西寺郷太 LA滞在記 ティト・ジャクソン自宅スタジオで見つけたもの

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NONA REEVES西寺郷太さんがBSラジオ『Music24/7 西寺郷太TAMAGO RADIO』で、マイケルの兄、ティト・ジャクソンさんのLAの自宅を訪問した際の話をしていました。

キャン・ユー・フィール・イット~ザ・コレクション

(西寺郷太)ティトの家に行ったんですけども。僕、ちょっとナメてましたね。ジャクソン・ファミリーを。本当、家があるんですけど。その家自体も素敵な家なんですけど、まず家がいっぱいあるんですよ。3つあると。ラスベガスのデカいのがあって、ここにあって、ロスの郊外にあって。で、パって見たら車がいっぱい並んでたんですけど。僕、マイケルからティトがベントレーっていう高級車を、マイケルが少年の例の裁判があって無罪ってなって、帰ってきた時に、ティトに『好きな方選んでいいよ』って言ってベントレーっていう高級車を貰ったっていうエピソードを本に書いたことがあって。

で、日本にティトさんが来られた時に、『マイケルから貰ったベントレーって、いまも乗ってるの?』って聞いたら、『大事に乗っているよ。いろんなやつが売ってくれってすごいんやけど。まあ、そんなの売るわけないけど』みたいな話があって。そのティトさんの家に行ったらベントレーが置いてあったんですよ。だから、『これ、もしかしてマイケルから貰ったやつ?』って聞いたら、『それはラスベガスにあるから。これは別のベントレー』って言って。で、パパパッて見たら、車が何台か停まっていたんです。『ここに見えてるやつ、全部俺の車や』ってティトが言うんですよ。

『うわっ!何台車、あるの?』って聞いたら、『Thirteen(13)』言うてね。13台持っていると。で、まさか?と思ったんですけど。そこにレッカー車みたいながあったんですよ。車を運べるような、どデカい、トヨタのタコマみたいな。本当はダッジ(Dodge)って車だったらしいんですけど。アメリカとかでよく走っているような、後ろが荷台になっていて、タイヤめっちゃデカい。その後ろに、車何台か運べるレッカーみたいなのがついてて。それが目に見えたんで、まさかそれは業者の車や思ったんですけど。『あれは?』って聞いたら、『あれも俺のや。実は俺、あれがいちばん好きなんや』言うてまして(笑)。

『マジで!?』みたいな。オープンカーとかもあるんですよ。だけどそれを、どこかに行く時に何台か運びつつ、それに乗って行って現地に着いたら用途に応じて乗るというね。なかなかの・・・ジャクソン・ファミリーのことをナメてましたね。すごいなと思ったんですけど。ただ、ただ単に豪勢な暮らしをしているというよりも、ティトって本当に地に足がついていると言いますか。きっちり、キレイに住まれてまして。それで、2階にスタジオがあるんですよ。そのスタジオも、ホンマに機材がきっちりなっていて。今度、写真とかも出てくると思うんですけど、僕とティトでそこでレコーディングして作業したんですけど。一緒に曲作ったりしたんですけど。

一緒にPro ToolsとかLogicとかをティトが操作しながら、レコーディングするという感じの体験をしました。で、『どこでも行っていいよ』って言うんで、『ちょっと奥の方行っていいか?』って言ったら、『いいよ』っていうんですよ。で、トコトコトコって。僕も機材とか楽器好きなんで。そしたら、なんか見たことあるギターが。5本ぐらいツアーで運ぶようなケースがあるんですけど、そこに立てかけてあったギターの1本が、どうもなんかめっちゃ見たことあるギターやったんですよ。古いギターなんですけど。で、『あそこにあるギター、見てみていいか?』って言ったら、『全然、持ち上げて持ってきてくれていいよ』っていうから。『このギター、見たことあるんですけど・・・』って見せたら、『それ、ジャクソン5になる前に、オヤジが最初に買うてきたギターや』ってティトが言うんですよ。

