東京ポッド許可局 『半沢直樹』論 書き起こし

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TBSラジオ『東京ポッド許可局』でマキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんが人気ドラマ『半沢直樹』について語っていました。こんな感じです。

(ナレーション)ここは東京のはずれにある事務所、東京ポッド許可局。例によって暇を持て余した局員たち。今日もおしゃべりが止まらないようです。3人が語らっているのは『半沢直樹』論。一体どんな話が飛び出すのやら。ちょっとのぞいてみましょう。

(サンキュータツオ)半沢直樹、見てますか?

(プチ鹿島)ああ、もうすごいですね。

(マキタスポーツ)(立川談志のモノマネで)半沢はね・・・

(タツオ)談志師匠!談志師匠がまたおりてきてるけども。

(マキタ)半沢はね・・・立派なんですよ。

(鹿島)談志師匠(笑)。中山秀ちゃん、どうでした?

(マキタ)大したもんじゃないですか?

(鹿島)あの、よく最近あまちゃんでも能年玲奈がね、『大したもんですよ』って。あれ、談志オマージュですよね。

(マキタ)俺ね、とにかく声がこんな感じ(枯れている)なんで。たしかに話題になってたけど、俺あまちゃんで手一杯で。で、ほとんど見れてないんだけど。この間ね、1話目を見たんですよ。さかのぼって1話目を見た。面白かったね。面白かったけど、あれは常習性がやっぱりあるよ。

(鹿島)そうなんだよ。

(マキタ)あれは後を引くな。

(タツオ)俺ね、いやだから半沢直樹、面白いんだけど、面白いって言っちゃいけないんじゃないかな?ってちょっと思う気持ちがあって。

(鹿島)どういうことですか?それは。

(タツオ)やっぱり、お詫びショーを見せられてるって感じがするのね。

(鹿島)あ、お詫び。

(タツオ)なんかよく鹿島さんがさ、芸能ネタの時にね、全然俺ら接点ない人に、土下座しろとかお詫び会見しろっていうのを『禊(みそぎ)』って言うじゃないですか。

(鹿島)だから姿を消して隠れてた、もしくは刑務所の中にいた、逃亡していた人が、ある程度記者会見で『世間の皆様、お騒がせしました』って。こっちは別に迷惑もかけてないんですよ。だけどそれを見て、なんかこう一区切りつく。そういう感じ、あるじゃないですか。

(タツオ)矢口真里さんのことも、まだ禊が済んでないと。

(鹿島)早くやった方がいいって俺はもう、言ってるの。

(タツオ)で、なんか基本的にそれって俺らの関係ない世界でなにかやった人のお詫び会見を、公に見ることの気持よさと言うか。まあぶっちゃけ本人たち、世間様に何か迷惑をかけたんだろうか?っていう。で、どこに謝ればいいのか?っていうのもわからないよと、いうところだと思うんだけども。みんなはそのお詫び会見、ショーとしてのお詫びを見ることによって、スカッとしてる、カタルシスを得てるところがあると思うのね。っていうのは、twitterとかでもみんなツッコミ目線でね。ああしろこうしろだの、勝手なこというじゃん?

(マキタ)ちょっとごめん。俺、そのお詫びショーになってるかどうかも1話見ただけじゃわかんないんですよ。

(タツオ)それでね、半沢直樹っていうのは基本的に銀行社会でものすごく抑圧されているサラリーマンが・・・

(マキタ)融資課長ね。

(タツオ)そうなんですよ。上司は、もう難なく出世したいから、もしミスがあっても全部、部下のせいにして。

(マキタ)おっかぶせてるね。それ、1話で見ました。

(タツオ)あれ結局、全部・・・言っちゃいますけど。

(マキタ)ええっ!?言うの?

(タツオ)言っちゃいますけど、まあ基本的に気持ちよくなれるんです。見てれば。で、上司はやっぱり謝るの。最終的に。

(マキタ)そうなんだ。それが倍返しってこと?

