ピエール瀧が語る バレンティン55号ホームラン最速記録のスゴさ

ピエール瀧が語る バレンティン55号ホームラン最速記録のスゴさ たまむすび

ピエール瀧さんがTBSラジオ『たまむすび』でヤクルト・バレンティン選手が達成したプロ野球ホームラン記録55号最速達成のスゴさについて語っていました。

(赤江珠緒)では瀧さん、ニュースたまひろい、お願いいたします。

(ピエール瀧)はい、本日のニュースはこちらでございます。『バレンティン最速55号』!まあ、ということでね。

(赤江)出ましたね。

(瀧)昨日広島戦でバレンティンがライトスタンドにホームランをかっ飛ばしまして。王(貞治)さんが持つ日本プロ野球最多ホームランの55号に並んだということで。シーズン、まだ続きますから、おそらく抜くんじゃないかと。

(赤江)残り試合数、まだまだありますもんね。

(瀧)ね!これ、いままでね、たとえばローズですとかバースですとかカブレラですとか、いろんなホームランバッターが跳ね返された55号。それは王さんのせいではなく、周りが気を使って打たせなかった。敬遠攻めにあったりとか。そういったことも乗り越えて、バレンティン最速55号で、まあスゴいな!と。

(赤江)スゴい!

(瀧)で、これWBCでね、みなさん気付かれたと思いますけど、オランダの人なんです。この人。

(赤江)あ、オランダの方。

(瀧)オランダの人で。オランダ人がなんと日本記録の55号に並び、おそらく抜くでしょうねと。

(赤江)あと残り20試合以上あるんですって。

(瀧)ね。だからこれ、何本いっちゃうんだろう?っていうことなので。もちろんバレンティンはスゴいということで、おめでとう!という気はしますけど。やっぱりこれね、ちょっと前に、52本ぐらいになった時に野村克也さんが、やっぱりこれは日本球界の恥だと。抜かれちゃうのは。できれば王さんの記録を抜くんだったら、日本人に抜いてほしかった・・・っていうのもあって。まあこれね、最速55号もスゴいんですが、今年記録作っちゃったのがね、ちょっとモヤモヤしたものを残すんですよね。

(赤江)なんで?

(瀧)球、すりかえ問題があったじゃないですか。コミッショナーの名前が入ってっていう。

(赤江)あ、そっかそっか。急に飛ぶや飛ばないやみたいな。

飛ぶボールと飛ばないボール

(瀧)急に飛ぶやつに変えて、黙っていたみたいなやつがあるんで。ものすごく歴史的な記録が生まれたんですけども、でもあの年、ボールが飛ぶ年だったんでしょ?なんてことをやっぱり。絶対野球ファンには付き物になってっちゃうんですよ。

(赤江)うんうん。

(瀧)で、こういう風になんかちょっといろいろあるんです。野球もね、圧縮バットを使ってた時代もあったりとか、それに今年は飛ぶボールだったりするわけじゃないですか。だから、なにが1番スゴいのか?って考えたわけですよ。で、僕ね、近年で自分が思い出してスゴいなと思うのが、一昨年の中村。西武。当時その時、統一球だ!メジャーと同じボールにする!って言ったら、軒並みホームランが減っちゃって。

(赤江)ああー、そっか。中村剛也選手。

(瀧)中村剛也。軒並み減った時に、中村が1人、飄々とホームランをかっ飛ばして。その年、48本ぐらい打ったんですよ。で、飛ばないボールなのに48本の中村はスゴいなというところで。今年ね、バレンティンが55本いきましたけど、今年中村が万全でいってたらなー!!と思うわけですよ。

(赤江)そうなんですか?

(瀧)本当に一昨年のあの感じで今年、いってたら・・・

(赤江)今年、中村選手は?

