東京ポッド許可局 『有吉横綱』論 書き起こし

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東京ポッド許可曲
TBSラジオで放送中の東京ポッド許可局。マキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんがお笑い界の横綱に昇進した感のある有吉弘行さんについて、このように語っていました。

(ナレーション)さて、今宵の東京ポッド許可局。例によって暇を持て余した局員たち。一体どんな話が飛び出すのやら。ちょっとのぞいてみましょう。

(サンキュータツオ)どうですか?4月、なんかテレビとかいろいろ始まったじゃないですか。ラジオも始まりましたけど、マキタさん的に気になる現象とかありましたか?

(マキタスポーツ)あのね、俺ちょっとまた軟禁生活の身なんで。本当にテレビを見ることが出来なくなっちゃっているんですよ。

(サンキュータツオ)まあ、その最近ね、俳優業の方がお忙しいということで。

(マキタスポーツ)で、いま特殊な状況にあるの。合宿撮影という状況なので、もうホテルと撮影現場を行き来してるだけなんですよ。でも帰ってきて、テレビ一応つけてみるんですよ。そん時に『うっ!』と思うのは、有吉くんいるじゃないですか。有吉さんがですよ、メインMCをやっている別々の番組とかを、いくつも見たんです。で、僕半ばちょっとした浦島状態感覚があって、『これはどういうことか?』って一瞬思ったんですけど。

(サンキュータツオ)あー。

(マキタスポーツ)有吉さんって、いろいろなプロセスを経てですけど、今そのメインMCですよ。ね?これ、メインMCで、たとえば有吉さんがメインMCでいて、むしろこの回される方に千原ジュニアさんがいるような現象とか、ということが起こっている。それぞれの番組とかでも、それはだから『座長芸人』になりました、ということにもなるわけじゃないですか。有吉さんの冠がつく番組、そしてまた有吉さんというものが視聴率ストッパーになり、最大の、それを座長に据え置くことで視聴率がホールドされるということで、ちょっと前だったらそれは、くりいむしちゅーとかネプチューンや爆笑問題でやった人たちもいたかもしれないですけど。この時代、たとえば組閣する時とかに有吉くんがいて、だれそれがいて。バカリズムがいて、みたいなね。

(サンキュータツオ)まあ、まあ見えるよね。

(マキタスポーツ)もうだから、『見える』ってことになってるじゃないですか。いわゆる。『見える』っていう状態になったわけじゃないですか。これ、すごいよね。

(サンキュータツオ)すごい!

(プチ鹿島)だからさ、その特殊な状況でテレビが見れないマキタさんが、それに気づいたってことは、それがたぶんもしかしたら田舎のおじちゃんおばちゃん、田舎にどれだけ届いているか?ってことで、有吉さんがどれだけ今、出てるかっていう一番分かりやすい話じゃないですか。

(マキタスポーツ)そうだね。

(プチ鹿島)やっぱり有吉さん見ていると、僕なんかやっぱり『横綱昇進中だな』っていうのがリアルタイムで分かって、すごく面白いんですよ。あの、『怒り新党』とか。だって、『怒り新党』でマツコ・デラックスと2人で・・・普通だったらあんな大御所2人が食い合ったら美味くならないですけど、あと2人見事に、マツコ・有吉さんはスイングしてるじゃないですか。あれ、なぜか?って言ったら、やっぱりね、当然分かると思うけど、有吉さんがすげー横綱・・・実際言葉遊びとかじゃなくて『横綱相撲』もしてるんです。敢えてマツコを受け止めて。

(サンキュータツオ)あの巨漢力士を?

(プチ鹿島)そう。だからそこがややこしいの。今、相撲でたとえてるからさ。マツコのことも。で、マツコはやっぱり敢えて一瞬抱かれに行ってる感じも・・・心許してだよ?お互い分かってるから。で、それを敢えて受けて突っ込んだり照れたりってのを、すげー見てて面白れーじゃんか。確実にポジションというか、相撲の取り方も違って来てない?って思うんですよね。

(サンキュータツオ)うん、そうですよね。本当、10年前には想像も及ばなかったというかね。

(マキタスポーツ)でもさ、たとえばその有吉さんがバーッと台頭してきて、あなたが言う所の横綱に昇進した。かつて横綱になろうかという人は、だからオセロ中島さん?オセロ中島さんが今、ああいうことになってさ。5年ぐらいで全然これ、想像できました?

