高橋芳朗が語るグラミー賞2014の傾向『同性愛者支援作品が評価される』

高橋芳朗が語るグラミー賞2014の傾向『同性愛者支援作品が評価される』 荻上チキSession22

音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんがTBSラジオ『荻上チキSession22』で2014年のグラミー賞を総括。今回の1つの特徴として、同性愛者をサポートする内容の楽曲が高い評価を受けていたことを話していました。

(高橋芳朗)こんな様々なトピックがあるんですが、今回ちょっと個人的な注目ポイントとしてちょっと大きめに取り上げたいのがですね、今年のグラミー賞、同性愛者をサポートするような、同性愛者を題材にした作品が目立ったんです。

(南部広美)そうだったんですね。

(高橋芳朗)で、この背景はですね、おそらくここ数年のオバマ大統領の同性婚支持の影響があるのではないか?と思っています。まずオバマ大統領、2012年5月にテレビインタビューで『同性婚を認めるべき』みたいな発言をして。これが現役アメリカ大統領が同性婚を容認する発言をしたのが初めてだったそうですね。

(荻上チキ)はい。

(高橋芳朗)その後、去年1月。二期目の就任演説で改めて同性婚を支持する発言を表明したと。このオバマ大統領の同性婚を支持する発言が、結構大物ミュージシャンでしたり、テレビからすごい賛同されたんですね。

(荻上チキ)レディー・ガガがね、twitterでね、すぐ反応してましたよね。

(高橋芳朗)あと、JAY-Zとか。HIPHOPの大物アーティストですけど。それでですね、同性愛を扱った曲を評価しようみたいな機運がググっと高まったんじゃないかな?という気がしています。

(荻上チキ)結婚防衛法なんかもね、違憲判決が出たりとか。

(高橋芳朗)まさに!去年6月ですね。アメリカの連邦最高法で初めて違憲と判断された。たぶんその影響もあるんじゃないかなと思います。

(荻上チキ)いまはね、ソチオリンピックでという話で、ソーシャルメディア上ではロシアでそれに対して抗議した人たちに対する警察の暴力とかが画像とかでアップされたりして。それに対する抗議とかもtwitterとかでね、バーッと広がったりっていうのもあったりしましたので。まあ、支援をするよ。そして暴力には歯向かうよっていうものを、発信しようっていう機運が高まっていたんでしょうかね?

(高橋芳朗)かもしれないですね。なんで、今年のグラミー賞受賞作品・ノミネート作品からですね、今日は同性愛を題材にした楽曲を3曲、紹介したいと思います。

(荻上・南部)はい。

(高橋芳朗)まず1曲目はですね、マックルモア&ライアン・ルイス(MACKLEMORE & RYAN LEWIS)の『Same Love』という曲です。

(南部広美)2人組なんですか?

(高橋芳朗)これですね、白人ラッパーコンビなんですけどね。このマックルモア&ライアン・ルイス、ワシントン州シアトル出身でですね、昨年2曲の全米NO.1ヒットを放ってブレイクしたHIPHOPコンビになります。彼らは今回のグラミー賞で最優秀新人賞や最優秀ラップアルバム賞など4部門で受賞してます。ダフト・パンクの5部門に次ぐ成果ですね。

(南部広美)すごい!

(高橋芳朗)この『Same Love』という曲は最優秀ラップアルバムを獲得した作品に収録されている曲で。受賞こそ逃しちゃったんですけど、最優秀楽曲賞にもノミネートされた曲になります。で、この『Same Love』はですね、2012年2月にマックルモアが彼の地元のワシントン州で同性婚法が成立されたことにインスパイアを受けて作った曲になります。

(荻上・南部)ふーん。

(高橋芳朗)で、さらに言うと、マックルモア。この人のおじさんが同性愛者だったっていうバックグラウンドがあるんですね。で、『Same Love』。この曲のシングルのジャケットはそのおじさんと彼のパートナーが写ってます。

(南部広美)本当だ。

(高橋芳朗)いま、ちょっと見てもらってます。もう、おじいちゃんになってるんですけど。同性愛カップルのおじさんがジャケットになってるんですね。

(荻上チキ)素敵ですね。

(高橋芳朗)はい。ちなみにマックルモア自身は同性愛者というわけではないんですけど。で、この『Same Love』、アメリカだけで200万枚以上売り上げる大ヒットを記録してるんですね。

(南部広美)200万枚ですか!?

