町山智浩推薦 故・フィリップ・シーモア・ホフマン映画5作品

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映画評論家の町山智浩さんが亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンについて、TBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で話し、彼のおすすめ出演作品5本を紹介していました。


(町山智浩)今日はですね、ずっとアカデミー賞が3月にありますんで、そのアカデミー賞候補になっている作品をずっと紹介していって。今日もですね、『ネブラスカ』っていう映画を紹介しようと思ったんですけども。ちょっとですね、非常に悲しいことがありまして。アメリカの方でですね。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)僕のすごい好きな俳優さんのですね、フィリップ・シーモア・ホフマンっていう人がですね、亡くなったんですよ。突然。

(赤江珠緒)あ、そうなんですね。

(町山智浩)これ、写真あると思うんですけど。この方なんですけど。ぽっちゃりされた、かわいい(笑)。46才なんですけどね。

(赤江珠緒)まだお若いですね。46。

(町山智浩)そうですね。この人は、アカデミー賞、主演男優賞をですね、『カポーティ』という映画でとりまして。それはトルーマン・カポーティっていう作家がいまして。その人の実際にあったすごい猟奇殺人を取材に行った時の、実は死刑囚のことを裏切って、その人たちのことをルポに書いて、自分が作家として書けなくなっているところから脱出するっていう、非常に厳しいですね。ドキュメンタリー作家って、結局誰かの悲劇を売って暮らすわけじゃないですか。

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(赤江・山里)はあ。

(町山智浩)その罪みたいなものを問うという、非常に厳しい作品がありまして。カポーティという。それを見事に演じてアカデミー賞とった人がこのフィリップ・シーモア・ホフマンなんですね。

(赤江・山里)うん。

(町山智浩)で、この人は見た感じがこれですから。なんか上手く表現できます?この人の感じを。

(赤江珠緒)まあ、ものすごく・・・

(山里亮太)ぽっちゃりして。

(赤江珠緒)美男、イケメンっていう感じじゃなくて、ちょっと親近感あふれる・・・

(町山智浩)感じですよね?でもこれでアカデミー主演男優賞をとったって、これハリウッドの中ですごく珍しいことだし。本当に演技力がすごいってことですよね。ご存じない方のためにフィリップ・シーモア・ホフマンの作品を見ていただきたいんですけども。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)いちばん有名なのはカポーティなんですね。アカデミー賞をとったから。でもそれ以外に僕が好きな作品を何本か挙げますので、是非ビデオとかでご覧になっていただきたいんですけど。『あの頃ペニー・レインと』っていう映画があるんですよ。これはやっぱり実録物でしてね、1960年代の終わりから70年代にかけてですね、ある高校生が実際にロックジャーナリストになったってことがあったんですね。

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(赤江・山里)はい。

(町山智浩)その高校生のロックジャーナリストがですね、その後大人になって作った映画があの頃ペニー・レインとなんですよ。この映画の中で主人公が、高校生があこがれるロックジャーナリストの役でフィリップ・シーモア・ホフマンが出てくるんですけども。それが非常に厳しいシーンでですね。ロックにあこがれて、ロックミュージシャンにインタビューしてってことをやっている高校生に釘を刺すんですよ。フィリップ・シーモア・ホフマンが。

(赤江・山里)ええ。

(町山智浩)『ロック評論とかをやっていたり、ロックを聞いていると、自分もロックスターみたいにかっこいい気分になるだろ?』って言うんですね。まあ、ロックってそういうもんですよね。『でも、俺たちはかっこ悪いんだよ!』って言うんですよ。

(赤江珠緒)ええ!?

(町山智浩)『勘違いするなよ』と。これね、厳しくて。僕、映画評論やっているから、映画を見ているとブルース・リーになった気分になったりするじゃないですか。

(山里亮太)ああ、町山さん時々なっちゃいますね!

(町山智浩)そう。映画見た後、アチョー!ってやってるじゃないですか。『勘違いするなよ』っていう。非常に怖い。この人がやるから、このフィリップ・シーモア・ホフマンがやるからね、ものすごくね、リアリティーがあるんですよ。こういうことを言うの。

(山里亮太)映画見せたい人、いっぱいいるわー!

(赤江珠緒)そっか、ズバリ核心を!みたいなね。

(町山智浩)そう。厳しかったですね。で、あとね、この人がやった映画でね、厳しかったのが『ハピネス』っていう映画なんですけども。

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(赤江・山里)はい。

(町山智浩)これがまた強烈ですね。このフィリップ・シーモア・ホフマンの役はですね、イタズラ電話魔なんですよ。

(赤江珠緒)イタズラ電話魔!?