(タツオ)土下座するの。

(鹿島)あの、だからね、よく言われるのが、これはもう時代劇のカタルシスと同じだってことで。

(タツオ)水戸黄門ね。

(マキタ)おなじニオイしたよ。

(鹿島)たしかに作者の方もそういう風に。時代劇テイストでチャンバラ的なことをやっているっておっしゃってるんですが。まさしく、明らかに善と悪だけじゃキレイに分かれてないんですよ。この半沢直樹って。要は、俺も本当まさしく土下座っていうのがこのドラマのキーワードで。

(タツオ)キーワードですよ。倍返しじゃないですよ。

(鹿島)土下座って、やっぱりその原作に書いてあるのは、いままでの半沢直樹って基本は性善説だが、やられたら倍返し、10倍返しっていう性善説だが・・・って言ってるけど。でも、今までのドラマだったらやっぱりね、主人公がカタルシスをやって土下座を上司がしようとした時、止めさせるじゃん?だけど、さすんだよ。土下座を。

(タツオ)そうなんだよ。

(鹿島)だからやっぱり見てはいけないものを見てしまったっていう。これ、どっちがいいもんで悪いもんか?っていうのはわかんないんですよ。後味が悪いんですよ。だからそれがすごく今の時代にあってるのかな?って。

(タツオ)いや、後味が悪いっていうのは正常な感覚というか。ちょっと優しいというか。基本的にあれを見て熱狂してる人たちって、やっぱりざまあ!って思ってる。気持ちいいんだよ。根拠なく、ひたすらズルくて小者で悪い人たちが出てきて、抑圧して。

(鹿島)最初、ちょっとイジメられて。

(タツオ)そう。責任を全部現場の人になすりつけて、そのままでいようとするんだけど最終的に半沢直樹がひっくり返すっていうね。その気持ちよさって、たしかに気持ちいいんだけど、でも俺、この銀行の人じゃないしな・・・っていう。やっぱり思っちゃうんですね。

(鹿島)あるし、もっと昔はね、水戸黄門が印籠を出すだけで気持ちよくなってたのが、いま人の土下座を見て気持ちよくなってるのかっていう。俺らもそこまで来ちゃったのかっていう。ないですか?

(タツオ)たださ、水戸黄門ってある種、特権階級じゃないですか。だけど、半沢直樹って別に特権階級じゃないから。水戸黄門って別にそんなに努力せず、ただ水戸黄門であるが故にみんな土下座してくれるわけでしょ?偉いから。実は会長でした、実は社長でしたって言ってるのと同じでさ。でも、実は会長でした、社長でしたがない分、こう何か半沢直樹に自己投影する人がすごく多いんじゃないかなと思うのね。責任をみんな他の人に押し付けたりだとか。自分の言ったことを忘れたふりをするとか。で、全部現場にしわ寄せが来るみたいなね。で、それが最終的に仕返しをするから気持ちいいみたいな。ちょっと、お詫びアプリみたいになってるの。

(マキタ)あの俺ね、1話目だけ見たって言ったでしょ?したらね、1話目って長かったでしょ?長かったですよ。でね、見ててグイグイと引きこまれたんですけど、途中から面白すぎて疲れたと思って。でね、この間甲子園ひさしぶりに見たんだけど、甲子園をなぜ見なくなったのかっていうと・・・俺、途中から見てないんだ。全然。面白いからなんだよ。っていうのは、面白いっていうのは、残酷だからなんだよ。で、俺その第1話目にしてそこまで到達してないんだけど、どんどんそうなって行くわけでしょ?そのカタルシスを得るためのもの、どんどん味付けが濃くなっていって、やってるわけでしょ?

(鹿島)うん。

(マキタ)俺、たぶんね、面白すぎると思う。だからね、ちょっとついていけないみたいなところが。それね、歳との関係があって。前も言ってたじゃない?PKさん(プチ鹿島)がさ、ビッグダディとか。ああいうものとかってさ、すごく露悪的なもので嫌だとか言うけど、ちゃんと視聴率を持ってると。そういう悪性のエンターテイメント性が、まあいいんだというか。それを認めましょうという。まずそこありきで考えてみましょうっていうことだったと思うんだけど。PKさんが言ってたのはね。

(鹿島)うん。

(マキタ)だからその点においては、PKさんも言ってたけどさ、半沢直樹って味付け、濃いんでしょ?

