吉田豪 TM NETWORK以前の小室哲哉を語る

吉田豪 TM NETWORK以前の小室哲哉を語る 上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!

吉田豪さんがニッポン放送『上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!』に出演。TM NETWORK以前の小室哲哉さんについて語っていました。

(上柳昌彦)この時間、プロインタビュアーの吉田豪さんにいろんなバンドのお話を頂いていますが。続いては、TM NETWORK。小室哲哉さん。哲っちゃんですかね。

(吉田豪)そうですね。今年、初めて取材させて頂いて。『ヘドバン』っていうメタル雑誌で取材で。だからまあ、V2っていうYOSHIKIさんと組んでいたユニットの話を中心に聞くみたいなテーマだったんですけど。そのテーマでも関係なく、僕の中で決めていたテーマが、小室さんが普段聞かれてないような話ばっかりしたいなっていう。要はTM以前の話中心だったんですよ。

(上柳昌彦)はあ、はあ。

(吉田豪)裕也ファミリーだったころの小室哲哉とか(笑)。

(上柳昌彦)内田裕也さんファミリー?

小室哲哉は内田裕也ファミリー

(吉田豪)そうなんですよ。ニューイヤーロックフェスに何年か連続で出てたころっていうのがあって。あの『ホタテのロックンロール』のレコーディングに参加してるんですよね。安岡力也さんの。

(松本秀夫)ホタテマンですね。

(吉田豪)ホタテマンの冒頭のシンセで参加してて。

(上柳・松本)へー!

(吉田豪)それによって、裕也さんの中で刷り込まれて。裕也さんとか力也さんはずーっと小室さんのことを『ピコピコ』って呼んでたっていう(笑)。『おい、ピコピコ!』っつって(笑)。

(上柳昌彦)すごいシンセなんですけど、みたいな。

(吉田豪)その微妙な接点だけで結婚式まで呼ばれたっていうね。小室さんの結婚式になぜか裕也ファミリー呼ばれて、みんなビビってたんですよ。なんで裕也さんとか力也さん来てるんだろう?っていう。ピコピコ時代の接点だったっていう(笑)。

(上柳昌彦)はー、そうだったんですね。でも、ホタテマンのころにもうTM NETWORKとしては活動は・・・始める以前に?

(吉田豪)はい。でも過渡期ぐらいかな?そのころで。まだキーボードでそんなにできるような人がいないような時期だから引っ張りだこで。白龍さんのバックバンドやらされたりとか。

(上柳昌彦)そういう時代はあったみたいですね。

(松本秀夫)ホタテのロックンロールが83年って書いてありますね。

(吉田豪)そうですね。直前ですね。だから、そのころの話を聞くと面白いんですよ。だから対バンがザ・スターリンだったりとかして。『えっ、小室さん、ザ・スターリンと対バンしてるんですか!?』って。スターリンっていうのは・・・

(上柳昌彦)内臓投げちゃったりしますからね。

(吉田豪)そういうバンドだったんで。『すごかったですよ。あの、お米まいてました』って言ってて(笑)。『お米!?お米だったんだ』って思ったら、その時は、なんか裕也さんとかにダメ出しされたらしくて。『ステージでそういうのをやるな』って言われて。やむなくご飯をまいていたらしいんですよ(笑)。

(上柳昌彦)あ、汚れちゃうからね。

(吉田豪)そうそう(笑)。

(上柳昌彦)豚とかなんかのそういうね、内臓的なものを。

(吉田豪)豚の生首投げたりとか。

(上柳昌彦)おまけにまいちゃうっていうのがパフォーマンスだったんですけども。

(松本秀夫)スターリン。

(吉田豪)たしかに怖いところでそういうことをやるとね、問題が起きるって。

(松本秀夫)内田裕也さんに怒られてお米をまいたって。掃除はしやすいですよね。米粒はね。

SPEEDWAY時代

(吉田豪)みたいな呑気なエピソードがどんどん出てきて。あと、もう1個ずーっと聞きたかった話があって。小室さんがらみの本を読んでいて出てきた、SPEEDWAY時代のエピソードってのがあって。前身バンドがあったんですよ。

(上柳昌彦)もう3人でやっていたけども、名前が違うころですね。

(吉田豪)そうです。そうです。音楽性もぜんぜん違ったバンドのころに、アルバムを出すためには条件があるということで、タイアップのシングルを作らなきゃいけないっていう。それが月光仮面のシングルだったんですね。

(上柳昌彦)えっ、そんなのやってたんすか?

