都築響一が語る 刑務官という仕事

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都築響一さんがTBSラジオ『たまむすび』にゲスト出演。玉袋筋太郎さん、小林悠さんに刑務官という仕事についてお話されていました。

(小林悠)あと、こういったスナックもそうですし、私が印象的だったのが、刑務官というお仕事に注目されたのも都築ですよね。

(都築響一)そうですね。これはもともと、刑務所で作るもの。いろいろあるんですよ。作業で。それが面白いなと思って。

(小林悠)ご本出されました。『刑務所良品』。無印良品じゃなくて。


(都築響一)意外なものがね、刑務所でいっぱい作られてるんですよ。たとえば木の救急箱とか、お風呂の木の椅子とか。いろんなのがあって。そういうものをよく刑務所で作って。矯正作業で。矯正っていうのは、直す方ですけどね。

(小林悠)もちろん、無理やりじゃなくて(笑)。

(都築響一)はい。正しくする矯正ですけど。よく駅とか公民館とかでフェアとかやってますが、そういうのを見てると面白いなと思って。それを作っている現場を探したいなと思って。だんだん相手の刑務所さんの方にも理解してもらえて。中に入れるようになったんですけど。そうするとね、すごい見えてくるものもあるっていうかね。面白いなと思いましたね。

(玉袋筋太郎)中には神輿作っているところもあるんですね。

(小林悠)うわー!お神輿。これ、何人ぐらいで作っているんでしょうね?相当な人数が。

(都築響一)そうですね。聞いてみたら、これ1200万だと。神輿が。でも、普通に買うと3000万ですとか言われて。普通に買わないし(笑)。

(玉袋筋太郎)高倉健さんの『あなたへ』で神輿作っているシーンがあったでしょ。

(小林悠)あなたへってそうですね。健さんが刑務官の役でね、出てましたね。

(玉袋筋太郎)囚人の方がこれ作って。で、神輿の祭りのシーンっていうのが出て来たような気がするよ。

(都築響一)結局さ、長期刑の人もいるわけじゃないですか。こういうのがすごく木彫で龍を作るみたいな、そういう技術は長いことかかるわけですよ。修練に。だから長期の人じゃないとダメだって(笑)。

(玉袋筋太郎)すごい職人になっちゃって。

(小林悠)腕が熟練されていくわけですね。ずっと入っていると。

(都築響一)だからそういう人。男子刑務所っていうのはそういうので分けられてますから。初犯で短い人がいるところとか、長期の人がいるところとか、そのスジで出たり入ったりする人が集められているところとか、いろいろあるんですよ。だからそれによって作業も変わってくるわけだよね。

(玉袋筋太郎)うん。

刑務官の仕事の大変さ

(小林悠)あなたへっていう映画でも、健さんは刑務官役でしたけど、あれを見るとそんなに日本でいちばん苦しい仕事には見えないなと正直思ってしまったんですが。そう思いますか?

(都築響一)苦しいっていうのはあれだけど。ほら、外国のよくプリズン映画ってあるじゃないですか。いちばん違うのは、日本の刑務官ってさ、まずピストル持ってないよね。

(玉袋筋太郎)丸腰なんですか!

(都築響一)それから警棒も持ってないですよ。

(小林悠)ええっ!?そうなんですか?

(都築響一)でね、100人ぐらい受刑者、ワルがいる工場を1人で監督したりするわけじゃないですか。で、『どうやってコントロールするんですか?』『眼力です』みたいな。

(玉袋筋太郎)(笑)

(都築響一)眼力!?みたいな。だけどあんまりさ、高圧的になってもよくないわけじゃない?かと言って、あんまり親しくなってもいけないわけだし。何年も何十年も付き合っていたら、出た時に外で会う人もいるわけじゃない。バス停ですれ違うみたいな。でもそういう時はこっちから絶対に声をかけないとか。いろいろあるんですよ。深い話が。

(玉袋筋太郎)深イイ話ですね!うーん。

(都築響一)だからよく刑務所の待遇問題とかいま、いろいろあって。それはその通りだなと思うけど、刑務官も大変な仕事ですよ。本当に。上の方の人は仲良くならないように2年交代ぐらいでずーっと動いてますから。

(小林悠)あ、全国ですか!?それは大変・・・

(都築響一)だから、20年ぐらいで転勤10回とかね。もう家庭はめちゃくちゃですよね。

(小林悠)ご家族、大変ですよね。

(都築響一)で、必ず近くに住まなきゃいけないとかあるわけだから。やっぱり本当に現場の努力によって支えられているところ、あると思いますよ。

(小林悠)知らなかったー!