(鹿島)味付け、濃いよ。

(マキタ)濃いんでしょ?だから現代人としての仕様としては、昔の勧善懲悪ものに比べるとどっか味付けが濃くなって、露悪的になってるんじゃない?わかりやすい。

(タツオ)まあだから、昔の勧善懲悪の『悪』がもっと強くなってるし、仕返しがもっと強くなってる。また上手いのがさ、堺雅人さんの品でなんか見れちゃうのよ。下品じゃないのよね。あの人がやっちゃうと。で、またその上戸彩がさ、いい奥さんなんだよ・・・

(マキタ)ちょっと待って。上戸彩のことについて言いたいんだけど。上戸彩、なに?あのさ、100点満点の奥さんみたいな。

(タツオ)それも気持ち悪いぐらい100点なのよ。

(マキタ)いや、ちょっとやめて・・・

(鹿島)濃い味付けの中で上戸彩が箸休めの役目を担ってるの。あれ、原作を読むと奥さん、ただ本当に気の強い人ですからね。そこが唯一違ってるところなの。

(タツオ)いや、だからちょっとあの上戸彩の奥さん像って古いんだよ。

(マキタ)そうそう。古いし、ご都合主義的すぎるよ。

(鹿島)古いで言うなら、最初壇蜜が愛人役で出てきたじゃない?これ、ザ・古いじゃん。だって愛人役、誰にします?壇蜜ってのを追い込んでくるわけでしょ?それをもうやるっていう清々しさですよ。

(マキタ)すごいご都合主義的に見えたよ。俺は。

(タツオ)本当に記号的。アニメ的。

(マキタ)むちゃくちゃ記号的だったし。なんかその名を借りた時代劇もののノベルティみたいな感じ、すごいしたけどね。新たな時代の。

(タツオ)俺は、槙田 雄司さん『一億総ツッコミ時代』っていう本がありましたけど。みんなだからさ、やり込めたいのよ。ツッコミたいのよ。ただし、ツッコミが小さいわけじゃん。

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(マキタ)うん。どんどん小さくなっていくよね。

(タツオ)そこで1つ大っきいツッコミを見れてることの気持よさなんだと思うんですよね。

(鹿島)あとね、これもっと話したいんですけど、いまウケてるドラマって実は主人公の性格悪いんですよ。堺雅人、『リーガル・ハイ』っていうね、フジテレビの。今年秋からパート2やりますけど。あれなんかでも、まあ屁理屈で口だけ達者で。でも負けないっていうのがあったり。

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(鹿島)『ガリレオ』なんかそうじゃないですか?あれなんか、性格が悪いっていうよりも変人。福山(雅治)さん。見てて気持ちのいい人じゃないけど、でも仕事ができる面白さ、あるじゃないですか。

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(鹿島)で、あと4月に海外ドラマで『Newsroom』っていうのがあったんですね。海外のドラマなんですけど、そこなんかキャスターがとにかく仕事はできるんですけど、まあ性格がキツすぎて第1回目はスタッフが離れていくっていう、そういうシーンから始まるわけ。で、そっから本番になるといい仕事をして、再結集するっていう話なんですけども。

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(鹿島)今までだったらそういう主人公って、反省するじゃないですか。人の温かさとか。でもそのキャスターにしろ、リーガル・ハイの堺雅人にしろ、福山雅治のガリレオにしろ、別に人の心の機微に触れてなにかちょっとハッと気づくとか、そういうことじゃないんですよ。

(タツオ)成長しないの。

(鹿島)普段は嫌われてても、徹底的にプロの仕事を見せつけることによって、周りを逆にうならすっていうその展開が。この半沢直樹もそうじゃないですか?

(タツオ)だからあのドラマを見てると、俺も見てる人間なんだけど、見てる人間があれに面白い!って言えちゃう無神経さって、自分は仕事できる!とか、自分は他の人に責任をなすりつけてないっていう。なんかどっかそういう自信があるからこそ、あのドラマを面白いって言えちゃうっていうね。

(鹿島)だから一億総ツッコミ時代、本当にあの親和性が高くて。っていうのは今、もうひとつのドラマのね、流行ってるのをみるとSNSと親和性が高いじゃないですか。ツッコミながら見るっていう。だからおネエが出てきたら、みんな喜ぶ。あまちゃんでも何でもいいですよ。あっ、小ネタあったっていう。みんなツッコミたがる、言いたがるけど、それをあえて超越する瞬間っていうのは、やっぱりドラマの主人公が性格悪すぎてリアルで、だけどこいつ信用できるみたいな。1周して、みんなツッコミ気質だから、もっとスペシャルな意地悪なツッコミ気質が出てくると・・・

(タツオ)自己投影になっちゃう。

(鹿島)結局それは自己投影で。それ、結構ね、成功する要因だと思うんですよ。決定的に意地の悪いというか、キツいというか、リアルな。だってそこであったかい人物置いたって、いまスマホ片手にツッコミながら見る人って、そんなのリアルに感じないじゃないですか。それよりは、じゃあ土下座しろ!って迫る半沢直樹の方がよっぽどこう清々しいというか、信用できるっていう。そういうの、あると思うんですよ。

(タツオ)いやマキタさんもだからね、ちょっと倍返しだ!ぐらいのね、キーワードぐらい聞いたことあるでしょ?

