宇多丸・ミノワダD CIVIL WARとマーベル映画の今後の展開を語る

宇多丸・ミノワダD CIVIL WARとマーベル映画の今後の展開を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

タマフルのディレクター・ミノワダさんがTBSラジオ『タマフル』放課後ポッドキャストの中で推薦図書としてアメコミ『CIVIL WAR』を紹介。宇多丸さんとマーベル映画映画の今後の展開などを語っていました。

シビル・ウォー (MARVEL)

(ミノワダ)ディレクターのミノワダです。じゃあ僕もサクッと1冊だけ。アメコミのおすすめを持ってきました。

(古川耕)アメコミだ。

(ミノワダ)えっと、『CIVIL WAR』という、ご存知の方も、読んだこととかタイトルを聞いたことある方、多いと思うんですが。『CIVIL WAR』という、ヒーローからいうと、アベンジャーズを始めとするですね、マーベルコミックのヒーローたちが勢揃いして、二分して、内ゲバと言ってはあれなんですけど、二分して内戦というか、ちょっと戦うというストーリーでして。簡単なあらすじを説明しますと、ヤングアベンジャーズという若手のヒーローたちがちょっと一般市民を大量に巻き込む事故を結果的に引き起こしてしまい、市民たちの反発が起きてですね、ヒーローたちは政府の管理下に置くべきではないか?と。

(古川耕)ふんふん。

(ミノワダ)どこにどんなヒーローが住んでいて、どんな能力を持っているのか?を市民は知る権利がある。じゃないと守るものも自分の身を守れないという、ヒーロー登録法というのを制定しようっていう動きがありまして。それに反対するヒーローたちと、それにならうヒーローたちが二分して戦うという話ですね。主にキャプテンアメリカが『自分たちの戦う敵は自分たちで決める』と、その法案に反対して。レジスタンスというか、半分、反政府組織とかしてゲリラ戦を行う。アイアンマン、トニー・スタークが政府の傘下に入って、『ヒーロー登録法にみんな入れよ』と斡旋するという役でですね、激突するという話で。

(古川耕)ふーん。

(ミノワダ)いまさらなぜこれを・・・これ、2006年から2007年にかけて本国で展開されて。日本で翻訳されたのは2011年。アベンジャーズ第一作の前の年に翻訳されたんですけど。なぜ、いまさらこれを?と言うと、先日、マーベルがシネマティック・ユニバースのフェイズ3という計画を発表して。

(宇多丸)これからの、作るやつを。

(ミノワダ)作るやつを発表してですね。なんと、キャプテンアメリカ3がサブタイトル『CIVIL WAR』という、まんまのタイトルが出てきて。まあ、これをベースにすることはほぼ間違いないだろうという。で、またね、ニュースでご覧になった方も多いと思うんですけど。アイアンマン、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)が『アベンジャーズ以外は僕、基本的にアイアンマンやらないから』って言ってたのが、どうやらアイアンマン3にはアイアンマン役で出るんじゃないか?というので話題になったのでご存知の方も多いと思うんですが。これをベースにすることはほぼ間違いないと思いますので。まあ、その予習と。あと、普通にこれ単発で話が完結してるので。

(宇多丸)ほう。

(ミノワダ)非常に読みやすいです。僕もアメコミは、映画こそ見ていたけどコミックスはちょっと手を伸ばしていなかったんですけども。はじめに買ったコミックスがこれでして。非常に完結しているので読みやすいと思うので。

(宇多丸)要はアメリカ人にとっての『国』とはなにか?っていう考え方の・・・ちょっと日本でそういう、たとえばさ、連邦政府が命令することに対してこっちの本来の権利で反発するとかってさ、残念ながらさ、そういう発想はないじゃないですか。

(古川耕)キャプテンアメリカが反政府側に回るっていう理屈って、一瞬理解できないかもしれないですけど。

(宇多丸)でも、それがすごい本来の。これが本当のアメリカだ!っていう。

(ミノワダ)それがキャプテンアメリカがその役っていうこの意味ですよね。

(宇多丸)まさにさ、『ウィンター・ソルジャー』からの流れっていうと、ちょっと考えやすいよね。

(ミノワダ)そうですね。ちょっと疑問を抱いたところで終わるという。

(宇多丸)疑問だし、その・・・あれはほら、やっぱりさ、その管理社会というのかな?その・・・

(ミノワダ)敵は政府が決める敵が本当に正しい敵なのか?っていうところもあったじゃないですか。テーマとして。まさにキャプテンアメリカはそれを今回言っていて。『政府が決めた敵がかならず正しいのか?自分たちの心はどうすればいいんだ?』ということで反発する。

(宇多丸)だからまさにあの流れでくるということですね。ウィンター・ソルジャーはもちろん傑作だったから。一方では『ガーディアンズ(・オブ・ギャラクシー)』もあってさ。

(ミノワダ)非常に楽しみ。

(宇多丸)いや、でもその2つってかなり違う世界観だと思うんだけど・・・

(ミノワダ)僕の予想では、来年やる『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン(Avengers Age of Ultron)』と『キャプテンアメリカ3 CIVIL WAR』で地球の騒動は一旦・・・

(宇多丸)っていうかガーディアンズはガーディアンズで行くでしょ?もう、スターウォーズ的に。もうこっちはこっちで、しばらくは。

(ミノワダ)それで、そのアベンジャーズ3のタイトルが『Infinity War』っていうのが発表されてですね。それが何を示すかというとですね、僕はまだコミックスを拝見してないのであまり詳しくはないんですけども。『インフィニティ・ガントレット(Infinity Gauntlet)』というクロスオーバー作品がありまして。それが、過去のアベンジャーズ、マーベル・シネマティック・ユニバースに出てきたエーテルですとかコズミック・キューブとか。そのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーで語られていた宇宙が誕生する前の・・・

(宇多丸)キーね。キーとなるような。

(ミノワダ)元素6個。あれをひとつのガントレット。手袋にはめると無敵の力が手に入るという話がげんさくにありまして。それの敵がちょいちょい出てきているジョシュ・ブローリンが演じると言われているサノスという。椅子に座った金ピカのおじさんがですね。あれがインフィニティ・ガントレットというのをはめて大暴れするというクロスオーバー作品がコミックスであり、次のアベンジャーズが『Infinity War』ということは、ついに彼が大暴れする時がくる。なので、3で確実にアベンジャーズとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが合流する、と思うんですよ。

(古川耕)ふんふん。

(ミノワダ)なので、CIVIL WARで1回仲違いをして、丸く収まるのかわかんないですけど、地球の争いは1度収まって、いよいよ宇宙へ・・・というのに思いを馳せながらCIVIL WARを読んでいただくというのが非常に・・・で、非常に登場人物がコミックスは多いんですけども。巻頭にですね、本当に簡単ではあるんですけど。どんなヒーローでどんな能力を持っているか?が書いてあるので。読みながら、こいつ知らないなと思ったら、巻頭に戻っていただいて。あっ、こんな能力があるんだっていうのから、徐々にご自分で調べていただいてとかですね。結構、入門編として・・・入門編として完全におすすめというか、単巻として読みやすいし、話も純粋におもしろくて。あと、絵も非常にキレイで読みやすいので。僕はこっからアメコミの原作本に入っていったので。

(宇多丸)なるほど。CIVIL WAR。

(ミノワダ)非常に。で、映画の展開の想像を思い馳せながら読んでいただくといいと思います。

<書き起こしおわり>

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