『えっ?あの有名な!?』。まあ、僕がめっちゃ言いふらしていたんですけど。ジャクソン5って、元々ティトが、お父さんがアマチュアミュージシャンで、クレーンの運転手さんとかいろいろやりながら、9人の息子・娘を小さい家で食べさせていたという状況。お母さんも働いていて。お父さんはそれまで、ミュージシャンになりたくて。ファルコンズっていうグループでギターを弾いていた。それを、上の方のお兄ちゃんのジャッキーとかティトは、かっこいいなって見ていたらしいんですけど。しばらくして忙しくなって。その大事なギターをクローゼットにしまっていた。それで、『絶対に触るなよ!』って言っていて。お父さん、めっちゃ怖かったんで、みんなビビリまくってたんですけど。

ティトが、(お父さんが)いない間に、あまりにもギターが好きで弾いていた。練習をしていた。で、ジャッキーとかジャーメインっていう上のお兄ちゃんがそれに合せて歌とか歌っていて。お父さんが帰ってきたっていうことで、しまって事なきを得ていたんですけど。ある時、弦が切れて。それが家族中で大問題になって。どうしよう?お父さんが帰ってきたら、弦が切れたのバレる!ってなって。それでお母さんが、お母さんもお父さんが怒ったらめっちゃ怖いの知ってますから、『自然に切れたと思ってもらいましょう』って言って。そのまま隠していて、何の気なしに生活していたら、お父さん帰ってきて。お父さんがクローゼット開けて、『お前!弦、切れとるやないか!』っていう話があるんですよ。『誰や!コラ!俺のギターを触ったやつが、この中におるやろ!?』って言って、泣いていたのがティトなんですよ。

で、『お前やろ!』っていう話になりまして、『僕です・・・』って。『お前、俺の大事なものに何しとんねん!』って言ったら、お母さんが『いやいやいや・・・ティトはふざけて弾いていたんじゃないの。あの子はものすごいギターの才能があるから、もう1回、ちゃんと怒る前にあの子のギターを聞いてあげて』って言いまして。ティトが泣きながらギターを弾いて、お父さんが『おい、お前、上手いやないか!』ということになりまして。次の日にですよ、小さな赤いギターを手に持ってお父さんが戻ってきたと。それで、『ボーイズ、リハーサルを始めるぞ!』って言うたんです。そん時にティトに渡されたギター、そのギターやったんですよ!まさに。

僕ね、『小さい赤いギター』って書いてあったのは、その当時、白黒でしか写真が残ってませんから、赤さの具合とかわからないんですよ。小さいって言っても、僕が想像していたのは、ジャクソン5が初期に持っていた写真、あるんですけど。それよりももっと小さい、おもちゃみたいなギターなのかなと思っていたんですけど、ちゃんとした普通の大人用のギターの、比較的小ぶりなやつで。赤いギターというよりは、明るい木目調の。チェリーレッドっていうんですかね?どっちかって言ったら、木目、木なんですよ。だからまさかその小さな赤いギターがそれやとは思ってなかったんですけど。

『これって、そのギターなの?』って言ったら、『そうや』って言うんです。まあ、関西弁じゃないんですけど。『そうやで』って言うんで、『うそーっ!?これなかったら、ジャクソン5もなかったですやん!』言うて。それで、ティトがギターを弾いてるのに、自然に歌って踊っている小さな子がいて。『お前、上手いやんけ!』ってことで、お父さんが『お前、リード・ボーカルになれ』って言ったのがマイケルなんですよね。だからまさにティトがお父さんのギターを弾いてなかったら、そういう形でのジャクソン5やマイケルはなかったという、その伝説のギターがそこにポンと置いてあったので。僕なんかはもう、ビックリしまして。驚愕。これか!っていうことで、そういう思い出もそのスタジオではあったと。

<書き起こしおわり>

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