(プチ鹿島)番付っていうのが変わるんですよね・・・

(マキタスポーツ)そうだね。5年前、いや、そのあたり全く想像できないですけど。

(サンキュータツオ)たしかに!

(マキタスポーツ)誰がでも、想像しましたか?みたいな話ですよ。有吉さんがそれだけのポテンシャルがあり、座長を張れる、横綱を張れるだけのものがあったなんて、誰も予想できなかったんじゃないですか?ビックリした。改めて。実力があるのはもちろん分かるけど。テレビ芸としてのね。

(サンキュータツオ)まあ努力もなさってるでしょうしね。勉強家でしょうし。いや、でもそれ本当すごいよね。本当に。しかもやっぱり、結構いろんな所を押さえてるもんね。マツコ然り、そのメタに語る人からAKBまでさ。文化の中心にいるような人まで。

(プチ鹿島)いやだから、自分たちのディレクターとかスタッフとか、マキタさん言ったけど、この間俺、すげー見てて面白かったのが、たまたまなんだけどテレビ東京で有吉さんの『バカだけどニュース始めました』みたいなのがあって。それは文化人が5-6人いるんですよ。で、芸人サイドがいるんですよ。その芸人が、たとえば『TPP』とかだったら、バイきんぐの小峠、彼とかが『TPP』をちゃんと話せるようになったら合格みたいなのがあって。池上彰的なものと、バラエティ的なものが見事に融合して、すげー面白かったの。俺、レギュラーかと思ったら特番なんだってね。

(サンキュータツオ)テレ東のバラエティは面白いね。

(プチ鹿島)ですけど、でもそこで有吉さんが中心にいるわけですよ。ということは、そこにいいスタッフも集まってきてるんですよ。横綱昇進って、そういうこともあるじゃない。絶対。本人だけのものじゃないじゃない。やっぱり、どんどんどんどん面白いものが生まれてる感じがすごいしたね。

(マキタスポーツ)俺さ、その時に併せて思ったのが、あのへんのチームの中で担がれてそういうポジションに行くべくして行ったのは分かりますよ。なんか、あの『ダウンタウン臭さ』が無いでしょ?あのへんの人たちって。俺、あれが何か面白いなって思って。無いでしょう?

(プチ鹿島)無いね。

(マキタスポーツ)何かね、劇団ひとりとかバカリズムとか有吉さんとか、あのへんの人たちって、何か『ダウンタウン臭さ』が無いんですよ。あるいは『(島田)紳助さん臭さ』と言ってもいい。

(サンキュータツオ)まあだから、太田プロ中核の竜兵会出身的な。土田さんだったりとか有吉さんだったりとかっていうのは、そういうの無いよね。そのトップが上島さんだから。

(マキタスポーツ)でも、とんねるずとかとは絡むよね。

(サンキュータツオ)そうだね。それはそうだね。

(マキタスポーツ)結構意識的に、あそこと絡んだらやっぱりいくつもその、自分たちのピラミッドの中で、とんねるずさんを頂点とする、或いはもっと言うと、『東関東のお笑い』みたいなことを訴えてる(ビート)たけしさんとか最近のとんねるずの石橋さんとかっていうの、あるじゃない?そっちの方では、ちゃんと立てるところは立てるけど、『俺たちは俺たちの世界で、ちゃんと商いやってこうぜ!』とかって気概がある時に、こっちをあんまり立てすぎると、本当バランスが悪くなっちゃって、座長とか横綱とかみたいな感じで立つべきところが立たなくなるっていう意識って、あるんじゃないのかな?

(サンキュータツオ)えー、ちょっと話が漠然としてて良く分かんない。具体的に・・・

(マキタスポーツ)だからダウンタウンに傅く(かしずく)とかね、ダウンタウンとかに絡んだら、こっちの方でちゃんと独立した感じで座長とかには成り得ないんじゃないかってことよ。

(プチ鹿島)だからあれでしょ?敢えて支流にも入っていけるんだけど、でもそこに入って行っちゃうと支流派の1つになっちゃう。だからそこで、『野党』って言ったらおかしいですけど、そこで相見えずの方がやっぱり色っぽいし。

(サンキュータツオ)ただね、その両方に押さえが効いているのが1組だけいるんです。おぎやはぎさんなんです。これ、ダウンタウンとも絡めて、割と関東の芸人とも絡めてる。

(マキタスポーツ)でも座長じゃないじゃん。

(サンキュータツオ)でもMCやるよ!