(高橋芳朗)はい。この曲が注目を集めた理由としては、先ほど触れたような同性婚を容認するような時代の機運とか風潮もあるんですけど、もう1つはですね、HIPHOPのアーティストが同性愛をサポートする曲を作るっていうのは異例中の異例なんですよ。

(南部広美)そんなにあったことじゃないんですか?

(高橋芳朗)いや、ほぼ前例はないって言っていいんじゃないですかね?

(荻上チキ)HIPHOPの世界はね、マッチョな世界なんで。

(高橋芳朗)マチズモがはびこってるんで。

(荻上チキ)むしろ『女みたいな奴』だとか『カマ野郎』だとか。

(高橋芳朗)男性優位主義なんです。

(荻上チキ)『男に掘られろ』みたいなことは悪口として。からかいの言葉としてね。使われがちだと。

(高橋芳朗)そうなんです。まさにおっしゃる通り。だからHIPHOPの世界で同性愛を支持することはすごい、非常に大きなリスクが伴うんですね。

(荻上チキ)ぜんぜんやっていいと思うんですけどね。

(高橋芳朗)本当、ホモフォビアみたいなのがいまだに根強くあるんですよ。で、そんな中で同性愛を支持する曲っていうのはキャリアに支障をきたしたりですね、それこそアーティスト生命にもかかわるようなことにもなりかねないんですけど。それにもかかわらず、彼らはそんなリスクを顧みずにSame Loveを作ってリリースしたというわけなんですね。

(荻上チキ)なるほど。

(高橋芳朗)ただ、まあSame Loveのような曲をリリースしやすい土壌みたいなのは出来上がっていたのも事実としてありまして。オバマ大統領のさっき言いました同性婚を容認する発言にJAY-Z。ビヨンセの旦那さんですね。HIPHOPのスーパースターですけど。が、賛同を示したり。その流れでですね、フランク・オーシャンというHIPHOP界隈のシンガーがいるんですが。この人、去年のグラミー賞で6部門ノミネートされた注目のシンガーなんですけど。彼が同性愛者であることをカミングアウトしたりですね。黒人アーティストだったんですけど。まあ、Same Loveはそんな流れから出てきた曲になります。

(荻上チキ)ええ。

(高橋芳朗)ある意味、出しやすい環境も揃っていたんですかね。

(荻上チキ)悲しい事件もね。アメリカのいろんなところで起きて。同性愛をからかわれて自殺するというようなケースもあったりして。それを防止するためにYouTubeとかでいろんなアーティストがね、メッセージを送るっていうような。

(高橋芳朗)レディー・ガガとかも、たしかそういう支援は、サポートしてるはずです。

(荻上チキ)ミュージシャン内でもそういう議論は、いろんなところでされているはずなんですよね。

(高橋芳朗)そうですね。はい。で、ちょっとじゃあSame Loveの歌詞を要約して紹介したいと思います。タイトルは、『不安や恐れを取り除けば、そこには同じ愛、Same Loveがあるよ』っていうことなんですけど。マックルモア、非常にどういうスタンスで歌詞を書けばいいのか?ものすごく悩んだらしいんですが。内容を見ると非常に誠実な内容になっているなという印象になっています。

(荻上チキ)正面からね、描いている歌詞という。

(高橋芳朗)まず彼はですね、曲の冒頭で、自分も子供の頃に同性愛者に偏見があったことを打ち明けてるんですね。こういう内容になってるんですけど、『小学生の時、俺は自分がゲイだと思っていた。絵を上手に描けたし、部屋もキレイに片付けていたし』って。これ、同性愛者のステレオタイプなんですけど。『身なりをきちんとしている』って。あと、『何よりも、おじさんがゲイだったから。母親に涙ながら、「僕はゲイなのかな?」って訴えたら、「あんた、幼稚園の時から女好きだったじゃない」って言われて、自分が考え過ぎで先入観に囚われていたことに気がついた』。

