっと普通のお仕事をされている方たちが集まってきて。どうしよう?ってなってましたね。

(上柳昌彦)本、いっぱいたしか持っていて。

(吉田豪)事務所がカオスになるし、自宅もガス止まるし、みたいな感じで。いろいろ面倒なことはありましたけど。でも、いちばん印象的なのはあれですね。その時期に、イベントがほぼ中止になったじゃないですか。で、ロフトプラスワンっていう僕がよく出ているイベントの箱も、イベントがなくなっちゃったんですよね。で、このまま休み続けるとあそこの経営がヤバいってことになって。たのむからやってくれって言われて、僕と杉作J太郎先生と2人で震災後1週間ぐらいかな?前半Ustreamもやって。まあ、こんな時期だからこそでバカ話をやったら、それを見て勇気づけられたみたいな人が現場まで来たりで。

(上柳昌彦)うんうんうん。

(吉田豪)杉作さんっていう人が実はすごいエコな人で。自宅は真っ暗にして、夏も冬もエアコンとか使わず、全裸で生活するというね、非常にエコロジーな人なんですよ。で、その日も散々言ってたのが、『こういう時だからこそ言いたいのはね、節電って言われているから。電マは使うな!』っていう話で(笑)。

(上柳昌彦)電マは使うな!って話になるって・・・使わないでしょうね。

(吉田豪)『そういうところで電化するのがよくない!』っていう話をずーっとしてましたね。

(上柳昌彦)なるほどねー。

(松本秀夫)お店の方なんかも、結構ガサガサしてましたけど。大丈夫だったんですかね?

歌舞伎町もおかしくなっていた

(吉田豪)あの頃はだから、歌舞伎町もおかしなことになっていて。そのロフトプラスワン行く途中に、客引きが『もうこんな時代だから、お金使うしかないですよ!』みたいな誘い方するんですよ(笑)。

(松本秀夫)『こんな時だから、お金使うしかない』。

(吉田豪)そうそう。で、キャバクラのお客さんもすごい減っているみたいな報道が当時、東スポとかに載っていて。その、たしか3月12とか13に、黒田勇樹さんっていう、元俳優で、その後、フリーターになって。現在、また俳優復帰してるっぽいですけど。その人の取材をした時に、取材後ですよ。僕、あんまりないんですけど。その人がちょうどその頃、日本を勇気づけるみたいな活動を始めた頃で。『一緒にキャバクラに行こう』っていう話になって。『わかりました。僕がおごります!』ってことで。黒田勇樹さんに歌舞伎町でキャバクラをおごったっていうのが震災直後の思い出ですよ。

(松本秀夫)あ、そうですか。ある意味、貴重な。

(吉田豪)いや、貴重ですよ。キャバ嬢のコメントとかは。あの、その子も結構被災地の方の人で。『いろいろ気になってるんだけど、店が厳しくて休ませてくれない』って言ってて(笑)。

(上柳昌彦)はー!

(吉田豪)『キャバクラ、怖え!』って言ってたんですよ(笑)。『ペナルティーが高いんですよ』って言ってて。

(松本秀夫)あ、休んだりすると。

(吉田豪)そうそうそう。

(上柳昌彦)お客さんの足はちょっと途絶えてるんだけど、勝手には休めないんですか?

(吉田豪)そうなんですよ。

(上柳昌彦)厳しいですね!

(吉田豪)そう。すげー怖いと思いましたよ。

(上柳昌彦)東北出身で、気になるから帰れるものならなんとか・・・

(吉田豪)『帰りたいのに帰れないんです』って言ってて。

(上柳昌彦)ええーっ!?

(吉田豪)というのが僕の3.11の思い出。

(上柳昌彦)はー。ですか。なるほど。まあ、本当にそれぞれ、ねえ。見たもの、聞いたもの。点でしかないですからね。もうどこを取り上げるかでぜんぜん印象が違うと思うんですけど。僕もあの、3週間後にやっと、まあ車で仙台に行って。東北放送さんで放送させていただいて。で、まあ前の日。やっぱり夜、腹減ったから飯を食おうと。でもやっぱり、なんとなく、飲んでいいんだろうか?みたいな感じになるんですけど。もう、国分町っていう仙台の繁華街なんか、すごい人いっぱい。賑わってるんですよ。で、もうその時点で3週間後ですから、外からいろいろ工事関係の方が入ってきていて。

(松本秀夫)はいはい。

(上柳昌彦)まあ、賑やかでびっくりしたんですよね。だからその海岸部の方の、なんにもなくなってしまった、泥だらけのところで、ねえ。砂を出している方とはいまでもお付き合い、あるんですけども。その真っ暗でなにもないところと、その国分町の明かりとの落差にね、なんかもう、ついていけないというか、参っちゃった感じがしましたね。うん。

<書き起こしおわり>

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