宇多丸 DJ PMX Three The Hard Wayで高木完 ECDとの共演について語る

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宇多丸さんが9月1日のラジオ ウィークエンド・シャッフルでDJ PMXの新アルバム「THE ORIGINAL II」に収録される「Three The Hard Way」という曲でHIP HOPレジェンド(a.k.a パイセン)の高木完さん・ECDさんとの共演について語っていました。

(宇多丸)時空のねじれといえばですね、あの話題のフィーチャリング曲。先週本当はOAしたかったんですけど、野球延長でかけられなかったんで今週かけようと思うんですけど。今月9月5日に発売となるDJ PMXさんという、日本のウェッサイーな、ウェッサイーっていうのは西海岸風サウンドといいますか、サウンドプロデューサーとして長年活躍しておりまするDJ PMXさん。

PMXさんはウェッサイーなシーンの顔になる前から、日本のHIP HOPの初期の作品のマニピュレーターとしてもずっと、それこそRHYMESTERの初期の作品なんかも一緒に作ったような、昔から大活躍されている方なんですけども。

DJでありプロデューサーのDJ PMXさん、アルバム「THE ORIGINAL II」が今月5日に発売になる、そこに入っている曲でネット上などでは一部の好事家たちが「何この組み合わせ!?」といって非常に話題になっておりました曲がありまして。DJ PMX Feat.ワタクシ宇多丸 そして高木完・ECDっていうね・・・宇多丸・高木完・ECD。これね、日本のHIP HOPの歴史にちょっとでも通じている人だったら「えー、そんなこと実現するの!?」っていうメンツなんですね。

宇多丸・高木完・ECDの共演

まず高木完さんという方は、タイニー・パンクスというグループを藤原ヒロシさんとかつて組んでおられてまして、日本のHIP HOPの黎明期、近田春夫さんだとかいとうせいこうさんと並んで高木完さん・藤原ヒロシさん、そのあたりが日本のHIP HOPをはじめたという世代で。で、僕はまさにHIP HOPを本格的に、もともとそういうブラックミュージック的なものが好きでしたけど、ラップというものに傾倒していく、まして自分でやるなんていうところに足を踏み入れていくのは高木完さん、まあ「完ちゃん」ですよ、完ちゃんたちの活動が大きくて。

僕はもともと映画が大好きで、手塚治虫さんの息子さんの手塚眞さんがついに劇場用長編映画をデビューすると、「星くず兄弟の伝説」これ近田春夫さんが作った架空の映画のサウンドトラックの、ホントの映画を作ったというヤツなんですね。

で、それの主演が高木完さん、当時高木一裕さんという名前でしたけど。要は映画好きとしてその映画見に行って、それに出ていた高木一裕さんという人が宝島とかで連載を持っているらしい。で、そういうのを読むようになって、この人達すごく面白いしかっこいいからということでいろいろと情報を追っかけるようになったんですよ。

そうこうするうちに、実は今日これから流す曲のリリックに出てきますけど、POPEYEの86年何月号だったかな、自分のリリックで忘れちゃいましたけど、POPEYE86年のSEX特集なんですよ。その号はSEX特集で、やれ女はこうしないと男はなんとか駄目だダメだと書いてあって、僕はそういう特集を見るたびに絶望してポロっていうね・・・strong>ポロって泣いていたの。これ、詳しくはスチャダラパーの『ヤングトラウマ』という本に詳しく書いておりますけど、もうダメだと。

僕はもうずっとこの調子で恋だ何とかと無縁で、こんなこと言われちゃ生きていけないと。80年代っていうのはそういう時代だったわけですよ。で、もう絶望してもう「死ぬか、死ぬか、死ぬしかないのか!」とペラッ、ペラッとめくっていったらドーーーン!これ、完ちゃんたちのページで当時「エレキテル」っていう治外法権的なページがあって、そこでいままでやれヴィヴィアンウエストウッドだなんだってのを着ていた人が、いきなりジャージ着てるんですよ。

ジャージ着てカッコつけてるの。で、友達と「絶対冗談だろ」と。「悪い冗談だろ?」と。でも、違ったんですね。要するにこれからはHIP HOPだと。で、それによって僕は「あ、元気でてきたかも。そうか、ジャージを着て、別に何にも出来ないオレでも、これだったら元気出るかもしれない。ブサイクなヤツでも元気出るかもしれない。」って。そっからここに至るみたいなところがあって、非常に完さんたちは大きい。

で、あとECD。私、石田さんと呼んでますけども。もう本当に、キャリア的には同期間ですけどね。ほとんど同じ時代を戦ったっていうところは。そして後に石田さんは石田さんの独自の道を行かれるようになってっていうのはあるけれども、まあとりあえず「さんぴんCAMP」っていう歴史的イベントの主催者。そこまでは割とホントに同じシーンでずっと戦ってきた、でも僕はまあ石田さんはある意味最初の純ラッパーっていうか。それまで、完ちゃんとか近田さんとかいとうさんとかは他でも活躍していた人が「これからはHIP HOPだ」っていったのに対して、石田さんはそれまで全く無名だったわけで。いろいろ劇団とかはやられていたけれども、無名の人がラップで初めて注目された人のはじめですよね、石田さんはね、ECDは。そういう意味で、背中を見てきたっていうところもありますし。

というわけで、知り合いになってからは結構経つけれど、まさか今になって一緒に曲作るなんてことは、普通は思わないんですけど。でもそこをまとめる、中心になるのはPMXさん、PMXさんが呼びかけたからこういうことが実現しちゃったっていうね。で、集まって一緒にトピック決めしたりとか、レコーディング当日行ったら石田さんが、ECDがちゃんとサビ作ってきてくれたりとか、石田さんのそのガッツに打たれたりとか・・・オレ的になんか歌詞にも溢れていると思うんですけど、すごい嬉しくて。なにが嬉しいって「パイセン(先輩)」!

パイセンに絡むっていう、パイセンがあんまりいないんですよね。DJ YUTAKAさんとかCRAZY-Aさんとかいますけど、あんまりその僕らが最年長になって久しいシーンの中で、たまにパイセン的な人に会うと僕はしゃいじゃう。(赤江珠緒)たまむすびで瀧さんとか玉さんにも言ったんですけど、なんかはしゃいじゃうところがあって。

そんな喜びに溢れている部分もあるんじゃないでしょうか。僕が今話したような、86年のPOPEYEを見た衝撃なんかも歌詞に入ってたりしますんで、クラブ黎明期の雰囲気なんかも感じ取っていただけたらいいんじゃないでしょうか。できるだけ長く、全員のヴァースが聴けるように行ってみましょうか。ということで聴いてみてください、DJ PMX feat.宇多丸 高木完 ECDで「Three The Hard Way」!



はい、DJ PMX feat.宇多丸 高木完 ECD「Three The Hard Way」、今月5日発売 DJ PMXさんの「THE ORIGINAL II」に入っていますのでぜひぜひ聴いてみてください。あとね、他にも総勢ものすごい数入っているアルバム、日本語ラップ史に残る数入っているアルバムになっているみたいなんで、ぜひお聴きください。この3人で録音終わった後にインド料理屋行って、ビール飲みまくってすごい楽しかったんでね。やっぱりパイセンといるとはしゃいでしまうというお話でございました。

<書き起こし終わり>

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