(マキタ)あるよ。

(タツオ)だから嫌な目にあわせた人に倍返しの仕返しをする的な。まあ実際は倍・・・吊り合ってねーじゃん、それ?みたいな返し方なんだけど。やっぱり見てる側としては追い詰められていく相手が憔悴していく感じとかにものすごいカタルシスを得るわけさ。

(マキタ)わかる。わかるんだけどさ。だから・・・

(タツオ)ただね、水戸黄門と違って、社会悪とかじゃないの。社内悪なの。だからすごく決定的なシーンって、たとえば半沢直樹をハメた支店長がいるんだけど、要は社会的に悪いことしてるの。で、最初はもう刑事告訴するって言ってるの。だけど主人公は取引するんだよ。支店長と。

(マキタ)なるほどね。

(タツオ)それで、告発しないの。そのかわり、自分を本部。東京支店に推薦しろという取引をするんだよ。だからつまり、向こう側と一緒に、まあ悪っちゃ言わないけど、社会悪っていう線引きじゃなくて、自分の利になるように向こう側に乗っかるっていうね、取引をするの。それがだから水戸黄門と違って危ないところだし・・・

(鹿島)善悪、勧善懲悪でもなんでもない。

(タツオ)そう。なんでもない。そこがまた気持ちいいところだし、危険なところなの。

(鹿島)かわいそう。ざまあみろ!的なのを煽っているシーンでも俺、あると思うんですね。

(マキタ)俺さ、伊集院(光)さんがさ、園子温の監督した映画ありましたよね。4時間ぐらいあった映画。『愛のむきだし』。あれとかを見てて、自分にとっては必要のない映画だっていうことを言ったんですよ。知ってます?話。

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(タツオ)いや、存じ上げない。

(マキタ)自分が自分の人生、文化的な教養度とか人生を積み重ねていった時に、食べるものでたとえると、ようやく歳相応にこのお店のこのぐらいのお蕎麦を手繰るのが美味しいと思えた時に、ものすごいとんかつハンバーグとかみたいなものを出されても、僕にとってそれはもう必要ないものです。食べてきたもんだしっていう選択があると。っていうことは俺、すごいよくわかって。俺、結構いろいろなものに言えるんだけど、もうその味付けの濃さがその微妙な調整をして、悪いものをさらに悪く描いたりっていうのは、音楽でも言えるんだけど、音圧が強くなってるものって、もう結構。もういいですって感じがあるの、わかります?

(鹿島・タツオ)うんうんうん。

(マキタ)もう元のネタとか味とかもわかってるから。もう結構です。そこの増えちゃった分。そこのなんていうの?つけ麺にしても何にしても、タレとかもただ味付けが濃くなっているだけじゃないですか?原理は知ってるから、いいんですよ。もう。とりあえずね。だけどその、濃くなった部分もものすごい好きじゃないですか?

(鹿島)そうだよね。それを追い求めるじゃないですか。

(マキタ)その部分ばっかり言うじゃないですか。ただ単に一億総ツッコミ時代だったらば、僕作り方として、作る側、ただボケになればいいだけのことじゃないですか?より強くボケにしていった方が、ツッコミを受けやすくなるっていう構造でやってるってことを優秀な作品として作っているのが、この半沢直樹なんでしょ?

(タツオ)味を濃く、そして甘く。

(マキタ)僕は、あえて言いますよ。半沢直樹、僕必要ないです。僕は。

(タツオ)おおー!

(鹿島)味付けが濃い話で言うと、つけ麺の魚介スープの濃さを追い求めて評判の店に行ったら、もうほとんど日本蕎麦のツユになってるっていう。

(マキタ・タツオ)(笑)

(鹿島)もう俺の考えている濃さ、そういうことだなっていう。程度を知るっていうか。

(マキタ)だけど、もう一方で視聴率をものすごい稼ぐわけじゃないですか。

(タツオ)30%以上なわけですよ。それがなぜか?っていう。俺はだから、とっても危険な感じがするのね。

(マキタ)その危険っていうのが俺、気になるんだよ。

(タツオ)だから社会悪っていうことで裁くこと以上に、社会悪ではもう測れない部分。だから刑事告訴しないで、取引をして自分を栄転させるっていうところを良しとするって、すげー危険じゃん?