(荻上・南部)うん。

(高橋芳朗)まあ、ちょっとユーモラスな導入なんですが。その後は結構容赦無くてですね。まず、アメリカ社会に向けてこんなことをラップしています。『同性愛は生まれつきのものなのに、保守派の人々はそれが彼ら個人の性格によるもので、治療すれば治ると思っている。”勇敢なアメリカ”なんて言うくせに、自分たちが理解できないものや未知なものをいまだに恐れてるんだ。神様は誰にでも分け隔てなく愛を与えてくれるはずなのに、3500年前に書かれたあの本(旧約聖書)を自分たちの都合のいいように言いかえている』と。

(南部広美)うん。

(高橋芳朗)さらに、これ結構勇気がいったと思うんですけど、マックルモアはHIPHOPカルチャーに向けても。HIPHOPカルチャーのホモフォビアにも言及しててですね。『もし俺がゲイだったら、HIPHOPに嫌われてただろう。YouTubeのコメント欄には毎日のように「なんだよ、ゲイみてーだな」なんて書き込まれる』。『HIPHOPは抑圧から生まれた文化なはずなのに、俺たちは同性愛者を受け入れようとしない。みんなは相手を罵倒する時に”ホモ野郎(Fagot)”なんて言うけど、HIPHOPの世界ではそんな最低な言葉を使っても、誰も気に留めやしない』。

(南部広美)うーん・・・

(高橋芳朗)これは結構。かなり勇気がいることだと思います。

(荻上チキ)多くの人がね、モヤモヤしていた部分ですね。

(高橋芳朗)そうですね。そして曲はさらにこういう風に続いていくんですが。『俺はゲイじゃないかもしれないが、そんなことは重要じゃない。全ての人々が平等にならない限り、自由はないんだ。俺は全面的に支持するぜ』と。さらに、『同性婚が認められたところで何もかもが解決したわけじゃない。でもこれは出だしとしては上々だ。法律で俺たちは変わらない。俺たち自身が変わっていかないといけないんだ』と。

(南部広美)クールだ・・・

(高橋芳朗)そうですね。ちょっと全文紹介したいぐらい、本当に素晴らしい歌詞なんですけど。

(荻上チキ)まあ、名演説というのが似合うような歌詞ですね。

(高橋芳朗)そうですね。これ、『2014 GRAMMY(R)ノミニーズ』っていうコンピレーション盤、日本盤出てるんで。これを買えば対訳がついてるんで。もし興味がある方は、そちらをチェックしていただきたいんですが。

(荻上チキ)はい。

(高橋芳朗)で、マックルモア&ライアン・ルイス、グラミー賞のステージでこのSame Loveを披露したんですね。それもかなり勇気がいることだったと思うんですが。このパフォーマンスがちょっとした粋な演出が施されてましてですね。会場に、同性カップルを含む34組の新郎新婦を招いてですね、その合同結婚式を祝福するウェディングソングとしてSame Loveを歌ったんです。

(南部広美)グラミーのその授賞式の会場で。わー!

(高橋芳朗)大団円には、ずっと同性愛者をサポートしてきたマドンナが登場してですね、彼女のヒット曲の『Open Your Heart』という曲を歌って。非常に感動的な、歴史に残るパフォーマンスになりました。

(南部広美)それはすごかったですね。

(高橋芳朗)その曲を聞いていただきましょうか。マックルモア&ライアン・ルイス feat.メアリー・ランバートで、『Same Love』です。

(高橋芳朗)マックルモア&ライアン・ルイスで、『Same Love』。聞いていただいております。

(荻上チキ)いい曲ですね。

(高橋芳朗)そうですね。ちょっとこの曲について、簡単に補足されていただきたいんですけど。サビを歌っている女性シンガーのメアリー・ランバートという方。彼女もレズビアンです。で、Same Loveのサビのフレーズは、彼女の『She Keeps Me Warm』っていう曲を引用しています。女の人が『She Keeps Me Warm』っていうタイトルの曲を歌っているということで、なんとなく内容はわかっていただけると思うんですが。あと、曲中の穏やかなピアノのフレーズ、ありますよね。覚えてらっしゃるでしょうか。