(マキタスポーツ)MCはやるけど、座長ではないと思うよ。俺は。

(サンキュータツオ)『座長』っていうのはどういうこと?

(マキタスポーツ)『座長』っていうのは、だからやっぱり束ねて、ゴールデン番組の司会をやるぐらいじゃないと『座長』じゃないんじゃない?

(サンキュータツオ)ええっ!?だったらまだ、このへんのメンバーもゴールデンの司会行ってる?

(マキタスポーツ)どれ?

(サンキュータツオ)いや、いま挙がった関東の人たち。

(マキタスポーツ)有吉さんはこの4月からゴールデンの人でしょ。

(サンキュータツオ)それってでも、座長なの?

(マキタスポーツ)もう座長だと俺は思っている。

(プチ鹿島)マキタさんの言ってること、分かるよ。

(マキタスポーツ)何の心配なんだろうね、これ(笑)。俺ら、全く関係ないところで。

(プチ鹿島)要は『懐かしい』も含めてなんですよ。俺ら80年代から10代でテレビ見てきたでしょ?そうするとやっぱりいろんな横綱が台頭してきて。結果的に見れば、おぎやはぎさんとかは横綱なんですけど、何て言うのかな?そのプロレス団体と格闘技系の違いで、何でもできるからどこにでも出陣できて、実際エースなんだけど。そういうのとは別で、何か昭和の仰々しさっていうかさ。それで行くと、久しぶりに有吉さんのこの感じが『あっ、横綱出てきたな』っていうのは何かあるんですよ。

(サンキュータツオ)やっぱりそういう、何だろう?見る人からしたら、たけしさんとか爆笑問題とかに感じていた何かを有吉さんに見るという。

(プチ鹿島)分かりやすく言えばですよ。

(マキタスポーツ)求めていると思うし、それを本人たちがあのへんにいるブレーンの人たちは割と意識してんじゃないかな?

(サンキュータツオ)なるほどね。

(マキタスポーツ)っていうことじゃないと、俺たちのテリトリーというかシマの中で、ちゃんとした食い扶持稼げねーんじゃねえか?とかさ。その世代の座長を持たないと。あまりにもたけしさん、とんねるずと離れすぎてるし。っていうところに有吉さんが来たところがスゴいなと。面白いなと。

(サンキュータツオ)それ、スゴいよね。

(マキタスポーツ)って俺は思うわけですよ。

(プチ鹿島)っていうことはですよ、もっと事務所のキャラで話すと、かつて太田プロというのはやっぱりたけしさんを輩出して、(片岡)鶴太郎さんもいたじゃないですか。だからもう『横綱を出した部屋』としての、ノウハウじゃないけど帝王学の部屋なんですよ。あそこはやっぱり。

(サンキュータツオ)ああ、横綱を出した部屋。

(プチ鹿島)そう。だからこそ、横綱を出した部屋に、やっぱり有吉さんがスポンとここ何年か出てきて。そこもマッチしてるっていう。何かそういうのもあるんじゃない?横綱を育てた部屋だから、それは誰がどういうブレーンで、どういう仕切りで・・・たとえば『西の人とは絡まない』とか、どういう戦略があるのか知らないけど。何かそういうロマンチックな見方ってあるじゃないですか。ああ、やっぱり横綱を出した部屋は流石に。『ダービー馬はダービー馬を出す』みたいなね。なんかそういうの、あるんじゃないですか?

(マキタスポーツ)なるほど。

(サンキュータツオ)(笑)たとえが全部オヤジジャーナルでビックリしてるんですけど。

(プチ鹿島)すげー分かりやすいこと。分かるよね?今のね、言い方。

(サンキュータツオ)全然分かんなかったわ。

(マキタスポーツ)俺ね、もう一つそういうことで言うと、『ヤンキーが胸騒ぎする物件かどうか?』っていうことがすごく重要だと思っていて。結局ね、本を読まないタイプの人たちって、日本全国いっぱいいるわけでしょ?