(瀧)去年のね、シーズン終わりぐらいに膝の手術をしまして。で、1軍の試合ずーっと出てなくて。で、8月ごろにファームで復帰して、昨日か一昨日・・・

(赤江)本当だ。2013年、5試合だね。いまのところ。

(瀧)で、出てきていきなりキレイな放物線のホームランを打ってたんですよ。復帰してスコーン!って打って。そうそう、それそれ!っていう中村が打っていて。いや、中村が出てればな、これどうなってるのよ今年!っていう。

(赤江)うわー!そうですかー。ホームラン王争いにね。

(瀧)そうしたら、4番浅村(栄斗)くん、ごめんねって感じになるんですけども。その感じがあって。じゃあ何がスゴいのか?って。そのへん、わかんないじゃないですか。で、これね、野球解析家の道作さんっていう方がおりまして、この人がね、ボールの飛び方も球場の広さも球団や年代ごとにバラバラのプロ野球において、新記録、このバレンティンの55号どれほどの価値があるのか?っていうのを、分析してくださった。

(赤江)はい。

(瀧)野球の数字は常に相対的なもの。難易度の観点、ボールだったりルールだったりバットだったりの難易度の観点から比較すれば、王も1964年に出した55本よりも、66年に出した48本の方が価値があるんですって。

(赤江)あ、そうなの?48本の方が?

(瀧)ボールが変わったりとかバットのルールが変わった中で、ボールが飛びやすい飛びにくい云々かんぬんっていうのがあって。で、王も55号だした時よりも66年の48本の方が価値があると。もっとも価値が高いのは、2011年の西武・中村の48本ですと。

(赤江)あ、そう!飛ばなかった時に。

(瀧)この時の飛ばなかったボールでの48本は本当に価値があると。

(赤江)ああ、そうなんだ!

(瀧)そうなんですよ。ドーム球場ができたりとか、いろんな風の関係とか変わっている中、いちばんホームランが出にくかった頃の48本はスゴい!と。道作氏が算定に用いたのは統計学の二項分布。各選手の年間本塁打数について、本塁打が出る確率がリーグ平均で0.03という標準的な打撃状況だった場合、500打席換算で何本塁打を打つことに相当するか?を評価値で表している。統一球導入元年に規格を下回る『飛ばなすぎるボール』をもろともせず、中村が放った48本はこの条件に当てはめると、66本相当と。

(赤江)おおー!

(瀧)歴代1位の難易度だったと。これにつぐ2位は、さっきも言った66年の王の48本で。いまに換算すると64本相当。3人が並ぶプロ野球タイ記録55本、王、ローズ、カブレラですけども。を並べても、価値は玉石混交。打高投低のシーズンに打った記録は難易度が下がるからだと。王の64年が63本相当で3位。カブレラの2002年は61本相当で4位。ローズの55本打った時、2001年は、48本相当でトップ20にも入らないと。

(赤江)はー!そっか。そんなにも違うんだ。

(瀧)さて、現状のペースからバレンティンの最終成績が今シーズン、432打席で仮にここから先1本しか打たず、56本だとすると、評価値は66本相当で歴代2位にすべりこむ。中村を超えて歴代1位に立つには、67本相当の57本までのばす必要があると。

(赤江)57本。あと2本。

(瀧)でも、これもしかしたら抜いちゃうでしょ?あと20試合あったら。あと2、3本打つでしょ。だからこのバレンティンの記録が、もちろん歴代の中でいちばんスゴいのはスゴいんだけども、いやいやということがある。だから僕はね、中村が今年、いい状況で出てたらな・・・って。

(赤江)でもね、それで言うと、来年中村選手がまた記録を塗り替えるっていう可能性もあると。

(瀧)も、あるということですよ。

(赤江)それだけの実力を持っているという。

(瀧)はい。昨日?一昨日かな?見ましたけど、キレイな放物線の中村らしいホームランを打ってたんで。これはもしかしたら、来年あたりっていうのは、期待してもいいのかな?って。まあでもとりあえず、バレンティンおめでとう!です。

(赤江)バレンティンの記録がどこまでのびるかが、楽しみですよね。以上、ニュースたまひろいでした。

<書き起こしおわり>

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