(荻上チキ)ええ。

(高橋芳朗)これはですね、Impressionsっていう黒人コーラスグループが1965年にヒットさせた『People Get Ready』っていう曲からの引用なんですね。この曲は60年代の公民権運動のシンボルのような曲なんですよ。で、Same Loveの歌詞にはこのPeople Get Readyに連動するようにですね、『これは昔の公民権運動と同じような戦いなんだ』っていうフレーズもあったりするんですね。だからそのへんも含めてですね、このSame Love。メッセージ自体の素晴らしさはもちろんなんですけど、メッセージソングとして非常によく出来ているというかですね。非常に完成度の高い楽曲なんじゃないかなと言えると思います。

(荻上チキ)織り物のように重なってるんですね。

(高橋芳朗)はい、そうですね。じゃあ、続いて2曲目の方に移らせていただいていいですか?2曲目。これ、同性愛ソングなんですが。今度はですね、ケイシー・マスグレイヴスの『Follow Your Arrow』という曲を紹介したいと思います。ケイシーはこういう方ですね。いまジャケットを持ってきました。結構かわいい女の子なんですけど。

(荻上チキ)ええ。

(高橋芳朗)このケイシー・マスグレイヴスはカントリーシンガーなんですね。で、テキサス出身の25才の女の子で。昨年3月にメジャーデビューして、アルバムがカントリーチャートでいきなり1位を獲得と。今回のグラミー賞では最優秀新人賞など4部門にノミネートされたんですが、受賞は最優秀カントリーアルバムなど2部門にとどまりました。で、このFollow Your Arrowという曲はその最優秀カントリーアルバムを受賞した作品に収録されている曲で、授賞式でもパフォーマンスした曲になります。

(荻上・南部)はい。

(高橋芳朗)先ほど、マックルモア&ライアン・ルイスのSame Loveを紹介した時に、HIPHOPの世界はホモフォビアが根強くて、同性愛支持をする曲を作るのはすごいリスキーだっていう話をしましたけど。カントリーはカントリーでまた違った厄介さがあるんですよ。カントリーミュージックの人気が高いのはアメリカの中西部から南東部。いわゆるバイブルベルトなんですね。キリスト教保守派が多い地域で。同性愛とか中絶は罪とする考えが根強くあるんですよ。

(荻上チキ)歌詞の内容は伝統的で、ちょっと懐古的な。美しいアメリカなんだけど、そこになぜか描かれない対象が常にあるような世界観ではありますよね。

(高橋芳朗)で、このケイシーちゃんも、モロにこのバイブルベルトにかかっているテキサスなんで。ある意味、HIPHOPよりもリスキーかもしれないですね。

(南部広美)カントリーの方が。

(高橋芳朗)はい。昔、同じテキサス出身のカントリーアーティストのディクシー・チックスがですね、イラク戦争を批判したことで保守層にめちゃくちゃ叩かれて。ラジオでのオンエアーをボイコットされたりですね、CDの不買運動が行われたりして、ほとんど満足な活動ができなくなっちゃったことがあったんで。カントリーでこういうことを歌うのは本当に、結構リスキーなことなんですね。

(荻上チキ)はい。

(高橋芳朗)では、続いてこのFollow Your Arrowの歌詞を紹介したいと思います。タイトルは『自分の矢を追いかけろ』みたいな意味で。つまり、自分の思うように生きろというメッセージですかね。田舎町で自分の居場所が見つけられないような女の子に対するメッセージ・ソングみたいな感じですか。

(荻上チキ)道は自分で決めろ、みたいなね。

(高橋芳朗)はい、そうです。で、歌詞の中身を見ていくと、『結婚するまで純潔でいるよ、なんてあなたは退屈な人ね』だとかですね。『教会に行かなかったら地獄に落ちるって言われるし、行ったら行ったで最前列でお祈りしていたら偽善者呼ばわりされる』みたいな。そういった挑発的なフレーズが続いてですね。サビでは、『道徳的に生きるのが辛くなったら、自分の好きなように生きればいいじゃん。マリファナ吸って大騒ぎして、たくさんの男の子とキスしちゃえば?なんなら、女の子ともキスしちゃいなよ』みたいな。

(南部広美)おー。

(高橋芳朗)そういう歌詞なんですね。で、先ほどのSame Loveに比べるとずいぶんかわいいものに思えるんですけど、やはりですね、この曲、カントリーのラジオ局ではかけてもらえなかった。