(サンキュータツオ)もうEXILE聴いて、ワンボックスカー乗っている感じね。

(マキタスポーツ)で、それからたとえばリテラシー度が高い、SNSとかにもいっぱい顔を出しているような人たちとか、本を何冊も読み、あるいは映画をいっぱい見たりとかするじゃない。

(サンキュータツオ)『アカウント5つ持ってます』みたいな。

(マキタスポーツ)やっぱり一番広いじゃん?その、ヤンキーからその文系のすごい濃いリテラシー度の高い人たちまで、平等に『ああ、有吉おもしれー!』っつって。

(サンキュータツオ)それ、スゴいね。たしかに!クラスのみんなから一目置かれる。

(マキタスポーツ)これ、たとえば劇団ひとりでもおぎやはぎでも出来ないんじゃないの?やっぱり。

(サンキュータツオ)まあ、twitterのフォロワー数、日本一ですからね。

(マキタスポーツ)だからそのtwitterのフォロワー数なんてのにも如実に現れてるけど、文系の人からも支持されてるし。

(プチ鹿島)でもさ、そこはやっぱり1回電波少年でさ、1度売れてて、それはさんざん語り尽くされてる、言われてることだろうけど、『這い上がってきた感』ってあったじゃない?みんな、今それこそ1億総ツッコミで、最初からいわゆる『二枚目のお笑い』って出来ないじゃないですか。有吉さんの場合、二枚目どころか、『あっ、有吉(笑)』って半笑いされてて、それが窮鼠猫を噛む感じで大物に食いついてった。それが、『おっ、面白いな!』っていう。最初から、やっぱり見てる方も油断してたのもあったし、ハードルも低く。で、そこをまんまと噛み付いてきたっていう、そこのさ、痛快感あるじゃんか。

(マキタスポーツ)あるね。

(プチ鹿島)『俺は噛ませ犬じゃねーぞ!』みたいな。それこそさ。その大勝負をモノにしてきてるじゃないですか。そこ、デカいと思うんですよ。

(サンキュータツオ)プロレスファンにとっても、かなり胸熱なところはあるんですか?

(プチ鹿島)いや、だからその何ですか?『おしゃクソ事変』とか、あれ本当のドキュメントだと思うし。本当の歴史の教科書に載っていいぐらいの。やっぱりリアルだと思うんだよ。本当に。

(マキタスポーツ)で、且つそれをやった後に、従来のイメージだったらだよ、そういう芸人が惚れる地味目な芸人になっていくのかなと。っていう収まりになるのかなと、何となくイメージありませんでした?で、そういうピンポイントで来てたんですね。ちょっと毒舌で散らかしてパッと帰っていくっていう。というイメージもあったんだけど、いやいや、意外や意外。ドッシリと構えて、本当にあなたが言う横綱相撲的な・・・だんだん言葉数も少なくなり、ピンポイントで針を刺すようにプッとこう。それ一発でCMに行くみたいな。すごい効率のいいこととかの、あの本当に・・・

(プチ鹿島)だから本当にね、ファイトスタイルというか相撲・・・もう相撲で統一するけど、取り方が変わってきてるんです。

(サンキュータツオ)相撲で統一(笑)。開始20分くらいでようやく相撲で統一されました。

(プチ鹿島)相撲で統一します。だから、それなりの器にあわせた取り方。ね、あなた草相撲強いから分かると思う。

(マキタスポーツ)そう。草相撲強いから。

(プチ鹿島)分かるんだよ。ここはもうツーカーで分かる。分かるでしょ?要は立ち会いで相手のほっぺたを張って、突っ張ってワーッ!っていうヤンチャな相撲はいいよ。出てきた時はそれで。だけど、横綱になってもそういう相撲を取るわけにはいかないんです。

(マキタスポーツ)まわし取らせてね、四つに組んでね・・・

(プチ鹿島)バシッ!と相手を胸元で受けて、それを1回やって・・・

(マキタスポーツ)倒す。

(プチ鹿島)そう。品よく。そういうことになってるんです。お相撲の取り方が。素晴らしいじゃないですか!

(サンキュータツオ)(笑)完全に相撲論になってますよ。

(マキタスポーツ)と、ダウンタウンのことを混ぜっ返せば・・・やっぱり紳助さんが抜けた穴って意外とデカいんじゃないですか?紳助さんがいたら、あれちょっと1個、ロケット鉛筆式で言うと・・・

(サンキュータツオ)あそこまでやっぱり領土問題には発展してないか。だから割と今は関東勢が1つ領土を作って、そこを死守して、ちょっとずつ領土を広げていってる感じ・・・

(マキタスポーツ)そうそうそうそう。そういうイメージよ、俺。違うかい?