(鹿島)だから一線を越えてるんですよ。本当に土下座にしろ、それにしろ。

(タツオ)だから人によっては、『いやもうキツい、あれは。本当半沢直樹の仕返し、キツい』という意見もあれば、『俺なんかまだまだヌルいぞ!もっとやってやれよ!殴られたんだから殴り返せよ』と。でも、殴らないっていうそのバランスで整えてるところも、うわっ!怖い!って思う。ほどよい感じに抑えてる感じっていうのも、うわー怖いわー!って思うところもあるんだけど。

(鹿島)だから本当に今、みんな意地悪な時代ですから。一線を越えた意地悪を表現されると、おっ!?っていう。ちょっと見直すんですよ。リアルだから。どうせそんなことしないでしょ?って言ってしないのが、引き金をひかないのが今までのドマラであり映画だったんだけど。

(タツオ)しかもさ、ラスボスにさ、香川照之用意してるの。

(鹿島)素晴らしいですよね。

(タツオ)絶対にみんな見るじゃん!っていう。

(鹿島)あれ、『死亡遊戯』でもあるわけですよね。

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(マキタ)(笑)。死亡の塔ね。

(鹿島)死亡の塔。どんどんキャラがデカくなっていくっていう。だからあえて言いたいんですけど、ディテールのやっぱり細かいところにあると思って。やっぱり僕は小悪党たちをね。あれがたまらないんですよ。ラスボスは素晴らしくていいですけど。で、何でしたっけ?小木曽支店長?あれ、ビシバシステムのさ・・・

(マキタ)元のね。西田さんね。

(鹿島)ね。僕、ああいうさ、細っかーい、ズルーい役っていうのは、僕は喜劇人が似合うと思ってて。そういうのを配置してるのが嬉しいですよね。

(マキタ)なるほど。キャスティング論ね。

(タツオ)だから第2シリーズ、鹿島さんキャスティングあるかもしれないですよ。

(鹿島)まあ俺ね、正直ね、ああいう銀行で中ぐらいのところにいるの、うまーいと思うよ。うまーいと思うよ。

(マキタ)あそこ?モロ(諸岡)さんみたいなところ?

(タツオ)あ、そうそう。モロさん出てるんだよ。また。ちゃんと。出てるわけですよ。そのへんのキャスティングが本当、抜かりないっていうか。

(鹿島)だからそれをさ、もう1回言うけどツッコミながら見るっていうの、今にハマってて。で、知ってます?半沢直樹が終わって、10月からのTBS同じ時間帯、キムタクがまた満を持して出てくるんですけど。それが漏れ伝わった話だと、『安堂ロイド』っていうんですね。

(タツオ)うん。

(鹿島)安堂ロイド。安心の『安』に堂々の『堂』が名字なんですよ。ロイドが名前なんですね。

(マキタ)安堂ロイド。

(鹿島)で、未来から来て。キムタクが安堂ロイドで。で、現代に来てラブコメディか何か、サスペンスか何か起きるって、もう・・・TBSの罠だと思いますね。要は『ツッコんで下さい』っていうのを持って来たんですよ。これは。キムタク、未来から来ちゃったよ・・・的なもう、ツッコんだらダメですよ!ハッシュタグつけて。そのためにドラマ作りしてるんじゃないかな?まで俺、読んでるんです。

(マキタ)そうですよ。絶対そうですよ。もう絶対にボケありきですよ。あ、ツッコミありきで、如何にしてボケをするのか?っていう。

(タツオ)みんな何でツッコミたいの?

(マキタ)でもツッコめる状態になったわけでしょ?

(タツオ)それだけみんな、抑圧されてるのかな?

(マキタ)抑圧されてると思いますよ。

(タツオ)言いたいことを言いたい時に言えない。

(マキタ)うん・・・ポイズン。

(マキタ・タツオ)(笑)

(マキタ)それがポイズン。

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(鹿島)本当にでも、ツッコミっていうのがちょっと僕、危なっかしいと思っていて。じゃあ何ですか?たとえば半沢直樹にしろ、同じ社会的地位が高いかっていうとそうでもないと思うんですよ。当たり前ですけど。っていうのは、小泉選挙、ありましたよね。郵政選挙。

(タツオ)また政治の話?