(南部広美)そうなんですか。

(高橋芳朗)やっぱりそれは厳しいんですね。で、実はケイシー・マスグレイヴス。今回のグラミー賞では最優秀カントリーソング賞も受賞してるんですけど、その受賞曲はこのFollow Your Arrowではなく、『Merry Go ‘Round』という曲なんですよ。それにもかかわらず、彼女はグラミーのステージでこのFollow Your Arrowを歌ったんです。

(南部広美)受賞した曲じゃないのに。

(高橋芳朗)そうなんですよ。だからこのあたりに彼女のアーティストのプライドでしたり、今年のグラミー賞の気分みたいなものが良く表れてるんじゃないかなと思います。じゃあちょっと曲を聞いていただきましょうか。ケイシー・マスグレイヴスで、Follow Your Arrowです。

(高橋芳朗)ケイシー・マスグレイヴスで、Follow Your Arrowを聞いていただきました。まあ、結構聞こえは普通のカントリーソングという感じなんですけどね。歌詞は割と突っ込んでいると。

(南部広美)気持ちいい感じですね。

(高橋芳朗)はい。じゃあ最後。3曲目、紹介したいと思います。3曲目の同性愛サポートソングはですね、サラ・バレリスの『Brave』という曲になります。こちら、ジャケットですね。こういう感じの方になります。サラ・バレリスはロスアンゼルス出身の女性シンガーソングライターで、現在34才。すでに10年近いキャリアがある人なんですね。

(荻上チキ)ジャケットは建物の屋上で空を見上げてますね。

(高橋芳朗)青空を。で、今回のグラミー賞では最優秀アルバム賞など2部門にノミネート。受賞はできなかったんですが。で、このBraveという曲は最優秀ポップソロパフォーマンス賞にノミネートされた曲になります。この曲もグラミー賞の授賞式でパフォーマンスされたんですよ。大御所シンガーソングライターのキャロル・キングとの共演で。コラボでパフォーマンスしたんですよ。

(荻上チキ)おおー。

(高橋芳朗)これも非常に感動的なパフォーマンスでした。で、このBraveですね。サラ・バレリスがですね、同性愛をカミングアウトできなくて苦しんでいる友人を励ますために作った曲なんですね。そんな背景からですね、いまでは同性愛者のアンセムになっているみたいです。アメリカでは。で、タイトルのBraveはまあ、『勇敢な』とか『立派な』みたいな意味になるわけですが。歌詞は先ほど紹介したケイシー・マスグレイヴスのFollow Your Arrowと共通するところがあってですね。『言いたいことは全部吐き出しちゃおう。あなたの堂々とした姿が見たいから』みたいな内容ですね。はい。

(荻上チキ)うん。

(高橋芳朗)ちなみにこのサラ・バレリスという人はですね、レズビアンを題材にした映画に出演したことがあったりですね。あと2011年5月に来日公演を行った際には、震災地に足を運んでボランティア活動を行ったりですね。非常に意識の高いアーティストなんですね。じゃあ実際に曲を聞いてもらいたいと思います。サラ・バレリスでBraveです。

(高橋芳朗)サラ・バレリスでBraveを聞いていただいております。というわけで以上3曲を聞いていただいたんですが。同性愛を扱った曲がこれだけグラミー賞で評価されたのもそうなんですけど、授賞式のステージで同性愛を題材にした曲が3曲もパフォーマンスされたっていうのはすごいやっぱり大きな意味・意義があるんじゃないかなと思います。

(荻上チキ)まあ、文化でできるような様々なメッセージもありますし。発信力もありますし。それによってね、見た人が勇気づけられること、ああそうだという風に考え方を変えられたという人、いろんな人がいるでしょうからね。

(高橋芳朗)これがちょっと今後のポップシーンにどういう影響を与えるかも、注目したいところだなと思います。で、今日紹介したような曲をですね、ほとんどはですね、1月20日にリリースされました『2014 GRAMMY(R)ノミニーズ』っていうコンピレーションアルバムに収録されています。これ、全部歌詞対訳もついてますんで、こちらを買っていただければ、今日お話したことはだいたいフォローできるかなと思いますので。是非、興味のある方はチェックしてもらいたいと思います。はい。

(南部広美)『2014 GRAMMY(R)ノミニーズ』。

(荻上チキ)この曲とか、メッセージのかっこよさにヤラれる人が増えたりするといいな、なんてことも思ったりするんですけどね。

<書き起こしおわり>

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