(サンキュータツオ)いや、俺なんかそういう感じしてるんすよね。で、この最近のテレビ業界における芸人の使われ方っていうのを見ていて、自己分析も含めですよ。僕らもだって、山師としてこの業界に飛び込んでるわけですから。最終的には、もう真ん中に行きたいわけじゃないですか。で、これ何でなのか?っていうのを考えたんですね。僕は、言うても太田プロ勢の有吉さんとか土田さんって、ものすごい好きなんですけど、妄想するに、俺の妄想なんだけど、『ネタ・コンプレックス』あるんじゃないかな?と思うんですよ。

(プチ鹿島)えっ、それ・・・

(サンキュータツオ)『ネタで世に出てない』っていう。

(マキタスポーツ)ふーん・・・

(プチ鹿島)そのコンプレックス、どう影響してるの?

(サンキュータツオ)それが、テレビ番組的な座組の中で活躍することによって、頑張るんだけど慢心しないんですよ。やっぱり。だから全部の技術を高めてくんだけど、でも、『ネタで世の中に認められたわけじゃないからな』っていうのがあるからこそ、その座組っていうものが組織的にならないというか。割とこう、1つのコマ足りうるというかね。

(マキタスポーツ)ほー、なるほどね。

(サンキュータツオ)その、テレビディレクターとかプロデューサーの野心を満足させる1つのコマに成りえてるんじゃないかなと。

(マキタスポーツ)じゃあ俺の考えてたのと一致するのかもしれない。

(サンキュータツオ)妄想ですけどね。

(マキタスポーツ)俺、いまいち、素晴らしいと思いますけど、有吉さんとかネタ出てないじゃん?俺、『ネタで勝負しようか?』っていうような気持ち、あるよ。たとえば。そういうことでしょ?だけど、俺のそういう気持ちとかが、かえって貧乏くさいってことでしょ?

(サンキュータツオ)何かね。俺はそういう感じがするわけ。

(マキタスポーツ)が、上手くいってるっていうことだよね。

(サンキュータツオ)で、やっぱり最近ネタ・・・たとえばネタとバラエティでの使われ方のギャップっていうのが、年々開いてきてるわけですよ。たとえばネタ番組で優勝したりとかしても、バラエティ番組で全然成長できない。逆に言うと、ネタじゃなくてもバラエティで機能してくるっていうことを考えると、使う側でいくつかお笑いを座組する時のポジショニングがあるんじゃないかと。『お笑いポジション論』っていうのを考えたんです。

(プチ鹿島)それ、何ですか?発表してください。

(サンキュータツオ)芸人は5種類の芸人に分けられると思うんです。

(マキタスポーツ)5種類?お前、また好きなバスケに絡めてるんだろ?

(サンキュータツオ)そうなんです。あの、バスケのポジションになぞらえてるんです。

(マキタスポーツ)このおじさんだったら9人にするぞ。

(プチ鹿島)『4人足りねーな』と思って。発表して、ちょっと。

(サンキュータツオ)1:『回し』。要は司会をやるタイプですよね。その場を仕切るタイプ。だからいわゆる、ツッコミの人がやるようなことでもあるかもしれない。

(マキタスポーツ)うん。

(サンキュータツオ)2:トークで走る『主役』。エースですよね。だからこの(東京ポッド)許可局で言うとマキタさんがよく喋るパターンが多いんで、この場合だとマキタさんが2番ということになると思いますけども。まあ、エピソードトークも出来るし、振られればボケることも出来るし、使う側が望む尺でまとめることが出来る人。

(プチ鹿島)うん。

(サンキュータツオ)3:『リアクター・コメンテーター』。これはもう完全に鹿島さんですよね。

(プチ鹿島)リアクターですか?

