松尾”KC”潔 西寺郷太が語る 『作品を本名で発表すべきか?』問題

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EXILEなどを手がけるプロデューサー、松尾潔さんがTBSラジオ『MUSIC 24/7 西寺郷太 TAMAGO RADIO』にゲスト出演。音楽の署名性・匿名性についてこんな風に話していました。


(曲 CHEMISTRY『You Go Your Way』を聞き終える)



(西寺郷太)はい。CHEMISTRYで僕、いちばん好きな歌です。『You Go Your Way』。

(松尾潔)はじめて紅白歌合戦に出させていただいたのがこの曲だったのかな?

(西寺郷太)さっきのBREATHEもそうですが、CHEMISTRYも松尾さんがCHEMISTRYという名前を。テレビ番組『ASAYAN』で発表されて。

(松尾潔)懐かしいね。もう10年以上前の話になっちゃうね。

(西寺郷太)さっきのBREATHEの話もそうでしたけども、CHEMISTRYはASAYANの中で優勝したというか、勝った2人で。で、負けた中にEXILEのATSUSHIさんが・・・

(松尾潔)最後の5人にATSUSHIくん、入ってました。NESMITHとか、藤岡(正明)くんとかね。

(西寺郷太)あ、そうなんですか。

(松尾潔)そうだね。だから最後の5人っていうのは本当に・・・

(西寺郷太)すごかったんですね。いま思えば。

(松尾潔)みなさん、あれから10何年たって、ずっと音楽の仕事成り立っているっていうのはね。

(西寺郷太)もう選びにくいぐらいすごい・・・

(松尾潔)そうね。1万9千人ぐらい応募したオーディションだったんだけど。

(西寺郷太)特にあの時代、レコード会社もまだ、ものすごい元気もあるというか。テレビ業界もそうかもしれないですけど、ドワーッ!っとみんなが見てるっていう中でCHEMISTRYというグループが出てきて。僕、堂珍さんのヴォーカル聴いてぶっ飛んだんすよね。すごいな、この人!って思って。

(松尾潔)色気ありましたね。

(西寺郷太)本っ当に歌うまい人って、あんなかっこいい人がいるんだって思いました。

(松尾潔)けど堂珍くんは同じASAYANの1・2年前のオーディションで落ちている人なんだよ。なんだっけ?『pool bit boysオーディション』に落ちた男なんだよな。で、CHEMISTRYになったんだよ。人生、わかんないですよ。本当。

(西寺郷太)そうっすね。この曲が、MAESTRO-T。豊島さん。

(松尾潔)そう。MAESTRO-Tさんっていうのはアレンジとかをやる時の名前で。ご本名は豊島吉宏さんって言って。さっき話に出ていたジェーン・スーさんとかがまだメーカー時代にご一緒してた時に、葛谷葉子ちゃんっていうシンガーソングライターの仕事やって。

(西寺郷太)そうですね。僕もさっき途中で止めちゃったんですけど、僕がデビュー当時にやっていたラジオ番組のパワープレイだったんですよ。『サイドシート』が。



(松尾潔)あ、そうなんだ。

(西寺郷太)それでよくかかってて。この曲いいなって思って、CDとかGETしたりしてたんですけど。

(松尾潔)そういうご縁があったんですね。で、僕が葛谷葉子ちゃんをトータルでプロデュースしていた時に、いろんなトラックメイカーの人たちとやって。で、いちばん中でも一緒に過ごす時間が多かったMAESTRO-Tさんと一緒に、CHEMISTRYのデビュー準備とかをやってて。彼はMAESTRO-Tっていう名前でやってたんだけど、それまで匿名性の高いダンスミュージックとかを作ってたの。日本にいる外国人の方が歌う英語のアルバムとかあるでしょ?ああいうの、よく作ってた人で。基本的には裏方さん。

(西寺郷太)A.S.A.Pみたいな。40カラットソウルとか。

(松尾潔)40カラットソウルはちゃんとニュージャージーでやってた人だけど。それはともかく。で、僕も洋楽畑から来た人間。この話、してないよね?

