ライムスター宇多丸さんが TBSラジオ『タマフル』の中で、ラッパーYOUNG HASTLEの曲を紹介。そのラップの特徴である歌詞の面白さについて語っていました。
（宇多丸）ということで、1曲いきましょうか。本日はですね、K DUB SHINEさん、そして小林雅明さんをお招きしての、NAS IllmaticというHIPHOP史上に残る名盤特集。そしてAKLOのスタジオライブがあったりしますので、まあHIPHOP祭りなわけですよ。なのでまあ、ここで1曲かけるのも、HIPHOPにしようかなと。で、ここのところライムスターのベスト盤とか、先週のね、EGOくんの曲かけてますけど。ずーっとね、かけたくて。なかなかタイミングが合わなくてかけられなかった曲がありますので、ちょっとこちらをかけたいと思います。
7月23日にすでに発売されておりますアルバムからの曲なんですけど。YOUNG HASTLEさんというラッパー、ご存知でしょうか？もうすでに今回のアルバム『Return of the Hastle』というのが3枚目のアルバムになるんですけど。なんて言えばいいんですかね？歌詞が面白いラップ。それこそ今日のK DUB SHINEなんかもまさにそうですけど。ちゃんと言っていることが面白い。もちろん、ラップがかっこいいのは当然のことなんだけど。ちゃんと言っていることが面白くて、あんまり言っていることが面白いから、ちゃんとヴァースを最後まで聞きたくなるラッパーっていう意味で、僕はやっぱりこっちゃんか、YOUNG HASTLEか、ぐらいの感じが本当にしますね。
あの、かならず、面白いっていうのはファニーなだけじゃなくて、インタレスティングも含めてなんですけど。で、いままでシングルとして出している曲で、非常に要はHIPHOPシーンを超えて話題になった曲をいっぱい出している。たとえば、『V-Neck T』。VネックTシャツへのこだわりを歌った『V-Neck T』。そんなものが曲になるのか？ってみなさん、思いますよね。これを歌っているとかですね。
YOUNG HASTLE『V-Neck T』
あとはまあ、筋肉ね。YOUNG HASTLEというだけあって、体を鍛えてやっている。筋肉のこだわりを歌った『Workout』という曲。
YOUNG HASTLE『Workout』
あるいは、日焼け。日焼けサロン、日焼けへのこだわりを歌った『Blackout』。
YOUNG HASTLE『Blackout』
こういうね、ちょっとトピックとして面白いところを目をつけるなっていう曲で割とHIPHOPとかぜんぜん聞かないね、パンクとかの畑の人から俺ね、『あれ、なんかすごい面白い曲歌っている人いるね』って話したり。ちゃんと外に刺さるように、ちゃんと意図的にそういうトピックを選んでやっているっていうのが頼もしいあたりじゃないかと思います。ということで、Vネック、筋肉、日焼けときて次は？っていうことで、今回は『匂い』っていましたね。いわゆる香水ね。パフュームっていう感じのね。そちらの匂いできたという。
あの、先ほどチラッと話しましたけど、園（子温）さんのTOKYO TRIBEにも出演されているラッパーでございます。YOUNG HASTLE、3枚目のアルバム『Return of the Hastle』、現在発売中に収録されているイチ押し曲といっていいでしょう。今回は匂いだ！今度は戦争だ！じゃなくて、今度は匂いだ！YOUNG HASTLEで『Smell Good』。
YOUNG HASTLE『Smell Good』
※1：40あたりから始まります
（宇多丸）なんの考えもなくこれ、放送に乗せてますけど（笑）。これはいいんでしょうか？っていうね、ところまで来ている。この場合の『ヒドい』は褒め言葉。ね。上手い、ヒドい、間違いない！（笑）。YOUNG HASTLEで『Smell Good』、お聞きいただきました。ねえ、『臭いマンマン無理』とかなんか（笑）。とにかく、あのサウンドとかフロウは、それこそ現行のHIPHOP、USとかのHIPHOPのモードを意識しつつ、なんて言うのかな？歌詞の中に抽象派と具象派がいるとしたら、これはやっぱヤンハスは具象派の最右翼っていうか。
でも、だからこそのなんかどんどんどんどんディテール聞かせるっていうかさ。で、気の利いた言い回しもあったりとか。で、思わず笑っちゃうところもあればっていうところでね。すごいHIPHOPのラップというものの面白さみたいなものをすごくわかりやすくプレゼンしてるなと思うわけです。なので、ちょっと前から紹介したいと思っておりました。YOUNG HASTLE『Return of the Hastle』、3枚目のアルバムに収録されている『Smell Good』をお聞きいただきました。
＜書き起こしおわり＞
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