竹中直人がピエール瀧に語る ミュージシャンが役者をするということ

竹中直人とピエール瀧『軍師官兵衛』の現場を語り合う たまむすび

竹中直人さんがTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』に出演。映画監督としても高い評価を得ている竹中さんがピエール瀧さんなどのミュージシャン出身の役者について語っていました。

(赤江珠緒)でもね、その竹中さんが映画監督としても、2013年に『自縄自縛の私』。そうなると、監督になるとさらにみなさんを束ねて、引っ張っていかなきゃいけないお仕事で。より、こう雰囲気作りみたいなのは気を使われるんじゃないんですか?

(竹中直人)っていうか、映画を作っている時間が好きなので。出来上がっちゃうと、あとは現実しか待ってないですからね。作っている間は、よく『映画は監督のものだ』って言いますけど、結局はやっぱりお客さんに見られてはじめて観客のものに。観客のものだと思ってるんですよね。お客さんに見られてはじめて作品になりますから。だから作っている間だけは、監督のものじゃないですか。その時間が夢を見てるような感じでいいですよね。そこに集まってくるじゃないですか。どんなに早くてもスタッフ、キャストが。その時間が好きですよ。ぞろぞろぞろぞろ。集まってきて。セッティングして。それを待っているのが、なんともたまらない時間ですよね。

(赤江珠緒)なるほど。瀧さんも最近ね、俳優活動されてますけども。どうですか?瀧さんを映画で使うとしたら。こういう感じで使いたいとか。

音楽をやっている人は芝居が上手

(竹中直人)やっぱり別にミュージシャンと分けているわけじゃないですけど。やはり音楽をやっている方々っていうのはみんなお芝居が上手ですよね。くるりの岸田くんなんかも、本当に。『色即ぜねれいしょん』っていう映画で家庭教師の役をやってるんですけど。めちゃくちゃ上手いし。銀杏ボーイズの峯田くんなんかも、本当にお芝居上手いし。あと、安全地帯。玉置浩二くんも。本当に芝居が上手いですよ。あと、在日ファンクの浜野謙太くんとかも上手いし。なんか、非常に捉え方が理屈じゃないところで捉えている感じですからね。

(赤江珠緒)あれ、なんかこう、本当に最初から芝居がお上手な人と、芝居が全くできないっていうタイプの人間と、あれ分かれるんですか?

(竹中直人)清志郎さん、ぜんぜん下手でしたけどね。忌野清志郎さん、下手なんだけど面白いんですよね。上手いっていうか、そういう次元にいないですよね。清志郎さんは。だからね、すごく楽しいんですよ。ただ出たいだけっていう。清志郎さん(笑)。

(赤江・瀧)(笑)

(竹中直人)清志郎さん。かわいくてしょうがない。

(ピエール瀧)現場、楽しそうだなっていう(笑)。

(竹中直人)そうです。かならずね、僕がテレビドラマとか連続とかやったりすると、電話かかってくるんですけど。(モノマネで)『もしもし。忌野ですが。いま、毎週見てるよ、ドラマ。出番、ないか?』って(笑)。かならず。

(赤江・瀧)(笑)

(赤江珠緒)もう、流れているドラマ、なかなか難しいですしね。

(竹中直人)『えー、清志郎さん、見てくださってるんですか?』『うん、面白いよね。ぜったい出たいと思うけど』って言って(笑)。『本当ですか?でも、視聴率ヒトケタなんですよ』『えっ!?』って、一瞬、引くんですよ。でも出てくださるんですけどね。最高なんですよ。

(赤江珠緒)そうなんですね。こんな役をご自身はやりたいとかって、ありますか?いろんな役、されてますけど。

(竹中直人)どんな役でも、なんでも。『はいはいはい、はい』ってできる役者でいたいですね。『とにかく台本読んでからね』って。自分はそういうのにはなりたくないので。本読んで、『おう、いい本だった。やる』っていう。『なに言ってんだ、つまんない本でもやれよ!』っていう気になっちゃうんで。なんか、その場所に常に行きたい俳優で、俳優でって嫌だな。その場所に常に行きたいんですよ。呼ばれれば、『はい、はい、はい』っていう俳優で。

(赤江珠緒)へー!

(竹中直人)『すいません、ちっちゃい役で』。『ちっちゃな役もおっきな役も一緒だぜ』って。

(ピエール瀧)竹中さん、現場好きですよね。

(竹中直人)現場が好きなんですよ。

(ピエール瀧)あの、音楽の方でもコンサートみたいなの、やられますけど。だから現場にいらっしゃる時は、竹中さんこの雰囲気が好きなんだろうなって思うんですよ。で、帰りとかのね。ロケ終わったら、『ピエール、カレー食ってこうよ』って誘ってくれたりするんですけど。だから逆に家帰ったらなにしてんのか?っていうのが。家でじっとしてると、おじいちゃんみたいなんじゃないかな?って。

(竹中直人)ああ、家だとおじいちゃんみたいかもしれないですね。気が抜けちゃう感じかもしれない。

(ピエール瀧)だから家で楽しみって、なんですか?