(西寺郷太)さっきしましたよ、僕。元々はライター・評論家でジェームズ・ブラウンに突撃インタビュー行って、というところから始まったんですよね。それで音楽畑。制作畑に。JON B.のリミックスを最初にして。Babyfaceに褒められたという。

(松尾潔)ありがとうございました。忘れる前に豊島さんの話。責任あるんで言っておきますけど。それで、『MAESTRO-Tなんて名前じゃなくて、今回ご本名でやられたらどうですか?それで腹が据わることもあるだろうし、我々、出が洋楽かもしれないけど、キチンとJ-POPに向い合いましょうよ』ってことで。『ご本名でやりましょう』って言って。で、彼が初めて。豊島吉宏っていう名前で作曲クレジットして。それがね、紅白歌合戦で歌われて、オリコン1位取って。ご親戚が初めて、『吉宏くんがなにやってるかわかった』って言われたって。

(西寺郷太)なるほどね。

(松尾潔)本名はいいでしょ?って言ったんだけど、その時の作詞の僕が本名じゃなかったっていう。

(西寺郷太)(笑)。さっきから言いたかったんですよ、俺。『あんたでしょ?』って。それを変えろって言われたんですよね?ある人に。どの人に言われたんですか?

(松尾潔)(笑)。これね、『松尾くん、本名でやんないと意味ないと思うよ』ってことを筒美京平さんに言われたんです。筒美京平さんに言われたけど、筒美京平さんもまたご本名が別にあるっていうね。

(西寺郷太)(爆笑)。そうなんですよ!

(松尾潔)この話、マトリョーシカみたいなもんなんだよね。

(西寺郷太)なんだんだ、それ?っていうね。

(松尾潔)最後までわかんないんだよね(笑)。

(西寺郷太)だからさっきの話。BREATHEもそうだし、CHEMISTRYもそうですし。

(松尾潔)音楽の署名性・匿名性ってことだよね。

(西寺郷太)名前をつけるっていうのが、この前僕、『いまでしょ?』の林先生とテレビ番組した時に、『ムーンウォークはマイケル以前にもあったんだけど。バックステップとかいろんな名前があったんですよって話して。ムーンウォークっていう名前をつけたのが、広めたのがマイケルなんですよ』って言ったんですよ。あのダンス。

(松尾潔)ムーンウォーク的なものはあったけれども。

(西寺郷太)後ろに下がるダンスはあったけど。そしたら、あの先生、国語の先生で。『言語学では名前をつけないと、そのものは無いとされるんです』って言ってました。名前をつけるっていうのが、すごく重要なことなんだと。

(松尾潔)『ラップなんてのはね、昔からラストポエッツとかニッキ・ジョヴァンニとかやってたんだよね』って当時、ミュージックマガジン周辺の人とかが言ってたけど、『これがラップだ!』って言い始めたシュガーヒル・ギャングとかあのあたりが、いまでは史実上、79年ラップの誕生みたいになってるよね。そういうことだよな。

(西寺郷太)そうだと思います。だからやっぱり、松尾さんの話を聞いていると名前をつける作業というか、本名を出すっていうこともそうですけど。

(松尾潔)大切だよねって言う割には僕もたくさん匿名とか、名前も出していない仕事もたくさんありますけど。大切ですよ。本当。

(西寺郷太)だからCHEMISTRY仕事も特にそうですし、その後はどんどん松尾潔という名前で。もちろんEXILEのヒット曲にもつながっていくわけですけども。もしかしたらですよ、カラオケとかで名前が出てる、そこしか見てない人からすると、思っている以上に松尾さんが書いている詞の曲っていうのはあるかもしれませんよね。

(松尾潔)そうですね。

<書き起こしおわり>

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