(吉田豪)そうなんですよ。月光仮面が当時、実写でCMをやっていた時期があって。それのテーマ曲をSPEEDWAYっていうか小室さんが作るということになって。で、本には書いてないですけど、そういうわけで急遽月光仮面の原作者の方と打ち合わせをすることになったらしくて。

(上柳昌彦)当時?

(吉田豪)当時。それってつまり森進一さんと騒動になったあの人ですよ。

(上柳昌彦)そうですよね。

(吉田豪)川内康範先生ですよ。日本の国士としても知らえる(笑)。

(上柳昌彦)グリコ・森永事件の犯人に『出てこい!』って言った方ですよね?

(吉田豪)晩年は耳毛としか言われてなかったですけども、本当はすごい人っていう。

(上柳昌彦)耳毛(笑)。

(吉田豪)だから、サラッと書いてあるけどすごいことなんですよ。小室さんが川内康範先生の家に行って打ち合わせしてるんですよ(笑)。月光仮面の(笑)。で、このエピソードも最高で。川内康範先生から指定されるんですよ。この歌詞をやってくれって。タイトルまで決まっていて、『ジーパン履いた赤トンボ』かな?(笑)。

(上柳昌彦)ジーパン履いた赤トンボ。

(吉田豪)そんなタイトルを出されて、そういうのをなんとか小室さんなりにギリギリの間で、英語にしようとかいろいろ(笑)。変えて、戦って、なんとかしたっていう話なんですけど。

(松本秀夫)プロのコンポーザーとして、いろんな苦労があったんですね。

(吉田豪)下積み長いんですよ。実は(笑)。

(上柳昌彦)自分が思ったものをすぐにできたわけじゃないってことですね。

(吉田豪)そうそう。

(上柳昌彦)そんな接点があったんだ。

(吉田豪)異常に面白い人なんですよ。で、前回はそういうテーマだったんで聞き忘れたんですけど。帰り際にスタッフの人と話してて。『小室さんは他にも面白いエピソードあるんで、また取材お願いします』って言われて。『外国のアーティストの交流だけでも面白いですよ』って言われて思い出したんです。あ、マイケル・ジャクソンとの交流も面白いんだ、あの人は!って。

(上柳昌彦)マイケル・ジャクソンとの交流?

マイケル・ジャクソンとの交流

(吉田豪)あの人、ネバーランド行ったことある人ですからね。小室さんって(笑)。

(上柳昌彦)そうなんですか?招かれて?

(吉田豪)招かれて。いろんな話、できるはずですよ。

(上柳昌彦)もう、そのお金がどんどん入ってきた時にはね、いろんなことをしてるはずですからね。

(吉田豪)そして、そんなに語られてない面白いネタもいっぱい持ってる人っていう。

(上柳昌彦)よく飛行機を飛ぶのを止めたりとかね、いろんなことをしてるっていうのはちょいちょい聞いてますけど。ネバーランド行ったんだ。は~!

(吉田豪)いろんなことをしてますよ。

(松本秀夫)いろんな名前が出てきて、その都度、口がポカンという感じでしたけども(笑)。

(吉田豪)ぜんぜんTM NETWORKの話じゃないっていう(笑)。

(松本秀夫)では、こちらリクエストをいただきました。TM NETWORK『GET WILD』

(上柳昌彦)菊池桃子さんがお見えになるんですが、プロインタビュアー吉田豪さん、菊池桃子さんと小室哲哉さん、なんかあるんですって?