(鹿島)あれって、意外と支持した人って、1票入れた人って、いい悪いは別にして、意外とこう小泉が改革、切り捨てようとした年収の低い人たちとか、そういう人が勝ち馬に乗るみたいな逆転現象で。小泉を勢い良く支持してたんだけど。1番実は今、そのアレで影響を受けてるのはその層の人たちだっていう話もあるじゃないですか。だから気持よさに乗っかったんだけど、じゃあ今どうなってるか?っていうと、自分たちが直撃してるっていう。そういう、いい悪いじゃないですよ。そういう現実ってあるじゃないですか。だからこう、ツッコミを気持ちよくしてて、その場はいいかもしれないけど、それにあえて人のツッコむ気持よさを制作者側とかね、選挙する人の罠にハマっちゃうところってあると思うんですよ。

(タツオ)そう。でさ、前も猫ひろしのカンボジア代表問題とかね、言ってたけど。ズルい!って思ったものに対して、容赦なくツッコむよ。すごく正論的な立場で。完全に自分正しいって時に容赦なく。

(マキタ)知恵袋人格みたいな。

(タツオ)そうそう。知恵袋人格。いかがなものか?

(マキタ)いかがなものか?(笑)

(タツオ)それ、なに?つまんねーよ!それ。

(マキタ)Yahoo!おじさんが出てくる(笑)。

(鹿島)その、いかがなものか?ズルい!っていうキーワードがあったと思って。

(タツオ)そう。だから半沢直樹に出てくるさ、やりこめられる人たちはみんな、ズルいんだよ。

(鹿島)そうそう。で、あの程度だったら自分もあの場所にいてもおかしくないって微妙な嫉妬も交えてるから、猫ひろし国籍変えてオリンピック出るのズルい!みたいなの、あるじゃないですか。もっと言えば剛力彩芽が叩かれてるのって、ズルい!ってのがあると思うんですよ。

(タツオ)何でもやりやがって!的なね。

(鹿島)ズルくねーよ!って俺は思うんだけど。下手したら私だって剛力と同じぐらいですよって、もしかして思って叩いてる人だっているかもしれない。

(タツオ)だから同じ目線なんですよ。

(マキタ)同じ目線だよ。だけどさ、やっぱりバカコンテンツだよ。いますごい力持ってるのって。ボケの方にいる、バカコンテンツね。サッカーの国際戦とか。あれ、みんな言えるじゃん?みんな総出で結果でなかったら『この!ザッケローニ!』っつって。言えて、勝ったら勝ったでめちゃめちゃ喜んで。結果、交差点占拠してみんなで酒飲んで。それの延長線上に半沢直樹みたいな高カロリーなものがあるわけですよ。もう、バカコンテンツなんですよ。

(タツオ)ドリフだ。ものすごい1人強いツッコミのいる、他みんなボケっていう。だからもう、長さんなんだね。半沢直樹って。いかりや長介だ。

(鹿島)さっきのザッケローニで僕、ちょっと引っかかったんですけど。やっぱり観客がね、ザッケローニ!このバカ!とか、ダメだ!とか、引っ込め!とか言うのは、俺は意外とアリだと思うの。っていうのは、それはわかってるじゃないですか。じゃあ、自分がザッケローニの役割をやるっていう、そんな意味合いはないでしょ?昔からほら、野球だって。だって客席から、オメー!とかこの野郎!とか言うのって、野球選手としての仕事のうちの1つだと思うんですよ。だってその野球選手が、じゃあ自分がグラウンドに行ってお前より良いプレーをしてやるよって、そういう意味の野次はないと思うの。

(タツオ)盛りたてる的なね。

(鹿島)そこはわかってると思うんですよ。グラウンドにいる人と客席。だけど、最近のツッコミってよくわかんないけど、『なんだったら俺、お前より同じところでプレーできて、お前よりレベル高けーよ』っていう、妙な嫉妬が・・・

(タツオ)放送コード気にしたりとかもそうだよね。どの立場なの?っていう。

(鹿島)剛力とかそうでしょ?何で剛力がかわいくって私が・・・みたいな感じ。俺、なんかそういう風に感じるんですよ。客席とグラウンド、一緒にしてる人がいると思うんですよ。昔ははっきりわかれてたから、そういう野次って相手のプロも引き受けてたけど、今のその野次って、twitterでも直接飛ばす・・・

(マキタ)結局はね、そういうことも思索したりとかわけて考えることじゃなくて、脊髄反射そのまんまでやれるわけだ。

(タツオ)フィルター通してない。

(マキタ)フィルターを通さずにできるわけ。だけど落ち着いて考えてみたら、剛力彩芽と自分が同じわけないってことだってわかる。ただ、そのツールを持ってるんだよ。持ってるから、すぐ脊髄反射でやって、そこでおしっこかけてマーキングしたら、はい、それでOK。気が済めるってことができてる。