(サンキュータツオ)たとえばマキタさんがしゃべる。それに対して笑うとか、それかコメントでもう一笑い乗せてくるとか。で、それを司会の人が突っ込む的な感じ。

(プチ鹿島)タツオね、それ俺、得意だわ。3番ですね。リアクター。

(サンキュータツオ)(笑)そうでしょ?鹿島さんは日本でも指折りの3番だと思います。

(マキタスポーツ)これ、バスケで言うと何?たとえば。

(サンキュータツオ)えーと、これはもうリバウンダーですね。完全に。ボール全部拾って、外したシュートも全部拾って自分が決めるっていうパターン。

(マキタスポーツ)且つ、供給源にもなる。

(サンキュータツオ)供給源にもなるんで、この人自身も笑いを取れると。コメントで笑いを取らない場合は、単にワイプで抜かれる矢口真里さんポジションですよね。

(プチ鹿島)そこ、いい表情すればいいんだろ?

(サンキュータツオ)そうです。で、4:『アクセント・ピンポイントリリーフ』。飛び道具です。これはもう、江頭さんポジション。キャラクターがあって、本当に1分から5分、まあもって3分くらい。

(プチ鹿島)まあ、ワンポイントリリーフね。

(サンキュータツオ)そのあたりをガッと笑わせてくれる。5:『スペシャリスト』。その人しかできないものってのを持っているっていう。

(プチ鹿島)これは何?ピンポイントと何が違うの?スペシャリスト・・・

(サンキュータツオ)ピンポイントっていうのは、キャラ持っていればいいんです。だけど、5番打てるのは知識と技術がある程度必要。

(プチ鹿島)これは何?たとえば、学者で辞書に詳しいとかそういうこと?

(サンキュータツオ)ま、そういうことかもね。

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(マキタスポーツ)(笑)だから森永卓郎って、スペシャリストで登場してコメンテーターになったよね。

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(サンキュータツオ)そういうことです。だから、1人の芸人が何番のポジションを兼務できるか?ってことなんです。まず。

(プチ鹿島)そうですよね。で、森永卓郎の、最近僕アベノミクスの司会をやらされていろいろ本を読んだんですけど、あの人がやっぱりすごいのは・・・

(マキタスポーツ)あなた、アベノミクスのことをコメンテーターなってるの?

(プチ鹿島)コメンテーターっていうか司会を。司る。だから知らないから。森永さんってスゴいんだよね。みんながいない・・・競馬で言うなら大穴評論家なんですよ。だから、絶対需要があるの。あの人。で、突っ込まれて泣き顔になって。そりゃあ、売れるよ!

(サンキュータツオ)いじられ役でもあるんですよね。

(プチ鹿島)そうなんです。みんなね、本命じゃないんです。大穴予想は絶対いるわけ。(クイズダービーの)篠沢教授みたいな。森永さんってそういうことなんだよ。で、キャラもいいし。森永さんを通して見ると、テレビに出る感じって研究できるかもしれないですよ。

(マキタスポーツ)なるほどね。

(サンキュータツオ)そう。だから俺ね、森永さんに関してはものすごい考えたことがあるんです。

(プチ鹿島)(笑)タツオがもう、考えてるのかい!

(サンキュータツオ)っていうのは、『俺のライバルどこだろう?』って思った時に、森永さんなんですよ。オタクで学者でしょ?あの人。で、ラジオで帯(番組)やってたんですよ。

(プチ鹿島)でも、ボケ風味がくるぞ。

(サンキュータツオ)いや、そうなんです。だからそこは、口の端っこに泡ためてる感じとか、たまんないですけど。そこはやっぱりいじられ役も出来るっていうことで、あの人、全部持っている!

(プチ鹿島)そう。そこなんだよ。

(サンキュータツオ)司会も出来るし、回しやってトークでも走れるし、コメンテーター出来るでしょ?で、スペシャリストでしょ?ピンポイントリリーフで使われることがあるの。映像で、森永さんだけ別室で抜かれるみたいなことはあるんで。

(マキタスポーツ)ふーん。テレビ芸のポジションだね、これは。

(サンキュータツオ)そう。ただ、全部出来れば最強か?っていうとそうでもなくて、『今、何番やっているか?』っていうイメージの方が大事なわけ。で、芸人ってどう出世していくか?っていうと、最終的に1番に行くんだよ。

(マキタスポーツ)なるほど。回しの方に。

(サンキュータツオ)そう。だからたとえばピンポイントリリーフで『人にアダ名を付ける』っていう芸から入った4番の人が、そのうちコメントを求められるように3番に行くでしょ?で、自分のことを語る2番に行き、最終的に1番に・・・

(プチ鹿島)これ、まさに有吉さんじゃないですか。有吉さんはだから、4番?ピンポイント、で、リアクター。

(サンキュータツオ)で、トークで走る主役。ポイントゲッターですよ。フォワードですよ。

(プチ鹿島)まあ、トークで走るっていうのはその人がメインのゲストとかってことでしょ?