(吉田豪)そうなんですよ。小室さん、僕がすごい信用できると思ったのが、TM NETWORKの本を全部揃えた時に、最初の本っていうのが写真集だったんですけど。そこにメンバー全員のアンケートコーナーがあって、好きな雑誌とか好きなアーティストのことが書いてあるページで。他のメンバーはそれこそ、メンズノンノとかいろいろ答えている中で、小室さんの愛読書はORE(オーレ)と投稿写真とBOMB(ボム)っていう80年代アイドル雑誌のみだったんですよ。

(上柳昌彦)懐かしいですね。

(松本秀夫)投稿写真ってディープな雑誌ですよ。

(吉田豪)かなりディープなんですけど。ちょっとこれだとナメられると思ったのか、アルファベットで『TOUKOU SHASHIN』って書いてあって(笑)。

(上柳・松本)(爆笑)

(吉田豪)そういうところもすごいよくて。うわー、小室哲哉、すげーいい!と思った瞬間ですよ。ローマ字で書いてる!っていう(笑)。

(松本秀夫)漢字で書いちゃうと・・・(笑)。

(吉田豪)そうそう(笑)。

(上柳昌彦)男の子だけがわかるんだ。女の子はわからない。

(松本秀夫)かわいいですね。

(吉田豪)好きなアーティストもいわゆるB級アイドル的な、八木さおりさんとかそういうものだけ並んでいて。うわー、信用できる!って思ったんですよ。

(上柳昌彦)正直な方だ(笑)。

(吉田豪)それを考えると90年代に、いわゆる小室ブーム的な、TKブームを起こした時のアーティストって、実はB級アイドルだった人たちを小室さんが復活させてた流れだったんですね。

(上柳昌彦)そうですね。歌が上手い人を見出してね。バックにこう、いろいろつけてね。

(吉田豪)華原朋美さんもそうですけど。全員実はアイドル的な活動をしてた人なんですね。

(上柳昌彦)本当だ。本当だ。

(吉田豪)っていうのを思って聞いたら、実は本当小室さん、『全くその通りです』って言っていて。『その原点がラ・ムーだった』って言ってて。

(上柳昌彦)おおー、菊池桃子さんが。

(吉田豪)そう。ラ・ムーを見て、ビジュアルから考えたら、バンドの真ん中の人がかわいくて美人な方がいいに決まっていて。それで演奏がいいっていうのは有りだと思ったって、ラ・ムーを見て発見して。これだ!と。

(上柳昌彦)その後の様々なTKサウンドの、いろんなバンドいましたけども。

(吉田豪)アイドルを別の形で蘇らせて、バンドサウンドにするっていう。ラ・ムーだったんですよ。

(松本秀夫)これ、菊池桃子さんに言ったら、『ええっ?』ってことに・・・

(上柳昌彦)菊池桃子さんがいて、黒人の女性が踊っていて、その後ろにバンドがいるみたいなね。ラ・ムーですよね。

(松本秀夫)どこまでがラ・ムーなんだろう?っていうね。

(上柳昌彦)よくわからない、結局、みたいな。

(吉田豪)当時、そんな評価されなかったですけど。音楽好きの間では意外と再評価されたりとかしてて。

(上柳昌彦)音が良かったってことですね。きっとね。小室さんが見出してるってことは。

(吉田豪)ロックバンドみたいな感じで売り出されちゃって。『ロックじゃないじゃん』って言われたけど。それだけのことなんですよね。

(上柳昌彦)やり方としては、ありだったと。ちょっと時代が早かったかも、みたいな。

(吉田豪)バンドブームの、いわゆるロックバンドの音とは違いすぎたってことですよね。

(上柳昌彦)だから小室哲哉さんと菊池桃子さんがもうちょっと接点があったり、時代的に近かったら、なんかわからないことになったかもしれないですね。

(吉田豪)そうですね。

(上柳昌彦)ということでございました。

<書き起こしおわり>

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