リリー・フランキー 人生の1曲 沢田研二『サムライ』

リリー・フランキー 人生の1曲 沢田研二『サムライ』 TBSラジオ

リリー・フランキーさんがTBSラジオ『MUSIC 24/7 森本千絵エリンギとイベリコブタ』に出演。自身の人生を代表する3曲を選曲するというテーマで、曲を紹介していました。2曲目は 沢田研二『サムライ』です。

(リリー・フランキー)2曲目ね。というわけでね、そんなことを考えているうちに50にもなり。そしてなんか50になって、結婚をすることもなく。そして、リリーという名前でこんな長く生きて。これはもう、ゲイになった方が世間体がいいんじゃないか?と思いながらも。そして男の、なんかこう・・・さっきはね、L.L. COOL J太郎聞いてもらいましたから。次は本当、真っ当なかっこいい曲を聞いてもらわないといけませんからね。

(森本千絵)男の中の男。

(リリー・フランキー)そうですね。ジュリーの『サムライ』とかを歌っていると、男の1人のダンディズムみたいな。いいんですよ。ピエール瀧もぜったいカラオケで歌いますから。これを(笑)。

(森本千絵)(笑)。そうなんだ。じゃあ、聞いていただきましょう。改めて、曲紹介をお願いします。

(リリー・フランキー)はい。沢田研二さんで『サムライ』です。

沢田研二『サムライ』

(森本千絵)はい。聞いていただきました。

(リリー・フランキー)2番がいいんだ。2番、聞きながらしゃべろうよ。

(森本千絵)2番をじゃあ、聞きながら(笑)。

(リリー・フランキー)いやいや、話しながら。これ、いつも瀧も言ってるんだけど、2番で。『ありがとう お前はいい女だった お前とくらすのがしあわせだろうな それが男には出来ないのだよ』っていう。もう、阿久悠かっこいい!みたいな感じですよ(笑)。

(森本千絵)その男心をもうちょっと詳しく聞かせてもらえませんか?

(リリー・フランキー)その男心?でも、なんかこう、そういう阿久悠さんとかが書く、ジュリーっていうすごくかっこいい人がいたから、かっこいいことが書けるっていう。このジュリーと阿久悠さんの関係っていうのは、やっぱり男がどこかで目指しているなにか。実現できないなにかだと。

(森本千絵)たしかに。またジュリーだから歌えるっていうのは。

(リリー・フランキー)これ、L.L. COOL J太郎が歌ってたら、またぜんぜん違う曲でしょ?

(森本千絵)(笑)。引っ張りますね。

(リリー・フランキー)だって1曲目、あれかけたこと、後悔し始めてるから。なんか、あのリスナーのぼんやりしたリアクションが、聞こえてくるようだから(笑)。そうそう。だからこういう男の人の感覚も、やっぱりいちばん最初の『すべてまぼろし』の男の人の感覚も、どこか女の人から見るとチャイルディッシュっていうかさ。どっか、こう女の人には理解できない。バカじゃないの?っていう。女の人はそういう物理的っていうかね。『言いたいんだったら、言えばいいじゃん?』みたいなことを言うわけでしょ?この歌っている主人公に。『それが男には出来ないのだよ』って言ってるのに。

(森本千絵)男なりのロマン・・・なんですかね?実際、こういうことは?こんな男のような。

(リリー・フランキー)こんなかっこよすぎたら、笑われちゃうでしょ(笑)。ねえ。そんなことはないですよね。

(森本千絵)リリーさん、映画の中とか。たくさんのことをやってるけど、映画の中でいろんな男像を演じるじゃないですか。

(リリー・フランキー)うん。いろんなっていうか、だいたい偏りがちですけどね(笑)。

(森本千絵)そういう時って、やっぱりその自分の中でなにかこう、消化して。接点があるというか、割と共感しながらの感じなんですか?

(リリー・フランキー)でも、あれなんじゃないですか?監督さんとかプロデューサーの方も、全く俺に素養がないものをね、『この役どうですか?』って言わないわけで。だからその、自分の中のあるその役みたいなところが、誰しもあるでしょ?だからもう、ぜったい一生来ないだろうな、みたいなのはすごく金持ちの御曹司でモテまくる、レーサーとかは来ないと思うんだよ(笑)。なんか、全く俺に1ミリもないもんね。要素が。だから
なんとなく自分の中にあるしか、まあ出来ないもんね。それは絵を描くにしてもそうだけど。

(森本千絵)絵を描く時とまた、ぜんぜん。その自分からゼロから絵を描く時と、人の絵の中に入る時って全く・・・

(リリー・フランキー)逆に人のものに入る方がまだちょっと慣れてないから。難しいけど、また面白いよね。いつもは1人でやって1人で完結してる部分があるんだけど。一緒にものを作るみたいなのは。そのやり方も、いままであんまりやってなかったから面白いって思った。

(森本千絵)あらゆる表現っていうか、もう開放してるっていうか。ここまではやるけど、これはやらないとかって、あんまりないです?そこはもう、取っ払っちゃってる感じですよね。

(リリー・フランキー)最近はもうね、ジャンルとかじゃなくて、『あ、この仕事やったことないからやってみよう』みたいな感じになってきた。なんか、やったことないことが、なかなかこの年でチャレンジするというか。そういう修行をする場所もなくなるじゃないですか。だからやったことないからやってみよう、みたいなそういう感じになってきたね。うん。

(森本千絵)すごい。流れているというか。

<書き起こしおわり>

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