(サンキュータツオ)そう。そういうこと。だから『徹子の部屋』に呼ばれる感じ。で、1番がもう(黒柳)徹子になっちゃう。

(プチ鹿島)俺ね、すっげー分かる。この分類。っていうのは、一発屋芸人のことを考えてください。ああ、この人売れたなと。たとえば、キンタロー。でもいいし、昔だったらダンディ(坂野)さんとか出てきて、俺、漠然と見てて。一発屋芸人は4番ですよね?だけど一番すげーのはその周りで笑っている芸人の方がすげーじゃねぇか?っていうことを俺は言いたいわけ。その日常に溶け込んでいるわけだから。そりゃあ3番とか2番でしょ?

(サンキュータツオ)一番むずかしいのは4番から3番へのシフトなの。大概一発屋はコメンテーター・リアクターを求められた時に仕事が出来ない。だから『エピソードトーク言って下さい』とか『これ見て何か一言ください』で、出来ない。だから4番のまま終わってしまう。

(プチ鹿島)いやいや、それは分かるんだけど、じゃあ逆に聞くけど、俺もう3番。完璧じゃないですか?

(サンキュータツオ)完璧です。鹿島さん。で、まだ世の中が気づいてないんですよ。だから1番も出来るんです。あなた。

(プチ鹿島)違うんですよ。俺、1番と・・・1番も出来るでしょ?1番は出来るからいいんですよ。MCは出来るからいいんです。違う、一番大事なのはここなんです。4番のピンポイント、要は『キャラ』なんです。

(サンキュータツオ)そう。だから世に出るきっかけは4番なんです。

(プチ鹿島)そうなんです。っていうことは何?ここ、すげー今、俺感じてて・・・

(マキタ・タツオ)(笑)

(サンキュータツオ)もう人生相談じゃん!ただね、これ聞いて下さい。世に出るには4番か5番からなんです。要はピンポイントキャラ持っているか、スペシャリストか。マキタさんが何で出たかって言ったら、『歌』っていうスペシャリストだったんです。『ギター』っていうスペシャリストだったんですよ。でまあ、そこにたまたまブルーリボンっていうドラが乗っかったっていうのはありますよ。ですけどやっぱり、基本的には5番をやっていて、他の仕事で司会もやってたんで、基本1・5は出来るんですよ。

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(プチ鹿島)だから、もう1のMCとかどうでもいいわけ。絶対出来るから、もう。そうじゃなくて違うんです。

(マキタスポーツ)(笑)

(サンキュータツオ)4番がほしいと。名刺がほしい。

(プチ鹿島)じゃあ、あなたのご挨拶。10秒・20秒でネタやってください。だからさっきの太田プロなんだよ。俺、太田プロなんだよ。トークは上手いけど、ネタで世に出てないっていうコンプレックスですよね。

(サンキュータツオ)ただね、じゃあ今、この4番。キャラ持っている、あるいはピンポイントリリーフになっているっていうのが、昔だったら一発芸、あるいはネタだったんです。ラップでも良かったわけですよ。ジョイマンみたいに。とか、「切腹!◯◯斬り!」でも良かったの。これが、『人にアダ名をつける』でもいいんです。最終的には。

(プチ鹿島)いやいやタツオ、それは分かるよ。分かるけど、でもその時点で、有吉さんはいるじゃん。テレビのその場に。そうはいっても有吉さん、知名度もあったじゃない。で、1回落ちてるっていうそのイジり方で出てるじゃない。俺は何も無いですよ。じゃあ何も無い奴がわざわざその場に呼ばれるって、よっぽど何か無いとダメですよ。