(鹿島)そこまでの意味合いは無いっていう。

(マキタ)俺は意味合いは無いと思う。通りがかりなだけで。それがだからtwitter人格とか、ネット人格というかの面白いところで。そこで捌け口になって気持よくなって。でもそれもさ、すごい気持ちいいっていうわけでもないんだよね。あいつら。

(タツオ)ただのストレス発散。

(マキタ)ただのストレス発散がこれだけできてる、ストレス開放社会を迎えました。

(タツオ)それを気持ち悪いではなくて、面白いって言えるマキタさん、素晴らしいと思うね。

(マキタ)いや、素晴らしいと思うって・・・俺は、言いました。

(鹿島)だからマキタさん、前いってて、なるほどなと思ったのはニコ生のコメントとか、逆に拾ってあげると魂が浄化するっていう。俺、なんかそのことだと思うよ。

(タツオ)構ってほしくてね。

(鹿島)twitterでも何か、有名人にすごく罵倒してくるやつが、もし本人から『あ、ごめんなさいね』みたいな、慇懃無礼かもしれないけど、返されたらハッと思うかもしれない。

(マキタ)ハッと思ったりとかさ。っていうか、ハッと思ってんじゃねーよ!と思うんだけど。こっちはね。やっといて、何?ハッ!じゃねーよ!みたいなところってあるじゃん。何でハッ!なんだよ、おめー!?目から鱗落としてんじゃねーよ!って。

(タツオ)でも一度構ったら、傘にかけてくる人もいるよね。

(鹿島)いるいる。だって、フラットだと思っちゃってるから。フラットじゃねーよ!

(タツオ)(笑)。だからまずはみんな、エリートになって半沢直樹にならないとダメだね。だとしたら。

(鹿島)半沢直樹ね。うん。

(マキタ)半沢直樹、あれはちょっとヤバイなー。あれ、見続けたらものすごい疲れるなー。

(タツオ)味付けがね。危険な味付けだから。

(マキタ)原作はあなた、読んだんでしょ?原作はどんな感じなの?

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

(鹿島)意外と濃い味付けだった。だから、この濃い味付けって原作からどれだけ味付けてんのかな?と思って、それで読んでみたの。

(マキタ)これ、サラリーマンもののラノベなんじゃないの?

(鹿島)そうそう。だから意外とおネエとか、原作通りですよ。本当に。あのまんま、おネエなんですよ。

(マキタ)あ、ラノベじゃん。そしたら。

(鹿島)半沢もね、原作読むともっと気が短くてカッカッしてる人だから。だからそういうマキタさんのフランス書院じゃないですけど、そういうちょっとした感情をパーッと発散することができる小説かもしれない。

(タツオ)だからまだ本当に堺雅人さんが品があるのよ。もっと同列で戦ってるんだよ。ドラマというか原作の中では。リアルに叩き合ってるっていうか。

(マキタ)あ、そうなんだ。へー。

(鹿島)堺雅人の素晴らしさっていうのも、僕はあると思うんです。

(タツオ)デオドラント効果、すごいよね。

(鹿島)やっぱりね、タツオがよく、自分はそうは言ってもあまちゃんは能年玲奈しか興味がない。それだけ見てればいいドラマだと思うけど。実際これも堺雅人効果が、そうは言ってもですよ、ほとんどだと思うんですよ。

(マキタ)でもさ、やっぱりさ、そうなんだろうね。そうなんだろうけど、上戸彩の描き方?描き方求めちゃダメなのか。上戸彩に期待をしすぎてるから。

(タツオ)上戸彩の描き方になっちゃってるんだ。半沢直樹の奥さんじゃなくて。

(マキタ)だってあんなステレオタイプな奥さん、いるわけねーじゃん!って思っちゃう。

(タツオ)そこがファンタジーなの。だからオヤジたちがほしい奥さんなの。

(マキタ)オヤジたちがほしいやつだろ?

(タツオ)いないから、もうだから2次元なの。それが。

(マキタ)いま小説とかって、ラノベ的になってきてるの?アニメ化とか。アニメ的になっていくとか。記号的になっていくこととかっていうのは、これはなぜなの?