(玉袋筋太郎)なおかつ、受刑者も高齢化してきているのね。いま。大変ですよ。

(都築響一)すごく高齢化と、あとあれですね。生涯を持った人は一応全部刑務所に入れちゃうみたいな。やっぱりほら、医療のそういう施設っていうのは断れるじゃないですか。『うち、満員ですから』って。刑務所って断れないんだよね。

(玉袋筋太郎)そうだ!断れねーわ。

(都築響一)でしょ?だから、中にはたとえば年配の人で行き場がなくって、刑務所に行けばお世話してもらえるっていう人だっているわけですよ。

(小林悠)それでわざと犯罪を犯す人もいますよね。年末とかね。

(都築響一)だから本当に邪な気持ちでもあるし、それからたとえば障害者で、そういうことよくわからなくて、火をつけたらまたあそこへ行けてご飯も食べられるんだっていう人がいるわけ。だって障害者で1回犯罪歴があったら、どこも雇ってなんかくれないもん。絶対。

(小林悠)厳しいですよね。

(都築響一)だからホームレスになるしかないわけよね。そしたら、ちょっとまたやれば入れる、みたいなこともあると。だから、悲惨な実体がいろいろあるしね。それは刑務官だけが悪いわけじゃないよね。本当。

(玉袋筋太郎)うん、そうですね。

(都築響一)っていうのもあるけど。本当、僕たちだって入るかもしれないじゃないですか。冤罪とかもあるわけだしさ。誰でも身近にあるものだけど、全く見ようとしてないわけよ。だからそういうのって、両方見ておけばね、何かの際に心構え(笑)。

(玉袋筋太郎)1回入った方がいいんですかね?

(小林悠)1回、社会経験として?

(玉袋筋太郎)いやいや、嫌だよー。

(都築響一)いや、だけど酒は抜けるし、三食くって元気になるし。

(小林悠)肝臓にいいですよ。

(玉袋筋太郎)いいんだよ。それかー。

(都築響一)仲良くなった上の方の人に、『都築くんね、どうしても行き場がなくなったら、2年ぐらい来るといいぞ』と。

(玉袋筋太郎)(笑)。嫌なお誘い。嫌なインビテーションですね。

(都築響一)2年ぐらい。で、中で中国語とかいろいろ勉強してさ、本もいっぱい読んで。

(小林悠)本もいっぱいありますからね。

(都築響一)そうです。本もいま、ほとんど無制限で入ってきますからね。

(玉袋筋太郎)あ、そうなんですか。へー!

(都築響一)エロ系とか、ぜんぜんオッケーですよね。

(小林悠)あ、そうなんですか。

(都築響一)たとえば、組関係で黒く塗られるものはありますけど。

(玉袋筋太郎)あ、じゃあ『実話時代』とかはダメかな。

(都築響一)ちょっと、場所的には(笑)。だけど、結構自由はききますから。本当に。っていうのは、スナックでいちばん鉄板の話題は刑務所だよね。

(玉袋筋太郎)刑務所ですかね。

(都築響一)スナックでママたちがいちばん食いついてくるのはこれね。

(玉袋筋太郎)刑務所だ(笑)。

(都築響一)男女話以上に盛り上がりますね。これは。

(玉袋筋太郎)それはいいかもしれない(笑)。

(都築響一)そうそう。みんなやっぱり興味あるんだよ。

(小林悠)だと思いますね。すごく身近であるにも関わらず、それを認めないっていうか、見ようとしないっていうのはたしかにその通りだと思いました。

<書き起こしおわり>
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