(町山智浩)だから女の人のところに電話をかけまして、『ハア、ハア、ハア、いま何着てるの?』っていう人なんですね。それをやってるんですけど、いきなり女の子の方に『あなた、なんで私に電話してるの?会いたいんだったら、会えるわよ!私とエッチしたいんだったら、していいわよ!』って言われると、このフィリップ・シーモア・ホフマンは、『いや・・・僕、できないんです・・・すいません・・・』って電話を切っちゃうんですよ(笑)。

(赤江珠緒)ええ!?

(山里亮太)コメディー?

(町山智浩)ハピネスっていうのは、『幸福』っていうタイトルですけど、幸福とは程遠い内容でですね。コメディーなんですけども。で、まあ『ハアハア』言いながら、エッチ電話してですね、体から糊を出してその糊で手紙を壁に貼ったりするシーンがあって、とんでもない映画なんですけども(笑)。

(赤江・山里)はー!

(町山智浩)そういうね。もうフィリップ・シーモア・ホフマンじゃなきゃ多分やらない役ですよ。

(赤江珠緒)あ、でもそれを聞くと、いろんな役ですね。ロックスターもやれば・・・

(町山智浩)ロックスターじゃないですよ。ロックにあこがれる、ダサい批評家の役ですよ。

(赤江珠緒)ダサい批評家。あ、そっかそっか。

(町山智浩)そうなんです。だから釘を刺すんですよ。『俺たちは評論家であって、ロックスターじゃないんだよ!』っていう。

(山里亮太)そういうダサい役をやらせたら天下一品みたいな人なんですか?

(町山智浩)そう。リアルな役なんですよ、この人の役って。でね、あとぜんぜん知られてない映画で、たぶん日本で見ている方、ほとんどいないと思うんですけど。ビデオで出てますね。『ポリー my love』っていう映画があるんですね。

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(赤江・山里)はい。

(町山智浩)ポリー my loveっていう映画は1人の潔癖症の男を主人公にしたコメディーなんですけども。その潔癖症の男の親友がフィリップ・シーモア・ホフマンなんですよ。で、この人は超不潔な男でですね。ピザを食べに行くと、ピザってよく油が浮いている時、あるじゃないですか。表面にチーズとかの油が。オレンジ色の油がね。それを見て潔癖症の男が、ちょっと食べられないな・・・って顔をしてると、『そこが美味いんだよ!』っつって、友達の食べようとしているピザを取って、ピザを絞ってですね、その油を自分のピザにかけて食うんですよ。このフィリップ・シーモア・ホフマンは。

(赤江珠緒)・・・なるほど。

(町山智浩)で、しかも絞り終わったピザを友達に返すんですね。

(山里亮太)うわっ!

(町山智浩)うわー!って思うんですけど。このね、ポリー my loveっていう映画は強烈な役なんで。フィリップ・シーモア・ホフマンは。もう是非見ていただきたいんですけど。あのね、その映画は大した映画じゃないんだけど、フィリップ・シーモア・ホフマンが出るとそのシーンだけすごい輝いちゃうんですよ。映画が。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)このルックスでそれができる人なんですよ。その人が出たところだけ、印象に残っちゃうんですよ。どんな映画でも。だからこういう人なんでね、もう本当に惜しかったですけども。

(赤江珠緒)そうなんですね。

(町山智浩)まあヘロインで。麻薬中毒で亡くなったんですけどもね。ちょっと意外だったですね。

(赤江珠緒)そうですか。それでこんな若く。

(町山智浩)そうなんですよ。本当に、いい作品がいくつかあるんでね。あと、『ブギーナイツ』とかも最高なんですけども。いわゆるハードコアポルノっていう、日本のAVみたいに本当にエッチをしちゃう映画があるんですけど。アメリカにね。それの撮影のスタッフなんですよ、彼は。

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(赤江・山里)ほう。

(町山智浩)ところが、それを見ている内にポルノ男優に惚れてしまうっていう、かわいそうな男の役をやっていますね。

(山里亮太)ポルノ男優に惚れてしまう?

(町山智浩)要するに、その男の子が、そのポルノ男優がすごい大好きなんですよ。AV男優が。大好きなんだけど、目の前で他のいろんな女の人とエッチしているのを、ただ見てるしかないんですよ。切ない役をやってますね。

(赤江珠緒)どういう物語になるのかが・・・いや、面白そうですね。

(町山智浩)ご覧になってください。本当に。泣ける映画なんですよ。

(山里亮太)ええ!?泣ける映画なの!?

(町山智浩)ブギーナイツは本当に泣ける映画です。はい。というね、フィリップ・シーモア・ホフマン。本当に悲しいですけども。是非映画をご覧になっていただきたいということで。

(赤江珠緒)わかりました。

<書き起こしおわり>









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