(タツオ)わかりやすいからですよね。記号でいいものは、記号として描くよね。

(マキタ)もう別に特に表情は無くていいと。

(タツオ)でも、本当に主人公とかは一面的じゃなくて、二面三面あって立体的に描くよね。これがもう、周りにいる人たちも立体的にすると、どこにピントが合ってるのかわからなくなっちゃう。だからまあ、主人公を立体的に描くために、周りを記号的にするとか。プロットをもう本当にわかりやすくするとかっていうのは、もう技術の1つなんじゃないかな?

(マキタ)あの、ライトノベル的な感じっていうのは、J-POPにおいてもすごく。アイドルソングっていうのもライトノベルなんですよね。言ってみれば。すごく記号的なものの組み合わせ。記号と記号の組み合わせで、いろんなものが下位分類されてて。いろいろ分けられていくんだけど、基本的に記号なんですよ。あれって。

(鹿島)そうか。『ウォーターボーイズ』とかも、あれシリーズ、いろいろ手を変え品を変え類似映画でましたけど。結局あれ、逆算で最初ね、最後溜飲が下がるっていうか感動できるっていう逆算があって楽しめるじゃないですか。いろんな苦労とか、仲間の離れ離れになっちゃったとか。でも最終的には感動するわけでしょ?

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(マキタ)だからそのダイオウイカ感っていうか。トワイライトゾーンのジャンルとかの中をテーマとして扱っても、でもそれは銀行の話とかも奥側のこととかはわからないわけだもんな。そのトワイライトゾーンに入って、でも中で行われているそのドラマツルギーっていうのは、ものすごくベタなことをやっているわけだから。記号的に。

(タツオ)でもなんとなく銀行の世界っていうのが伝わってくるじゃん?まあ、デフォルメされてはいるけどね。あ、こういう感じなんだみたいな空気感ってあるじゃん?

(マキタ)でもやっぱりあれなのかな?こういうものが極まっているっていうのは、みんな気ぜわしくて抑圧されていて。なんかそうすると本当に酒オヤジジャーナルみたいな感じがするけど、なんかやっぱりそういう時に味付けの濃いものパッと食べて満足とかっていう感覚・・・面白い!って本当に言えるものとかの方が、ウケるよな。

(鹿島)これ、最新のオヤジジャーナル情報、言いますか?8月31日の日刊ゲンダイさんですけど。『半沢直樹ブームでマツキヨ株急騰』っていう記事。要はマツモトキヨシが今年の決算の純利益が過去最高だったから株が上がってるらしいんだけど、ゲンダイはそうじゃないんですね。それとはまた別の理由があると言って、アナリストの方にコメントさせてるんですけど。このアナリスト曰く、『マツモトキヨシは半沢直樹と同じくフルネームなので人気になったんでしょう』と。

(マキタ・タツオ)(爆笑)

(鹿島)あの、ゲンダイちょっと半沢直樹、好きすぎねーか!?で、そのあと(笑)。独自の解説があって、『社名に名字が入っている会社、結構あります。ホンダやスズキ、トヨタ自動車や江崎グリコもそうだ』って、最初から人気の会社だと思うんですけど。

(マキタ)人気メーカーなんでしょ?安定銘柄ですよ。

(鹿島)もう好きすぎて、そんな独自の解説しちゃってるんです。オヤジジャーナルは。半沢直樹が好きで。

(マキタ)好きすぎてね(笑)。好きすぎちゃったんだ。

(タツオ)でもあれは子供も見てるかと思うと、胸が痛むけどね。

(鹿島)あれ、子供には見せたくないね。

(タツオ)だって日曜のあの時間、30%だったら・・・

(鹿島)だから僕ね、本当に『風立ちぬ』でタバコのシーンが多いって禁煙学会さん怒りましたよね?僕、禁土下座学会とか作るべきなんじゃないかと。土下座、多すぎるんです。あれ。ちょっと。ある程度18歳以上じゃないと、俺見させたくない気がするんですよね。

(マキタ)土下座って流行ってるの?(グラップラー)刃牙の人が土下座の漫画、描いてるでしょ?

(鹿島)ああ、謝罪のやつね。

謝男 1巻


(タツオ)いや、だからお詫びショーなんだ。お詫びさせたいんだよ。

(鹿島)でも、結局2013年にもなって日本には土下座メンタリティっていうさ、恥も屈辱も1番表した土下座がいまだに象徴になってるって、なんか妙だけどね。

(タツオ)人の土下座を見て、自分が上になった気持ちになりたいというね。

<書き起こしおわり>