(サンキュータツオ)だからやっぱりネタが無いとダメですよ。キャラが無いとダメっていうことです。

(プチ鹿島)結局そういうことでしょ?だから俺、最近さ、スタン・ハンセンこと考えて。あの人、来た時は鈍くさいままなの。鈍くさいただのパワーファイターで、写真みると何にもないテキサスの、ただの田舎のアレなの。だけどベテランレスラーが「お前、ちょっとテキサスの暴れん坊っていうギミックをちょっとやってみろ」って。ウェスタンハットかぶってブルロープっつったら、人ってもう変わるんだよ。顔つきから変わって。で、ラフファイトで。下手なんですよ、プロレスが。下手だからこそ、相手の首折っちゃったりして、それがエピソードになるんです。これ、一発屋芸人です。ピンポイント。だからそれで、ギミックって必要だなって。

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(サンキュータツオ)そう。で、大概の人はギミックありきでネタしか出来ないんですけど、1から3出来る人こそ、4番・5番やるべきなんですよね。

(プチ鹿島)ああ、そうだね。逆算でね。

(サンキュータツオ)そう。だって、世に出れば、あとは3から1まで行けるわけだから。

(プチ鹿島)逆に4と5。4のピンポイント、キャラがある人は今、たくさんいて、みんなたくさん世に出てる。だけで3・2・1になれないからってことでしょ?

(サンキュータツオ)で、3・2・1出来る人は4番のネタやらない。だから俺、バナナマンが世に出たときってさ、『登竜門』に一発出てやったんだよ。手、叩いて。覚えてる?だからもう芸人’s 芸人だったじゃないですか。誰もが認めるコンビだった。

(マキタスポーツ)そうだね。

(プチ鹿島)だって、あの方たちはちょっと前までさ、『すごい上手いけど中央にはたぶん引っ張られないんだろうな』っていうのはちょっと、あったじゃないですか。

(サンキュータツオ)一番売れてますよ。

(プチ鹿島)一番売れてるじゃない。それやっぱり、キャラとかがさらに乗っかったってことなの?

(サンキュータツオ)まあまあ、だから世に出るピンポイントとしてのネタっていうのを達成した上で、リアクター・コメンテーター出来ますよね。キャラ持っているし。で、2人でトーク出来ますし。回し、設楽さん出来ますよね?何だったら設楽さんだけ朝の帯やってますから。で、日村さんはずっと4番も出来るわけでしょ?キャラ持っているし。っていう意味では、強いんですよね。

(マキタスポーツ)でもたしかにこの指標ってすごい分かりやすい。これ、役者にも言えるよね。

(サンキュータツオ)分かんない。

(マキタスポーツ)そうだよ。だって俺、今んところブルーリボンでいただいたの、これだもん。アクセント・ピンポイントリリーフ。で、俺いまこれをすごい意識してるわけ。芸人の時だけだと、俺のキャラ付けで言うと、顔のガワよりもやっている内容とかの、5番とかのスペシャリストのことを求められているところからスタートしてるんで。だけどこっちでは完全にハゲ枠だからね。映画とかの中では。

(サンキュータツオ)そうか。泉谷(しげる)枠。

(マキタスポーツ)泉谷とか温水(洋一)とか。

(プチ鹿島)でんでん。

(マキタスポーツ)第二でんでんですから。とにかく俺、第二でんでんを・・・

(サンキュータツオ)第二でんでん(笑)。

(プチ鹿島)戦ってるなー。そういう枠の中であなた、戦ってんのね。

(マキタスポーツ)ここでは俺、完全に映像的なノイズ役ですから、4番のアクセントおよびピンポイントリリーフっていうことじゃないですか。この役者の世界の1番・・・主役でやる方は言葉数少なく、晩年の寅さんみたいなことじゃないですか。(高倉)健さんとかってことであって。自分で今、それを思いながら、『今ここだから、これとこれが出来るのか?』みたいな。すごい今、わかりやすかった。

(サンキュータツオ)なるほど。まあラジオなんで『これとこれ』で説明しないように。

(マキタスポーツ)3番とね、2番。3番と2番がね、出来るのかどうか?みたいなね。

(サンキュータツオ)でも、芸人としてはスペシャリストから入りましたからね。鹿島さんも4番か5番、どちらかからなんだよ。

(プチ鹿島)よし、じゃあキャラ芸人になれってことだろ?

(サンキュータツオ)でも時事ネタもってるから。大丈夫ですよ。

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(プチ鹿島)意外と今の生活、好きだったりするんですよね・・・

(サンキュータツオ)(笑)

<書き起こしおわり>

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許可局2013年4月19日①「有吉横綱論」