(竹中直人)だから映画を見てることか、あとは原稿の依頼とかが来てる時は、家で書いたりしてる時は楽しいよね。

(ピエール瀧)ああ、じゃあ家でも現場感がある方がいいってことですもんね。

(竹中直人)自分の部屋っつーのをとりあえず生意気に作ったので。自分の部屋で映画を見れたり、できたりすることがうれしいですよね。好きな映画を家で見れるなんてね。考えてもみなかったので。

(ピエール瀧)なんにもない期間って、平気ですか?

(竹中直人)ああ、なにもないとね、切ないね。子どもがちっちゃかった時は、子どもと一緒に海行ったり。近所散歩したりっていう時間を持てたけど。子どもたちもそれぞれの時間を持つようになったら、なにしていいかわかんなくなるよね。

(ピエール瀧)竹中さん、明日から10日間、現場なにもないんで。家で10日間ですって言われたら?

(竹中直人)家で10日間って決められちゃうわけ?(笑)。どっか旅行いってもいいんでしょ?

(ピエール瀧)旅行はいいです。

(竹中直人)したら、旅行いきたいけど。沖縄とか、行きたいな。なんか一人旅って憧れるんだけど、ちょっと寂しいんだよね。一人旅。だれかと一緒じゃないと。寂しいよね。

(ピエール瀧)じゃあ一人旅行も全部、ひとりが取る自主映画っていうことにして行けばいいんじゃないですか?

(竹中直人)ああ、そうか。キム・ギドクみたく。

(ピエール瀧)その感じでいけば、寂しくないわけですよ。きっと。

(竹中直人)寂しくないかな?でも嫌だな・・・

(赤江珠緒)ひとりで遊ぶとなったら?

(竹中直人)やっぱり絵を描く時とか、楽しいですね。たまに、毎年かならず依頼があるんですけど、鎌倉の八幡様のぼんぼり祭っていうのが8月にあるんですけど。それに向けて、もう10年以上、20年近く絵を描いてるんですよ。それがすごく楽しくて。

(赤江珠緒)それは何で描かれるんですか?

(竹中直人)あの、アクリル絵の具で描いて。和紙にアクリルで描いてるんですけど。絵を描いてる時は本当、楽しいですね。いま、清志郎さんのメッセージをなんか描かなきゃいけなくて。ちょっと清志郎さんの絵を描いてるんですけど。ぜんぜん似なくて、いまちょっと困ってるんですけど(笑)。あれ?意外に難しいなって思って(笑)。

(ピエール瀧)なるほど。

(竹中直人)絵を描く時、楽しいです。

(赤江珠緒)なんかすごく、かっこいいですね。

(竹中直人)そうですか?

(ピエール瀧)竹中さん、かっこいいですよ。

(竹中直人)あ、そうなの?まいったなー。本当かよ?

(ピエール瀧)いろんなところいって、最近一緒にいさせてもらったんですけど。まあ女の子とか見ると、『竹中さーん』っていう感じで。

(竹中直人)ああ、そう。ああ、そうかね。がんばろ!まだまだ。

(ピエール瀧)(笑)

(赤江珠緒)ねえ。いま月九ではね、松潤さんのお父さん役で。

(竹中直人)ああ、そうですねー。やってますね。うわー、いろんなことやってんだ。ふと気づくと。俺も。

(赤江・瀧)(笑)

(竹中直人)いつもお笑いで27才の夏にデビューして、もう急にみんなが優しくなったから。ぜったい1年で消えるってずっと思い続けながら年を重ねてきただけですからね。『あれ?ここまでもっちまったよ』みたいな。だから驚きますよね。

(赤江珠緒)いやいや、58才。竹中さんはTBSラジオ『竹中直人 月夜の蟹』。毎週月曜日の夜8時から8時30分まで。TBSの堀井美香アナウンサーと。こちらも本当、個性的で。おしゃれなトーク&ナレーションでございます。

(竹中直人)ただしゃべっているだけなんですけど。

(赤江珠緒)いや、でもわかりました。はじめてお会いして、竹中さんに。すごくおしゃれな方で。

(竹中直人)そうなの?

(ピエール瀧)チャーミングで。

(竹中直人)ピエール、なに言ってんだよ、ピエール(笑)。やめてくれよ。

(赤江珠緒)なんかちょっとね、秀吉みたいなイメージがありましたけども。

(竹中直人)左様にございまするか。

(赤江珠緒)草履で、みたいな感じのイメージがあったんで。ちょっとイメージ、持ちすぎてましたね。

(竹中直人)そうですね。最初に見たものがインパクトになっちゃいますからね。

(赤江珠緒)ねえ。藁草履っていう感じではなかったですね。ということで、NHK大河ドラマ 軍師官兵衛でもまだまだね、お二人、ご活躍ですから。

(竹中直人)もうね、ピエールといる時間が本当に楽しくって。ピエールが帰っちゃうと、ちょっと寂しいんですよ。

(赤江・瀧)(笑)

(竹中直人)まあね、岡田くんもすごくいいんですけどね。でも、あまり冗談言ったら失礼かな?って思ったりして(笑)。

(赤江珠緒)(笑)。いろいろ気配り、されながら。ますますご活躍ください。今日は本当にありがとうございました。

(竹中直人)こちらこそ、ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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